長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

懐機(ファイチ)の略歴(1375-1406)

1368年 朱元璋が明を建国する。
    洪武帝朱元璋)が龍虎山第42代天師張正常に全国の道教を管理させる。

1370年 父懐謙が洪武帝の四男、燕王の師となり、家族を連れて応天府に移る。

1375年 応天府(南京)に龍虎山の道士、懐謙の三男に生まれる。1歳

1377年 張正常が亡くなり、長男の宇初が第43代天師となる。3歳

1380年 胡惟庸の獄発生。中書省を廃止し、六部を皇帝の直属とする。6歳
    燕王が北平(北京)に赴く。

1382年 長兄の懐歓が燕王に仕えるため北平に行く。8歳

1384年 姉の懐永が北平に嫁ぐ。10歳

1385年 郭桓の案が発生。科挙が復活する。11歳

1386年 林賢事件。日本国王良懐との関係を断交。12歳
    長江の河原で張三豊と出会い師と仰ぐ。張三豊は梁威を連れている。

1389年 次兄の懐琥が燕王に仕えるため北平に行く。15歳

1390年 李善長の獄が発生。16歳
    胡惟庸がモンゴルに派遣したという封績を処刑。
    燕王が北伐に勝利して、応天府に報告に来る。

1391年 師の張三豊と一緒に武当山と龍虎山に行く。17歳
1392年 葉昇が処刑され、胡党の捜索が終了。18歳
    皇太子朱標が死し、朱允炆が皇太孫となる。
    燕王に仕えていた長兄の懐歓が戦死する。
    燕王が北伐に勝利し、応天府に報告に来る。

1393年 8月 科挙の郷試に合格する。19歳
    藍玉の獄、洪武帝は15000人を粛正する。
1394年 4月 科挙の殿試に合格して宮廷に仕える。20歳
    状元は張信、榜眼は朱洋敬(ヂュヤンジン)、探花は懐機。
    10月 龍虎山の天師一族の娘、張唯(ヂャンウェイ)を妻に迎え、城外に
    屋敷を構える。

1395年 3月 洪武帝の次男、泰王死す。21歳
    長男、懐徳(ファイテ)が生まれる。
    妹の懐虹が張三宝の弟子、梁威に嫁ぐ。

1396年 北伐に勝利して応天府に報告に来た燕王と会う。22歳

1397年 長女、懐玲(ファイリン)が生まれる。23歳

1398年 1月 仲間と富楽院の『春香楼』に行き、桃華(タオファ)と出会う。24歳
    3月 洪武帝の三男、普王死す。
    閏5月 洪武帝が没し、皇太孫の建文帝が即位。
    6月 師の張三豊と妹夫婦が応天府から忽然と消える。
    7月 洪武帝の五男、周王が身分を剥奪される。
    11月 洪武帝の七男、斉王が身分を剥奪される。
    親友のヂュヤンジンが宮廷から去って行く。春香楼に行って酒を飲む。
    兵乱のため、琉球の進貢も4年間断絶する。

1399年 1月 洪武帝の13男、代王が身分を剥奪される。
    3月 『春香楼』に桃の木を植える。
    4月 洪武帝の12男、湘王が身分を剥奪される。
    5月 洪武帝の一周忌。
    6月 洪武帝の18男、岷王が身分を剥奪される。
    7月 靖南の変、燕王朱棣が挙兵する。
    30万の征北軍が編成される。
    8月 官軍が燕王に敗れる。
    両親が殺され、妻子を連れて応天府から逃げ、龍虎山に行って修行する。
    11月 燕王、北平城下で官軍に勝利する。次兄の懐琥が活躍する。

1400年 1月 白溝河の戦いで次兄の懐琥が将軍張玉と共に戦死する。26歳
    5月 執拗な追っ手が迫り、妻子を連れて密貿易船に乗って琉球に行く。
    7月 家族を久米村に残して、旅に出る。
    8月 豊見グスクのシタルーに歓迎され、明国の状況を話す。
    通事と仲良くなり、豊見グスクに滞在して島言葉を学ぶ。

1401年 3月 豊見グスクを旅立ち、馬天浜でサハチと出会う。27歳
    サハチに請われて佐敷グスクの客となる。
    4月 家族を佐敷に呼び寄せ、クマヌの家に世話になる。
    再び、琉球巡りの旅に出る。
    8月 旅から帰る。
    11月 屋敷が完成し、仲尾の新居に移る。
    12月 燕王が応天府を目指して出撃する。

1402年 2月 サハチが島添大里グスクを攻め落とし、島添大里按司になる。28歳
    サハチの客将として活躍する。
    島添大里の城下の屋敷に移る。
    6月 建文帝が逃亡し、燕王が永楽帝として即位する。
    8月 明国から使者が来て、琉球に逃げてきた罪人を捕らえる。

1403年 1月 久米村の支配者、アランポーを倒すため久米村に拠点を作る。 29歳
    鄭和の艦隊が遠征に出る。

1404年 4月 冊封使が初めて来琉。30歳
    中山王武寧と南山王汪応祖永楽帝冊封を受ける。 
    冊封使の時中と会い、明国の状況を聞く。
    6月 風水師として建設中の首里グスクに呼ばれ、シタルーと再会する。
    11月 冊封使が帰国する。
    12月 久米村で、サハチと王茂を会わせる。
    シャムの船が来琉、交易を行う。

1406年 1月 サハチが中山王武寧を倒し、首里グスクを奪い取る。 32歳
    アランポーの一族を抹殺し、王茂を中心に新しい久米村を作る。
    サハチが父の思紹を中山王にする。
    永楽帝紫禁城の改築を始める。