長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

中山王、思紹の略歴(1406-1416)

1406年 1月 キラマの島から900人の修行者たちを移動する。 53歳
    2月 総大将として、運玉森のマジムン屋敷を本陣として、戦の指揮を執る。
    完成したばかりの首里グスクを攻め落とし、中山王武寧を討ち取る。
    浦添グスクを焼き討ちにする。
    中山王の若按司が率いる中山軍を攻め滅ぼす。
    中グスク、越来グスクを攻め落とし、勝連と同盟を結ぶ。
    サハチに頼まれ、思紹という名で中山王となる。
    7月 明国から帰って来た進貢船の正使のサングルミーが思紹に仕える。
    12月 サハチが首里グスクに連れて来た志佐壱岐守とジクー禅師と会う。

1407年 1月 首里グスクで新年の儀式。八重瀬按司(タブチ)も挨拶に来る。54歳
    早田新五郎が馬天浜に来る。平田大親、ジルムイ、マウシ、シラーが帰国。
    初めて進貢船を送る。正使はサングルミー。
    サハチがウニタキと懐機と一緒に進貢船に乗って明国に行く。
    2月 首里グスクでお祭り。思紹の身代わりが何者かに殺される。
    首里グスクを拡張して北曲輪を造り始める。
    4月 馬天ヌルが思紹の身代わりを殺した刺客を調べにヤンバルに向かう。
    7月 サハチたちが無事に帰国する。
    三姉妹の船に乗って、張三豊とシンシンが琉球に来る。
    8月 張三豊がシンシンと旅に出る。サグルーとササが一緒に行く。
    9月 張三豊とシンシンが旅から帰る。
    11月 首里グスクで三つの婚礼。
    サハチの長男サグルーがマウシ(護佐丸)の妹マカトゥダルを妻に迎える。
    サハチの次男ジルムイがサム(勝連按司後見役)の娘ユミを妻に迎える。
    マウシが苗代大親の娘マカマドゥを妻に迎える。
    三姉妹が明国に帰る。張三豊とシンシンは琉球に残る。

1408年 1月 新年の儀式。55歳
    サハチの長女ミチがサスカサを継いで島添大里ヌルになる。
    進貢船を送る。サハチの弟、マサンルーとマタルーが明国に行く。
    早田新五郎、馬天浜に来る。甥のサンダーとクルーがヤマトゥから帰る。
    2月 首里グスクのお祭り。
    當山親方を浦添按司に任命する。
    3月 女たちを連れて久高島参詣。武寧の残党の襲撃を受ける。
    4月 サハチが首里で丸太引きのお祭りをする。
    5月 サハチがハーリーに行き、中山王の龍舟を出してくれと頼まれる。
    早田新五郎が対馬に帰る。甥のシタルーとクグルーがヤマトゥ旅に出る。
    マチルギ、馬天ヌル、ササ、佐敷ヌル、フカマヌル、ヤマトゥ旅に出る。
    ジクー禅師、ヒューガ、張三豊とシンシンも一緒に行く。
    首里グスク西曲輪の高楼造りが始まり、高楼に飾る彫刻に熱中する。
    6月 進貢船が帰国。マサンルー、マタルー、タブチが無事に帰る。
    マタルーを与那原大親に任命して、運玉森にグスク建築を命じる。
    三姉妹の船が浮島に来る。
    7月 大きな台風が来て、馬天浜がやられ、「対馬館」を建てる。
    10月 三姉妹が帰る。

1409年 1月 新年の儀式。56歳
    早田新五郎が馬天浜に来る。マチルギたちが無事に帰国。
    飯篠修理亮(後の長威斎)が琉球に来る。
    張三豊は兼グスク按司に呼ばれ、修理亮を連れて阿波根グスクに行く。
    進貢船を送る。正使はサングルミー。
    サハチの弟ヤグルーとクルー、甥のシタルー、明国に行く。
    タブチは三度目の唐旅。
    2月 首里グスクのお祭り。
    馬天ヌルがササとシンシンを連れて、「ティーダシルの石」を探す旅に出る。
    ササたちが座喜味の山で数個の古い勾玉を見つける。
    島添大里グスクのお祭りが7年ぶりに復活する。
    3月 久高島参詣。
    閏3月 山南王の娘が具志頭の若按司に嫁ぐ。
    サハチの長男サグルーが妻と妹のサスカサを連れて島尻大里グスクに行く。
    4月 浦添按司の娘カナ、セーファウタキで儀式をして浦添ヌルになる。
    首里の丸太引きのお祭り。
    長嶺グスクが完成して、山南王の娘婿が長嶺按司になる。
    中山王の龍舟が完成して、慶良間之子が特訓を始める。
    早田新五郎が対馬に帰る。
    朝鮮に使者を送り、武寧の3人の側室を連れて行く。
    サハチがウニタキと懐機と一緒に交易船に乗ってヤマトゥと朝鮮に向かう。
    兼グスク按司も一緒に行く。
    5月 王妃を連れて豊見グスクにハーリー見物に行く。
    7月 三姉妹の船二隻が琉球に来る。懐機の家族が帰国。
    8月 進貢船が帰国。ヤグルーとクルーと従弟のシタルーが無事に帰る。
    9月 平田グスクのお祭りで佐敷ヌルが書いたお芝居「浦島之子」が上演。
    10月 馬天浜のお祭り。
    三姉妹が帰る。
    与那原グスクが完成する。
    11月 八重瀬按司のタブチが具志頭を攻めて、按司を交代させる。
    12月 首里グスクの高楼が完成する。思紹が彫った彫刻が四方に飾られる。
    サハチたちがパレンバンの船を連れて帰国する。
    浮島の天使館でパレンバンの人たちの歓迎の宴。
    首里の会同館で帰国祝いの宴。

1410年 1月 新年の儀式。按司たちに龍天閣と名付けた高楼を見せる。57歳
    中山王の進貢船がパレンバンの船を連れて明国に行く。
    サハチの長男サグルーがクグルーと一緒に明国に行く。
    嘉数之子が上間大親となり上間グスクに行く。
    早田新五郎が馬天浜に来る。イハチとクサンルーが帰国。
    2月 首里グスクのお祭り。龍天閣を開放。佐敷ヌルのお芝居「察度」上演。
    マチルギがサハチの八男を産み、タチと名付ける。
    勝連の若按司が病死し、サハチの義兄のサムが勝連按司になる。
    3月 久高島参詣。
    サミガー大主の次男のシタルーが宇座按司の娘マジニを妻に迎える。
    進貢船が船出。張三豊とクルーを連れて明国に行く。
    4月 杭州西湖に着き、メイファンとメイリンと会う。
    5月 西湖を離れて、海賊の島に行く。
    6月 武当山に登り、張三豊の一か月の修行を積む。
    7月 武当山に登ると張三豊の弟子が大勢集まり、張三豊は弟子たちに挨拶。
    8月 華山に登る。
    9月 応天府に着き、使者たちと合流する。
    10月 無事に帰国する。
    サハチから留守中の事を聞き、山南王と山北王が同盟した事を聞く。
    11月 張三豊が新グスクに行き、サスカサ、テーラーたちを修行させる。
    山北王が奄美大島攻めの失敗に腹を立てて、伊平屋島伊是名島を攻める。
    首里伊平屋島の人たちが逃げてくる。
    伊平屋島を取り戻すためにサグルー、マウシたちが伊平屋島に送る。
    12月 サハチもウニタキと一緒に伊平屋島に行き、山北王の兵たちを追い出す。
    ヤマトゥに行った交易船が帰国。
    飯篠修理亮が慈恩禅師と二階堂右馬助を琉球に連れて来る。

