長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

2-200.瀬織津姫(改訂決定稿)

精進湖(しょうじこ)のほとりで焚き火を囲んで、ササ(運玉森ヌル)たちは『瀬織津姫(せおりつひめ)』に出会えた感謝の気持ちを込めて酒盛りを始めた。 酒盛りの前に、ササは富士山の大噴火で犠牲になった人たち、森の中で暮らしていた生き物たちのために『鎮…

2-199.満月(改訂決定稿)

八月十五日、首里(すい)グスクで冊封使(さっぷーし)を迎えて『中秋(ちゅうしゅう)の宴(うたげ)』が催され、島添大里(しましいうふざとぅ)グスクでは『十五夜(じゅうぐや)の宴』が催された。中秋の宴は馬天(ばてぃん)ヌルと安須森(あしむい)ヌル(先代佐敷ヌ…