長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

2-194.玉グスク(改訂決定稿)

那覇館(なーふぁかん)での歓迎の宴(うたげ)の翌日、南の島(ふぇーぬしま)の人たちとトンド王国(マニラ)のアンアン(安安)たちは安須森(あしむい)ヌル(先代佐敷ヌル)とササ(運玉森ヌル)たちの先導で、隊列を組んで首里(すい)グスクへと行進した。沿道…

2-193.ササの帰国(改訂決定稿)

進貢船(しんくんしん)を送り出した二日後、首里(すい)の武術道場で『武科挙(ぶかきょ)』が行なわれた。 明国(みんこく)の制度を真似して、サムレーになりたい若者は誰でも受ける事ができた。大勢の若者たちが集まって来て、武術の試合を行ない、勝ち残った百…

2-192.尚巴志の進貢(改訂決定稿)

土砂降りだった雨もやんで、佐敷グスクではお祭り(うまちー)が始まっていた。 馬天浜(ばてぃんはま)からシンゴ(早田新五郎)たちも来ていて、山グスクに行っていたルクルジルー(早田六郎次郎)たちもマウシ(山田之子)と一緒に来ていた。 大きなお腹をし…

2-191.キキャ姫の遊戯(ゆけ)(改訂決定稿)

奄美大島(あまみうふしま)の万屋(まにや)に着いた湧川大主(わくがーうふぬし)は機嫌がよかった。 琉球に来ていた鬼界島(ききゃじま)(喜界島)の船を永良部島(いらぶじま)(沖永良部島)沖で沈める事に成功していた。これで敵の兵力は五十人は減っただろう。…