長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

2-50.天空の邂逅(改訂決定稿)

夜が明ける頃まで飲んでいた。最初にウメが酔い潰れて、次にファイチ(懐機)、タケ、ウニタキ(三星大親)と酔い潰れた。サハチ(琉球中山王世子)は何とか頑張っていたが、次第に呂律(ろれつ)が回らなくなり、いつ酔い潰れたのか覚えていない。 目が覚めた…

2-49.幽玄なる天女の舞(改訂決定稿)

京の都に着いてから、早いもので十日が過ぎようとしていた。 何とかして、勘解由小路(かでのこうじ)殿(斯波道将)に近づこうと色々とやってはみたが、どれもうまく行かなかった。 サハチ(琉球中山王世子)たちは五組に分かれて行動していた。ジクー(慈空…

2-48.七重の塔と祇園祭り(改訂決定稿)

サハチ(琉球中山王世子)たちは憧れの京の都に来ていた。 京の都は想像を絶する都だった。明国(みんこく)の都、応天府(おうてんふ)(南京)とはまったく違った都で、考えも及ばない驚くべき都だった。 牛窓(うしまど)港の『一文字屋』の屋敷にお世話になっ…

2-47.瀬戸内の水軍(改訂決定稿)

博多に着いて七日後、サハチ(島添大里按司)たちは『一文字屋』の船に乗って京都へと向かった。 博多に滞在中、サハチたちはヤマトゥンチュ(日本人)に変装していた。琉球から来た事がわかると妙楽寺に閉じ込められてしまうからだった。サハチたち男はジク…