長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

兼グスク按司(ンマムイ)の略歴(1378-1416)

1378年 浦添グスクに武寧の次男に生まれる。1歳
    母は汪英紫の娘ウシ。祖母は高麗人ウニョン。
    父の側室ナビーが御内原に入る。

1379年 妹のマアサが生まれる。母は側室ナビー。2歳

1380年 祖父の八重瀬按司汪英紫)が島添大里グスクを攻め取り、島添大里
    按司になる。3歳

1381年 弟のイシムイが生まれる。母は正妻ウシ。4歳

1382年 大叔父の泰期が使者を引退し、宇座按司として読谷山で馬の飼育に専念
    する。5歳
    祖母から高麗の言葉を習う。

1384年 妹のマジニが生まれる。母は側室ナビー。7歳

1385年 高麗の娘チータイが父の側室になって御内原に入る。8歳
    チータイから高麗の言葉を習う。

1388年 6月 姉のウニョンが勝連按司の三男ウニタキに嫁ぐ。11歳

1389年 1月 御内原を出て、二の曲輪にある屋敷で兄カニムイと共に暮らし、読
    み書きや武術を習う。12歳
    4月 叔父の大グスク按司(シタルー)が豊見グスクを築いて豊見グスク
    按司になる。
    8月 叔父のシュームイが瀬長按司になる。
    12月 高麗の使者が琉球に来て、絶世の美女セヨンを武寧に献上する。
    御内原に出入りして父に怒られる。

1390年 4月 宇座の牧場で乗馬を習い、1年近くを宇座で暮らす。13歳
    弟のシナムイが生まれる。母は側室ナビー。

1391年 3月 強引に浦添の屋敷に連れ戻される。14歳
    4月 今帰仁合戦。父が総大将として出陣する。
    義兄のウニタキが水軍として活躍する。

1392年 5月 祖父の察度が浦添按司を武寧に譲り、首里天閣に移る。15歳
    浦添にいるより首里天閣にいる方が多くなる。
    奥間から父に贈られた側室ツバキが御内原に入る。
    8月 姉夫婦(ウニョンとウニタキ)が山賊に殺される。
    10月 叔父の豊見グスク按司(シタルー)が明国に留学する。
    12月 高麗人が琉球に逃げて来る。その中に高貴な娘サントゥクがいて父
    が側室に迎える。
    武芸者阿蘇弥太郎が天草氏の船に乗って琉球に来て、ンマムイの剣術の
    師匠になる。
    兄のカニムイが勝連按司の妹を妻に迎える。

1393年 2月 ヤタルー師匠(阿蘇弥太郎)と一緒に琉球を旅する。16歳
    奥間に行って一夜妻シナを抱く。
    9月 父の側室サントゥクを抱く。
    10月 祖父の察度が山北王珉と同盟する。

1394年 3月 山北王珉の娘マハニを妻に迎える。妹マアサが今帰仁に嫁ぐ。17歳
    婚礼後の祝宴の最中に山南王が父の側室、高麗美人セヨンを盗み出す。
    グスク内に新築した屋敷でマハニと暮らす。
    4月 弟のミジムイが生まれる。母は側室ツバキ。
    5月 父と共に山南王の島尻大里グスクを攻める。
    祖父の島添大里按司汪英紫)が島尻大里グスクを攻め取り山南王にな
    る。

1395年 2月 進貢船に乗ってヤタルー師匠と明国に行く。18歳
    明国で少林拳を習う。
    3月 義父の珉が亡くなる。義兄の攀安知が山北王になる。
    7月 明国から帰国。
    10月 祖父の察度が亡くなる。父が中山王になる。

1396年 5月 叔父の豊見グスク按司国場川でハーリーを催す。19歳
    妻と一緒に見物する。

1397年 3月 弟のイシムイと玉グスク按司の娘ウニタルの婚礼。
    琉球中の按司が集まる。20歳
    9月 進貢船に乗ってヤタルー師匠と明国に行く。
    使者と別行動を取り武当山にも行く。

1398年 2月 大叔父の泰期(77)が亡くなる。21歳
    3月 明国から帰国する。
    閏5月 洪武帝、死す。密貿易船が次々と来る。
    父が明国の海賊から朝鮮の娘ウカを贈られる。
    7月 台風で首里天閣、倒壊する。

1399年 4月 長女マウミが生まれる。22歳
    5月 交易船に乗ってヤタルー師匠と朝鮮に行く。
    博多に寄り、渋川右兵衛佐満頼に歓迎される。
    12月 朝鮮から帰国する。

1400年 7月 交易船に乗ってヤタルー師匠と朝鮮に行く。博多にも寄る。23歳
    12月 朝鮮から帰国する。

1401年 3月 長男マフニが生まれる。24歳
    高麗人の祖母ウニョンが亡くなる。
    11月 祖父の山南王汪英紫が亡くなり叔父たちの家督争いが始まる。

1402年 1月 叔父のシタルーが山南王になる。25歳
    佐敷按司(サハチ)が島添大里グスクを攻め落として、島添大里按司
    なる。
    5月 豊見グスクのハーリーに招待される。
    7月 明国で永楽帝が即位する。
    密貿易船が慌てて帰って行く。
    阿波根にグスクを築いて、兼グスク按司になる。
    武芸者をグスクに集める。

1403年 5月 父がシタルーと相談しながら、首里にグスクを造り始める。26歳
    8月 明国から返礼の使者が来る。
    閏10月 明国からの使者が帰る。

1404年 4月 明国から冊封使が初めて来る。27歳
    5月 豊見グスクのハーリーに招待される。
    父が首里の宮殿で冊封を受け、正式に中山王となる。
    6月 叔父のシタルーも首里の宮殿で冊封を受け、正式に山南王となる。
    8月 密貿易で稼いだ城下の商人から贈られたアミーが父の側室になる。
    9月 次女マサキが生まれる。

1405年 5月 豊見グスクのハーリーに招待される。28歳
    父がアミーを連れてハーリーに来る。
    建設中の首里グスクを度々訪れる。
    7月 大きな台風が来て、首里グスクの石垣が崩壊する。
    手抜き工事に腹を立てた父が関係者を去勢して、永楽帝に贈る。
    10月 妹のマジニが浦添ヌルになる。

1406年 1月 父が叔父の八重瀬按司(タブチ)と同盟する。29歳
    八重瀬の婚礼に出席して島添大里按司のサハチと会う。
    完成した首里グスクを見る。
    2月 島尻大里包囲陣に出陣する。
    父武寧が殺され、首里グスクをサハチに奪われる。
    サハチが浦添グスクを焼き討ちにして、弟たちが殺される。
    首里グスクを奪い返そうとして兄のカニムイが戦死する。
    サハチの父思紹が首里グスクで中山王になる。
    9月 シャムから帰った父の忠臣、平戸親方が反乱を企てるが失敗する。

1407年 1月 叔父のタブチが首里グスクに新年の挨拶に行く。30歳
    タブチがサハチと一緒に中山王の進貢船に乗って明国に行く。
    2月 首里グスクでお祭りが行なわれる。
    5月 豊見グスクのハーリーに招待される。
    7月 サハチとタブチが帰国する。

1408年 3月 弟のイシムイが中山王を襲撃するが失敗する。31歳
    真喜屋之子が三春羽之助を名乗り阿波根グスクの武術道場に居候する。
    5月 豊見グスクのハーリーで、サハチが連れて来た張三豊と出会い、感
    激する。
    サハチを襲撃する予定だったが中止して、サハチと一緒に島添大里城下
    の張三豊の屋敷に行く。
    張三豊がヤマトゥに行ったと聞いて島添大里グスクに行って確認する。
    6月 娘たちに剣術を教え始める。
    教えるのはマチルギの弟子で阿波根に嫁いだ娘フニ。

1409年 1月 ヤマトゥから帰って来た張三豊を阿波根グスクに迎え、ガマに籠も
    って武当拳の修行に励む。32歳
    2月 張三豊と修理亮と一緒に島添大里に行き、サハチと会う。
    試合をしてサハチに負け、サハチを師兄と敬う。
    サハチが大叔父の泰期を知っているのに驚き、ナーサを知っていたので
    さらに驚く。
    島添大里グスクのお祭りを楽しむ。
    3月 首里の遊女屋「宇久真」に行き、ナーサと再会する。
    島添大里に行き、ナーサに会ったとサハチに報告する。
    4月 朝鮮に連れて行ってくれとサハチに頼む。
    佐敷グスクのお祭りに張三豊と修理亮と一緒に行き、サハチから朝鮮に
    連れて行くと言われる。
    サハチたちと一緒に交易船に乗ってヤマトゥと朝鮮に行く。
    5月 博多に着き、九州探題の渋川道鎮に会うつもりだったが、道鎮は京
    都に行っていて留守。
    真喜屋之子が阿波根グスクから去って行く。
    6月 京都に着き、渋川道鎮を探すが門前払いされて会えない。
    サハチたちが高橋殿の屋敷に招待されて、高橋殿と一緒にお忍びの将軍
    義持と会う。
    ササたちと一緒に高橋殿の屋敷に移り、増阿弥の田楽を観る。
    ササたちが御台所様に招待されて将軍義持の御所に行く。
    7月 京都を去り、対馬に行く。
    8月 朝鮮に行き、サハチたちと一緒に漢城府に行く。
    10月 朝鮮から対馬に戻り、シンゴの妹のサキ母子と仲良くなる。
    12月 帰国する。

