長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

湧川大主の略歴(1377-1416)

1361年 祖父の羽地按司今帰仁グスクを奪い取り今帰仁按司になる。

1376年 兄ハーンが生まれる。

1377年 本部で本部大主の次男に生まれる。童名はジルータ。1歳

1379年 妹マハニが生まれる。3歳

1380年 1月 ウクヌドー(奥堂)が今帰仁に来て、城下に「油屋」を開く。4歳

1382年 10月 祖父が明国に進貢して、帕尼芝の名で山北王になる。6歳

1383年 妹マキクが生まれる。7歳

1385年 1月 ヤマトゥの山伏、アタグ(愛宕)が本部に来る。 9歳

1386年 兄ハーン、テーラーと一緒にアタグから武術を習い始める。 10歳
    弟サンルータが生まれる。

1391年 4月 今帰仁合戦。山北王の祖父と跡継ぎの伯父が戦死する。15歳
    父の珉が山北王になり、本部から今帰仁グスクに移る。

1393年 4月 城下が再建される。17歳
    5月 兄ハーン、テーラーと一緒に「油屋」の船に乗ってヤマトゥに行く。
    12月 ヤマトゥから帰る。

1394年 3月 父が中山王と同盟する。18歳
    妹のマハニが武寧の次男ンマムイに嫁ぎ、武寧の娘マアサがハーンに嫁
    ぐ。
    4月 羽地按司の娘ミキを妻に迎える。

1395年 3月 父の珉が病死して、ハーンが攀安知の名で山北王になる。19歳
    叔母の勢理客ヌルと一緒に運天泊の密貿易を管理する。
    10月 中山王察度が亡くなり、武寧が中山王になる。
    浮島で行なわれた察度の葬儀に兄と一緒に参加する。
    12月 五島の宇久伊豆守勝の船が親泊に来て取り引きをする。

1396年 5月 与論島を攻め、勝連一族の按司を倒して、与論島を占領する。20歳
    叔父が与論按司になる。
    長女ランが生まれる。母は正妻ミキ。
    9月 宇久氏のための宿泊施設「五島館」が今帰仁城下に完成する。
    11月 中山王の進貢船に便乗して、テーラーが護衛兵として明国に行く。

1397年 3月 攀安知浦添グスクの婚礼に行く。21歳

1398年 5月 明国に行った使者が帰国。ようやく進貢船を下賜される。22歳
    閏5月 洪武帝が亡くなり、明国で内乱が続いて進貢ができなくなる。
    明国の密貿易船が次々と来る。
    妹マキクが永良部按司の次男に嫁ぐ。
    次女ユリが生まれる。母は正妻ミキ。
    10月 下賜された船で明国に行くが、応天府へは行けずに泉州で取り引き
    をして帰る。
    11月 祖母が亡くなる。

1399年 3月 名護に屋敷を築いて側室マチを入れる。23歳
    5月 リューインが密貿易船で今帰仁に来て、攀安知が軍師に迎える。
    リュウインを乗せて来たのはヂャンルーチェンの船で、ジォンダオウェン
    も一緒に来る。
    リュウインのために屋敷を城下に新築し、その周辺が唐人町になる。
    12月 島津元久の船が親泊に来て取り引きをする。

1400年 4月 弟サンルータが攀安知の側室に手を出し、母親と一緒に城下の屋敷に
    移る。24歳
    5月 明国の密貿易船が運天泊に来る。
    リンジェンフォンの船に乗ってソンウェイが運天泊に来る。
    8月 叔母の勢理客ヌルがウタキ巡りの旅をしている馬天ヌルを今帰仁に連
    れて行く。
    9月 密貿易船が帰る。
    島津氏のための宿泊施設「薩摩屋敷」が今帰仁城下に完成する。
    国頭に屋敷を築いて側室クルキを入れる。
    12月 密貿易に来る海賊たちの宿泊施設「天使館」が城下に完成する。
    スズナリが父の敵を討つために浦添に行く。
    島津家のサムレーたちが来て、完成した「薩摩屋敷」に入る。

