長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

3-09.海の『まるずや』(第二稿)

越山(くしやま)のウタキ(御嶽)で神様の話を聞いた翌日、鳥島(とぅいしま)(硫黄鳥島)の事を聞こうとサスカサたちはサミガー親方(うやかた)に会いに行った。永良部按司(いらぶあじ)になったサミガー親方だったが、仕事の引き継ぎをしなければならないと言…

3-08.永良部ヌルと鳥島(第二稿)

世の主(ゆぬぬし)(永良部按司)が以前に暮らしていた玉グスクは、新しいグスクの東、半里(約二キロ)ほどの小高い丘の上にあり、浦添(うらしい)グスクを小さくしたようなグスクだった。 高い石垣はかなり古く、英祖(えいそ)の弟が永良部按司(いらぶあじ)に…

3-07.永良部島騒動(第三稿)

武装船を先頭に中山王(ちゅうざんおう)(思紹)の船は永良部島(いらぶじま)(沖永良部島)に向かっていた。 永良部島には『アキシノ様(初代今帰仁ヌル)』の子孫のヌルがいるという。母(マチルギ)から聞いた話では初代の永良部ヌルはアキシノ様の孫で、代…