長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2015-02-27から1日間の記事一覧

18.富山浦(改訂決定稿)

サハチ(佐敷若按司)はヒューガ(三好日向)と一緒に高麗(こうらい)の国(朝鮮半島)に来ていた。 それは突然の出来事だった。サイムンタルー(左衛門太郎)の船に乗せられて、言葉の通じない異国に来たのだった。 イトと出会ってから、サハチは毎日のよう…

17.対馬島(改訂決定稿)

対馬(つしま)は山ばかりの島だった。 南北に細長い大きな島で、サンルーザ(早田三郎左衛門)の村は島の西側、中程にある大きな湾の入り口辺りにあった。 『浅海湾(あそうわん)』と呼ばれるその湾は、奥が深くて複雑な地形で、山々が湾内に細長くせり出して…

16.博多(改訂決定稿)

ようやく、念願の博多にやって来た。 壱岐島(いきのしま)の『志佐壱岐守(しさいきのかみ)』の船に乗って、サハチ(佐敷若按司)はサイムンタルー(左衛門太郎)、ヒューガ(三好日向)と一緒に九州の都、博多の地に上陸した。 志佐壱岐守とサンルーザ(早田…