1410年 1月 島添大里にいる張三豊に新年の挨拶に行き、サハチたちと一緒に酒
    を飲む。33歳
    佐敷ヌルに祖父察度の話を聞かせる。
    シタルーの娘マアサが武芸を習うため阿波根グスクに通い始める。
    2月 首里グスクのお祭りで佐敷ヌルのお芝居「察度」が上演される。
    3月 思紹と一緒に明国に行く張三豊を見送る。
    5月 豊見グスクのハーリーに行き、サハチ夫婦と会う。
    6月 山南王の書状を持って今帰仁に行くとサハチに知らせる。
    油屋の船に乗って家族を連れて今帰仁に行き、山北王と会う。
    妹のマアサ(山北王妃)とマジニ(前浦添ヌル)に再会する。
    志慶真村の長老と会い、今帰仁の歴史を聞く。
    運天泊に行き、湧川大主と会い、明国の海賊リンジョンシェンとソンウ
    ェイと会う。
    本部でマハニの幼馴染みのテーラーと会う。
    奥間に行き、ナーサと会い、姉のウニョンの本当の母がナーサだと聞い
    て驚き、ウニョンの夫は生きていて、ウニタキだと聞いてさらに驚く。
    7月 今帰仁を去り、名護の山中で刺客の襲撃に遭い、ウニタキに助けら
    れる。
    襲ったのが山南王の刺客だと知り、家族を山北王に預けて帰り、山南王
    に報告する。
    山南王の書状を持って再び、今帰仁に行く。
    8月 山南王と山北王の同盟を決めて帰って来る。
    タブチの息子のチヌムイと姉のミカが武芸を習うために阿波根グスクに
    通い始める。
    10月 山北王の長女マサキが山南王の三男グルムイに嫁いでくる。
    花嫁の護衛のテーラーがマハニたち連れ帰る。
    婚礼の夜、シタルーの刺客に襲撃される前に、家臣たちを連れて阿波根
    グスクから撤収し、ガマを通って新グスクに逃げる。
    八重瀬グスクに行き、母と会い、母を首里の「宇久真」に連れて行き
    ナーサと会わせる。
    思紹と張三豊が帰国し、会同館の帰国祝いにテーラーを連れて行き張三
    豊と会わせる。
    11月 張三豊を呼んで新グスクのガマで一か月の修行を積む。
    テーラー、長女のマウミ、サスカサ、シビー、チヌムイとミカ、玉グス
    クのウミタル、糸数按司の娘カヤーも加わる。
    12月 ヤマトゥに行った交易船が帰り、修理亮が慈恩禅師を連れて来る。
    帰国祝いの宴にヤタルー師匠と一緒に行き、ヒューガとヤタルー師匠は
    慈恩禅師との再会を喜ぶ。

1411年 1月 首里グスクに新年の挨拶に行く。34歳
    慈恩禅師が修理亮と右馬助を連れて、琉球を知るために旅に出る。
    2月 慈恩禅師が旅から帰り、首里の遊女屋「宇久真」にヤタルー師匠と
    一緒に行き旅の話を聞く。
    首里グスクのお祭りに家族を連れて行く。
    サハチの息子マグルーがマウミに一目惚れをする。
    4月 南風原に新しいグスクが完成して、兼グスクと名付ける。
    チヌムイとミカが兼グスク城下の武術道場に通い始める。
    5月 マグルーが兼グスクに来て、マウミと弓矢の試合をして負ける。
    伊是名島攻めを中止させるために、中山王の書状を持って今帰仁に行
    き、山北王と会う。
    山北王の書状を持って首里に帰り、再び、今帰仁に行く。
    中山王と山北王の同盟が決まる。
    山南王と中山王も同盟して三王同盟となる。
    6月 シタルーの娘のマアサも月に一度、武術道場に通うようになる。
    11月 叔父のタブチが中山王の正使として明国に行く。
    ウニタキと一緒に今帰仁に行き、「まるずや」のマイチと一緒にヤンバ
    ルと按司たちと会い、取り引きをまとめる。
    12月 ヤマトゥに行った交易船がジャワの船を連れて帰る。
    会同館の帰国祝いの宴にヤタルー師匠と一緒に行く。

1412年 1月 早田左衛門太郎がイトとユキとミナミを連れて琉球に来る。35歳
    サキとミヨの母子も一緒に来て、兼グスクに招待する。
    2月 サハチの四男チューマチに嫁ぐために浮島に来た山北王の次女マナ
    ビーを迎える。

    マナビーの護衛として来たテーラーと再会する。
    マナビーとチューマチの婚礼でマハニと一緒に山北王の代理を務める。
    マウミがミーグスクに入った従姉のマナビーに会いに行く。
    島添大里グスクのお祭りにサキ母子を連れて行く。
    3月 志慶真の長老が亡くなり、妻を連れてチューマチ夫婦、仲尾大主、
    テーラー今帰仁に行く。

    4月 母が八重瀬グスクで亡くなる。
    5月 マウミがマグルーと弓矢の試合をして勝つが、マグルーを意識し始
    める。
    6月 マウミがミーグスクに行き、弓矢の稽古をしているマグルーと会
    う。
    7月 三姉妹の船が来て、リンジェンフォンの配下だったソンウェイが
    一緒に来る。
    ソンウェイに会いに天使館に行き、ソンウェイを兼グスクに招待する。
    ソンウェイを連れて与那原に行き、張三豊と会わせる。
    11月 シタルーの刺客が島添大里グスクを襲撃してサハチを狙うが、逆に
    全滅する。

1413年 2月 首里グスクのお祭りに家族とテーラー、チヌムイとミカを連れて行く。
    4月 マウミが弓矢の試合でマグルーに負ける。
    5月 ヤマトゥ旅に出るマグルーから待っていてくれと言われて、マウミは
    待っていると約束する。
    馬天浜からシンゴの船に乗ってマグルーがヤマトゥに行く。
    マハニからマウミとマグルーの事を聞いて驚き、島添大里グスクに行き、2人
    の事をサハチに話して、2人の縁談をまとめる。

    10月 チヌムイがミカと一緒に山南王シタルーを殺して母の敵を討つ。
    シタルーの遺体を島尻大里グスクに運んだタブチが重臣たちに押されて山南
    王になる。

    東方の按司たちがタブチの要請で長嶺グスクを攻める。
    11月 タブチが豊見グスク攻めに失敗して、山南王を諦めて島尻大里グスクか
    ら出て行く。

    タブチに頼まれ、チヌムイとミカを連れて島添大里グスクに行きサハチと会
    う。

    タブチがチヌムイとミカを連れて久米島に逃げる。
    叔父の摩文仁が山南王になる。
    タブチの長男の八重瀬按司が東方の按司たち攻められて戦死する。
    交易船が帰国し、マウミがマグルーと再会して2人の婚約が決まる。
    12月 弟のイシムイが賀数グスクを奪い捕り、賀数按司を名乗る。
    テーラーが豊見グスクと保栄茂グスクの中程にグスクを築き始める。

1414年 1月 次女のマサキがヌルになるためササの弟子になる。37歳
    思紹が手登根グスクで前山南王妃と会い、中山王の介入の許可を得る。
    首里グスクに按司たちが集まり、米須グスク、山グスク、喜屋武グスク、波
    平グスクを攻め取るために出陣する。

    喜屋武グスクを攻めると島尻大里ヌルが開城する。
    島尻大里ヌルのマレビト神がヤタルー師匠で、2人は再会を喜ぶ。
    ヤタルー師匠を喜屋武グスクに残して玻名グスクに行き、サハチに報告す
    る。
    米須グスク攻めに加わる。
    山北王の兵が糸満に上陸して座安森に陣を敷く。
    山北王の兵が島尻大里グスク攻めに加わる。
    イシムイが賀数グスクから出撃して西の方に逃げて行く。
    2月 サハチが玻名グスクを攻め落とす。
    サハチが米須に来た日に、グスクから出撃して来た米須按司を討ち取る。
    米須若按司がグスクを開城する。
    3月 山グスク攻めに加わる。
    島尻大里グスクが落城して、他魯毎が山南王になる。
    山グスクが落城して、山南騒動は終わる。
    4月 マサキがササと一緒に久高島参詣に行く。
    ヤタルー師匠が喜屋武ヌルになった島尻大里ヌルと一緒に戦死した兵たちを
    供養して回る。
    張三豊が運玉森ヌルを連れて山グスクに移る。
    5月 首里慈恩寺が完成して、慈恩禅師が住職になる。
    ヤタルー師匠が喜屋武ヌルを連れて慈恩寺に移り、武術師範を務める。
    6月 進貢船に乗って明国に行くマグルーをマウミが見送る。
    サハチたちがタブチに会いに久米島に行く。
    7月 マサキがササたちと一緒に安須森参詣に行く。
    8月 島尻大里グスクの十五夜の宴に妻とマウミを連れて行く。
    9月 マサキがササたちと一緒に愛洲次郎の船に乗って南の島を探しに行く。
    10月 馬天浜のお祭りにマウミとテーラーを連れて参加して張三豊に別れを告
    げる。
    張三豊が山グスクヌルと二階堂右馬助を連れて、三姉妹の船に乗って琉球
    去る。