1411年 1月 新年の儀式。58歳
    慈恩禅師が修理亮と右馬助を連れて、琉球を知るために旅に出る。
    山北王の兵50人が保栄茂グスクに入る。
    進貢船が船出。程復が正使を務めて故郷に帰る。
    2月 浦添ヌルのカナが極楽寺の残骸を片付けて、古い鉄の剣を見つける。
    早田新五郎が馬天浜に来て、左衛門太郎の帰国を知らせる。
    慈恩禅師が旅から帰り、聾唖の少女を連れて来る。
    首里グスクのお祭り。お芝居は「瓜太郎」
    ウニタキが与論島に行く。
    3月 久高島参詣。
    勝連若按司の婚礼。
    進貢船が帰国。副使のタブチ、米須按司、玻名グスク按司が満足げに帰国。
    タブチが獅子舞を持って帰る。
    4月 サグルーの長男が誕生して、サハチと名付けられる。
    今年二度目の進貢船が船出する。クグルーと馬天浜のシタルーが明国に行く。
    サハチの三男イハチが具志頭按司の娘チミーを妻に迎える。
    佐敷ヌルとユリが与那原に行き、張三豊の指導を受ける。
    南風原にンマムイの新しいグスクが完成して兼グスクと名付ける。
    5月 山南王の三男グルムイが保栄茂グスクに入って保栄茂按司になる。
    伊平屋島伊是名島を守るために兵を送る。与論島にも兵を送る。
    サハチがササたちを連れて与論島に行き、捕まっている与論按司と会う。
    山北王が伊是名島を攻める。
    早田新五郎が対馬に帰る。
    交易船に乗ってサスカサがササたちと一緒にヤマトゥに行く。
    兼グスク按司今帰仁に行き、中山王の書状を山北王に渡す。
    山北王が伊是名島攻撃を中止する。
    本部のテーラー首里グスクに来て山北王の書状を渡す。
    テーラーが中山王の書状を持って今帰仁に行く。
    兼グスク按司が山北王の書状を持って今帰仁から帰る。
    兼グスク按司が再び今帰仁に行き、中山王と山北王の同盟を決めて帰る。
    中山王の兵が与論島から撤収する。
    山南王が島添大里グスクでサハチと会い、山南王と中山王の同盟が決まる。
    三王同盟なる。
    6月 ウニタキが与論島から帰る。
    進貢船が帰国。王茂が国相になる。
    山南王から贈られた側室ハルが島添大里グスクに来る。
    山南王から頼まれたと言って石屋のクムンが島添大里グスクに来る。
    ウニタキの配下の女をシタルーの側室に贈る。
    7月 サハチがチューマチのためにミーグスク築き始める。
    クルーも手登根グスクを築き始める。
    三姉妹の船が鉄炮と火薬を持ってくる。
    8月 メイユーたちが与那原に行き、張三豊の一か月の修行を始める。
    進貢船が帰国。クグルーとシタルーが無事に帰る。
    9月 今年3度目の進貢船が船出する。正使はサングルミー。
    10月 馬天浜のお祭り。佐敷ヌルのお芝居は「サミガー大主、その三」
    三姉妹が帰る。
    首里大聖寺が完成する。住職は宗玄禅師。本尊は思紹が彫った釈迦如来像。
    11月 慈恩禅師が島添大里城下で暮らし、子供たちに読み書きを教える。
    今年4度目の進貢船が船出する。正使はタブチ。
    米須按司、玻名グスク按司、真壁按司、伊敷按司もタブチと一緒に行く。
    ウニタキが今帰仁に「まるずや」を開く。
    12月 ヤマトゥに行った交易船がジャワの船を連れて帰る。
    奥間のサタルーが国頭按司の材木が運んで浮島に来る。

1412年 1月 新年の儀式。59歳
    中山王の進貢船、帰国。サングルミーが新しい永楽銭を持ってくる。
    早田左衛門太郎がイトとユキとミナミを連れて琉球に来る。
    2月 首里グスクのお祭り。佐敷ヌルのお芝居は「鎮西八郎為朝」
    サハチの四男のチューマチが山北王の次女、マナビーを妻に迎える。
    進貢船が船出。ジャワの船を連れて行く。
    クマヌが隠居して、養子のムタが中グスク按司になる。
    仲尾大主と山北王の兵50人が浮島に来て、島添大里のミーグスクに入る。
    3月 中山王思紹の久高島参詣。イトたちも一緒に行く。
    進貢船が帰国。
    玉グスク按司が亡くなる。
    クマヌが亡くなる。
    志慶真の長老が亡くなる。
    4月 前中山王妃だったンマムイの母親か亡くなる。
    ジルムイの長女、マチルギが生まれ、サハチがクマヌの死から立ち直る。
    佐敷ヌルがササたちを連れて安須森に行き、安須森の封印を解く。
    カミーがしゃべれるようになり、馬天ヌルにヌルの指導を頼む。
    5月 ハーリーに中山王と山北王の龍舟も出る。
    早田左衛門太郎とイトたち、馬天浜から対馬に帰る。
    甥のシングルー、ウニタルが、奥間のサタルーとヤマトゥに行く。
    交易船に乗って佐敷ヌルがササたちと一緒にヤマトゥに行く。
    馬天ヌルが奥間大親を連れてヤンバルのウタキ巡りの旅に出る。
    6月 ヤンバルの旅から帰って来た馬天ヌルと一緒に奥間ヌルが首里に来る。
    7月 進貢船が帰国。
    三姉妹の船が来て、リンジェンフォンの配下だったソンウェイが一緒に来る。
    リンジョンシェンが運天泊に来て、鉄炮付きの武装船を山北王に贈る。
    大きな台風が来て、与那原に被害が出る。
    8月 島添大里グスクでサスカサを中心に十五夜の宴が行なわれる。
    9月 首里グスクの北曲輪の石垣が完成する。
    10月 馬天浜のお祭り。
    三姉妹が帰る。
    進貢船が船出。正使は島尻大親
    11月 進貢船が船出。正使はタブチ。3人の官生を国子監に送る。
    山南王の刺客が島添大里グスクを攻めるがユーナのお陰でサハチは助かる。
    12月 ヤマトゥに行った交易船と朝鮮に行った勝連船、帰国。
    パレンバンの船2隻を琉球に連れて来る。

