長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2015-02-17から1日間の記事一覧

08.浮島(改訂決定稿)

サハチ(佐敷若按司)たちは新年を浮島(那覇)で迎えていた。 佐敷を旅立った後、サハチ、クマヌ(熊野)、サイムンタルー(左衛門太郎)、ヒューガ(三好日向)の一行は、玉グスク(玉城)と糸数(いちかじ)グスクの城下を見て、敵の八重瀬(えーじ)グスク、…

07.ヤマトゥ酒(改訂決定稿)

大(うふ)グスクが落城して、大グスク按司(あじ)が戦死して、佐敷グスクは孤立してしまった。 今までは大グスク按司を通じて、玉グスク按司、垣花按司(かきぬはなあじ)、糸数按司(いちかじあじ)、知念按司(ちにんあじ)とつながっていて、共に島添大里按司(し…

06.大グスク炎上(改訂決定稿)

大戦(うふいくさ)が始まろうとしていた。 サハチ(佐敷若按司)が十四歳になった年の二月の事だった。事の始まりは、大(うふ)グスクに新年の挨拶に訪れた島添大里(しましいうふざとぅ)グスクからの使者だった。 使者は恒例の挨拶のあと、以前のように、島添…