    12月 進貢船が帰国して、マウミはマグルーとの再会を喜ぶ。

1415年 1月 テーラーリュウインと一緒に中山王の進貢船に乗って明国に行く。
    2月 マウミがサハチの息子マグルーに嫁ぐ。
    ウニタル夫婦と一緒に旅に出たマウミ夫婦を心配して、配下のカシマを護衛
    に送る。
    マウミ夫婦がウニタル夫婦、シングルー夫婦と一緒に兼グスクに来たので歓
    迎する。
    妻を連れて島添大里グスクのお祭りに行き、旅から帰って来たマウミと会
    う。
    5月 妻と一緒に島尻大里グスクのお祭りに行き、サハチたちと会う。
    サハチと一緒に首里に行き、ヤマトゥに行く人たちの送別の宴に参加する。
    ヤタルー師匠に会いに慈恩寺に行き、真喜屋之子と再会する。
    ササがミャークの船とトンドの船を連れて帰国し、無事に帰ってきたマサキ
    を迎える。

    「那覇館」の帰国祝いの宴で、サハチとウニタキに真喜屋之子の事を話す。
    サハチと一緒に慈恩寺に行き真喜屋之子と会う。
    6月 マサキがササたちと一緒に愛洲次郎の船に乗ってヤマトゥに行く。
    7月 シーハイイェンたち、スヒターたちが来る。
    冊封使の船が浮島に来る。
    永楽帝の娘リーポー姫がサハチに会いに島添大里グスクに行く。
    9月 王女たちを連れて名護に行き、松堂と会う。
    王女たちを連れて今帰仁に行き、山北王と会う。
    王女たちを連れて国頭に行き、喜如嘉の長老から千代松の事を聞く。
    10月 王女たちを連れて油屋の船に乗り、無事に浮島に帰る。
    松堂をサハチに紹介して、サハチは会同館で歓迎の宴を開いて松堂から話を
    聞く。
    馬天浜の張三豊を偲ぶお祭りに参加する。
    島尻大里グスクのリーポー姫の送別の宴に参加する。
    冊封使の船に乗って、リーポー姫が帰る。

1416年 1月 山北王が奥間を焼き払う。39歳
    ササたちがヤマトゥから帰り、首里の会同館に行くが、ササたちは那覇館に
    いると聞いて浮島に行き、マサキと会う。
    那覇館で李芸と早田五郎左衛門と再会する。
    2月 妻と一緒に首里グスクのお祭りに行く。
    3月 首里グスクの龍天閣に南部の按司たちが集まり、思紹から待機していて
    くれと言われる。
    マチルギに説得されたマハニから、お世話になったサハチに恩返しをしろと
    言われ、東方の按司たちと相談して兵たちを集める。

    4月 東方の按司たちの兵を率いて首里グスクに行き、思紹から出陣を許され
    る。

    総大将のサハチに従って出陣し、今帰仁に向かう。
    今帰仁に着き城下の焼け跡の残骸を片付けて陣地を造り、物見櫓に登って見
    張り役を務める。
    敵の罠にはまって勝連按司と越来按司が戦死するが、外曲輪を奪い取る。
    リュウインの弟子たちが10人、馬に乗って攻めて来て暴れ回り、その中の1人
    を倒す。
    三の曲輪攻めで先陣を務めて突入し、三の曲輪を攻め落とす。
    一緒にヤマトゥに行った浦添按司のクサンルーが戦死してしまい悲しむ。
    大雨の中、石垣の上の敵兵が消えたとサハチに進言し、総攻撃が始まり、
    今帰仁グスクを攻め落とす。

本部のテーラーの略歴(1376-1416)

1376年 本部に生まれる。1歳
    祖父は本部大主ミンの後見役の瀬底大主。父はサムレーの瀬底之子。
    ミンの長男ハーンと同い年で幼い頃から一緒に育つ。

1385年 1月 ヤマトゥの山伏、アタグ(愛宕)が本部に来る。10歳

1386年 ハーンと一緒にアタグから武術を習い始める。11歳

1390年 師のアタグ、ハーンと一緒に琉球を旅する。15歳

1391年 4月 今帰仁合戦。ハーンと共に初陣を飾る。16歳
    山北王が殺され、ハーンの父ミンが山北王になる。
    家族と一緒に今帰仁に移り、父はサムレー大将になる。

1392年 4月 進貢船の使者を務めた李仲が家族を連れて今帰仁を離れる。17歳
    10月 祖父が亡くなり、父が瀬底大主を継ぎ、テーラーは父の名を継いで瀬底之
    子を名乗る。
1393年 5月 ハーンとジルータと一緒にヤマトゥ旅に行く。18歳

1394年 3月 中山王と同盟するため、ハーンの妹マハニが浦添に嫁ぐ。19歳
    ハーンが武寧の娘マーサを妻に迎える。

1395年 3月 山北王が病死し、ハーンが攀安知の名で山北王になる。20歳
    4月 奥間の娘ウクが山北王の側室になる。密かに憧れる。
    7月 謝名大主の娘、シマを妻に迎える。
    10月 中山王察度が亡くなり、武寧が中山王になる。
    攀安知と一緒に浮島で行われた葬儀に参加する。
    葬儀の後の宴席で、山南王と長男の豊見グスク按司に会う。

1396年 5月 攀安知と一緒に与論島を攻め取る。21歳
    11月 中山王の進貢船に便乗して、使者の護衛兵として明国に行く。

1397年 4月 妻が流産する。22歳
    5月 明国から帰国。

1398年 10月 下賜された進貢船に乗り、使者の護衛兵として明国に行く。23歳

1399年 3月 出産に失敗して、妻が亡くなる。24歳
    5月 洪武帝死後の内乱が続き、応天府まで行けずに泉州から帰国する。

1402年 1月 父が隠居し、父の跡を継いでサムレー大将になる。27歳
    12月 進貢船に乗って、サムレー大将として明国に行く。
    攀安知の弟サンルータの護衛役として、真喜屋之子が明国に行く。

1403年 6月 明国から帰国。28歳
    真喜屋之子が配下になる。

1404年 1月 進貢船に乗って、サムレー大将として明国に行く。29歳
    6月 明国から帰国。

1405年 2月 進貢船に乗って、サムレー大将として明国に行く。30歳
    5月 本場のハーリーを見る。
    7月 明国から帰国。
    10月 進貢船に乗って、サムレー大将として明国に行く。

1406年 2月 中山王の武寧が殺され、思紹が中山王になる。31歳
    5月 明国から帰国。
    真喜屋之子が攀安知の弟サンルータを殺してヤマトゥに逃げる。
    6月 混乱に乗じて硫黄鳥島を奪い取ろうとして失敗する。

1407年 3月 後妻(夫は硫黄鳥島で戦死する)を迎える。32歳

1408年 5月 攀安知と一緒に進貢船に乗って徳之島を攻める。33歳
    9月 長男、ケンケン生まれる。
    12月 徳之島を平定して帰る。

1409年 5月 湧川大主(ジルータ)と一緒に奄美大島を攻める。34歳
    加計呂麻島の諸鈍の小松殿から、初代今帰仁按司平維盛だと聞く。
    12月 奄美大島の北半分を平定して帰る。

1410年 4月 攀安知の側室ウクに手を出して謹慎となり、本部に帰る。35歳
    5月 叔父の本部大主が奄美大島攻めに行く。
    6月 マハニが家族を連れて本部に来て、再会を喜ぶ。
    マハニの夫のンマムイと会う。
    10月 攀安知が山南王と同盟し、山南王の三男グルムイに嫁ぐ攀安知の娘マサキ
    を連れて島尻大里グスク
に行く。
    今帰仁にいたマハニと子供たちを連れて帰る。
    婚礼の宴席で山南王のシタルー、李仲按司と会う。
    グルムイは保栄茂グスクに入り、保栄茂按司を名乗る。
    山南王から城下の屋敷を与えられ、南部の状況を調べるため夏まで滞在する。
    マハニの家族が阿波根グスクから消えて、新グスクに移る。
    ンマムイと一緒に首里の会同館に行き、進貢船の帰国祝いの宴に出て、張三豊
    と会う。
    首里の遊女屋「宇久真」で、張三豊の弟子たちと一緒に飲む。
    11月 新グスクのガマでンマムイたちと一緒に張三豊の一か月の修行を積む。
    一緒に修行したのはンマムイの娘マウミ、サスカサ、シビー、タブチの息子
    チヌムイ、八重瀬若ヌル、玉グスクのウミタル、糸数のカヤー。
    本部大主が奄美平定に失敗して戦死する。
    攀安知奄美大島攻め失敗の腹いせに伊平屋島を攻める。

1411年 1月 知名大主が山北王の兵を率いて来て、マサキを守るために保栄茂グスク
    に入る。36歳
    3月 長女、リンリンが本部で生まれる。
    4月 南風原にンマムイの新しいグスクが完成する。
    5月 稽古に励んだ甲斐があって、ハーリーで山北王の龍舟が優勝する。
    中山王に与論島を奪われる。
    中山王思紹と会い、山北王の書状を渡し、返事を持って今帰仁に帰る。
    山北王と中山王の同盟。
    山南王も中山王と同盟して三王同盟になる。
    新しい奄美按司と一緒に奄美大島攻めに向かう。
    6月 奄美大島南部の勝浦でクユー一族の女首長と会い、話をまとめる。
    12月 奄美大島を平定して帰る。