1401年 2月 羽地に屋敷を築き、側室メイを入れる。25歳
    三女チルーが生まれる。母は名護の側室マチ。
    5月 ヂャンルーチェンの息子ヂャンイーミンがジォンダオウェンと一緒に
    運天泊に来る。
    9月 ヂャンイーミンが帰る。
    11月 山南王(汪英紫)が亡くなり、八重瀬按司と豊見グスク按司家督
    争いが南部で始まる。
    12月 妹マハニが嫁いだ武寧の次男ンマムイが兼グスク按司になり、阿波
    根にグスクを築くための材木を浮島に送る。

1402年 1月 南部の戦が終わり、豊見グスク按司(シタルー)が山南王になる。
    佐敷按司(サハチ)が島添大里グスクを攻め落として島添大里按司になる。
    四女カミーが生まれる。母は羽地の側室メイ。
    5月 ヂャンイーミンがジォンダオウェンと一緒に運天泊に来る。
    6月 明国で永楽帝が皇帝となる。
    9月 ヂャンイーミンが帰る。
    12月 弟のサンルータがテーラーと一緒に進貢船に乗って明国に行く。
    首里にグスクを築くためと天使館を改築するため材木を浮島に送る。
    首里グスクの普請場に人足を入れて、グスクの様子を探る。

1403年 5月 ヂャンイーミンがジォンダオウェンと一緒に運天泊に来る。27歳
    6月 進貢船が帰り、サンルータが帰国する。
    8月 明国から永楽帝の使者が浮島に来る。
    ヂャンイーミンが帰る。
    閏10月 永楽帝の使者が帰る。
    12月 首里グスク建築のための材木を浮島に運ぶ。

1404年 1月 進貢船を送る。28歳
    2月 サンルータが国頭按司の娘クミを妻に迎える。
    4月 明国から冊封使が初めて浮島に来る。
    5月 武寧が首里の宮殿で冊封の儀式を行ない、正式に中山王になる。
    6月 汪応祖首里の宮殿で冊封の儀式を行ない、正式に山南王になる。
    進貢船が帰る。
    五女ユイが生まれる。母は国頭の側室クルキ。
    11月 冊封使が帰国する。
    12月 首里グスク建築のための材木を浮島に運ぶ。

1405年 2月 進貢船を送る。29歳
    4月 一の曲輪の御殿(二階建て)の新築を始める。
    首里グスクを真似して二の曲輪を御庭にする。
    5月 ヂャンイーミンがジォンダオウェンと一緒に運天泊に来る。
    7月 進貢船が帰る。
    8月 ヂャンイーミンが帰る。
    10月 進貢船を送る。
    12月 首里グスク建築のための材木を浮島に運ぶ。

1406年 1月 首里グスクが完成する。30歳
    2月 武寧が殺され、佐敷按司の父親が中山王になる。
    王妃の妹の浦添ヌルが今帰仁に逃げて来て、父の敵を討ってくれと言う。
    3月 一の曲輪の御殿が完成する。祝いの宴。
    4月 ジォンダオウェンが運天泊に来る。
    5月 進貢船が帰国し、弟のサンルータが真喜屋之子に殺される。
    6月 真喜屋之子を探していて、玉グスクヌルのユカと出会い結ばれる。
    硫黄鳥島を奪い取ろうとして失敗する。
    7月 ジォンダオウェンがメイファンを乗せて帰る。
    8月 中山王から贈られた側室ハビーを攀安知から譲られ、運天泊の屋敷に
    置く。
    今帰仁城下に、浦添から逃げて来た「よろずや」が開店する。
    12月 名護に「よろずや」が開店する。
    首里の城下建設のための材木を浮島に送る。