1413年 1月 新年の儀式。60歳
    首里に報恩寺が完成する。住職は南泉禅師。本尊は新助が彫った釈迦如来像。
    早田新五郎がマツとトラを連れて馬天浜に来る。
    ササたち、佐敷ヌル、サタルー、ウニタル、シングルー、帰国する。
    ササは児島の山伏、福寿坊と時衆の辰阿弥を琉球に連れて来る。
    2月 サハチがマツとトラを首里グスクに連れて来て紹介する。
    進貢船が船出。パレンバンの船を明国まで連れて行く。
    首里グスクのお祭り。お芝居はハルの「かぐや姫」、旅芸人は「舜天」
    辰阿弥の鉦と福寿坊の太鼓で、みんなで念仏踊りを踊る。
    佐敷ヌルがササたちと一緒にヤンバルに旅立つ。
    マツとトラ、福寿坊と辰阿弥も同行する。
    サハチが苗代大親と会い、慈恩寺を建てる場所を相談する。
    3月 久高島参詣。
    クマヌの一周忌に中グスクでお祭りが行なわれ、旅芸人の「舜天」が上演。
    4月 懐機の娘、ファイリンが佐敷大親の長男シングルーに嫁ぐ。
    去年の10月と11月に送った中山王の進貢船が一緒に帰国。
    5月 早田新五郎、マツとトラ、対馬に帰る。
    マグルーと平田大親の長男サングルー、シビーの兄クレーがヤマトゥに行く。
    交易船に乗って浦添ヌル、福寿坊がササたちと一緒にヤマトゥに行く。
    サハチの五男マグルーと兼グスク按司の長女マウミとの婚約が決まる。
    6月 手登根グスクのお祭りで、佐敷ヌルの新作「小松の中将様」が初演。
    7月 ヌルたちの安須森参詣が行なわれる。
    首里大聖寺で「盂蘭盆会」が行なわれ、念仏踊りを盛大にやる。
    クマヌの孫娘マナミーが米須の若按司マルクに嫁ぐ。
    三姉妹の船とパレンバンの船が一緒に来る。
    8月 ジャワの船が来る。
    首里と島添大里でお月見の宴。
    9月 進貢船が帰国。
    進貢船が船出。
    サハチの四男チューマチと浦添按司の次男クジルー、明国に行く。
    10月 馬天浜のお祭り。シーハイイェン、スヒターたちの「瓜太郎」
    三姉妹が帰る。パレンバンの船もジャワの船も一緒に帰る。
    タブチの四男チヌムイが姉の若ヌルと一緒に山南王を殺して母の敵を討つ。
    首里に来たサハチから山南王の死を聞いて驚く。
    馬天ヌル、マチルギ、苗代大親を呼んで、今後の対策を練る。
    山南王妃とタブチの書状が届き、共に介入するなと書いてある。
    タブチが東方の按司たちに長嶺グスクを攻めてくれと依頼する。
    東方の按司たちはタブチのために長嶺グスクを攻める事に決める。
    他魯毎の兵が照屋グスク、糸満グスク、大グスクを攻め、タブチの兵が阿波根
    グスクと保栄茂グスクを攻め、東方の按司たちも長嶺グスクを攻める。
    今帰仁から帰ったウニタキが小渡ヌルから託された山北王の書状を見せる。
    11月 帰国した山南王の進貢船は照屋大親の裏切りで他魯毎が手に入れる。
    正使として明国に行った李仲按司が帰って来て、他魯毎の軍師になる。
    タブチが山南王の座から下りたと聞いて幹部会議を開き、反乱を起こした東方
    の按司を東方の按司が退治するという形にして、八重瀬グスク、具志頭グス
    ク、玻名グスク、米須グスク、山グスク、ナーグスクを攻め取ろうと決める。
    サハチとウニタキが喜屋武グスクに行き、琉球を去るタブチたちを見送る。
    サハチが山南王妃に書状を送り、長嶺グスクを包囲している兵を撤収させる。
    山南王妃、八重瀬グスクを包囲している兵を撤収させる。
    サハチが八重瀬按司と会い、戦をする振りをしてから降参してくれと頼む。
    東方の按司たちが八重瀬グスクを攻める。
    降参するはずだった八重瀬按司は、父親とチヌムイを助けるために自分が犠牲
    となり、屋敷に火を付けて戦死する。
    摩文仁大主が摩文仁の名で山南王になる。
    タブチの娘婿のマタルーを八重瀬按司に、サグルーを与那原大親に任命する。
    サハチが具志頭グスクに攻め寄せ、イハチが具志頭按司になる事に決まる。
    山南王が斬られる場面をササが見て、交易船が一月も早く帰って来る。
    12月 サハチが東方の按司たちを率いて玻名グスクを攻める。
    摩文仁の甥のイシムイが賀数グスクを奪い捕り、賀数按司を名乗る。
    テーラーが豊見グスクと保栄茂グスクの中程の山にグスクを築き始める。
    イシムイが賀数グスクの東にある當銘蔵森にグスクを築き始める。

1414年 1月 新年の儀式。61歳
    ササが八重瀬のチチーと手登根のミミと兼グスクのマサキと平田のウミをヌル
    にするための指導を始める。
    他魯毎、総攻撃を掛けて島尻大里グスクを包囲する。
    セーファウタキで、マチは佐敷ヌルに、サチは平田フカマヌルに就任する。
    佐敷ヌルも儀式を行なって、豊玉姫によって、安須森ヌルに就任する。
    ウニタキの配下が、山北王が南部に兵を送るのが15日だと知らせる。
    手登根グスクに行き、前山南王妃と会い、中山王の介入の許可を得る。
    首里グスクに按司たちが集まり、米須グスク、山グスク、喜屋武グスク、波平
    グスクを攻め取るために出陣する。
    ファイチと一緒に八重瀬グスクを本陣にして指揮を執る。
    山北王の兵が糸満から上陸、保栄茂グスクの北西にある座安森に本陣を敷く。
    山北王の兵が島尻大里グスク攻めに加わる。
    イシムイが賀数グスクから出撃して西の方に逃げて行く。
    早田新五郎が早田六郎次郎と愛洲次郎を連れて馬天浜に来る。
    2月 首里グスクのお祭り。お芝居は安須森ヌルの新作「豊玉姫
    サハチが東方の按司たちと玻名グスクを攻め落とす。
    奥間大親を玻名グスク按司に任命する。
    米須グスクで無謀にも出撃した米須按司が戦死、若按司がグスクを開城する。
    3月 島尻大里グスクが落城し、摩文仁が戦死する。
    八重瀬の本陣に波平大親が来て訳を話し、波平グスクの包囲陣を撤収させる。
    島尻大里グスクで与座按司、真壁按司摩文仁按司、伊敷按司、新垣大親
    真栄里大親、真壁之子、新垣之子の8人が処刑される。
    島尻大里グスクで他魯毎の山南王就任の儀式が行なわれる。
    山グスクが落城するが、勝連の若按司が戦死する。
    サハチと一緒に山グスクに行き、サグルーを山グスク大親に任命して、今帰仁
    攻めのための訓練をさせる事に決める。
    4月 一月遅れの久高島参詣が行なわれ、小渡ヌルが久高ヌルを継ぐ。
    張三豊が運玉森ヌルを連れて山グスクに行く。
    ササがセーファウタキで儀式をして、豊玉姫によって運玉森ヌルに就任する。
    5月 進貢船が帰国。チューマチとクジルーが無事に帰る。
    早田新五郎と早田六郎次郎が対馬に帰る。
    佐敷大親の次男ヤキチ、中グスク按司の長男マジルーがヤマトゥに行く。
    ヤマトゥに行く交易船と朝鮮に行く勝連船が船出。
    首里慈恩寺が完成する。住職は慈恩禅師。
    本尊は新助が彫った観世音菩薩と思紹が彫った真武神。
    6月 進貢船が船出。正使はサングルミー。
    サハチたちがタブチに会いに久米島に行く。
    7月 ヌルたちの安須森参詣が行なわれる。
    チューマチの妻、マナビーが首里グスクの御内原で娘チルギガニを産む。
    三姉妹の船が、パレンバンの船とジャワの船と一緒に来る。
    ソンウェイが鉄炮付きの武装船を慶良間の島に持ってくる。
    慶良間の島に行って、武装船に乗って鉄炮の試し撃ちをする。
    ウニタキが山北王の軍師リュウインを首里に連れて来る。
    サハチとウニタキがリュウインを山グスクに連れて行き、張三豊と会わせる。
    リュウインは浮島に行って久米村の役人たちと進貢船の相談をして、中山王か
    ら借りた明国の商品を山積みにした油屋の船に乗って帰る。
    8月 具志頭按司イハチの長男、マハチが生まれる。
    9月 ササたちを乗せた愛洲次郎の船がミャークを目指して浮島を船出する。
    10月 馬天浜のお祭り。
    張三豊の弟子たちが集まり、盛大な張三豊の送別の宴が催される。
    張三豊が山グスクヌルと右馬助を連れて、三姉妹の船に乗って琉球を去る。
    パレンバンの船とジャワの船も一緒に帰る。
    前山南王妃のトゥイがナーサと一緒にヤンバルの旅に出る。
    12月 今帰仁から研ぎ師のジルキチが首里に来て、島添大里の研ぎ師に迎える。
    他魯毎の進貢船が、先代山南王の死を伝えるために船出する。
    手登根大親の妻ウミトゥクが次女のククを産む。
    山北王の若按司ミンが婚約者のママチーを連れて、島尻大里グスクに来て歓迎
    され、ミンは山南王の世子となる。
    進貢船が帰国。
    クグルーとシタルー、マグルーとウニタル、苗代之子と飯篠修理亮が帰国。