1412年 2月 攀安知の次女マナビーが島添大里按司(サハチ)の四男チューマツに嫁
    ぐ。37歳
    マナビーの護衛役として浮島に行き、ンマムイと再会する。
    首里グスクの婚礼に参加し、祝宴にも参加する。
    3月 志慶真の長老が亡くなり、ンマムイ夫婦とチューマチ夫婦を連れて今帰仁
    に行く。
    4月 南部に戻りハーリーの稽古を始める。
    5月 ハーリー。優勝したのは山南王の龍舟。
    前与論按司父子が鬼界島攻めに向かう。
    ウタキ巡りの旅で本部に行った馬天ヌルが妹の本部ヌルと会う。
    6月 山伏姿になって中部の情勢を調べる。
    勝連でウタキ巡りの旅をしている馬天ヌルと会う。
    12月 前与論按司が鬼界島攻めに失敗して帰る。
    幼なじみのサムレー大将の備瀬大主の戦死を悲しむ。

1413年 2月 首里グスクのお祭りにンマムイ夫婦と一緒に行く。38歳
    7月 湧川大主が諸喜田大主と武装船に乗って鬼界島を攻める。
    10月 八重瀬按司の息子チヌムイが山南王を殺し、八重瀬按司が島尻大里グスク
    に入り達勃期の名で山南王になる。
    達勃期と豊見グスク按司タルムイの家督争いが始まる。
    豊見グスクに逃げた山南王妃の書状を持って今帰仁に行く。
    保栄茂按司夫婦と一緒に豊見グスクに移る。
    11月 進貢船の正使として明国に行った李仲按司が帰って来て、タルムイの軍師
    になる。
    豊見グスク攻めに失敗した達勃期が山南王を諦めて島尻大里グスクから出て行
    く。
    前米須按司摩文仁の名で山南王になる。
    島添大里按司が八重瀬グスクを攻め落とす。
    豊見グスクに達勃期と八重瀬按司とチヌムイの焼けただれた首が島添大里按司
    から送られてくる。
    島添大里按司が具志頭グスクを開城させる。
    12月 保栄茂按司と一緒に保栄茂グスクに戻る。
    李仲按司と相談して豊見グスクと保栄茂グスクの中程に、テーラーグスクを築
    き始める。
    湧川大主が鬼界島を占領して帰る。鬼界按司は国頭按司の次男。

1414年 1月 鬼界島の鬼界按司が全滅する。 39歳
    諸喜田大主が山北王の兵を率いて南部に来て、保栄茂グスクの北西の座安森に
    本陣を敷く。
    2月 島添大里按司が玻名グスクを攻め落とす。
    今帰仁で父(63)が亡くなる。
    3月 山北王の総大将としてタルムイと一緒に島尻大里グスクを攻め落とす。
    摩文仁が戦死して、タルムイが他魯毎の名で山南王になる。
    他魯毎を助けた見返りとして、山北王の若按司ミンを山南王の世子にして、島
    添大里のミーグスクにいる仲尾大主が山南王の重臣になる。
    今帰仁に帰り戦況を報告して、亡くなった父の名を継いで瀬底大主を名乗る。
    5月 湧川大主の妻が亡くなり、鬼界島攻めは来年に延期になる。
    10月 馬天浜の張三豊の送別のお祭りにンマムイと一緒に参加する。
    張三豊が山グスクヌルと二階堂右馬助を連れて琉球を去る。
    11月 ウニタキが旅芸人を連れてテーラーグスクに来て、お芝居を演じる。
    12月 山南王の世子になるために糸満に来た若按司のミンを出迎え、島尻大里
    グスクまで護衛する。

1415年 1月 海船を賜わるためにリュウインが使者として中山王の進貢船に便乗して
    進貢する。40歳
    サムレー大将としてリュウインと一緒に10年振りに明国に行く。
    テーラーグスクは弟の辺名地之子が守る。
    9月 帰国する。海船を賜わる事はできたが、リュウインが永楽帝に仕える事
    になり帰って来ない。
    首里の会同館の帰国祝いの宴で、サハチに真喜屋之子の事を話す。
    今帰仁に帰って報告すると、海船を返してリュウインを連れ戻せと攀安知
    怒鳴られる。
    冊封使の船に乗せて明国に送るためリュウインの家族を南部に連れて来る。
    10月 冊封使が帰国する。
    12月 湧川大主が多くの兵を失い、鬼界島攻めに失敗して帰り、攀安知に怒鳴
    られる。

1416年 1月 今帰仁に新年の挨拶に行くが、攀安知に拒絶され、引き上げる。41歳
    湧川大主も拒絶される。
    攀安知が奥間を焼き払う。
    3月 攀安知に呼ばれて今帰仁に行き、娘のママキと瀬長按司の息子の縁談を
    まとめてくれと頼まれる。
    今帰仁のお祭りで武芸試合の検分役を務める。
    お祭りの翌日、羽地、名護、国頭の按司たちが寝返り、中山王と一緒に攻め
    て来るという噂を聞いて驚き、グスクに戻る。
    今帰仁城下が全焼する。
    攀安知が湧川大主を呼んで、武装船の鉄炮をはずしてグスクに持って来い
    と命じる。
    奥間にいた諸喜田大主も今帰仁に戻り、中山王を迎え撃つ準備をする。
    グスクに運ぶ途中、鉄炮を敵に奪われ、湧川大主が逃亡する。
    4月 中山王の大軍が今帰仁に攻めて来る。
    攀安知の兵を率いて二の曲輪の御内原を守る。
    外曲輪を奪い取られ、志慶真曲輪も奪い取られて諸喜田大主が戦死する。
    三の曲輪も攻め落とされ、敵の鉄炮にやられてグスク内は無残な状況となる。
    攀安知が正気をなくし、ウタキの前でお祈りをしていた勢理客ヌルを斬る。
    気でも違ったかと駆け寄ると攀安知が斬り付けてくる。
    つまづいて倒れた隙に、攀安知は霊石を真っ二つに斬ってしまう。
    太刀を振り上げていた攀安知に雷が落ち、攀安知は弾き飛ばされて死ぬ。
    テーラー攀安知を殺したと誤解した兼次大主に斬られて死ぬ。

山北王、攀安知の略歴(1376-1416)

1361年 祖父の羽地按司今帰仁グスクを奪い取り今帰仁按司になる。

1376年 本部で本部大主の長男に生まれる。童名はハーン。1歳
    母親は名護按司の娘。祖母は元国の白蓮教の娘、韓鈴(ハンリン)。

1377年 弟ジルータ(湧川大主)が生まれる。2歳

1379年 妹マハニが生まれる。4歳

1380年 1月 ウクヌドー(奥堂)が今帰仁に来て、城下に「油屋」を開く。5歳

1382年 10月 祖父が明国に進貢して、帕尼芝の名で山北王になる。7歳

1383年 妹マキクが生まれる。8歳

1384年 10月 祖父が進貢のための拠点として、浦添に「材木屋」を開く。9歳

1385年 1月 ヤマトゥの山伏、アタグ(愛宕)が本部に来る。10歳

1386年 アタグから武術を習い始める。11歳
    弟サンルータが生まれる。

1387年 1月 サハチがクマヌと一緒に今帰仁に来る。12歳
    5月 サハチがサイムンタルーの船で今帰仁に来る。

1388年 5月 サハチとマチルギが今帰仁に来る。13歳
    7月 アランポーと対立して久米村から追い出された李仲が今帰仁に来る。

1389年 1月 博多妙楽寺の禅僧、宗安が本部に来る。14歳

1390年 師匠のアタグ、テーラーと一緒に琉球を旅する。15歳
    奥間で一夜妻を抱く。奥間ヌルに一目惚れするが相手にされない。
    8月 進貢船が下賜されない事に腹を立てた祖父が硫黄鳥島を奪い取る。

1391年 4月 今帰仁合戦。中山王の兵が今帰仁に攻めて来る。16歳
    初陣に活躍して祖父に褒められる。
    山北王の祖父と跡継ぎの伯父が武寧に殺される。
    父が珉の名で山北王になる。
    按司となり本部から今帰仁グスクに移る。
    焼け落ちた主殿の再建。
    城下の人たちを収容するため、外城を作る。
    城下の再建。

1392年 4月 進貢船の使者を務めた李仲が今帰仁を去る。17歳
    7月 東行法師(思紹)が今帰仁に来る。
    9月 ウニタキが今帰仁に来る。

1393年 4月 城下が再建される。18歳
    国頭で国頭按司の娘、クンと出会い恋をする。
    5月 ジルータ、テーラーと一緒に油屋の船に乗ってヤマトゥの博多に行く。
    11月 妹マナチーが生まれる。母は奥間の側室。
    12月 ヤマトゥから帰る。

