長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2018-02-26から1日間の記事一覧

2-147.久高ヌル(改訂決定稿)

戦後処理も片付いた四月の三日、一月遅れの『久高島参詣(くだかじまさんけい)』が行なわれた。 グスク内に閉じ込められている女たちにとって、久高島参詣は年に一度の楽しみだった。それが戦(いくさ)のために中止になってしまったので、思紹(ししょう)(中山…

2-146.若按司の死(改訂決定稿)

山南王(さんなんおう)に就任した他魯毎(たるむい)は豊見(とぅゆみ)グスクから島尻大里(しまじりうふざとぅ)グスクに引っ越しを始めた。すぐ下の弟、兼(かに)グスク按司(ジャナムイ)が豊見グスクに移って、豊見グスク按司を名乗り、四男のシルムイが阿波根(…