長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

2-222.東松田の若ヌル(改訂決定稿)

美浜島(んばまじま)(浜比嘉島)に一泊して勝連(かちりん)に戻ったササ(運玉森ヌル)たちは、勝連若ヌルを連れて、『東松田(あがりまちだ)の若ヌル』に会うために読谷山(ゆんたんじゃ)の喜名(きなー)に向かった。 美浜島でササの弟子の若ヌルたちが神様の声…

2-221.シネリキヨ(改訂決定稿)

中山王(ちゅうざんおう)(思紹)と山南王(さんなんおう)(他魯毎)の進貢船(しんくんしん)が船出した日、ササ(運玉森ヌル)たちは沢岻(たくし)に向かっていた。 母の馬天(ばてぃん)ヌルは沢岻ヌルを知らなかった。浦添(うらしい)ヌルのカナも知らなかったし…

2-220.被慮人探し(改訂決定稿)

ササ(運玉森ヌル)と安須森(あしむい)ヌル(先代佐敷ヌル)が須久名森(すくなむい)の山頂で『鎮魂の曲』を吹いた翌日の夕方、首里(すい)の『まるずや』で四度目の戦評定(いくさひょうじょう)が開かれた。安須森ヌルと一緒にササも加わっていた。奥間(うくま…

2-219.須久名森(改訂決定稿)

首里(すい)から呼んだサムレー大将の田名親方(だなうやかた)と楽隊に先導されて、李芸(イイエ)と早田(そうだ)五郎左衛門は連れて来た役人や護衛兵と一緒に首里へと行進した。マチルギが連れて来た女子(いなぐ)サムレーたちが、沿道の家々に朝鮮(チョソン)か…

2-218.李芸と再会(改訂決定稿)

浮島(那覇)にヤマトゥ(日本)から帰って来た交易船、『李芸(イイエ)』を乗せた朝鮮船(チョソンぶに)、ササ(運玉森ヌル)たちを乗せた愛洲(あいす)ジルーの船が着いて、馬天浜(ばてぃんはま)にシンゴ(早田新五郎)、マグサ(孫三郎)、ルクルジルー(早…

2-217.奥間炎上(改訂決定稿)

仲宗根泊(なかずにどぅまい)から三隻の船に乗って奥間(うくま)沖に来た諸喜田大主(しくーじゃうふぬし)が率いる兵たちは、小舟(さぶに)に乗って砂浜に上陸した。 諸喜田大主は配下の仲尾之子(なこーぬしぃ)に奥間村を偵察するように命じて、全員が上陸するの…

2-216.奥間ヌルの決断(改訂決定稿)

正月気分も治まってきた正月の十日、ファイテ(懐機の長男)とミヨン(ウニタキの長女)、ジルーク(浦添按司の三男)と女子(いなぐ)サムレーのミカ、ウニタル(ウニタキの長男)とマチルー(サハチの次女)が旅に出て行った。南部を一回りしてから北に向か…