長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2022-01-01から1年間の記事一覧

3-17.古見のクミ姫(第二稿)

古見(くみ)(小湊)に着いたサスカサたちは驚かされた。 サスカサたちを迎えた古見ヌルはマキという七歳の娘を連れていて、マキの父親は本部(むとぅぶ)のテーラーだと言った。 七年前に奄美大島(あまみうふしま)平定のために湧川大主(わくがーうふぬし)と一…

3-16.戸口の左馬頭(第二稿)

アマンウディー(カサンウディー、大刈山)を下りたサスカサたちが万屋(まにや)グスクに行くと、広い庭に大勢の若者が集まって武当拳(ウーダンけん)の稽古に励んでいた。 万屋グスクは湧川大主(わくがーうふぬし)の鬼界島(ききゃじま)(喜界島)攻めの拠点と…

3-15.アマンウディー(第二稿)

赤木名(はっきな)グスクで催された歓迎の宴(うたげ)に手花部(てぃーぶ)ヌルが若ヌルを連れて参加した。手花部ヌルは奄美ヌルを指導したマジニから奄美ヌルの後見役を頼まれて引き受けたという。赤木名ヌルが絶えた後、カサンウディー(アマンウディー、大刈…

3-14.赤木名(第二稿)

目を覚ましたサスカサは自分がどこにいるのかわからなかった。 水の音が聞こえるので小屋から出てみると目の前に滝があった。 ここはどこだろうと周りを見回すと鬱蒼(うっそう)と樹木が生い茂り、滝から落ちてくる水が溜まっている所の上だけが明るく、青空…

3-13.湯湾岳のマキビタルー(第二稿)

夜明けまで続いた神様たちとの酒盛りの後、アメキウディー(天城岳)を下りたサスカサたちはアメキヌルの屋敷に着くと疲れ果てて眠りに就いた。 夕方に目覚めたヌルたちはサスカサたちを尊敬のまなざしで見て、改めて歓迎の宴(うたげ)を開いてくれた。今後、…

3-12.ササの娘、ヤエの誕生(第二稿)

サスカサたちが徳之島(とぅくぬしま)で神様たちとの酒盛りを楽しんでいた頃、首里(すい)グスクの龍天閣(りゅうてぃんかく)の三階の回廊からササは満月を見上げながら酒杯(さかづき)を傾けていた。 ササと一緒にお酒を飲んでいるのは玻名(はな)グスクヌルとミ…