長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

2-178.婿入り川(改訂決定稿)

十二月の初め、島尻大里(しまじりうふざとぅ)ヌル(前豊見グスクヌル)と座波(ざーわ)ヌルが島添大里(しましいうふざとぅ)グスクにやって来た。 安須森(あしむい)ヌル(先代佐敷ヌル)は留守なのに、何の用だろうとサハチ(中山王世子、島添大里按司)は御門…

2-177.アミーの娘(改訂決定稿)

ヂャンサンフォン(張三豊)がいなくなって半月余りが過ぎた。何となく、琉球が静かになってしまったようだとサハチ(中山王世子、島添大里按司)は感じていた。 今、改めて思い出してみると、もし、ヂャンサンフォンが琉球に来なかったら、『ハーリー』から…

2-176.今帰仁での再会(改訂決定稿)

五日間、奥間(うくま)でのんびりと過ごしたトゥイ(先代山南王妃)たちはサタルーと一緒に今帰仁(なきじん)に向かっていた。 奥間まで来たのだから、山北王(さんほくおう)(攀安知)の城下、今帰仁に行ってみたいとトゥイは思った。今帰仁グスクには山北王の…

2-175.トゥイの旅立ち(改訂決定稿)

三姉妹の船に乗って、ヂャンサンフォン(張三豊)は山グスクヌル(先代サスカサ)と一緒に琉球を去って行った。二階堂右馬助(にかいどううまのすけ)も一緒だった。 右馬助は馬天浜(ばてぃんはま)のお祭りに大里(うふざとぅ)ヌルと一緒に久高島(くだかじま)か…