長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部はその後の尚巴志の活躍です。お楽しみください。

2-160.上比屋のムマニャーズ(第一稿)

女按司(みどぅんあず)のマズマラーのお世話になって、村(しま)の人たちと一緒に楽しい酒盛りをして、狩俣(かずまた)で一泊したササたちは、翌日、クマラパとタマミガの案内で赤崎のウタキに向かった。 途中、白浜(すすぅばま)に寄ったら浜辺に仮小屋がいくつ…

目次 第二部

尚巴志伝 第二部 このイラストはは和々様よりお借りしました。 山田のウニウシ(第二稿) 護佐丸、尚巴志を頼って首里に行く。 胸のときめき(第二稿) 護佐丸、島添大里で恋をする。 恋の季節(第二稿) サグルーとササ、山田で魂を抜かれる。 キラマの休日…

目次 第一部

尚巴志伝 第一部 月代の石 このイラストはは和々様よりお借りしました。 誕生(最終決定稿) 尚巴志、佐敷苗代に生まれる。 馬天浜(最終決定稿) サミガー大主とヤマトゥの山伏、クマヌ。 察度と泰期(最終決定稿) 浦添按司察度、過去を振り返る。 島添大…

第二部 主要登場人物

サハチ 1372-1439 尚巴志。島添大里按司。マチルギ 1373- 尚巴志の妻。伊波按司の娘。サグルー 1390- 尚巴志の長男。妻は護佐丸の妹、マカトゥダル。ジルムイ 1391- 尚巴志の次男。後の尚忠。妻はサムの娘、ユミ。ミチ 1393- 尚巴志の長女。島添大里ヌル、サ…

2-159.池間島のウパルズ様(第一稿)

狩俣(かずまた)から小舟(さぶに)に乗ってササたちは池間島(いきゃまじま)に向かった。クマラパは池間島の神様は苦手じゃと言って、行くのを渋っていたが、娘のタマミガに説得されて一緒に来てくれた。 神様のお陰か、季節外れの南風を帆に受けて小舟は気持ち…

2-158.漲水のウプンマ(第一稿)

昨夜(ゆうべ)、目黒盛豊見親(みぐらむいとぅゆみゃー)が開いてくれた歓迎の宴(うたげ)で遅くまでお酒を飲んでいたのに、ミャーク(宮古島)に来て心が弾んでいるのか、翌朝、ササは早くに目が覚めた。まだ夜が明ける前で、外は薄暗かった。 空を見上げて、ユ…

2-157.ミャーク(第一稿)

ササたちを石垣に囲まれた狩俣(かずまた)の集落に入れてくれた白髪白髭の老人は、女按司(うなじゃら)のマズマラーの夫のクマラパという明国(みんこく)の人だった。正確に言えば、クマラパが明国を出て琉球に行った時、まだ明国は建国されていなかったので、…

2-156.南の島を探しに(第一稿)

十五夜の宴(うたげ)の翌日、台風が来た。それほど大きな台風ではなかったが海は荒れて、大里(うふざとぅ)ヌルとフカマヌルは久高島(くだかじま)に帰れなかった。 大里ヌルは二階堂右馬助(にかいどううまのすけ)と一緒にどこかに行ってしまい、二日後に島添大…

2-155.大里ヌルの十五夜(第一稿)

ウニタキが山北王(さんほくおう)の軍師、リュウイン(劉瑛)を首里(すい)に連れて来た。 一緒に来たのはリュウインの弟子の伊野波之子(ぬふぁぬしぃ)と東江之子(あがりーぬしぃ)だった。二人とも三十歳前後の年齢で、リュウインが今帰仁(なきじん)に来た時に…

2-154.武装船(第一稿)

三姉妹の船が旧港(ジゥガン)(パレンバン)の船とジャワの船を連れてやって来た。メイユーは今年も来なかった。娘のロンジェンは健やかに育っていると聞いて、サハチは会いに行きたいと思った。 ソンウェイ(松尾)は約束を守って武装船を持って来てくれた。…