1407年 1月 従弟の2人を恩納按司、金武按司に任命してグスクを築かせる。31歳
    2月 浦添の「油屋」を首里に移転し、ウクヌドーが首里に行く。
    5月 明国の海賊リンジェンフォン(林剣峰)が運天泊に来る。
    リンジェンフォンとの取り引きが始まる。
    リンジェンフォンの配下から少林拳を習う。
    7月 六女トゥミが生まれる。母は中山王の側室ハビー。
    9月 御内原の御殿が完成する。重臣たちを集めて今後の対策を練る。
    ・志慶真の長老から今帰仁の歴史を聞く。
    ・リンジェンフォンが毎年来てくれるので、進貢船を送るのはやめる。
    ・中山王と山南王はしばらく様子を見て、北に勢力を広げる。
    10月 リンジェンフォンが帰る。
    二の曲輪の御庭の両側に屋敷を建て始める。
    12月 首里の城下建設のための材木を浮島に送る。

1408年 5月 攀安知テーラーを連れて進貢船に乗って徳之島を攻める。32歳
    留守を任される。
    リンジェンフォンの息子のリンジョンシェン(林正賢)が運天泊に来る。
    9月 仲尾大主を蔵奉行に任命する。
    リンジョンシェンが帰る。
    12月 攀安知が徳之島を占領して帰る。
    妹婿の永良部按司の次男を徳之島按司に任命する。
    首里の城下建設のための材木を浮島に送る。

1409年 1月 二の曲輪の完成祝宴。33歳
    3月 長男ミンジが生まれる。母は羽地の側室メイ。
    5月 テーラーと一緒に進貢船で奄美大島を攻める。
    奄美大島の浦上で平家の子孫の孫六、孫八兄弟と会う。
    7月 倭寇の拠点、赤木名グスクを攻め落とす。
    8月 台風が来る。
    10月 倭寇の拠点、赤峰グスクを攻め落とす。
    11月 戸口で平家の子孫の左馬頭と会う。
    12月 加計呂麻島の諸鈍で平家の子孫の小松殿と会い、今帰仁按司の先祖
    は平維盛だと聞く。

    奄美大島北半分を占領して帰る。
    首里の城下建設のための材木を浮島に送る。

1410年 4月 テーラー攀安知の側室に手を出して謹慎となり、本部に帰る。
    5月 奄美大島南部を攻め取るために、羽地按司の次男を奄美按司に任命
    し、叔父の本部大主を付けて送る。
    ナコータルーを材木屋の主人に任命する。
    6月 妹のマハニが夫のンマムイと子供たちを連れて今帰仁に来る。
    ンマムイが持って来た山南王の書状を見て、今後のために山南王と同盟し
    た方がいいと攀安知に進言する。
    リンジョンシェンが運天泊に来る。
    8月 按司ミンと婚約した山南王の娘ママチーが母親と一緒に今帰仁に来
    る。
    9月 リンジョンシェンが帰る。
    10月 攀安知の長女マサキが山南王の三男グルムイに嫁ぐ。
    山南王と山北王の同盟。
    11月 奄美按司が半数の兵を失って帰って来る。
    攀安知奄美大島攻め失敗の腹いせに伊平屋島を攻める。
    12月 ヤマトゥから帰る中山王の交易船を伊平屋島で奪い取ろうとするが失
    敗する。
    首里の寺院建設のための材木を浮島に送る。

1411年 1月 マサキを守るため知名大主を島尻大里の保栄茂グスクに送る。35歳
    5月 伊是名島を攻める。
    伊是名島沖で中山王の水軍との海戦が行なわれる。
    与論島から兵が来て、与論島が中山王の兵に奪われたと聞いて驚く。
    伊是名島攻めを中止して中山王と同盟するように進言し、攀安知も承諾す
    る。
    新しい与論按司を連れて与論島に行く。
    山南王も中山王と同盟して三王同盟になる。
    テーラー奄美大島を攻める。
    6月 リンジョンシェンが運天泊に来る。
    9月 リンジョンシェンが帰る。
    10月 首里大聖寺が完成する。
    12月 テーラー奄美大島を平定して帰る。
    南部の旅芸人が今帰仁に来てお芝居を演じる。
    首里の寺院建設のための材木を浮島に送る。

