長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

2-161.保良のマムヤ(改訂決定稿)

上比屋(ういぴやー)のムマニャーズの屋敷に泊まった翌朝、漲水(ぴゃるみず)のウプンマは娘が心配だと言って帰って行った。赤崎のウプンマは大丈夫と言って残り、ムマニャーズの孫娘、クマラパの孫娘でもあるツキミガが一緒に行くと言った。クマラパの娘のタ…

2-160.上比屋のムマニャーズ(改訂決定稿)

女按司(みどぅんあず)のマズマラーのお世話になって、村(しま)の人たちと一緒に楽しい酒盛りをして、狩俣(かずまた)で一泊したササ(運玉森ヌル)たちは、翌日、クマラパとタマミガの案内で赤崎のウタキ(御嶽)に向かった。 途中、白浜(すすぅばま)に寄った…

2-159.池間島のウパルズ様(改訂決定稿)

狩俣(かずまた)から小舟(さぶに)に乗ってササ(運玉森ヌル)たちは池間島(いきゃま)に向かった。クマラパは池間島の神様は苦手じゃと言って、行くのを渋っていたが、娘のタマミガに説得されて一緒に来てくれた。 神様のお陰か、季節外れの南風を帆に受けて小…

2-158.漲水のウプンマ(改訂決定稿)

昨夜(ゆうべ)、目黒盛豊見親(みぐらむいとぅゆみゃー)が開いてくれた歓迎の宴(うたげ)で遅くまでお酒を飲んでいたのに、ミャーク(宮古島)に来て心が弾んでいるのか、翌朝、ササ(運玉森ヌル)は早くに目が覚めた。まだ夜が明ける前で、外は薄暗かった。 空…