1415年 1月 新年の儀式。62歳
    リュウインが来て、山北王の正使として中山王の進貢船に乗って行く。
    本部のテーラーもサムレー大将として10年振りに明国に行く。
    ヤマトゥに行った交易船が帰国。
    早田新五郎と早田六郎次郎の船も馬天浜に着く。
    佐敷大親の次男ヤキチ、中グスク按司の長男マジルーが帰国。
    2月 首里グスクのお祭り。お芝居はハルとシビーの新作「ササと御台所様」
    サハチの次女マチルーがウニタキの長男ウニタルに嫁ぎ、
    ンマムイの長女マウミがサハチの五男マグルーに嫁ぐ。
    ウニタル夫婦、マグルー夫婦、シングルー夫婦、まるずや巡りの旅に出る。
    3月 ウニタキ、今帰仁のお祭りに参加するため旅芸人を連れて今帰仁に行く。
    久高島参詣。
    丸太引きのお祭りでシンシンの代わりを務めたファイリンが優勝する。
    5月 豊見グスクのハーリーで苗代之子が乗った中山王の龍舟が優勝する。
    早田新五郎と早田六郎次郎が対馬に帰る。
    苗代之子の長男サジルー、ウニタキの次男マサンルーがヤマトゥに行く。
    ヤマトゥに行く交易船と朝鮮に行く勝連船が船出。
    トゥイとナーサがマアサと4人の女子サムレーを連れて行く。
    サハチが世子尚巴志の名前で送る進貢船が船出する。
    首里の武術道場で武科挙を行なう。
    ササたちがミャークの船とトンドの船を連れて帰国する。
    南の島の人たちが首里グスクに来て歓迎する。
    タキドゥンが、サミガー大主が大事にしていた小刀を持っていたので驚く。
    6月 愛洲ジルーの船に乗ってササたちは瀬織津姫に会うためヤマトゥに行く。
    山南王の進貢船が帰国し、冊封使が7月の半ば頃に来るだろうと伝える。
    7月 ヌルたちの安須森参詣。南の島のヌルたちもアンアンたちも参加する。
    パレンバンの船とジャワの船が来て、張三豊がムラカに行ったと知らせる。
    冊封使の船が2隻、浮島に来て、山南王の重臣たちと久米村の役人たちに迎え
    られて天使館に入る。
    島添大里グスクに永楽帝の娘のリーポー姫が来て、サハチと会う。
    8月 豊見グスクで諭祭の儀式と諭祭の宴が行なわれる。
    島尻大里グスクで他魯毎冊封の儀式と冊封の宴が行なわれる。
    サハチが王女たちを首里グスクの龍天閣に連れて来る。
    首里グスクで冊封使を迎えて中秋の宴が催される。
    9月 首里グスクで冊封使を招待して重陽の宴が行なわれる。
    ミャークの船が帰国する。
    リーポー姫たち、シーハイイェンたち、スヒターたち、アンアンたち、山北王
    に会うためにヒューガの船に乗ってヤンバルに向かう。
    進貢船が帰国。リュウインは永楽帝に仕える事になって帰って来ない。
    10月 王女たちが油屋の船に乗って、無事に浮島に帰ってくる。
    島尻大里グスクで、冊封使たちを招待して餞別の宴が行なわれる。
    馬天浜で張三豊を偲ぶお祭りが行なわれ、パレンバン、ジャワ、トンドの人た
    ちの送別の宴も兼ね、大勢の人たちが浜辺に集まって酒盛りを楽しむ。
    パレンバン、ジャワ、トンドの船が帰る。
    冊封使の船に乗ってリーポー姫たちが帰る。
    冊封使の船と一緒に、サングルミーを正使とした中山王の進貢船も船出する。
    首里の城下の入り口に完成したジクー寺で、中山王の幹部たちが集まり、来年
    の今帰仁攻めの相談をする。
    マチルギは今帰仁を攻めたらマナビーとマウミが悲しむと言い、
    懐機は大義名分が必要だと言う。
    琉球を統一するためには山北王は倒さなければならないと思紹は言い、
    4月の予定で準備をしておこうと言う。
    12月 進貢船が帰国。国子監に留学していたファイテとジルークが帰る。

