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長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部はその後の尚巴志の活躍です。お楽しみください。

2-23.今帰仁の天使館(第二稿)

尚巴志伝 第二部

 八月の初めに旅に出たヂャンサンフォン(張三豊)たちが、旅から帰って来たのは九月の半ばだった。
 サハチが首里(すい)グスクの西曲輪(いりくるわ)の物見櫓(ものみやぐら)から曲輪内を見回して、『首里天閣(すいてぃんかく)』のような楼閣をどこに建てようか考えていた時だった。
 ヂャンサンフォンもシンシンも、ジクー禅師もサグルーもササも、全員がいい旅だったと満足そうな顔付きをしていた。
「奥間(うくま)で兄貴(サタルー)にも会ってきた」とサグルーが言った。
シンシンと仲良しになって、明国の言葉も教わったのよ。あたしも明国まで行こうかしら」とササは言った。
 ササならやりかねなかった。サハチはあえてその事には触れず、「シンシンから武当拳(ウーダンけん)を習ったのか」と聞いた。
「勿論よ。あたし、サグルーよりも強いんだから」
 サハチは本当なのかとサグルーを見た。
「武当拳では負けたが、剣術では負けない」とサグルーは悔しそうな顔をして言った。
「そういう事にしておくわ」とササは楽しそうに笑った。
琉球はいい所じゃ。どこに行ってもいい眺めじゃった。ファイチがここに住みたくなったわけもよくわかった。本当に来てよかった」とヂャンサンフォンは言った。
「わしもじゃ。残ってよかった」とジクー禅師は笑った。
 五月に志佐壱岐守(しさいきのかみ)はヤマトゥに帰って行ったが、ジクー禅師は帰らず、思紹(ししょう)のいい話し相手になっていた。
 サハチはヂャンサンフォンたちを百浦添御殿(むむうらしいうどぅん)の二階に連れて行った。父の思紹はヤマトゥの書物を読んでいた。話し相手のジクー禅師とヂャンサンフォンが旅に出てしまったので、最近は書物を読んでいる事が多く、サハチの顔を見るとヂャンサンフォンたちはまだ帰って来ないのかと聞いていた。
 思紹はサハチたちを見ると嬉しそうな顔をして、書物を投げ出して駆け寄ってきた。
「みんな、無事に帰って来られたか」
 よかったよかったと言うように思紹は笑いながら何度もうなづいていた。
 サハチは思紹と一緒に、ヂャンサンフォンが見てきた琉球の話を聞いた。
首里から島添大里(しましいうふざとぅ)に行き、佐敷から平田に行って、久高島に渡ったんじゃ。あの島は不思議な島じゃった。ウタキがいっぱいあって、男は森の中には入れなかったが、あの島には気がみなぎっていた。何かに行き詰まった時は、あの島に行きなされ。大抵の事は解決されるじゃろう」
「やはりのう」と思紹は納得してうなづいた。
「凄い島よ」とササも言った。
「お母さん(馬天ヌル)が二度もフボーヌムイに籠もったわけもわかったわ」
「お爺(思紹)の事は伝説になっていました」とサグルーが言った。
「お爺はこの島で、若い者たちを鍛えて浦添(うらしい)を攻め落として中山王になったと島人(しまんちゅ)たちは自慢していました」
「そうか。お礼を言いに行かねばならんな」と思紹は真面目な顔をして言った。
 サハチはそんな父を見ながら、またグスクから出ようとたくらんでいるなと思った。
「久高島では、そなたの娘のフカマヌルに大変お世話になった」とヂャンサンフォンが思紹に言うと、
「ほんと、フカマヌルは素晴らしいヌルよ。あたしも色々と教わったわ」とササが言った。
 久高島をあとにした一行は知念(ちにん)、垣花(かきぬはな)、玉グスク、具志頭(ぐしちゃん)、米須(くみし)と行って、新しくできた李仲(リーヂョン)グスクで、按司の李仲と出会った。