2-153.神懸り(第一稿)

久米島(くみじま)から帰って来たサハチは、クイシヌと出会ったあとの出来事が、夢だったのか現実だったのかわからなかった。ウニタキに連れられてクイシヌの屋敷に行って、クイシヌの顔を見た途端に、頭の中は真っ白になった。どうやって、ニシタキの山頂ま…

2-152.クイシヌ(第一稿)

安須森(あしむい)ヌル、ササ、シンシン、ナナはクイシヌ様と一緒にニシタキ(北岳、後の宇江城岳)に登った。新垣(あらかき)ヌル、堂ヌル、ミカと八重瀬(えーじ)ヌルも一緒に行った。 サハチ、ウニタキ、ファイチの三人は馬を借りて、チヌムイの案内で島内を…

2-151.久米島(第一稿)

六月五日、今年最初の進貢船(しんくんしん)が出帆した。南部の戦騒ぎで半年も遅れた船出だった。 正使はサングルミー(与座大親)、副使は久米村(くみむら)の唐人(とーんちゅ)の韓完義(ハンワンイー)で、クグルーと馬天浜(ばてぃんはま)のシタルーが従者とし…

2-150.慈恩寺(第一稿)

五月四日、梅雨が明けた青空の下、国場川(くくばがー)でハーリーが賑やかに行なわれた。戦(いくさ)の後始末も終わり、二年振りに三人の王様の龍舟(りゅうぶに)も揃う事もあって、観客たちが大勢やって来た。 シタルー(先代山南王)はいなくなったが、新しい…

2-149.シヌクシヌル(第一稿)

佐敷グスクのお祭りの三日後、ササの弟子たちと安須森(あしむい)若ヌル、マユの一か月の修行が終わった。 ヂャンサンフォンは運玉森(うんたまむい)ヌルと二階堂右馬助(にかいどううまのすけ)を連れて山グスクに移って行った。ヂャンサンフォンのもとで修行を…

2-148.山北王が惚れたヌル(第二稿)

中山王(ちゅうさんおう)が女たちを連れて久高島(くだかじま)参詣をしていた頃、島尻大里(しまじりうふざとぅ)グスクでは山北王(さんほくおう)の代理として本部(むとぅぶ)のテーラーが、山南王(さんなんおう)の他魯毎(たるむい)に戦勝を祝福して、援軍を送っ…

2-147.久高ヌル(第二稿)

戦後処理も片付いた四月の三日、一月遅れの久高島参詣(くだかじまさんけい)が行なわれた。 グスク内に閉じ込められている女たちにとって、久高島参詣は年に一度の楽しみだった。それが戦(いくさ)のために中止になってしまったので、思紹(ししょう)の側室たち…

2-146.若按司の死(第二稿)

山南王(さんなんおう)に就任した他魯毎(たるむい)は豊見(とぅゆみ)グスクから島尻大里(しまじりうふざとぅ)グスクに引っ越しを始めた。すぐ下の弟、兼(かに)グスク按司が豊見グスクに移って、豊見グスク按司を名乗り、四男のシルムイが阿波根(あーく゜ん)グ…

2-145.他魯毎(第二稿)

島尻大里(しまじりうふざとぅ)グスクが落城した翌日、大(うふ)グスク、与座(ゆざ)グスク、真壁(まかび)グスクが降伏して開城した。 長嶺按司(ながんみあじ)と瀬長按司(しながあじ)の兵に包囲されていた大グスクは、サムレー大将の真壁之子(まかびぬしぃ)が捕…

2-144.無残、島尻大里(第二稿)

三月十日の早朝、他魯毎(たるむい)の兵と山北王(さんほくおう)の兵によって島尻大里(しまじりうふざとぅ)グスクの総攻撃が行なわれた。 本部(むとぅぶ)のテーラー率いる兵二百人が大御門(うふうじょー)(正門)の前に陣を敷いて、他魯毎が率いる兵二百人が東…