1416年 1月 新年の儀式。63歳
    首里グスクの龍天閣で身内だけのお祝いの宴が開かれ、集まった幹部たちは
    今帰仁攻めの作戦を練る。
    ファイテとジルーク、琉球を知るためにウニタル夫婦を連れて旅に出る。
    首里に来たサハチとウニタキから奥間炎上を聞いて驚き、「まるずや」の裏の
    屋敷で幹部会議を開く。
    ウニタキは奥間大親と一緒に奥間に向かう。
    ヤマトゥに行った交易船が、李芸が乗っている朝鮮船とササたちが乗っている
    愛洲次郎の船を連れて浮島に帰る。
    早田新五郎と六郎次郎の船も馬天浜に着き、朝鮮に行った船も勝連に着く。
    首里に来た李芸と五郎左衛門と会い、五郎左衛門との再会を喜び、カンスケを
    朝鮮担当奉行に任じて李芸の被慮人探しを助けるように命じる。
    首里の「まるずや」で4度目の幹部会議が開かれ、ササとサタルーも加わる。
    奥間が焼かれて、国頭按司、羽地按司、名護按司も怒っているとウニタキが知
    らせる。
    奥間のためにも早い内に今帰仁を攻めたいと思紹は言うが、安須森ヌルはユラ
    のために今帰仁のお祭りはやらせてあげたいと言い、ヒューガも3月ではまだ
    船が出せないかもしれないと言うので、出陣は4月1日に決まる。
    冊封使のお礼のため、山南王と中山王の進貢船が船出する。
    サハチの六男のウリーと八重瀬按司の長男のハチグルーが唐旅に出る。
    2月 ジクー寺の落慶供養が行なわれ、ジクー禅師が「大禅寺」と名付ける。
    本尊は新助が彫った釈迦如来像。
    首里グスクの北、会同館の西側に庭園を造る事に決まり、慶良間から来た若者
    たちが木を伐り倒して整地を始める。
    旅から帰って来たファイテとジルークは首里の城下の入り口に琉球らしい立派
    な御門を造らなければならないと言って一徹平郎と相談する。
    首里グスクのお祭り。お芝居はハルとシビーの新作「千代松」
    百浦添御殿で5度目の幹部会議が開かれ、真喜屋之子の活躍によって国頭按
    司、羽地按司、名護按司の山北王からの離反が決まり、名護の松堂、国頭の
    喜如嘉の長老、羽地の我部祖河の長老が夫婦連れで、各按司の書状を持って、
    「まるずや」の船に乗って来るとウニタキが言う。
    山北王を倒したあとの今帰仁按司は、名護按司と国頭按司は千代松の血を引い
    ている者になってほしいと言い、羽地按司は、帕尼芝の血を引いた者も按司
    として置いてほしいと言っているという。
    チューマチ夫婦を今帰仁に送るのが一番いいと懐機が言って、皆が賛成する。
    3人の長老は人質として戦が終わるまで南部にいて、恩納按司と金武按司
    人質も真喜屋之子と奥間大親が連れて来るとウニタキが言う。
    ヤンバルの長老たちが島添大里グスクに来て、サハチが歓迎する。
    真喜屋之子と奥間大親が金武から屋賀ヌル母子、恩納から恩納ヌル母子を人質
    として島添大里グスクに連れて来る。
    サハチが真喜屋之子を連れて首里に来て、ヤンバルの按司たちの書状を渡す。
    真喜屋之子の活躍に、サムレー大将になれと言うが、真喜屋之子は断り、
    ヤンバルの道を整備したいので普請奉行になりたいという。
    真喜屋之子を和泊大親の名で、道普請奉行に任命する。
    首里の龍天閣で6度目の幹部会議が開かれ、大まかな作戦が練られる。
    ウニタキと奥間大親は中山王の書状を持ってヤンバルに行く。
    島添大里グスクのお祭り。お芝居は「女海賊」と旅芸人の「千代松」
    ミーグスクに滞在しているヤンバルの長老たちお祭りを楽しむ。
    3月 中山王の書状が内密に、浦添按司、北谷按司、中グスク按司、越来按司
    勝連按司、安慶名按司、伊波按司、山田按司に届けられ、戦の準備を始める。
    久高島参詣。安須森ヌル、ササたちも若ヌルたちを連れて参加する。
    ササたちがシジマを連れて今帰仁に向かう。
    クマヌの命日に中グスクのお祭りが行なわれる。
    中部の按司たちが中グスクに集まり、思紹とサハチから詳しい話を聞く。
    旅芸人たち、今帰仁のお祭りに参加するため今帰仁に向かう。
    首里の丸太引きのお祭りで8年ぶりに佐敷が優勝する。
    サハチに今帰仁攻めの総大将を務めろと言い、サハチは引き受ける。
    今帰仁のお祭りの翌日、山南王と東方の按司たちに今帰仁攻めを伝える。
    マチルギがマナビーとマハニを説得する。
    山南王の兵によって保栄茂グスクとテーラーグスクは包囲され、伊敷にいた羽
    地と名護の兵は中山王に従って出陣する事になる。
    正式に各按司たちに出陣命令を出す。
    安須森ヌル、サスカサ、シンシン、ナナは出陣するため首里に行き、妊娠して
    いるササは若ヌルたちを連れて島添大里グスクに入る。
    ウニタキが帰って来て、今帰仁城下の全焼と湧川大主の逃亡を知らせ、敵の鉄
    炮を奪い取った事も知らせる。
    4月 首里グスクで出陣の儀式を行ない、サハチが総大将として出陣する。
    首里グスクで南部の動向を見守る。
    馬天ヌルから、サハチが今帰仁グスクを攻め落とし、山北王も亡くなったと聞
    いて、よくやったと喜ぶ。

馬天若ヌル、ササの略歴(1391-1416)

1391年 9月 佐敷新里の馬天ヌルの屋敷に生まれる。1歳

1392年 1月 伯父が隠居して、従兄のサハチが佐敷按司になる。2歳
    2月 母の馬天ヌルが伯父の東行法師から由緒ある勾玉を貰う。
    9月 馬天浜で落ち込んでいるウニタキと会い、貝殻を渡す。

1393年 1月 馬天浜に早田左衛門太郎が来る。3歳
    5月 父のヒューガが山賊になるため佐敷を離れる。

1394年 1月 祖父のサミガー大主が頭を丸めて旅に出る。4歳
    ヒューガが彫ったおもちゃで遊ぶ。サハチに龍を渡す。

1395年 2月 玉グスク按司の娘、ウミチルがヤグルーに嫁いで来る。5歳

1396年 1月 母が旅に出る。祖母と叔母の家族と共に暮らす。6歳。
    馬天浜に早田左衛門太郎が来る。馬天浜に入り浸り。
    4月 早田左衛門太郎が慶良間の島に行き、対馬に帰る。
    5月 馬天浜で遊んでいたら南の島から来た人たちに声を掛けられる。

1397年 1月 母が旅に出る。7歳

1398年 1月 母が旅に出る。8歳

1399年 1月 母が旅に出る。9歳

1400年 1月 母が旅に出る。10歳
    馬天浜に早田新五郎が来る。馬天浜に入り浸り。

1401年 1月 母の指導で剣術の修行を始める。11歳
    3月 馬天浜で懐機と出会い、サハチと会わせる。
    祖父から馬術と小舟の操り方を習う。

1402年 元旦 ヒューガが帰って来る。12歳
    9年ぶりの再会だが、ササは夢の中で父と会っていた。
    母は教えないが、父が船に乗って慶良間の島に行く事を知っている。
    1月 従兄のサハチが島添大里按司を倒して、島添大里按司になる。
    ヌルになるための修行を始める。
    2月 新里の屋敷から佐敷グスク内の佐敷ヌルの屋敷に移る。
    母は娘たちに剣術を教える。
    5月 島添大里グスクの物見櫓に登って踊る。
    10月 祖父のサミガー大主が亡くなる。
    11月 従姉の佐敷ヌルが娘を産む。

1403年 サハチから横笛を教わる。13歳

1404年 1月 佐敷グスクの娘たちの剣術稽古に加わる。14歳
    美里之子の娘ハマ(15)、當山之子の娘カナ(14)と一緒に稽古に励む。
    3月 祖母が亡くなる。

1405年 島添大里にいる苗代大親の娘マカマドゥ(14)と仲よくなる。15歳

1406年 1月 ヒューガと年末年始を過ごす。ヒューガの帰りを予測する。16歳
    早田新五郎、馬天浜に来る。
    2月 伯父が首里グスクで思紹を名乗って中山王になる。
    母が佐敷グスクから首里グスクに移る。
    佐敷に来た姉のユリ(20)と会う。
    慶良間の島から島添大里グスクに来たシジマ(18)と会う。
    3月 島添大里グスクに来た山田のマウシ(16)と会う。
    4月 マウシと一緒に山田に行き、シラーと出会い、マレビト神かと思う。
    5月 早田新五郎、対馬に帰る。
    平田大親、ジルムイ、マウシ、シラーがヤマトゥ旅に出る。
    父と母が、サハチ夫婦と一緒に慶良間の島に行く。

1407年 1月 サハチがウニタキ、懐機と一緒に明国に旅立つ。17歳
    2月 首里のお祭り、マウシたちと警護をする。王様の替え玉が殺される。
    7月 サハチたちが唐旅から帰る。
    張三豊とシンシンが三姉妹の船に乗って琉球に来る。
    メイユーの格好良さに憧れる。
    8月 張三豊たちと旅に出て、シンシンと仲よくなる。
    奥間でサタルーと奥間ヌルと会う。
    9月 旅から帰る。
    11月 サグルーとマカトゥダル、ジルムイとユミ、マウシとマカマドゥの婚礼。
    三姉妹、明国に帰る。張三豊とシンシンは琉球に残る。