 ヂャンサンフォンもシンシンも唐人(とーんちゅ)の格好をしていたわけではないが、李仲にはわかったらしい。シンシンがヂャンサンフォンの名を言ってしまい、驚いた李仲は一行をグスクに招待した。
 李仲は琉球に来る前、明国の宮廷に仕えていて、洪武帝がヂャンサンフォンを探していたが見つける事ができなかった事を知っていた。まさか、琉球にいたなんて信じられない事だった。二十年以上も前に明国を離れた李仲は、ヂャンサンフォンから明国の事を聞きながら夜遅くまで語り合っていたらしい。
 李仲グスクに一晩泊まった一行は、李仲に連れられて島尻大里(しまじりうふざとぅ)グスクに行き、山南王を紹介された。山南王のシタルーもヂャンサンフォンを大歓迎した。シタルーもヂャンサンフォンの噂は官生(かんしょう)(留学生)だった頃に聞いていたらしい。
「お前ら、シタルーに正体をばらしたのか」とサハチはサグルーとササに聞いた。
「ばらすもばらさないも、山南王は俺たちの事を知っていたんだ」とサグルーは言った。
「あたしの事も知っていたのよ」とササも言った。
「そうか。シタルーも抜かりなく、こっちの事を調べているようだな。しかし、無事でよかった」
「山南王から親父の話も聞いたよ。お前の親父は面白い男だが、油断のならない奴だと言っていた」
 サハチは笑った。そして、シタルーと初めて出会った時の事を思い出していた。大(うふ)グスク合戦のあと、シタルーが大グスク按司になり、佐敷グスクに何度も来た事があった。サハチがまだ十四歳で、シタルーが二十四歳だった。あれから長い付き合いになる。同盟したり敵になったりと色々あったが、なぜか、敵とは思えない男だった。
「島尻大里グスクも立派なグスクだったわ」とササが言った。
 サハチが李仲とはどんな男かとヂャンサンフォンに聞いたら、「頭のいい男じゃよ」と言った。
「親父が建国の功労者だったようじゃ。しかし、洪武帝の粛清(しゅくせい)で捕まり処刑されてしまった。李仲は旧港(ジゥガン)(パレンバン)まで逃げ、旧港から琉球にやって来たようじゃ」
「あたしと同い年の娘がいて、今、島尻大里グスクでヌルの修行をしていたわ。唐人(とーんちゅ)なんだけど、今帰仁(なきじん)で生まれたからヤンバル訛りをしゃべっていたわ。父親が急に按司になったので、ヌルになる事に決まったらしいの。あの年齢(とし)から修行を始めるんじゃ大変な事よ。でも、本人はやる気満々だったわ」
「島尻大里のヌルはシタルーの妹か」とサハチは聞いた。ササに聞いてもわからないかと思ったら、
「そうよ」とササは知っていた。
「お母さんから聞いたんだけど、以前、島添大里のヌルだった人よ」
 サハチは思い出した。大グスク合戦の前、大グスクに側室として送られた娘だった。大グスクが落城したあと、大グスクヌルになって大グスク按司のシタルーを助け、シタルーの弟、ヤフスが島添大里按司になると島添大里ヌルになった。島添大里グスクが落城したあと、馬天ヌルに助けられて島尻大里に送られたのだった。汪英紫(おーえーじ)の娘に生まれたために波瀾万丈な人生と言えた。
 サハチはファイチと一緒に李仲按司に会ってみたいと思った。二十数年前に宮廷に仕えていたのなら、ファイチを知らなくてもファイチの父親を知っているかもしれない。共に宮廷を追われた身なら意気投合するかもしれなかった。
 山南王と別れた一行は豊見(とぅゆみ)グスクと小禄(うるく)グスクを見て浮島に渡り、久米村(くみむら)のメイファンの屋敷に泊まった。
 次の日は浮島から浦添に向かった。立派な大通りが浦添まで続いていたが、かつての都、浦添は荒れ果てていた。草が生い茂った中にグスクの石垣だけが不気味に残っていたという。