1394年 3月 父が中山王と同盟する。19歳
    妹マハニが武寧の次男ンマムイに嫁ぎ、武寧の娘マアサを妻に迎える。
    敵と同盟する父に猛反対する。
    武寧の娘マアサは人質だと思い、一度も抱かない。
    「油屋」が浦添に店を出す。
    4月 弟の湧川大主が羽地按司の娘ミキを妻に迎える。
    9月 弟シチルーが生まれる。母は奥間の側室。
    10月 中山王の船に便乗して進貢を再開する。

1395年 3月 父の珉が病死して、攀安知の名で山北王になる。20歳
    恋仲だった国頭按司の娘クンを側室に迎える。
    5月 奥間から側室ウクが贈られる。
    弟の湧川大主と叔母の勢理客ヌルに運天港の密貿易を管理させる。
    明国に行った使者が帰国。
    6月 長女マサキが生まれる。母は側室のクン。
    10月 中山王察度が亡くなり、義父の武寧が中山王になる。
    浮島で行なわれた察度の葬儀に参加する。
    浦添グスクで初めて武寧と会う。
    武寧と久米村に行き、アランポーと会う。
    武寧と話して、わだかまりが消え、妻マアサを初めて抱く。
    中山王の船に便乗して進貢する。
    12月 五島の宇久伊豆守勝の船が親泊に来て取り引きをする。

1396年 5月 与論島を攻め、勝連一族の按司を倒して、与論島を占領する。21歳
    叔父を与論按司に任命する。
    明国に行った使者が帰国。
    9月 宇久氏のための宿泊施設「五島館」が完成する。
    中山王の船に便乗して進貢。
    11月 中山王の船に便乗して進貢。
    12月 ヤマトゥの商人から朝鮮の美女パクを贈られる。

1397年 3月 浦添グスクの武寧の三男イシムイと玉グスク按司の娘ウミタルの婚礼に参
    列する。22歳
    5月 明国に行った使者が帰国。
    9月 次女、マナビーが生まれる。母は正妻のマアサ。
    中山の船に便乗して進貢。

1398年 5月 明国に行った使者が帰国。ようやく進貢船を下賜される。23歳
    閏5月 洪武帝が亡くなり、明国で内乱が続いて進貢ができなくなる。
    明国の密貿易船が来る。密貿易船は運天泊で取り引きをする。
    妹マキクが永良部按司の次男に嫁ぐ。
    7月 三女、カリンが生まれる。母は側室のパク。
    9月 密貿易船が帰る。
    10月 下賜された船で弟の湧川大主が明国に行くが、応天府へは行けずに泉州
    取り引きをして帰る。
    11月 祖母が亡くなる。

1399年 5月 リュウイン(劉瑛)が密貿易船で今帰仁に来て、軍師に迎える。24歳
    リュウインを乗せて来たのはヂャンルーチェン(張汝謙)の船で、ジォンダオ
    ウェン(鄭道文)も一緒に来る。
    リュウインのために屋敷を新築し、その周辺が唐人町になる。
    12月 薩摩の島津氏の船が親泊に来て取り引きをする。

1400年 3月 四女、ママキが生まれる。母は側室のウク。25歳
    4月 サンルータが攀安知の側室に手を出し、母親と一緒に城下の屋敷に移る。
    5月 明国の密貿易船が運天泊に来る。
    リンジェンフォン(林剣峰)の船に乗ってソンウェイ(松尾)が運天泊に来
    る。
    8月 叔母の勢理客ヌルが馬天ヌルを今帰仁に連れてくる。
    9月 密貿易船が帰る。
    島津氏のための宿泊施設「薩摩屋敷」が完成する。
    12月 密貿易に来る海賊たちの宿泊施設「天使館」が完成する。
    スズナリが父の敵を討つために浦添に行く。
    島津家のサムレーたちが来て、完成した「薩摩屋敷」に入る。

1401年 5月 ヂャンルーチェンの息子ヂャンイーミン(張毅鳴)がジォンダオウェンと
    一緒に運天泊に来る。26歳
    9月 ヂャンイーミンが帰る。
    11月 山南王(汪英紫)が亡くなる。
    八重瀬按司と豊見グスク按司家督争いが始まる。
    12月 妹マハニが嫁いだ武寧の次男ンマムイが兼グスク按司になり、阿波根にグ
    スクを築くための材木を浮島に送る。

1402年 1月 南部の戦が終わり、豊見グスク按司が山南王になる。27歳
    佐敷按司(サハチ)が島添大里グスクを奪い捕り、島添大里按司になる。
    5月 ヂャンイーミンがジォンダオウェンと一緒に運天泊に来る。
    6月 明国で永楽帝が皇帝となる。
    8月 長男ミンが生まれる。母は側室のクン。
    ヂャンイーミンが帰る。
    12月 進貢船を送る。
    弟のサンルータと羽地按司の次男、羽地之子と真喜屋之子が明国に行く。
    首里にグスクを築くためと天使館を改築するため材木を浮島に送る。

1403年 5月 ヂャンイーミンがジォンダオウェンと一緒に運天泊に来る。28歳
    6月 進貢船が帰る。
    8月 明国から永楽帝の使者が浮島に来る。
    ヂャンイーミンが帰る。
    閏10月 永楽帝の使者が帰る。
    12月 首里グスク建築のための材木を浮島に運ぶ。

1404年 1月 進貢船を送る。29歳
    2月 サンルータが国頭按司の娘クミを妻に迎える。
    4月 明国から冊封使が初めて浮島に来る。
    5月 武寧が首里の宮殿で冊封の儀式を行ない、正式に中山王になる。
    五女、ウトゥタルが生まれる。母は正妻のマアサ。
    6月 汪応祖首里の宮殿で冊封の儀式を行ない、正式に山南王になる。
    進貢船が帰る。
    11月 冊封使が帰国する。
    12月 首里グスク建築のための材木を浮島に運ぶ。

1405年 2月 進貢船を送る。30歳
    3月 家臣の娘シジを側室に迎える。
    4月 一の曲輪の御殿(二階建て)の新築を始める。
    首里グスクを真似して二の曲輪を御庭にする。
    5月 ヂャンイーミンがジォンダオウェンと一緒に運天泊に来る。
    7月 進貢船が帰る。
    8月 ヂャンイーミンが帰る。
    10月 進貢船を送る。
    12月 首里グスク建築のための材木を浮島に運ぶ。

1406年 1月 首里グスクが完成する。31歳
    2月 山南王の島尻大里グスクが中山王と八重瀬按司の兵に包囲される。
    島添大里按司が義父の武寧が殺して首里グスクを奪い取り、浦添グスクを焼き
    払う。
    島添大里按司の父親が思紹の名で中山王になる。
    島添大里按司を知らなかったので、どんな男か調べさせ、面白そうな奴だが警
    戒しなければならないと思う。
    妻の妹、浦添ヌルが今帰仁に逃げて来て、父の敵を討ってくれと言う。
    3月 一の曲輪の御殿が完成する。祝いの宴。
    4月 ジォンダオウェンが運天泊に来る。
    六女、マカマドゥが生まれる。母は側室のシジ。
    5月 進貢船が帰る。
    弟のサンルータが真喜屋之子に殺される。
    真喜屋之子はヤマトゥに逃げる。
    真喜屋之子の父、仲尾大主は交易担当奉行から蔵番に格下げ、サムレー副大将
    だった兄は材木屋に左遷され、重臣の息子に嫁いでいた姉は離縁される。
    諸喜田大主の配下の弟は、諸喜田大主の取りなしでサムレーを続ける。
    6月 御内原の御殿の新築を始める。
    硫黄鳥島を奪い取ろうとして失敗する。
    7月 ジォンダオウェンがメイファンを乗せて帰る。
    8月 中山王思紹に側室を贈る。
    お返しに中山王からハビーが贈られ、湧川大主に譲る。
    今帰仁城下に、浦添から逃げて来た「よろずや」が開店する。
    12月 名護に「よろずや」が開店する。
    首里城下建設のための材木を浮島に送る。

1407年 1月 従弟の2人を恩納按司、金武按司に任命してグスクを築かせる。32歳
    2月 浦添の「油屋」を首里に移転し、ウクヌドーが首里に行く。
    5月 明国の海賊リンジェンフォン(林剣峰)が運天泊に来る。
    林剣峰との取り引きが始まる。
    リンジェンフォンから明国の美女タンタンが贈られる。
    9月 御内原の御殿(二階建て)が完成し、重臣たちを集めて今後の対策を練る。
    ・志慶真の長老から今帰仁の歴史を聞く。
    ・リンジェンフォンが毎年来てくれるので、進貢船を送るのはやめる。
    ・中山王と山南王はしばらく様子を見て、北に勢力を広げる。
    10月 リンジェンフォンが帰る。
    二の曲輪の御庭の両側に屋敷を建て始める。
    11月 次男、フニムイが生まれる。母は側室のシジ。
    12月 首里城下建設のための材木を浮島に送る。

1408年 4月 七女、レイが生まれる。母は側室のタンタン。33歳
    5月 テーラーを連れて進貢船に乗って徳之島を攻める。
    留守は湧川大主に任せる。
    リンジェンフォンの息子のリンジョンシェン(林正賢)が運天泊に来る。
    9月 仲尾大主を蔵奉行に任命する。
    リンジョンシェンが帰る。
    12月 徳之島を占領して帰る。島民に進貢させる。
    永良部按司の次男を徳之島按司に任命する。
    首里城下建設のための材木を浮島に送る。