1408年 1月 従妹のミチ(16)、サスカサを継いで島添大里ヌルになる。18歳
    2月 首里グスクのお祭り。
    4月 首里で丸太引きのお祭り。首里の守護神として出場する。
    5月 サハチたちと一緒にハーリーを見に豊見グスクに行く。
    マチルギと父と母と一緒にヤマトゥ旅に出る。
    佐敷ヌルとフカマヌル、張三豊とシンシンも一緒に行く。
    トカラ列島の宝島で嵐を予言して、島人たちに神様扱いされる。
    6月 博多に着き、飯篠修理亮と出会う。
    7月 対馬に行き、イスケの船に乗って対馬一周の旅に出る。
    対馬の南部の山で張三豊の指導のもと一ヶ月の修行を積み、霊力が高くなる。
    8月 対馬のワタツミ神社で豊玉姫を知る。
    豊玉姫琉球から来たに違いないと思う。
    12月 対馬で雪を見て感激する。

1409年 1月 飯篠修理亮を連れて、ヤマトゥ旅から帰国する。19歳
    島添大里の張三豊の屋敷で、ヌルの修行中のカナ(浦添按司の娘)と会う。
    2月 首里グスクのお祭り。
    馬天ヌルと一緒にシンシンを連れて、「ティーダシルの石」を探す旅に出る。
    座喜味の山で古い勾玉を見つける。
    ササは赤い勾玉、シンシンは青い勾玉を身に付ける。
    島添大里グスクのお祭りが7年ぶりに復活する。
    3月 中山王思紹の久高島参詣。
    4月 浦添按司の娘カナ、セーファウタキで儀式をして浦添ヌルになる。
    首里の丸太引きのお祭り。
    佐敷グスクのお祭り。
    サハチたちと一緒に交易船に乗ってヤマトゥと朝鮮に向かう。
    5月 トカラ列島の宝島で大歓迎される。
    博多に着き、シンシンとシズと一緒に呑碧楼に登るとサハチたちも来る。
    一文字屋の船に乗って京都に向かう。
    小さな漁村で村人たちの襲撃を予見して、サハチに知らせて逃げる。
    6月 上関で村上水軍の又太郎とあやの兄妹と会う。
    京都に着き、北山第の七重の塔を見上げ、7年後に焼け落ちると言う。
    船岡山スサノオの神様の声を聞く。
    祇園祭りを見物する。
    サハチ、ウニタキ、懐機の3人が高橋殿に招待される。
    スサノオを祀る神社を巡り、鞍馬山でサハチたちと高橋殿と会う。
    サハチたちと一緒に、みんなして高橋殿の屋敷に移る。
    ササ、シンシン、シズが将軍様の御所に呼ばれて御台所様(日野栄子)と会う。
    7月 慈恩禅師を探すために信濃に行くという飯篠修理亮と別れて京都を去る。
    対馬に着き、去年に会ったミナミをサハチに会わせる。
    サハチがイトと再会して、娘のユキと会う。
    イスケの船に乗って住吉神社に行く。
    8月 イトの船に乗って朝鮮の富山浦(釜山)に行く。
    浦瀬小次郎の双子の娘ソラとウミと一緒にスサノオの痕跡を探す。
    漢城府に行くサハチたちを見送り、近辺の山々に登りスサノオの事を調べる。
    「津島屋」の船で対馬に戻る。
    10月 イトの船に乗って富山浦にサハチたちを迎えに行き、ナナと再会する。
    シンシンとナナと一緒にワタツミ神社に行き、山に登るとサハチたちがいる。
    シンシンとナナと一緒に土寄浦の娘たちを鍛える。
    11月 ナナが五郎左衛門の許しを得て琉球に行く事になる。
    12月 対馬の人たちと別れて博多に行く。
    パレンバンの船を連れて琉球に向かう。
    壱岐島パレンバンのシーハイイェンたちと出会い、仲良くなる。
    琉球に無事帰国。
    ナナとシーハイイェンたちを連れて佐敷に行き、島添大里に行く。

1410年 1月 中山王の進貢船と一緒に明国に行くシーハイイェンたちと別れる。
    スサノオの神様の事を調べにヤンバルに行く。20歳
    ヤンバルから帰り、旅の成果をサハチに話す。
    玉グスクに行って調べるが豊玉姫は見つからない。
    2月 首里のお祭り。シンシンとナナと一緒に例年のごとく見回りをする。
    勝連の若按司が病死し、サハチと一緒に勝連グスクに行く。
    勝連グスクの近くの森で霊符を見つけてサハチに見せる。
    島添大里グスクのお祭り。
    3月 中山王思紹の久高島参詣。
    久高島のフボーヌムイで豊玉姫を探すが見つからない。
    サミガー大主の次男シタルーと宇座按司の娘マジニの婚礼。
    中山王の進貢船が船出。思紹が張三豊とクルーを連れて明国に行く。
    丸太引きのお祭り。
    ササが首里、シンシンが久米村、ナナが佐敷の守護神として参加する。
    4月 佐敷グスクのお祭り。
    佐敷ヌルのお芝居「瓜太郎」で主役の瓜太郎を演じて喝采を浴びる。
    シンシンはサシバ、ナナは犬を演じ、3人の演技はその後の手本になる。
    シンシン、ナナ、シズと一緒に交易船に乗ってヤマトゥに行く。
    6月 京都の等持寺に着くと、高橋殿が迎えに来て、シンシン、シズ、ナナ
    と一緒に将軍様の御所に移って、御台所様と再会する。
    御台所様と高橋殿と一緒に船岡山に行き、スサノオから豊玉姫の事を聞く。
    豊玉姫琉球の玉グスクの姫で、セーファウタキにいるとスサノオは言う。
    シンシンもスサノオの声を聞き、神人になる。
    御台所様と高橋殿と一緒に北山第の七重塔に登り、笛を吹く。
    将軍様伊勢の神宮参詣に一緒に行く。
    外宮でホアカリの神様と会い、小俣神社でトヨウケ姫の神様と会う。
    玉依姫はイトの国の豊玉姫のお墓にいるかもしれないとトヨウケ姫は言う。
    8月 京都に大きな台風が来て、女子サムレーたちと一緒に避難民を助ける。
    村上あやがササを訪ねて京都に来て再会を喜ぶ。
    9月 鞍馬山に行くと、慈恩禅師と二階堂右馬助を連れた飯篠修理亮が来る。
    京都を去り、あやの船に乗って博多に行く。
    10月 慈恩禅師の案内で豊玉姫のお墓に行き、玉依姫と会い、父のスサノオと母
    の豊玉姫と妹のアマン姫の事を聞く。
    スサノオ豊玉姫はササたちの御先祖様で、ササの赤い勾玉は玉依姫の勾玉
    で、十種の神器の中の一つとしてスサノオから豊玉姫に贈られた物だと言う。
    ササたち、豊玉姫のお墓の周りを綺麗にする。
    対馬に行き、ミナミたちと再会する。
    12月 博多に行き、交易船に乗って琉球に向かう。
    伊平屋島に着き、サハチたちに慈恩禅師と二階堂右馬助を紹介する。
    浮島に着き、首里の会同館で帰国祝いの宴。
    シンシンとナナを連れてセーファウタキに行き、大岩の上で豊玉姫と会う。
    豊玉姫はササが連れて来た玉依姫との再会を喜ぶ。
    十種の神器の四つの勾玉は、ササと馬天ヌルと佐敷ヌルとサスカサが持ってい
    て、ササの勾玉は代々運玉森ヌルに伝わってきた勾玉だと豊玉姫は言う。

