長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2015-02-28から1日間の記事一覧

20.兵法(改訂決定稿)

対馬(つしま)の冬は、琉球育ちのサハチ(佐敷若按司)には物凄く寒かった。 壱岐島(いきのしま)にいた頃の宇座按司(うーじゃあじ)(泰期(たち))が首に巻いていたという襟巻きを、イトに作ってもらって首に巻いていた。 八月になると海水も冷たくなって、イ…

19.マチルギ(改訂決定稿)

サハチ(佐敷若按司)が対馬(つしま)でイトと仲良くやっている頃、マチルギは一人で悩んでいた。 サハチがヤマトゥ(日本)に旅立ったあと、マチルギは毎日休まず、剣術の稽古に励んでいた。サハチがヤマトゥから帰って来た時、試合をして勝たなければならな…