1409年 1月 凱旋を祝って奥間から側室ミサが贈られる。34歳
    二の曲輪の完成祝宴。
    5月 湧川大主とテーラーが進貢船で奄美大島を攻める。
    6月 リンジョンシェンが運天泊に来る。
    9月 リンジョンシェンが帰る。
    12月 湧川大主とテーラーが大島北半分を占領して帰る。島民に進貢させる。
    首里城下建設のための材木を浮島に送る。

1410年 2月 三男のマサンルー(夭逝)、生まれる。母は側室のミサ。35歳
    4月 テーラー攀安知の側室に手を出して謹慎となり、本部に帰る。
    5月 奄美大島南部を攻めるために兵を送る。
    羽地按司の次男を奄美按司に任命し、叔父の本部大主を付けて奄美に送る。
    ナコータルーを材木屋の主人に任命する。
    6月 妹のマハニが夫のンマムイと子供たちを連れて今帰仁に来る。
    ンマムイから山南王の書状を受け取り、山南王との同盟を考える。
    リンジョンシェンが運天泊に来る。
    8月 若按司ミンと婚約した山南王の娘ママチーが母親と一緒に今帰仁に来る。
    9月 リンジョンシェンが帰る。
    10月 長女マサキが山南王の三男グルムイに嫁ぐ。山南王と山北王の同盟。
    山南王から側室クリが贈られる。
    11月 奄美按司が半数の兵を失って帰って来る。
    奄美大島攻め失敗の腹いせに伊平屋島を攻める。
    12月 首里の寺院建設のための材木を浮島に送る。
    ヤマトゥから帰る中山王の交易船を伊平屋島で奪い取ろうとするが失敗する。

1411年 5月 伊是名島を攻める。36歳
    伊是名島沖で中山王の水軍との海戦が行なわれる。
    与論島から兵が来て、与論島が中山王の兵に奪われたと聞いて驚く。
    伊是名島攻めを中止して中山王と同盟する。
    山南王も中山王と同盟して三王同盟になる。
    テーラー奄美大島を攻める。
    6月 リンジョンシェンが運天泊に来る。
    9月 リンジョンシェンが帰る。
    10月 八女、マタキが生まれる。母は側室のクリ。
    12月 テーラー奄美大島を平定して帰る。
    南部の旅芸人が今帰仁に来てお芝居を演じる。
    首里の寺院建設のための材木を浮島に送る。

1412年 2月 次女マナビーが島添大里按司(サハチ)の四男チューマツに嫁ぐ。37歳
    マナビーを守るため仲尾大主を島添大里のミーグスクに送る。
    3月 志慶真の長老が亡くなる。
    4月 中山王から側室フミを贈られる。
    5月 前与論按司父子が鬼界島攻めに向かう。
    馬天ヌルか今帰仁に来て、志慶真ヌルと一緒にクボーヌムイに行く。
    7月 リンジョンシェンが運天泊に来て、鉄炮付きの武装船を山北王に贈る。
    父のリンジェンフォンが亡くなり、ソンウェイに裏切られたとリンジョンシェ
    ンから聞く。
    9月 リンジョンシェンが帰る。
    11月 南部の旅芸人が今帰仁に来てお芝居を演じる。
    12月 前与論按司が鬼界島攻めに失敗して帰る。
    兵を乗せて行った進貢船も大破して使い物にならなくなる。
    幼なじみのサムレー大将の備瀬大主の戦死を悲しみ、敵は必ず討つと誓う。
    首里の寺院建設のための材木を浮島に送る。

1413年 6月 リンジョンシェンが運天泊に来る。38歳
    7月 馬天ヌルの安須森参詣にヤンバルのヌルたちも参加する。
    南部の旅芸人が今帰仁に来て、「小松の中将様」を演じて大評判になる。
    湧川大主が諸喜田大主と武装船に乗って鬼界島を攻める。
    今帰仁ヌルと喧嘩した浦添ヌルのマジニが奄美按司の娘を指導するために乗っ
    ていく。
    8月 四男ウムチルが生まれる。母は側室のフミ。
    9月 リンジョンシェンが帰る。
    10月 八重瀬按司が弟の汪応祖を殺して、達勃期の名で山南王になる。
    南部で家督争いが始まる。
    達勃期の書状を持って小渡ヌル母子が今帰仁に来る。
    テーラーが山南王妃の書状を持って来る。
    母(58)が亡くなる。
    12月 テーラーが豊見グスクと保栄茂グスクの中程に、グスクを築き始める。
    湧川大主が鬼界島を占領して帰る。鬼界按司は国頭按司の次男。
    永良部按司が亡くなり、妻のマティルマが今帰仁に来て、そのまま外曲輪の屋
    敷で暮らす。
    首里の寺院建設のための材木を浮島に送る。

1414年 1月 鬼界島の鬼界按司が全滅する。39歳
    諸喜田大主が兵を率いて南部に出陣する。
    3月 沖の郡島(古宇利島)に行き、クーイの若ヌルと出会い、一目惚れする。
    他魯毎と山北王の兵で島尻大里グスクを攻め、摩文仁を殺し、他魯毎が山南王
    になる。
    他魯毎を助けた見返りとして、若按司ミンを山南王の世子にする。
    島添大里のミーグスクにいた仲尾大主が山南王の重臣になる。
    4月 沖の郡島に行き、クーイ若ヌルを今帰仁に連れて来る。
    5月 師匠のアタグがヤマトゥに帰る。
    クーイの若ヌルのために沖の郡島の西側に御殿を築き始める。
    湧川大主の妻が亡くなり、鬼界島攻めは来年に延期になる。
    7月 ヌルたちの安須森参詣に今帰仁ヌルも参加する。
    リンジョンシェン戦死して、運天泊に来ない。
    リュウインがウニタキと一緒に首里に行き、中山王と会って取り引きをまとめ
    る。
    9月 「材木屋」のナコータルーが宜野座に拠点を作って勝連按司と取り引きを
    始める。
    10月 前山南王妃が今帰仁に来て、姪の山北王妃、姉のマティルマと再会する。
    11月 五男、ウムトゥクが生まれる。母は側室のフミ。
    12月 按司のミンが山南王の世子として島尻大里に行く。
    クーイの若ヌルの御殿が完成する。
    首里の寺院建設のための材木を浮島に送る。

1415年 1月 海船を賜わるためにリュウインが使者として中山王の進貢船に便乗して進貢
    する。40歳
    3月 クーイの若ヌルと一緒にお祭りを楽しむ。
    油屋のユラが書いたお芝居「瓜太郎」と旅芸人の「かぐや姫」が演じられる。
    4月 明国の海賊が運天泊に来る。
    7月 明国の海賊が帰る。
    ヌルたちの安須森参詣にクーイの若ヌル、今帰仁若ヌルも参加する。
    他魯毎冊封するために冊封使が浮島に来る。
    8月 沖の郡島の御殿でクーイ若ヌルと月見を楽しむ。
    9月 永楽帝の娘のリーポー姫、パレンバンの王女、ジャワの王女、トンドの王
    女たちが今帰仁に来て歓迎する。
    そろそろ首里を攻め取る時期が来たのかもしれないと思い、首里攻めの作戦を
    練るのに熱中する。
    中山王の進貢船が帰国し、海船を賜わる事はできたが、リュウインが永楽帝
    仕える事になり帰って来ない。
    リュウインと一緒に明国に行ったテーラーに、海船を返してリュウインを連れ
    戻せと怒鳴る。
    10月 冊封使が帰国する。リュウインの家族が乗って行く。
    12月 湧川大主が多くの兵を失い、鬼界島攻めに失敗して帰る。
    湧川大主にお前の顔など見たくないと真っ赤な顔で怒鳴る。
    首里の寺院建設のための材木を浮島に送る。

1416年 1月 クーイの若ヌルと一緒に新年を祝い、今年は中山王を倒すと言う。41歳
    奥間ヌルのマレビト神がサハチだったと知り、抑えていた怒りが爆発して、奥
    間を攻め滅ぼせと諸喜田大主に命じる。
    諸喜田大主が誰もいなくなった奥間村を焼き払う。
    南部の旅芸人が今帰仁に来て、お芝居を演じる。
    奥間を焼いて中山王の動きが心配になり、義弟の愛宕之子を首里に送る。
    2月 愛宕之子が首里から帰ってきて、中山王に戦をする気配はないと言われて
    安心し、クーイの若ヌルに会いに行く。
    羽地、名護、国頭の長老たちが「まるずや」の船に乗って首里見物に行く。
    朝鮮人を探している李芸が今帰仁に来て歓迎する。
    3月 南部にいるテーラーを呼び、娘のママキと瀬長按司の息子の縁談をまとめ
    てくれと頼む。
    今帰仁のお祭りをクーイの若ヌルと一緒に楽しむ。
    ユラのお芝居「志慶真のウトゥタル」と旅芸人の「千代松」が演じられる。
    お祭りの翌日、中山王が攻めて来るという噂を聞いて驚き、クーイ若ヌルを連
    れてグスクに戻る。
    今帰仁城下が全焼する。
    湧川大主を呼んで、武装船の鉄炮をはずしてグスクに持って来いと命じる。
    奥間にいる諸喜田大主を撤収させ、中山王を迎え撃つ準備をする。
    鉄炮を敵に奪われ、湧川大主が逃亡する。
    4月 中山王の兵が今帰仁に攻めて来る。
    敵の鉄炮にやられてクーイの若ヌルが亡くなる。
    ウタキの霊石を真っ二つに斬り、雷に打たれて死ぬ。

