長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

3-03.逃避行(第三稿)

今帰仁(なきじん)の戦(いくさ)が始まる半月ほど前の三月二十八日、武装船に乗って逃亡した湧川大主(わくがーうふぬし)(攀安知の弟)は与論島(ゆんぬじま)に着いた。前日の夕方、運天泊(うんてぃんどぅまい)を出帆し、奥間(うくま)沖で一泊してから与論島に…

3-02.凱旋(第三稿)

山北王(さんほくおう)(攀安知)を倒した六日後の四月十七日、サハチ(尚巴志、島添大里按司)は中山(ちゅうざん)軍を率いて首里(すい)に凱旋(がいせん)した。 今帰仁(なきじん)を発ったのは十四日で、その日は名護(なぐ)まで行き、二日目は恩納(うんな)まで…

3-01.沖の郡島(第三稿)

永楽(えいらく)十四年(一四一六年)の四月十一日、総大将を務める島添大里按司(しましいうふざとぅあじ)のサハチ(尚巴志)が率いた中山(ちゅうざん)軍は、今帰仁(なきじん)グスクを攻め落として山北王(さんほくおう)を滅ぼした。 山北王の攀安知(はんあん…