 浦添から北谷(ちゃたん)へ行き、宇座(うーじゃ)の牧場にお世話になった。サハチは宇座按司宛ての書状をサグルーに渡し、是非、牧場を見て来いと言ってあった。
「宇座の牧場に馬天浜(ばてぃんはま)のシタルーがいた」とサグルーは言った。
 馬天浜のシタルーとはサミガー大主(うふぬし)を継いだウミンターの次男だった。サグルーより一つ年上で、サムレーになると言って、島添大里で武術の修行をしていたが、サハチが留守中に宇座に行き、そのまま帰って来ないと叔父のウミンターから聞いていた。剣術よりも馬術が得意なので、牧場が気に入ったのだろう。そのうち、帰って来ると叔父には言ったが、まだ帰っていないとは知らなかった。山南王と同じ名前だが、別にあやかったわけではなく、母方の祖父の名前をもらっただけだった。
「どうも、宇座按司の娘といい仲になっているようだ」とサグルーは笑った。
「娘というのは三女のマジニか」とサハチは聞いた。
「親父、知っているのか」とサグルーは驚いた。
「明国に行く前に宇座に行ったんだ」
「確かに、マジニちゃんだよ。あいつがマジニちゃんに惚れているのは見ていれば誰にでもわかる。でも、あいつはマジニちゃんに好きだって言えないんだ。ササに散々からかわれていたよ」
「シタルーはあんたと違って真面目なのよ」とササが言った。
「そうか。シタルーがマジニちゃんにか‥‥‥うまく行けばいいな」
 宇座から山田を通って恩納岳(うんなだき)に行き、木地屋(きじや)の親方、タキチの世話になった。タキチ宛ての書状もサグルーに持たせてあった。敵地に入って危険なので、木地屋の親方に頼んだのだった。勿論、ウニタキ配下の『三星党(みちぶしとー)』も隠れて護衛をしていた。
 恩納岳から山中の木地屋の道を通って名護(なぐ)に行き、名護から海岸沿いに北上して、本部(むとぅぶ)を通って今帰仁(なきじん)に行った。
今帰仁の城下は思っていた以上に栄えていたんで驚いた」とサグルーが言った。
首里よりも人が大勢いたわ」とササが言った。
首里より今帰仁の方が古い城下だから、それは仕方がない」とサハチは言った。
 サハチが今帰仁に行ったのは二十年も前の事だった。今帰仁合戦で城下が焼かれてからも十六年が経っている。グスクは拡張したようだし、城下も随分と変わったに違いない。
「城下に『薩摩館(さつまかん)』という立派な屋敷がありました」とジクー禅師が言った。
「山北王は薩摩と取り引きをしているのか」と思紹が聞いた。
「多分、そうでしょう。屋敷には島津家の家紋がありました。その屋敷の近くにヤマトゥンチュがやっている宿屋があったので、わしらもお世話になったのですが、そこの主人に聞いたら、『薩摩館』ができたのは七年前との事です。毎年、年末になると島津家のサムレーたちがやって来て、夏まで滞在しているようです」
「薩摩の商人ではなくて島津家のサムレーが取り引きしているのですか」とサハチは聞いた。
「そのようです」
「どうして、浮島に来ないで今帰仁を選んだのだろう」
「浮島には古くから松浦党(まつらとう)が来ていたから、薩摩の者が入る隙はなかったんじゃないのか」と思紹が言った。
「そうかもしれませんね」とサハチはうなづいた。
松浦党の屋敷もありました。『五島館(ごとうかん)』と言って、五島の宇久(うく)氏が利用しているらしい。宇久氏も琉球に進出するのが遅かったので、中山王と取り引きができず、山北王と取り引きを始めたようです」
「それらの屋敷は山北王が建てたのですかね」
「多分、そうでしょう。ヤマトゥから来る商人たちは浮島で取り引きして、余った物を今帰仁に持って行って処分して帰る者がほとんどです。余り物を取り引きするより、最初から今帰仁に来てもらった方がいい。宿泊施設を建てて、呼び込んだのでしょう」
 サハチがヤマトゥに行く時、サンルーザ(早田三郎左衛門)も余り物を今帰仁で処分していたのを思い出した。確かに、余り物ばかり持って来られても困るに違いなかった。