八重瀬按司、タブチの略歴(1360-1416)

1360年 与座按司の長男に生まれる。1歳

1362年 弟シタルーが生まれる。3歳

1369年 父が八重瀬按司を倒して八重瀬按司となる。10歳
    与座グスクから八重瀬グスクに移る。

1371年 姉ウシが浦添の若按司、武寧に嫁ぐ。12歳

1372年 浦添按司の察度が明国に進貢を始め、琉球中山王となる。13歳

1376年 玻那グスク按司の娘カヤを妻に迎える。17歳

1377年 父が新グスクを築く。弟のシタルーが新グスクを守る。18歳

1378年 弟のシタルーが察度の娘トゥイを妻に迎える。19歳

1379年 弟のヤフスが具志頭グスクに婿に入る。20歳
    長女マアサが生まれる。母は正妻カヤ。

1380年 3月 島添大里グスクを攻め取り、父が島添大里按司になる。21歳
    八重瀬グスクを任されて八重瀬按司になる。
    弟のシタルーは父と共に島添大里グスクに移る。
    4月 苗代大親が佐敷にグスクを築き、佐敷按司になる。
    長男エータルー、生まれる。母は正妻カヤ。
    10月 従兄の島尻大里按司承察度)が明国に進貢して山南王になる。

1381年 次女マチルー、生まれる。母は正妻カヤ。22歳

1383年 7月 妹のウミカナが大グスク按司の側室になる。24歳

1384年 大グスク按司の娘ナミーを側室に迎える。25歳
    次男ウシャ、生まれる。母は正妻カヤ。

1385年 2月 父と共に大グスクを攻め取る。弟のシタルーが大グスク按司になる。26歳
    助け出された妹ウミカナが叔母の島添大里ヌルのもとでヌルの修行を始める。
    三女マカミー、生まれる。母は側室ナミー。

1386年 四女、生まれる。母は正妻カヤ。27歳

1387年 1月 妹のウミカナが大グスクヌルになる。28歳
    10月 父が山南王の使者として明国に行く。

1388年 5月 父が無事に明国から帰る。29歳
    明国から帰った父は考えを変える。
    三男エーグルー、生まれる。母は側室ナミー。
    家臣の娘トゥムを側室に迎える。

1389年 4月 シタルーが豊見グスクを築いて豊見グスク按司になる。30歳
    大グスクには弟のヤフスが入る。
    五女ミキ、生まれる。母は側室トゥム。

1391年 4月 今帰仁合戦で活躍する。32歳
    父は水軍の大将として山北王に奪われた鳥島を取り戻す。
    7月 父が山南王の船を借りて、山南王叔として明国に進貢する。

1392年 1月 佐敷按司が隠居し、若按司のサハチが按司になる。33歳
    10月 シタルーが従弟のサングルミーと一緒に明国に留学する。
    六女ミカ、生まれる。母は側室トゥム。

1393年 3月 父が山南王の船を借りて、山南王叔として明国に進貢する。34歳
    9月 島尻大里按司、死す。

1394年 5月 父が島尻大里グスクを攻め取り、山南王になる。35歳
    長女マアサが与座按司に嫁ぐ。
    糸満のウミンチュの親方、ブラゲー大主から贈られた娘マイを側室に迎える。
    ブラゲー大主は古くから貝殻を扱っている親方。
    10月 父が山南王叔として明国に進貢する。親方に頼まれた貝殻を積んでいく。
    貝殻は明国の商人たちに喜ばれ、親方も喜ぶ。

1395年 1月 佐敷按司と玉グスク按司が二重の婚姻で同盟する。36歳
    5月 シタルーとサングルミーが明国から帰国する。
    四男チヌムイ、生まれる。母は側室マイ。
    10月 察度(75)、死す。義兄の武寧が中山王になる。

1396年 2月 父が山南王叔として明国に進貢する。37歳
    4月 次女マチルーが米須若按司に嫁ぐ。
    5月 シタルーが国場川で「ハーリー」を催す。
    11月 父が山南王叔として明国に進貢する。

1397年 1月 佐敷按司と知念按司が同盟する。38歳
    3月 武寧の三男イシムイと玉グスクの娘ウミタルの婚礼。
    浦添グスクに琉球中の按司が集まり、シタルーの人気に嫉妬する。
    跡継ぎになるために画策を始める。
    5月 シタルーがハーリーを催す。中山王と親しいシタルーに嫉妬する。
    このままでは山南王の地位をシタルーに奪われてしまうと焦る。
    中山王と親しいシタルーに対抗するには味方を増やさなければならない。
    まずは敵である糸数と結び、玉グスク、知念、佐敷とも手を結ぼうと考える。

1398年 2月 長男エータルーに糸数按司の娘ウトゥミが嫁ぐ。39歳
    5月 シタルーがハーリーを催す。

1399年 明国から密貿易船が来るようになる。40歳

1400年 1月 三女マカミーが佐敷按司の弟マタルーに嫁ぐ。41歳

1401年 1月 父が倒れる。42歳
    4月 次男ウシャに垣花按司の娘が嫁ぐ。
    5月 四女が玉グスク按司の三男に嫁ぐ。
    11月 父(64)、死す。シタルーを跡継ぎにと遺言する。
    島尻大里グスクを武力で奪う。遺言状を重臣から受け取る。
    弟と家督争い。
    要請を受けて東方の按司たちが島添大里グスクを攻める。

1402年 1月 中山王の介入で弟のシタルーが山南王になる。43歳
    チヌムイの母親マイがシタルーに殺される。
    娘マイが殺され、ブラゲー大主はシタルーを恨む。山南王との取り引きをやめ
    て、中山王武寧と取り引きをする。ブラゲー大主は敵を討つためにシタルーを
    見張る。
     佐敷按司(サハチ)が島添大里グスクと大グスクを攻め落とし、島添大里按司
    になる。
    馬天ヌルに助けられたウミカナが島尻大里グスクに行き、島尻大里ヌルにな
    る。
    焼け落ちた八重瀬城下の再建に励む。
    4月 シタルーが島添大里按司のサハチと同盟を結ぶ。
    12月 シタルーが山南王世子汪応祖として進貢する。

1403年 5月 シタルーが武寧と相談しながら、首里にグスクを造り始める。44歳
    8月 武寧の配下の上間按司が糸数グスクを攻め落とし糸数按司になる。

1404年 4月 冊封使が初めて琉球に来る。45歳
    五女ミキが糸数の上間按司の長男に嫁ぐ。糸数と新たに同盟。
    糸数から武寧に接近しようと考える。シタルーと武寧の離間策。
    6月 首里の宮殿で冊封の儀式を行ない、シタルーが正式に山南王となる。
    三男エーグルーに知念按司の娘が嫁ぐ。

1405年 9月 八重瀬と中山王の婚約が決まる。46歳

1406年 1月 中山王と同盟し、六女ミカが武寧の四男シナムイに嫁ぐ。47歳
    首里グスクが完成する。
    2月 島尻大里を攻める。中山王も東方の按司も味方に付ける。
    島添大里按司(サハチ)が武寧を倒して首里グスクを奪い、浦添グスクを焼き
    払う。
    中山王の若按司が戦線離脱して首里に向かうが戦死する。
    サハチに邪魔されて、怒り狂い、兵を撤収させる。
    隠居していたサハチの父が中山王になる。
    六女ミカと中山王妃だった姉が浦添から逃げてくる。

1407年 1月 首里グスクに行き、中山王思紹に新年の挨拶をする。48歳
    中山王に頭を下げる気はなかったが、豪華な首里グスクを見て気が変わり、
    中山王に従う事に決める。
    中山王の進貢船に乗って、従者として明国に行く。
    サハチ、ウニタキ、ファイチも一緒に行く。
    2月 泉州に着いて来遠駅に入る。
    4月 サングルミーと一緒に応天府に行く。
    6月 杭州でサハチたちと会う。
    7月 帰国。
    10月 奥間から側室ミミを贈られる。
    母が亡くなる。

1408年 1月 中山王の進貢船に乗って、従者として明国に行く。49歳
    娘婿のマタルーも一緒に行く。
    6月 帰国。
    9月 五男、生まれる。母は奥間の側室ミミ。

1409年 1月 中山王の進貢船に乗って、従者として明国に行く。順天府まで行く。50歳
    8月 帰国。

1410年 1月 中山王の進貢船に乗って、従者として明国に行く。51歳
    6月 帰国。
    次男エーグルーに喜屋武岬の近くにグスクを築かせる。
    9月 七女、生まれる。母は奥間の側室。
    10月 中山王の副使として明国に行く。
    米須按司、玻名グスク按司。次男のウシャが一緒に行く。
    山北王の娘マサキが山南王の三男グルムイに嫁ぐ。
    新グスクに逃げて来たンマムイが母親を訪ねて八重瀬グスクに来る。