1412年 2月 攀安知の次女マナビーが島添大里按司(サハチ)の四男チューマツに
    嫁ぐ。36歳
    マナビーを守るため仲尾大主を島添大里のミーグスクに送る。
    3月 志慶真の長老が亡くなる。
    5月 前与論按司父子が鬼界島攻めに向かう。
    馬天ヌルか今帰仁に来て、志慶真ヌルと一緒にクボーヌムイに入る。
    7月 リンジョンシェンが運天泊に来て、鉄炮付きの武装船を山北王に贈る。
    武装船の管理を任され、鉄炮の試し撃ちをする。
    父のリンジェンフォンが亡くなり、ソンウェイに裏切られたとリンジョン
    シェンから聞く。
    9月 リンジョンシェンが帰る。
    11月 南部の旅芸人が今帰仁に来てお芝居を演じる。
    12月 前与論按司が鬼界島攻めに失敗して帰る。
    兵を乗せて行った進貢船も大破して使い物にならなくなる。
    幼なじみの備瀬大主の戦死を悲しみ、敵は必ず討つと誓う。
    首里の寺院建設のための材木を浮島に送る。

1413年 1月 首里に報恩寺が完成する。37歳
    6月 リンジョンシェンが運天泊に来る。
    7月 馬天ヌルの安須森参詣にヤンバルのヌルたちも参加する。
    南部の旅芸人が今帰仁に来て、「小松の中将様」を演じて大評判になる。
    諸喜田大主と一緒に武装船に乗って鬼界島を攻める。
    浦添ヌルのマジニが奄美按司の娘を指導するために乗っていく。
    加計呂麻島の諸鈍で小松殿から鬼界島の事を聞く。
    台風が来て、奄美大島の赤木名でマジニと結ばれる。
    鉄炮を撃ち、総攻撃をして鬼界島に上陸するが御所殿に逃げられる。
    8月 花良治で島のヌルと出会い、マジニはウタキに入り神様の声を聞く。
    島の若者たち100人を鍛える。
    9月 リンジョンシェンが帰る。
    10月 八重瀬按司が弟の汪応祖を殺して、達勃期の名で山南王になる。
    南部で家督争いが始まる。
    母(58)が亡くなる。
    12月 テーラーが豊見グスクと保栄茂グスクの中程に、テーラーグスクを築
    き始める。
    マジニを赤木名に送り、鬼界按司の一名代大主に任せて今帰仁に帰る。
    永良部按司が亡くなり、妻のマティルマが今帰仁に来て、そのまま外曲輪
    の屋敷で暮らす。
    南部の家督争いの経緯を聞き、他魯毎を助けて、若按司のミンを山南王の
    世子にすればいいと攀安知に進言する。ミンを山南王にして、次男のフニ
    ムイを山北王にして、攀安知か中山王になればいいと言うと、攀安知は満
    足そうにうなづく。
    首里の寺院建設のための材木を浮島に送る。

1414年 1月 奄美大島から来た使者から、鬼界按司たちが全滅して、御所殿が復帰
    していると聞き、こみ上げてくる怒りを必死で堪える。38歳
    諸喜田大主が兵を率いて南部に出陣する。
    3月 攀安知が沖の郡島(古宇利島)に行き、クーイの若ヌルと出会う。
    他魯毎と山北王の兵で島尻大里グスクを攻め、摩文仁を殺し、他魯毎が山
    南王になる。
    他魯毎を助けた見返りとして、若按司ミンを山南王の世子にする。
    島添大里のミーグスクにいた仲尾大主が山南王の重臣になる。
    4月 攀安知が沖の郡島に行き、クーイ若ヌルを今帰仁に連れて来る。
    鬼界島攻めに行く予定だったが妻が倒れて延期となる。
    5月 南部に行った兵たちが帰って来る。
    師匠のアタグがヤマトゥに帰る。
    攀安知がクーイの若ヌルのために沖の郡島の西側に御殿を築き始める。
    妻(37)が亡くなり、鬼界島攻めは来年に延期になる。
    首里慈恩寺が完成する。
    7月 ヌルたちの安須森参詣に今帰仁ヌルも参加する。
    リンジョンシェンが戦死して、運天泊に来ない。
    リュウインがウニタキと一緒に首里に行き、中山王と会って取り引きをま
    とめる。
    9月 「材木屋」が宜野座に拠点を作って勝連按司と取り引きを始める。
    10月 前山南王妃トゥイが今帰仁に来る。トゥイに若按司ミンを会わせる。
    12月 按司ミンが山南王の世子として島尻大里に行く。
    沖の郡島にクーイの若ヌルの御殿が完成する。
    首里の寺院建設のための材木を浮島に送る。