今帰仁にヤマトゥの油屋はありませんでしたか」とサハチはジクー禅師に聞いた。ウニタキが言った事を確認したかった。
「『奥堂(おくのどう)』という看板を出した大きな油屋がありました。多分、博多の筥崎八幡宮(はこざきはちまんぐう)の油屋じゃろう。その油屋の近くに唐人の街があって、『天使館』という立派な建物もありました」
今帰仁に『天使館』があるのですか」とサハチは驚いた。
 天子(皇帝)の使い、すなわち、冊封使(さっぷーし)が滞在する屋敷が『天使館』だった。山北王は冊封使を呼ぶつもりなのだろうか。
「今、浮島で改築している『天使館』ほど大きくはありませんが、唐人たちが大勢出入りしていました。密貿易に来た者たちの宿屋です」
 密貿易者を天使と呼ぶなんてふざけた事だった。サハチが今帰仁に行った時、ヤマトゥンチュの街はあったが、唐人の街はなかった。密貿易が盛んになって、今帰仁に住み着く唐人が増えたのだろうか。
「運天泊(うんてぃんどぅまい)に密貿易船はありましたか」とサハチは聞いた。
「大きな船が三隻、泊まっていました」
「福州の海賊らしいのう」とヂャンサンフォンが言った。
「言葉が通じないので、奴らは安心して色んな事を話しておった。今帰仁には遊女屋が何軒もあって、明の娘や朝鮮(チョソン)の娘、日本の娘や勿論、地元の娘もいるようだ。頭領が一緒に来ているので、いつものように派手に遊べないとぼやいておった。頭領の名はリンジェンフォン(林剣峰)というらしい」
「えっ、リンジェンフォンが今帰仁に来ているのですか」とサハチは驚いて聞き返した。
「そうじゃが、リンジェンフォンとやらを知っているのか」
「リンジェンフォンは三姉妹の敵(かたき)です」
「福州の海賊が敵だと聞いていたが、そいつが敵じゃったのか」
「師匠はリンジェンフォンを見ましたか」
「いや、見てはおらん」
 リンジェンフォンが琉球に来ていたなんて信じられなかった。長年の仇敵(きゅうてき)だった三姉妹の父を倒して勢力を広げたリンジェンフォンは、琉球との交易に本腰を入れるために自らやって来たのかもしれない。もしかしたら、松尾と名乗った五島の倭寇も一緒に来ているのかもしれなかった。
今帰仁のグスクは立派じゃったのう」とヂャンサンフォンが言った。
 サグルーもササもシンシンも凄いグスクだと言っていたが、サハチの耳には入らなかった。リンジェンフォンの事を三姉妹に話すべきか迷っていた。話したら敵(かたき)を討つと言い出すかもしれなかった。異国に来て安心しているリンジェンフォンを倒すと言うかもしれない。しかし、敵地である今帰仁で敵を討つのは危険だった。リンジェンフォンを倒したとしても、山北王の兵に囲まれたら全滅してしまう。しかし、内緒にしておくわけにはいかない。やはり、話しておくべきだとサハチは決心した。
 サグルーが奥間の事を話していた。今帰仁から奥間に向かったようだ。奥間には一か月滞在して、ヂャンサンフォンは若い者たちに武術指導をしていたらしい。
「お前、奥間の女子(いなぐ)と仲よくなったんじゃないのか」と思紹がサグルーに聞いた。
 サグルーはニヤニヤして、「マカトゥダルには内緒ですよ」と言った。
「まったく」とサハチは呟いた。
「断ろうと思ったんだけど、奥間の習慣だというし、師匠も禅師も断らないのに、俺だけ断るのも可哀想だと思って‥‥‥」
「ジクー殿も女子と一緒にいたのか」と思紹がジクー禅師に聞いた。
「なに、わしはただ一緒にいただけじゃよ。一応、出家の身じゃからのう。よくできた女子で、ちゃんと理解してくれたわ」
「わしの相手もいい女子じゃった」とヂャンサンフォンは楽しそうに笑った。
「ササとシンシンは何をしていたんだ」とサハチは二人に聞いた。