1411年 3月 帰国。獅子舞を持って来る。52歳
    4月 若按司エータルーが中山王の進貢船に乗って明国に行く。
    5月 三王同盟。
    6月 シタルーから側室ミユーが贈られる。シタルーに側室を贈る。
    11月 中山王の正使として明国に行く。三男エーグルーも一緒に行く。
    米須按司、玻名グスク按司、前真壁按司、前伊敷按司を連れて行く。
    明国の文人たちと付き合い漢詩を始める。

1212年 3月 帰国。53歳
    張三豊から横笛を習う。
    4月 姉のウシが亡くなる。
    喜屋武グスクが完成する。次男ウシャが喜屋武大親を名乗る。
    11月 中山王の正使として明国に行く。
    米須按司、玻名グスク按司、前真壁按司、前伊敷按司を連れて行く。

1413年 4月 帰国。54歳
    10月 四男チヌムイが姉のミカと一緒に山南王シタルーを殺して母の敵を討つ。
    チルムイからシタルーを殺した事を聞いて驚き、隠居して長男に八重瀬按司
    譲る。
    死を覚悟してシタルーの遺体を島尻大里グスクに運ぶ。
    シタルーの重臣たちと会い、照屋大親から山南王になれと言われて驚く。
    父が察度から贈られた御神刀を身に付けて、山南王になる決意を固める。
    東方の按司たちに長嶺グスクを攻めてくれと依頼する。
    山南王妃が王印を持ち出した事を知って慌てる。
    11月 照屋大親糸満大親の裏切りで進貢船をタルムイに奪われて物凄い剣幕で
    腹を立てる。
    豊見グスク攻めに失敗し、山南王になる事を諦める。
    八重瀬ヌルと島尻大里ヌルを連れて島尻大里グスクから出て喜屋武グスクに行
    く。
    サハチとウニタキに見送られ、チヌムイを連れて琉球を去り久米島に逃げる。
    久米島の堂村に落ち着き、子供たちに読み書きを教える。
    ミカは久米島のヌル、クイシヌに気に入られる。

1414年 6月 サハチたちが久米島に来て、再会を喜ぶ。55歳

琉球山南王、汪応祖の略歴(1406-1413)

1406年 1月 進貢船が船出する。 45歳
    中山王武寧と八重瀬按司(タブチ)が同盟する。
    首里グスクが完成する。
    2月 武寧と兄のタブチの兵に島尻大里グスクを包囲される。
    首里グスクを奪うつもりだったが、島添大里按司のサハチに奪われる。
    島添大里按司のサハチが武寧を倒して,父思紹を中山王とする。
    4月 サハチと改めて同盟を結ぶ。
    サハチから思紹が密かに兵を育てていた事を聞いて驚く。
    6月 中山王に側室チタを贈る。
    中山王思紹から側室マクムが贈られる。

1407年 1月 進貢船が船出する。46歳
    タブチが中山王の進貢船に乗って、サハチと一緒に明国に行く。
    サハチを倒すために粟国島で兵力を養う。
    兼グスク按司(ンマムイ)と瀬長按司と改めて同盟を結ぶ。
    李仲が伊敷の南にグスクを築き、李仲按司を名乗る。
    思紹が首里グスクに土塁で囲んだ北曲輪を造る。
    タブチの留守に米須按司、具志頭按司、真壁按司、伊敷按司を寝返らせ
    る。
    6月 進貢船が帰国。
    7月 サハチたちが帰国する。
    パレンバンの船(三姉妹)が浮島に来る。
    8月 琉球に来て旅をしていた張三豊を歓迎する。
    10月 四女マジニが承察度の六男クルクに嫁ぐ。
    母が八重瀬で亡くなる。葬儀に参加せず。

1408年 1月 進貢船が船出する。米須按司、具志頭按司を進貢の従者に加える。
    武寧の三男イシムイを密かに援助する。
    十女マアミ生まれる。母は側室マクム。
    アミーの妹ユーナが島添大里の女子サムレーになる。
    3月 イシムイが久高島に行く思紹を襲撃するが失敗する。
    5月 ハーリーにサハチが来る。中山王の龍舟を頼む。
    張三豊と会ったンマムイがサハチと一緒に島添大里に行く。
    サハチの妻マチルギがヌルたちを連れてヤマトゥに行く。
    サハチが首里グスクに楼閣を建て始める。
    6月 進貢船が帰国。
    長嶺グスクを築き始める。
    中山王の使者だった大グスク大親を迎える。
    7月 大きな台風が来る。

1409年 2月 進貢船が船出する。48歳
    閏3月 五女マアサが具志頭按司の若按司に嫁ぐ。
    サハチの長男サグルーが婚礼に来る。
    長嶺グスクが完成し、娘婿のクルクを長嶺按司にする。
    4月 サハチがヤマトゥに行く。ンマムイも一緒に行く。
    5月 ハーリーに思紹が来る。中山王の龍舟が参加する。
    9月 進貢船帰国。台風が来て進貢船が座礁する。
    10月 具志頭按司が亡くなり、娘婿の若按司按司になる。
    サハチの弟マタルーが与那原グスクを完成させる。
    11月 具志頭按司がタブチに殺され、ヤフスの息子が具志頭按司になる。
    亡くなった具志頭按司の妻、マアサが戻って来る。
    首里グスクの高楼が完成する。
    12月 サハチがパレンバンの船を連れて帰国する。

1410年 2月 サハチが百浦添御殿の改築を始める。49歳
    サハチの義弟サムが勝連按司になる。
    3月 宇座按司の娘がサハチの甥に嫁ぐ。
    中山王思紹が張三豊と明国に行く。
    4月 佐敷のお祭りのお芝居「瓜太郎」が評判になる。
    中山王がヤマトゥと朝鮮に使者を送る。
    5月 ハーリーにサハチが来る。中山王の龍舟が参加する。
    6月 山北王と同盟を結ぶためにンマムイを使者として今帰仁に送る。
    7月 ンマムイの家族を暗殺して中山王の仕業にしようと企むが失敗する。
    8月 山北王との同盟が決まる。
    山北王の若按司と婚約した八女ママチーと母親が今帰仁に行く。
    首里グスクの唐破風が完成する。
    9月 サハチが首里でお寺の普請を始める。
    台風が来て、粟国島の船が座礁する。
    10月 米須按司、玻名グスク按司が寝返り、中山王の進貢船に乗って明国
    に行く。
    中山王が官生を送る。
    三男グルムイが攀安知の長女マサキを嫁に迎える。
    新郎新婦は保栄茂グスクに入り、グルムイは保栄茂按司を名乗る。
    婚礼の夜、阿波根グスクを襲撃するがンマムイに逃げられる。
    ンマムイは寝返って新グスクに入る。
    中山王思紹が張三豊と帰国する。
    11月 座波ヌルが亡くなり、若ヌルが座波ヌルになる。
    山北王が伊平屋島を攻める。

1411年 4月 具志頭按司の娘チミーがサハチの三男イハチに嫁ぐ。50歳
    ンマムイの兼グスクが南風原に完成する。
    父の夢を見て、父から島添大里の石垣を治せと言われる。
    5月 ハーリーに山北王の龍舟が参加、中山王は参加しない。
    山北王が伊是名を攻めるが中止して、中山王と同盟を結ぶ。
    サハチと会って山南王と中山王の同盟を決め、三王同盟となる。
    6月 サハチとタブチに側室を贈る。
    タブチから側室カニーが贈られる。
    サハチから側室マフニが贈られる。
    サハチに石屋のクムンを送る。
    9月 サハチがタブチを中山王の正使に任命する。
    10月 サハチが首里のお寺を完成させ、「大聖寺」と名付ける。
    11月 タブチが正使を務める中山王の進貢船に隠居した真壁按司と伊敷按司が乗
    っていく。
    12月 ヤマトゥに行った中山王の交易船がジャワの船を連れて来る。
    閏12月 進貢船が船出する。

1412年 2月 首里グスクでサハチの四男チューマチと攀安知の次女マナビーの婚礼が盛
    大に行なわれる。
    3月 玉グスク按司が亡くなる。
    4月 姉のウシが八重瀬で亡くなる。葬儀には行かない。
    5月 ハーリーに三王の船が揃う。
    進貢船帰国。海船を賜る。
    6月 六女マカマドゥが真壁の若按司に嫁ぐ。
    娘の豊見グスクヌルが馬天ヌルと一緒に南部を旅する。
    9月 父の亡霊が夢に現れるようになる。
    11月 タブチが正使を務める中山王の進貢船に米須按司、玻名グスク按司、山グ
    スク大主、ナーグスク大主が乗っていく。
    刺客を使ってサハチの暗殺を実行するが失敗する。
    アミーとユーナの姉妹もサハチに殺されたと思い、2人の父親に詫びる。

1413年 1月 進貢船が船出する。52歳
    首里に報恩寺が完成する。
    4月 進貢船が船出する。正使は李仲按司
    7月 馬天ヌルの安須森参詣に南部のヌルたちも参加する。
    中グスク按司の娘が米須の若按司に嫁ぐ。
    9月 進貢船帰国。
    10月 長嶺按司の双子の娘に会いに行く途中、饒波橋でタブチの息子チヌムイに
    斬られて死ぬ。