長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

2-174.さらばヂャンサンフォン(改訂決定稿)

ヂャンサンフォン(張三豊)の送別の宴(うたげ)はやらなくても、三姉妹たち、旧港(ジゥガン)(パレンバン)のシーハイイェン(施海燕)たち、ジャワ(インドネシア)のスヒターたちの送別の宴はやらなければならなかった。 サハチ(中山王世子、島添大里按司…

2-173.苗代大親の肩の荷(改訂決定稿)

安須森(あしむい)ヌル(先代佐敷ヌル)とササ(運玉森ヌル)たちが南の島を探しに船出した二日後、平田グスクのお祭り(うまちー)が行なわれた。サハチ(中山王世子、島添大里按司)もそうだが、お祭りに集まった誰もが、ササと安須森ヌルの噂をしていた。無…

2-172.ユウナ姫(改訂決定稿)

ササ(運玉森ヌル)たちはドゥナンバラ村のツカサの案内で『ウラブダギ(宇良部岳)』に登っていた。 サンアイ村から坂道を下ってタバル川に出て、丸木橋を渡って密林の中に入った。密林の中にある沼を右に見ながら進んで、沼の先をしばらく行くとアラタドゥ…

2-171.ドゥナン島(改訂決定稿)

ササ(運玉森ヌル)たちは十日間、クン(古見)按司と対抗するために、ユーツン(高那)の若者たちと娘たちを鍛えていた。 若ツカサのリンとユマは思っていたよりも強く、若者たちもその強さに驚いていた。二人はミッチェのもとで修行を積んで、ユーツンに帰…