長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2015-03-30から1日間の記事一覧

57.シタルーの非情(改訂決定稿)

半月振りに戻って来た、島添大里(しましいうふざとぅ)グスクの戦陣は随分と変わっていた。 ファイチ(懐機)が考えて、大(うふ)グスクで作った櫓(やぐら)と同じような櫓が五つも立っていた。誰かが、大グスクに偵察に行ったようだった。櫓と櫓をつなぐ通路は…

56.作戦開始(改訂決定稿)

大(うふ)グスクの城下に住んでいた人たちの中に、マナビー(真鍋)がいた。戦死したと思っていた、大グスクヌルのマナビーが生きていた。 大グスクが落城した時、マナビーはグスクの外にあるウタキ(御嶽)でお祈りをしていて助かり、城下の人たちに匿(かく…