長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

2-102.安須森(改訂決定稿)

去年の十一月、ヤンバル(琉球北部)に旅だったウニタキ(三星大親)の旅芸人たちは、浦添(うらしい)、中グスク、北谷(ちゃたん)、越来(ぐいく)、勝連(かちりん)、安慶名(あぎなー)、伊波(いーふぁ)、山田と各城下でお芝居を演じ、周辺の村々(しまじま)でも…

2-101.悲しみの連鎖(改訂決定稿)

中山王(ちゅうさんおう)(思紹)の孫、チューマチと山北王(さんほくおう)(攀安知)の娘、マナビーの婚礼は大成功に終わった。 サハチ(中山王世子、島添大里按司)たちが会同館(かいどうかん)でお祝いの宴(うたげ)をやっていた時、開放された首里(すい)グス…

2-100.華麗なる御婚礼(改訂決定稿)

二月九日、首里(すい)グスクのお祭り(うまちー)が行なわれた。 首里に滞在していたイトたちは勿論の事、与那原(ゆなばる)で武術修行をしていたスヒター(ジャワの王女)たちも戻って来て、お祭りを楽しんだ。 お芝居は『鎮西八郎為朝(ちんじーはちるーたみと…

2-99.ミナミの海(改訂決定稿)

慈恩禅師(じおんぜんじ)と別れて、島添大里(しましいうふざとぅ)グスクに帰るとサスカサが(島添大里ヌル)待っていた。 ナツと話をしていたサスカサは、サハチ(中山王世子、島添大里按司)を見ると急に目をつり上げて、「あたしよりも年下の娘を側室に迎え…

2-98.ジャワの船(改訂決定稿)

十二月の末、ヤマトゥ(日本)に行った交易船が無事に帰国した。交易船はジャワ(インドネシア)の船を連れて来た。 突然のジャワの船の来訪で、浮島(那覇)も首里(すい)も大忙しとなった。 サハチ(中山王世子、島添大里按司)を始め、首里の者たちは『ジ…