2-143.山グスク(第二稿)

米須(くみし)グスクは予想外な展開で開城となった。 敵陣に突っ込んで行った米須按司の行動は不可解だったが、若按司の話から、ああなった経緯はわかった。 物見櫓(ものみやぐら)の上で若按司と喧嘩をした按司は、重臣たちを集めて戦評定(いくさひょうじょう…

2-142.米須の若按司(第二稿)

南部での戦(いくさ)は続いていたが、二月二十八日、島添大里(しましいうふざとぅ)グスクで、例年通りのお祭り(うまちー)が行なわれた。いつもよりも厳重な警備の中でのお祭りだったが、天候に恵まれて、大勢の人たちが集まって来て、お祭りを楽しんだ。いつ…

2-141.落城(第二稿)

首里(すい)のお祭りから六日後の昼下がり、玻名(はな)グスクに一節切(ひとよぎり)の調べが流れていた。 吹いているのは勿論、サハチである。高い櫓(やぐら)の上から海の方を見ながら吹いていた。 戦(いくさ)を忘れさせる心地よい調べで、グスクを包囲してい…

2-140.愛洲のジルー(第二稿)

シンゴとマグサの船が馬天浜(ばてぃんはま)にやって来た。 知らせを聞いたサハチは玻名(はな)グスクから馬天浜に向かった。 すでに、『対馬館』で歓迎の宴が始まっていた。マチルギと安須森(あしむい)ヌルになった佐敷ヌルが来ていて、みんなを出迎えたよう…

2-139.山北王の出陣(第二稿)

山北王(さんほくおう)の兵が南部に出陣する前、今帰仁(なきじん)に驚くべき知らせが届いていた。知らせたのは奄美按司(あまみあじ)の使者で、鬼界島(ききゃじま)(喜界島)の鬼界按司の兵が全滅して、以前のごとく、御所殿(ぐすどぅん)が島を支配していると…

2-138.ササと若ヌル(第二稿)

玻名(はな)グスクから引き上げたササは、八重瀬(えーじ)グスクに寄ってマタルーの長女のチチーを連れ、兼(かに)グスクに寄ってンマムイの次女のマサキを連れて与那原(ゆなばる)に帰った。チチーを八重瀬ヌルに、マサキを兼グスクヌルにしなければならなかっ…

2-137.山南志(第二稿)

ウニタキが今帰仁(なきじん)から帰って来たのは、年が改まる三日前だった。湧川大主(わくがーうふぬし)が鬼界島(ききゃじま)(喜界島)から帰って来たという。「今の所、戦(いくさ)の準備はしていないが、来年の正月の半ば頃には南部に兵を送るようだ」とウ…

2-136.小渡ヌル(第二稿)

シタルーが亡くなってから二か月近くが経っていた。 タブチはチヌムイを連れて琉球から去り、八重瀬(えーじ)グスクはタブチの娘婿のマタルーが入って、八重瀬按司を継いだ。具志頭(ぐしちゃん)グスクにも娘婿のイハチが入って、具志頭按司を継いだ。 島尻大…

2-135.忘れ去られた聖地(第二稿)

具志頭(ぐしちゃん)グスクを出て、仕事に戻れとサタルーを追い返したあと、ササたちを八重瀬(えーじ)グスクに連れて行こうかとサハチが思っていたら、耳元でユンヌ姫の声が聞こえた。「面白い所に連れて行くわ」と言ってから、「ササには聞こえないから大丈…

2-134.玻名グスク(第二稿)

島尻大里(しまじりうふざとぅ)グスクの包囲陣が壊滅したあと、戦(いくさ)は膠着(こうちゃく)状態に入っていた。他魯毎(たるむい)は島尻大里グスクを攻める事をやめて、糸満(いちまん)の港を守るために、照屋(てぃら)グスクと国吉(くにし)グスクの間に杭を打…