長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2015-03-21から1日間の記事一覧

47.佐敷ヌル(改訂決定稿)

マチルギが、妹のマカマドゥ(真竈)のお嫁入りの話をしたのは、暑い夏の盛りだった。 娘たちの剣術の稽古が終わり、水を浴びて汗を流したマチルギが、縁側でぐったり伸びていたサハチ(佐敷按司)に声を掛けて来た。「ねえ、マカマドゥだけど、もう十六なの…

46.夢の島(改訂決定稿)

二月にサハチ(佐敷按司)の四男が生まれた。 マチルギの祖父の名をもらって、『チューマチ(千代松)』と名付けられた。マチルギの祖父(二代目千代松)は今帰仁按司(なきじんあじ)だった。曽祖父(初代千代松)が亡くなったあと、羽地按司(はにじあじ)(帕…