1411年 1月 セーファウタキに馬天ヌルと佐敷ヌルとサスカサを連れて行き、豊玉姫
    アマン姫に会わせる。21歳
    馬天ヌルはティーダシルは石ではなく鏡だと気づく。
    佐敷ヌルは安須森の事を豊玉姫から聞いて、安須森ヌルを継ぐ決心をする。
    サスカサは豊玉姫から島添大里グスクのウタキの事を詳しく聞く。
    2月 首里グスクのお祭り。シンシンと武当拳を披露する。
    島添大里グスクのお祭り。
    3月 思紹の久高島参詣に一緒に行き、フボーヌムイで神様から、舜天の誤解を
    解いて、舜天の父親、シングーの十郎の事を調べてくれと頼まれる。
    馬天ヌルと一緒に大里ヌルと会う。
    舜天の誤解を解くため、佐敷ヌルと相談して、舜天のお芝居を作る。
    中グスクのクマヌから、シングーの十郎の事を聞く。
    4月 佐敷グスクのお祭り。お芝居は佐敷ヌルの「舜天」
    5月 シンシンとナナを連れて、サハチと一緒に与論島に行く。
    与論島の赤崎に上陸して、岩場のウタキでお祈りすると神様の声が聞こえ、
    真玉添から逃げて来たヌルたちで、運玉森ヌルもいる。
    麦屋ヌルの案内でウタキを巡り、ハジピキパンタでユンヌ姫と会う。
    与論島に来た交易船に乗り込んで、ヤマトゥに行く。
    6月 坊津で一文字屋の船に乗り換えて博多に向かう。
    豊玉姫のお墓に行くが玉依姫は留守で、ササの勾玉に憑いて来たユンヌ姫が、
    玉依姫は京都にいると言う。
    博多を去り上関であやと再会し、あやの船に先導されて兵庫に着く。
    あやと別れて京都に行き、高橋殿にサスカサを紹介する。
    船岡山に行くとスサノオ玉依姫もいて、スサノオユンヌ姫との再会を喜ん
    で、ユンヌ姫とどこかに行ってしまう。
    玉依姫は新宮の十郎を知らないが、新宮にスサノオを祀った山があると言う。
    高橋殿に熊野に行きたいと言うと、御台所様と一緒に行こうと言う。
    7月 ササたち、住心院で精進してから熊野に旅立つ。
    高橋殿は酒好きで、休憩する度に酒盛りが始まって、ササたちは閉口する。
    山の中の高原谷で面打ち師の石王兵衛と会い、高橋殿の舞に感動する。
    熊野本宮に着き、大社でお祈りをするが話しかけてくる神様はいない。
    新宮に着き、孫十に歓迎されて、新宮の十郎と姉の鳥居禅尼の事を聞く。
    神倉山に登ると、スサノオユンヌ姫新宮の十郎を連れて待っていて、
    新宮の十郎から話を聞く。
    那智の滝をお参りして、大雲取りを越えて本宮に戻り、京都に向かう。
    8月 将軍様の御所で、月見の宴に参加する。
    9月 京都にジャワの使者たちがやって来て、王女のスヒターと仲良くなる。
    10月 京都を去り博多に行き、対馬に行く。
    12月 博多に来たジャワの船を連れて琉球に向かう。
    琉球に帰り会同館で帰国祝いの宴。高橋殿のお陰で酒好きの呑兵衛になる。
    スヒターたちを連れて島添大里に行き、サハチの側室になったハルと会う。
    久高島に行き、大里ヌルの神様に新宮の十郎の事を報告する。
    久高島から帰り、ハルと酒を飲みながらヤマトゥの話を聞かせる。

1412年 1月 新年の儀式。22歳
    ナナがスヒターたちと一緒に張三豊の一か月の修行を積む。
    早田左衛門太郎がイトとユキとミナミ、サキとミヨを連れて馬天浜に来る。
    2月 首里グスクのお祭り。佐敷ヌルのお芝居は「鎮西八郎為朝」
    首里グスクでサハチの四男チューマチと攀安知の次女マナビーの婚礼。
    ササたち、島添大里のミーグスクに行きマナビーと会う。
    中山王の進貢船と一緒にジャワの船が帰国し、スヒターたちと別れる。
    島添大里グスクのお祭り。佐敷ヌルのお芝居はハルが演じる「かぐや姫
    3月 中山王思紹の久高島参詣。
    4月 浦添グスクのお祭り。お芝居は「舜天」と旅芸人の「瓜太郎」
    佐敷グスクのお祭り。お芝居は「察度」と旅芸人の「瓜太郎」
    佐敷ヌルと一緒に安須森に登り、佐敷ヌルが安須森の封印を解く。
    5月 サハチたちと一緒に慶良間の島に行く。
    交易船に乗って佐敷ヌルと一緒にヤマトゥに行く。
    6月 坊津に着き、一文字屋の船に乗って博多に行く。
    豊玉姫のお墓で玉依姫に挨拶をすると、ユンヌ姫が憑いて来た事がわかる。
    玉依姫から平家を調べるなら厳島の弥山に行きなさいと言われる。
    玉依姫が思い出して、壇ノ浦の生き残りが久留米の水天宮にいると言う。
    水天宮に行き、千代尼から壇ノ浦の合戦の事と平維盛の事を聞く。
    上関で村上あやと再会して、あやの案内で厳島に行き弥山に登る。
    シンシンがアキシノの声を聞き、平維盛と一緒に琉球に行ったアキシノから
    平維盛の事を聞く。

    シンシンの青い勾玉はアキシノが弥山で見つけて琉球に持って行った勾玉。
    アキシノと京都の平野神社で会う約束をして別れる。
    7月 京都に着き高橋殿の屋敷に入り、船岡山に行ってスサノオに挨拶をして
    平野神社に行く。
    アキシノの声が聞こえ、平維盛は大原の寂光院にいるというので高橋殿の
    案内で寂光院に向かう。
    寂光院で佐敷ヌルとササが笛を吹くと平維盛が現れて華麗に舞い、高橋殿も
    舞い始める。

    平維盛から、屋島を逃げ出して熊野に行き、琉球に行った話を聞く。
    京都に戻るとパレンバンの人たちが来ていてシーハイイェンたちと再会する。
    シーハイイェンたちも一緒に将軍様の御所に移る。
    御台所様に従って、伊勢の神宮参詣に行く。
    外宮でホアカリに挨拶して、小俣神社でトヨウケ姫に挨拶して、内宮をお参り
    した時、龍神が封じ込められていると佐敷ヌルが言う。
    伊勢から帰り、住心院の御精進屋に入って心身を清め、御台所様と高橋殿と
    一緒に熊野に向かう。
    一緒に熊野に来たアキシノから聞いて平維盛の足跡を追う。
    高原谷で面打ち師の石王兵衛と再会し、石王兵衛が打った面に感動する。
    8月 新宮の神倉山でスサノオユンヌ姫が探してくれた鳥居禅尼から平維盛
    事を聞く。

    色川村で山伏福寿坊と出会い、福寿坊は琉球に行きたいと言って付いてくる。
    尾張の国の瀬戸に行き、サタルーは真剣な顔して焼き物作りを見る。
    シーハイイェンたちが京都を去り、小浜に向かう。
    9月 一文字屋の船に乗って博多に向かう。
    10月 水天宮に行き、千代尼に報告する。
    博多で再会したシーハイイェンたちを対馬に連れて行く。
    12月 交易船とパレンバンの船は琉球に帰るが、ササたちとシーハイイェンたち
    は対馬に残る。