「あたしたちは娘たちに武当拳を教えていたのよ。奥間ヌルも一緒になって習っていたわ。四月にお母さんが奥間まで行ったでしょ。それを見て、自分も各地を旅したいって言っていたわ。身を守る術を身に付けて旅に出るんですって」
 奥間ヌルも馬天ヌルの影響を受けたようだ。各地を旅するのは構わないが、首里に来たら、また一騒動が起こりそうだ。何だかいやな予感をサハチは感じていた。
「奥間ヌルなんだけど、可愛い娘さんがいたのよ。父親は龍だって言っていたわ。ヤンバルではマレビト神の事を龍って呼ぶのかしら。あたしにも素敵な龍が現れないかしら」
 シンシンがササを指さして、「ゲン」と言った。
「あれは違うみたい」とササは首を振った。
「ゲンとは何だ」とサハチはササに聞いた。
「道案内してくれた木地屋だよ」とサグルーが答えた。
「恩納岳の木地屋で、ずっと一緒に旅をしたんだ。出会ってから奥間に行くまで、マレビト神かしらって騒いでいたくせに、奥間に行ったら、違う男に目移りしたようだ。まったく、いい加減な奴だよ」
「何を言ってるのよ。マカトゥダルに奥間の事を話すわよ」
「それだけはやめてくれ」とサグルーはササに頭を下げた。
 ササに弱みを握られたサグルーを情けないと思いながらも、倅の事を責められなかった。自分もかつて同じ事をしていたのだった。
 一か月滞在した奥間をあとにして、一行はヤンバルの山中を北に向かい、最北端の辺戸岬(ふぃるみさき)まで行き、東海岸を通って南下して恩納岳に戻った。恩納岳から伊波(いーふぁ)に行き、安慶名(あぎなー)を通って勝連(かちりん)に行き、越来(ぐいく)、中グスクに寄って首里に帰って来たのだった。
 夕食の時に改めて旅の話を聞く事にして、ヂャンサンフォンとジクー禅師は南の御殿(ふぇーぬうどぅん)の客間に引き上げ、サグルーは城下の屋敷に帰り、ササはシンシンを連れて、馬天ヌルに会いに行った。
 サハチはリンジェンフォンの事を三姉妹に知らせようと百浦添御殿を出た。丁度、御内原(うーちばる)から出て来たマチルギと出会った。内緒にしているとまた勘ぐられるので、マチルギも誘う事にした。
「これから浮島に行く。一緒に行こう」
「何かあったの」とマチルギは聞いた。
「行きながら話すよ」
「ちょっと待ってよ」とマチルギは言って、近くにいた女子サムレーに出掛ける事を告げた。
 サハチとマチルギは馬に乗って浮島を目指した。
 久米村のメイファンの屋敷に行くと、うまい具合にファイチが来ていた。サハチはリンジェンフォンが今帰仁に来ている事を三姉妹に告げた。
 三姉妹は驚き、しばらく顔を見合わせていたが、「敵(かたき)を討ちましょ」とメイファンが言った。
「あたしたちが来ている事を知らないから油断しているはずよ。きっと討てるわ」
今帰仁は敵地なんでしょ。危険だわ」とメイリンが心配顔で言った。
「ちょっと聞きたいんだが、リンジェンフォンに跡継ぎはいるのか」とファイチがメイファンに聞いた。
「いるわ。長男は亡くなったけど、次男がいる」
「年齢(とし)は?」
「二十六、七だと思うわ」
「それなら跡を継げるな。もし、敵討ちに成功したとしてもリンジェンフォンの一味が消える事はない。リンジェンフォン一人を殺したとしても敵討ちをした事にはならないんじゃないのか」
「そうよ。ファイチの言うとおりよ」とメイユーが言った。
「リンジェンフォンの一味を全滅にしなければならないわ」
「そうね」とメイファンはうなづいた。
「父だけの敵じゃないものね。兄たちや亡くなった者たち全員の敵を討つにはリンジェンフォンだけじゃ足りないわ。もっと力を付けて、海の上でカタをつけましょ」
 サハチとマチルギは安心して顔を見合わせた。

 

 

 

 

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