長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

クーイの若ヌルの略歴(1396-1416)

1361年 羽地按司(帕尼芝)が今帰仁グスクを奪い取り今帰仁按司になる。
    今帰仁按司と若按司が殺され、祖母の今帰仁若ヌルが沖のクーイ島(古宇利
    島)に流される。
    祖母が島の長老の世話になり、長老の息子と結ばれる。
    祖母は男の子が生まれたら父と兄の敵討ちを託し、女の子が生まれたらヌルと
    して育てて、敵討ちの事は忘れようと決心する。
1367年 母が生まれる。祖母は敵討ちを諦め、母をヌルとして育てる。

1382年 10月 今帰仁按司が明国に進貢して、帕尼芝の名で山北王になる。

1390年 過去の事を母に話す事なく、祖母は亡くなる。母がクーイヌルを名乗る。

1391年 中山王の兵が今帰仁に攻めて来て、帕尼芝が戦死し、珉が山北王になる。

1395年 3月 山北王珉が病死して、攀安知が山北王になる。
    母が島に流れ着いたヤマトゥンチュと結ばれる。

1396年 マナビダルが生まれる。1歳

1398年 父のヤマトゥンチュが今帰仁からヤマトゥに帰る。3歳

1407年 ヌルの修行を始める。12歳

1410年 10月 山北王が山南王と同盟する。15歳

1411年 5月 山北王が中山王と同盟する。16歳
    山南王と中山王も同盟して三王同盟になる。

1414年 3月 山北王攀安知が妻と側室たちを連れて島に来て、母と一緒に会う。19歳
    攀安知を一目見てマレビト神に違いないとわかるが、山北王だと聞いて驚き、
    雲の上の人だと諦める。
    4月 攀安知が沖のクーイ島に来たので、やはり運命の人だったと感激して、一
    緒に今帰仁に行く。
    初めて島から出たので何を見ても驚き、高い石垣で囲まれた今帰仁グスクを見
    ると、まるで夢の世界にいるようだと目を丸くする。
    今帰仁に5日間滞在して都見物を楽しみ、沖のクーイ島に帰る。
    5月 攀安知が自分のために沖のクーイ島の西側に御殿を築き始める。
    10月 攀安知が島に来る。
    12月 御殿が完成し、10人の侍女に囲まれ、20人のサムレーに守られる。
    攀安知の長男ミンが山南王の世子として島尻大里に行く。

1415年 1月 正月の行事を終えて攀安知が島に来る。
    3月 攀安知と一緒に今帰仁のお祭りを楽しむ。
    4月 鬼界島攻めに行く湧川大主を見送り、攀安知が島に来る。
    新しい明国の海賊が来たとの知らせを受けて攀安知が運天泊に行く。
    7月 明国の海賊が帰ったあと、攀安知が島に来る。
    ヌルたちの安須森参詣に参加し、佐敷ヌルと平田ヌルと仲良くなる。
    8月 攀安知が島に来て、一緒に十五夜を楽しむ。

1416年 1月 正月の行事を終えて攀安知が島に来る。
    奥間の長老を奥間按司に任命して、鍛冶屋ごと山北王の支配下に組み入れれば
    いいと攀安知に言うと、中山王を倒したら奥間按司の事は考えようと攀安知
    言う。
    今帰仁に帰った攀安知が奥間村を焼き払う。
    2月 奥間の焼き討ちから一月が経ち、城下の騒ぎも治まったので攀安知が島に
    来る。
    ここで待っているのは辛いから、正妻のマアサと側室のクンを追い出してと攀
    安知言う。
    攀安知が来年の今頃は首里にいて、お前は中山王になった俺の正妻だと言った
    ので納得する。
    3月 志慶真ヌルが亡くなり、南部から来たミナが志慶真ヌルを継ぐ。
    攀安知と一緒に今帰仁のお祭りを楽しむ。
    お芝居「志島のウトゥタル」を観て、強いウトゥタルに憧れて、武芸を身に付
    けたいと思う。
    お祭りの翌日、中山王が攻めて来るという噂を聞いて驚き、攀安知に連れられ
    て今帰仁グスクの一の曲輪の御殿に入る。
    夜、今帰仁の城下が全焼する。
    攀安知に島に帰れと言われるが帰らない。
    外曲輪にいる側室のウクたちと一緒に志慶真ヌルに会いに行き、剣術を教えて
    ほしいと頼む。
    朝のお祈りと剣術の稽古が始まる。
    4月 最後の剣術の稽古の日、志慶真ヌルから武当拳を教わり、祖母が今帰仁
    ヌルだった事を聞いて驚く。
    中山王の大軍が今帰仁グスクに攻めて来る。
    鉄炮の恐ろしさに気を失い、目覚めると攀安知と出会ってからの記憶がなくな
    る。
    侍女のイリーが鉄炮にやられて亡くなる。
    天井から太い柱が落ちてきて、侍女のカフィと一緒に押し潰されて亡くなる。