1415年 1月 海船を賜わるためにリュウインが使者として中山王の進貢船に便乗し
    て進貢する。39歳
    3月 攀安知がクーイの若ヌルと一緒にお祭りを楽しむ。
    油屋のユラが書いたお芝居「瓜太郎」と旅芸人のお芝居「かぐや姫」が演
    じられる。
    4月 鬼界島攻めに向かう。
    永良部島沖で、鬼界島の船を沈める。
    奄美大島万屋グスクでマジニと再会する。
    総攻撃をするが敵の反撃に遭って上陸できずに引き上げる。
    新しい海賊が明国から運天泊に来る。
    6月 攀安知に依頼した援軍が四隻の船で万屋に来る。
    二度目の総攻撃を掛けるが、敵の罠にはまって多くの戦死者を出し、御所
    殿を倒す事ができずに引き上げる。
    惨めな負け戦に酒に溺れる。
    7月 明国の海賊が帰る。
    ヌルたちの安須森参詣に娘の勢理客若ヌルも参加する。
    他魯毎冊封するために冊封使が浮島に来る。
    8月 マジニのお陰で立ち直り、鬼界島攻めを中止にする。
    山北王の弟という身分をやめて自分らしく生きようと決めたとマジニに言
    う。
    島の若者たちに武当拳を教える。
    9月 永楽帝の娘のリーポー姫、パレンバンの王女、ジャワの王女、トンドの
    王女たちが今帰仁に来て攀安知が歓迎する。
    鬼界島に台風が来て、山北王の船4隻が座礁してしまう。
    中山王の進貢船が帰国し、海船を賜わる事はできたが、リュウインが永楽
    帝に仕える事になり帰って来ない。
    10月 冊封使が帰国する。リュウインの家族が乗って行く。
    12月 多くの兵を失い、鬼界島攻めに失敗して帰り、攀安知に怒鳴られる。
    鬼界島攻めで戦死した家族を回って頭を下げる。
    運天泊に帰り、配下の割目之子から留守中の出来事を聞き、リュウインが
    明国から帰らないと聞いて驚く。
    戦死した配下の家族を回って頭を下げる。
    羽地グスクに行き、義弟の羽地按司に詫びる。
    国頭に行き、叔父の国頭按司に今後の事を説明し、側室のクルキから王女
    たちが来た事と油屋のユラが南部の娘たちを連れてきた事を聞く。

1416年 1月 新年の挨拶に今帰仁に行くが攀安知に追い返される。40歳
    攀安知が奥間村を焼き払う。
    運天泊で奥間炎上を聞いて、兄貴がとうとうやっちまったかと嘆く。
    南部の旅芸人が今帰仁に来て、お芝居を演じる。
    2月 羽地、名護、国頭の長老が「まるずや」の船に乗って首里見物に行く。
    久し振りに玉グスクヌルのユカを訪ね、自分の娘がいたのに驚き、村人た
    ちと一緒に酒盛りを楽しむ。
    3月 今帰仁のお祭りを側室たちと一緒に楽しむ。
    油屋のユラのお芝居「志慶真のウトゥタル」と旅芸人のお芝居「千代松」
    が演じられる。
    お祭りの翌日の夜、今帰仁城下が全焼する。
    攀安知に呼ばれて今帰仁に行き、焼け跡の城下に驚き、武装船の鉄炮をす
    べてはずしてグスクに持って来いと言われる。
    今帰仁グスクに運ぼうとした6つの鉄炮を敵に奪われ、側室たちを武装船に
    乗せて逃亡する。