長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

2-152.クイシヌ(改訂決定稿)

安須森(あしむい)ヌル(先代佐敷ヌル)、ササ(運玉森ヌル)、シンシン(杏杏)、ナナはクイシヌ様と一緒にニシタキ(北岳、後の宇江城岳)に登った。新垣(あらかき)ヌル、堂ヌル、ミカ(八重瀬若ヌル)と八重瀬(えーじ)ヌルも一緒に行った。 サハチ(中山王…

2-151.久米島(改訂決定稿)

六月五日、今年最初の進貢船(しんくんしん)が出帆した。南部の戦(いくさ)騒ぎで半年も遅れた船出だった。 正使はサングルミー(与座大親)、副使は久米村(くみむら)の唐人(とーんちゅ)の韓完義(ハンワンイー)で、クグルー(泰期の三男)と馬天浜(ばてぃんは…

2-150.慈恩寺(改訂決定稿)

五月四日、梅雨が明けた青空の下、国場川(くくばがー)で『ハーリー』が賑やかに行なわれた。戦(いくさ)の後始末も終わり、二年振りに三人の王様の龍舟(りゅうぶに)も揃う事もあって、観客たちが大勢やって来た。 シタルー(先代山南王)はいなくなったが、新…

2-149.シヌクシヌル(改訂決定稿)

佐敷グスクのお祭りの三日後、ササの四人の弟子たちとマユ(安須森若ヌル)の一か月の修行が終わった。 ヂャンサンフォン(張三豊)は運玉森(うんたまむい)ヌル(先代サスカサ)と二階堂右馬助(にかいどううまのすけ)を連れて山グスクに移って行った。ヂャン…

2-148.山北王が惚れたヌル(改訂決定稿)

中山王(ちゅうさんおう)(思紹)が女たちを連れて久高島参詣(くだかじまさんけい)をしていた頃、島尻大里(しまじりうふざとぅ)グスクでは山北王(さんほくおう)の代理として本部(むとぅぶ)のテーラー(瀬底之子)が、山南王(さんなんおう)の他魯毎(たるむい)…