長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2017-01-30から1日間の記事一覧

2-85.五年目の春(改訂決定稿)

永楽(えいらく)九年(一四一一年)の年が明けた。 月日の経つのは速いもので、首里(すい)で迎える五回目の春だった。 サハチ(中山王世子、島添大里按司)は四十歳になり、長男のサグルーは二十二歳になった。サハチは二十一歳の時に佐敷按司になった。自分…