長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2-19.刺客の背景(改訂決定稿)

サハチたちが武当山(ウーダンシャン)で武術修行をしていた頃、琉球では馬天(ばてぃん)ヌルが久高島(くだかじま)のフボーヌムイ(フボー御嶽)に籠もっていた。 首里(すい)グスクのお祭り(うまちー)の時、ヌルのスズナリが中山王(ちゅうざんおう)を殺した事件…

2-18.霞と拳とシンシンと(改訂決定稿)

サハチたちは武当山(ウーダンシャン)の山の中で、ヂャンサンフォン(張三豊)の指導のもとに武術修行に励んでいた。 数日前の朝早く、『朝天宮(チャオティェンゴン)』を出発して天界に入った。細い山道を登って、一天門、二天門、三天門と三つの門をくぐって…

2-17.武当山の仙人(改訂決定稿)

果てしない大地が延々と続いていた。 軽い気持ちで武当山(ウーダンシャン)に行くと決めたが、武当山はあまりにも遠かった。辺り一面、広々とした平原が延々と続き、山はずっと遠くの方に見えた。人とまったく出会わない事もあり、人が大勢いた都が懐かしく思…

2-16.真武神の奇跡(改訂決定稿)

富楽院(フーレユェン)の『桃香楼(タオシャンロウ)』で、ヂュヤンジン(朱洋敬)とリィェンファ(蓮華)の婚約のお祝いだとサハチたちは一晩中騒いでいた。 前回に一緒だった可愛い三人の妓女(ジーニュ)、リーファ(梨華)、ランファ(蘭華)、ジュファ(菊華…