長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

2-198.他魯毎の冊封(改訂決定稿)

慈恩寺(じおんじ)が変わっていた。 前回、サハチ(中山王世子、島添大里按司)が慈恩寺に来たのは六月の初めで、クマラパたちを連れて来た時だった。二か月足らずのうちに、慈恩寺の隣りに、『南島庵』というお寺ができていて、南の島から来たヌルたちと首里…

2-197.リーポー姫(改訂決定稿)

『安須森参詣(あしむいさんけい)』から帰って来た安須森ヌル(先代佐敷ヌル)は、「ヤンバル(琉球北部)のヌルたちもみんな参加してくれたのよ」と嬉しそうにサハチ(中山王世子、島添大里按司)に言った。「金武(きん)ヌルも来てくれたわ」「金武ヌル?」…

2-196.奥間のミワ(改訂決定稿)

六月十二日、ササ(運玉森ヌル)たちは愛洲(あいす)ジルーの船に乗ってヤマトゥ(日本)に行った。 島添大里(しましいうふざとぅ)グスクで安須森(あしむい)ヌル(先代佐敷ヌル)の帰国祝いとタキドゥン按司たちの歓迎の宴(うたげ)を開いた次の日の夕方、ササ…

2-195.サミガー大主の小刀(改訂決定稿)

知念(ちにん)グスクに泊まったササ(運玉森ヌル)たちは翌日、ヒューガ(日向大親)に会うために浮島(那覇)に向かった。うまい具合にヒューガは水軍のサムレー屋敷にいた。与那覇勢頭(ゆなぱしず)とフシマ按司が来ていて、ヒューガは絵図を広げて南の島の…