長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

3-06.与論島平定(第三稿)

梅雨が上がった五月の五日、山グスク大親(うふや)(サグルー)が奄美の島々を平定するために水軍大将のヒューガ(日向大親)の武装船に乗って親泊(うやどぅまい)(今泊)を出帆した。弟のジルムイ(島添大里之子)とマウシ(山田之子)とシラー(久良波之子…

3-05.伊江島と瀬底島(第三稿)

瀬底(しーく)の若ヌルが今帰仁(なきじん)に来た翌日、雨がやんで、久し振りに日が出たので、サスカサ(島添大里ヌル)、シンシン(今帰仁ヌル)、ナナ(クーイヌル)、タマ(東松田の若ヌル)、志慶真(しじま)ヌルがサグルー(山グスク大親)とマウシ(山田…

3-04.今帰仁再建(第三稿)

今帰仁(なきじん)グスクの外曲輪(ふかくるわ)に朝鮮(チョソン)の綿布(めんぷ)で作った仮小屋がずらりと並んで建っていた。戦(いくさ)の被害が少なく、広い外曲輪が今帰仁再建の拠点として機能していた。 三の曲輪と中曲輪を囲む高い石垣は所々に鉄炮(てっぽ…