長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2019-07-14から1日間の記事一覧

2-212.志慶真のウトゥタル(改訂決定稿)

十二月になって、そろそろ湧川大主(わくがーうふぬし)が鬼界島(ききゃじま)(喜界島)から帰って来るだろうとウニタキ(三星大親)は今帰仁(なきじん)に向かった。 鬼界島に何人の兵がいるのか知らないが、四百の兵と鉄炮(てっぽう)(大砲)で攻めれば、今年…

2-211.ナコータルー(改訂決定稿)

十一月の初め、島尻大里(しまじりうふざとぅ)ヌル(前豊見グスクヌル)が無事に女の子を産んだ。跡継ぎができたと島尻大里ヌルは涙を流して喜んだ。三十歳を過ぎて、跡継ぎの事はもう諦めていた。それなのに突然マレビト神が現れて、娘を授かった。島尻大里…