1413年 1月 マグサの船に乗って対馬を去り、奄美大島に寄って琉球に帰る。23歳
    サハチに福寿坊と辰阿弥を紹介する。
    2月 シーハイイェンたちの送別の宴で、馬天ヌルが舜天朝盛法師に会った
    とサハチから聞いて驚く。
    シーハイイェンたちの船が中山王の進貢船と一緒に帰国する。
    首里グスクのお祭りで一節切を吹いたサハチに合わせて舞台で舞う。
    サハチがスサノオの声を聞いたので驚き、サハチも神人になったと言う。
    スサノオユンヌ姫と一緒に琉球に来た事を知る。
    佐敷ヌルと一緒にヤンバルへ旅に出る。
    浦添でカナと一緒に朝盛法師にお礼を言い、仲順で舜天にお礼を言い、
    長老たちに歓迎される。
    カナが神様から英祖の父親を探してくれと頼まれたと聞き、一緒にヤマトゥに
    行こうと言う。
    今帰仁のクボーヌムイでアキシノ平維盛と再会し、安須森でスサノオ
    豊玉姫に会う。
    旅から帰って、奥間ヌルの勾玉が安須森ヌルの妹シチャラヌルの勾玉だとわか
    ったとサハチに知らせる。
    島添大里グスクのお祭りで、佐敷ヌルとユリと一緒に笛を吹く。
    3月 中山王思紹の久高島参詣。
    4月 懐機の娘ファイリンと佐敷大親の長男シングーの婚礼。
    佐敷グスクのお祭り。念仏踊りをして城下を巡ってお客を集める。
    5月 カナと福寿坊と一緒に交易船に乗ってヤマトゥに行く。
    博多に着いて豊玉姫のお墓に行くが玉依姫はいない。
    6月 上関であやと再会して、一緒に児島に行き、英祖の父親を探すがなかなか
    見つからない。
    カナのお陰で龍玉坊と名乗っていた英祖の父親を探し出して話を聞く。
    英祖の父親ユンヌ姫と一緒に琉球に帰る。
    京都に着いて高橋殿の屋敷に行くが、高橋殿の父親が亡くなり、高橋殿は
    近江に帰っている。
    将軍様の御所に移るが、御台所様のお腹が大きくて一緒に旅に出られない。
    7月 京都に台風が来て、避難民たちを助ける。
    9月 医者の無精庵を連れて京都を去る。
    10月 対馬で、山南王がチヌムイに斬られる場面を見て、クルーに知らせる。
    11月 帰国して、サグルーが与那原大親になる事を聞いて、佐敷から与那原に
    移る事に決める。
    カナと一緒に浦添に行き伊祖ヌルに挨拶をして、セーファウタキに行き豊玉姫
    に挨拶をする。
    佐敷グスクから与那原グスクに引っ越す。
    12月 鎧を着てマウシたちと一緒に玻名グスクの陣地に行く。
    サハチに連れられて具志頭グスクに行き、按司になったイハチと会う。
    具志頭の長老と会い、サミガー大主が贈った刀の事を話す。
    ユンヌ姫に連れられて浜川ウタキに行き、百名姫から、アマミキヨアマン姫
    よりも1000年も古い神様だと聞き、南の海を見つめながら、アマミキヨの事を
    調べなければならないと思う。

    ユンヌ姫の案内で、母が見つけたヤファサチムイに行き、アマミキヨが暮らし
    たミントゥングスクに行き、アマミキヨの都があった垣花森に行く。

    玉グスクヌルと一緒に、浜川ウタキ、ミントゥングスク、垣花森を綺麗にし
    て、セーファウタキに行き、豊玉姫に古いウタキの事を聞くと、忘れ去られ
    た古いウタキを復活させなさいと言われ、ユンヌ姫と一緒に古いウタキ探し
    に熱中する。
    島添大里グスクで小渡ヌルと会い、小渡ヌルも一緒に古いウタキ探しをする。

1414年 1月 玻名グスクの陣地に行き、新年の儀式をする。24歳
    八重瀬のチチーと手登根のミミと兼グスクのマサキと平田のウミをヌルにする
    ための指導を始める。
    佐敷ヌルがセーファウタキで豊玉姫によって安須森ヌルに就任する。
    張三豊を連れて玻名グスクに行き、具志頭グスクに行ってイハチと会う。
    マレビト神が琉球に来る場面を見て馬天浜に行き、シンゴと一緒にやって来た
    愛洲次郎と会う。

    愛洲次郎と早田六郎次郎を与那原グスクに連れて行く。
    2月 首里グスクのお祭り。
    安須森ヌルの新作のお芝居「豊玉姫」を観て、玉依姫のマレビト神が異母兄
    のサルヒコだった事に驚き、安須森ヌルに聞く。
    愛洲次郎と早田六郎次郎を連れて、古いウタキを探す旅に出る。
    旅の途中で愛洲次郎と試合をして勝ち、次郎はマレビト神ではないのかしらと
    疑問を持つ。
    今帰仁のクボーヌムイでアキシノと再会して、ユンヌ姫アキシノを誘って
    一緒に旅をする。
    安須森の麓で英祖に滅ぼされた義本のウタキを見つける。
    3月 旅から帰り八重瀬の本陣に行きサハチと会い、一緒に玻名グスクに行く。
    山南王と山北王の兵に攻められて島尻大里グスクが落城し、摩文仁が戦死。
    他魯毎が山南王になり、従姉のマチルーが山南王妃になる。
    山グスクの包囲陣に行き、近くの海岸でミャークのウタキを見つける。
    泊に行ってミャークの事を調べる。
    首里グスクに行き、安謝大親からミャークの事を聞く。
    丸太引きのお祭りで、首里が5年ぶりに優勝する。
    4人の弟子の若ヌルたちと安須森ヌルの娘マユを張三豊に預けて、一か月の
    修行をさせる。
    勝連若按司が山グスク攻めで戦死し、勝連の呪いはまだ解けていないのかも
    しれないと馬天ヌルと一緒にマジムン退治をするが、マジムンはいない。
    4月 一月遅れの久高島参詣に行き、小渡ヌルが久高ヌルを継ぐ。
    大里ヌルが初めて朝日を見て感動する。
    浦添グスクのお祭りに愛洲次郎たちと早田六郎次郎たちを連れて行く。
    佐敷グスクのお祭りに愛洲次郎たちと早田六郎次郎たちを連れて行く。
    若ヌルたちの修行が終わり、張三豊と運玉森ヌルが山グスクに移っていく。
    運玉森ヌルから、運玉森ヌルを継いで、ウタキを守れと言われる。
    若ヌルたちを連れてセーファウタキに行くと、喜屋武ヌル、玻名グスクヌル、
    慶留ヌルと出会う。
    豊玉姫のもとで儀式をして運玉森ヌルに就任する。
    アマン姫に挨拶に行くと、玻名グスクヌルの勾玉を見て驚いたアマン姫は、
    玻名グスクヌルにシヌクシヌルを継げと言う。

    シンシンは今帰仁ヌルを継ぎ、ナナはクーイヌルを継げばいいとアマン姫から
    言われる。

    ナナは豊玉姫アマン姫の声が聞こえて神人になれたと大喜びする。
    垣花のウタキに行き、玻名グスクヌルの曽祖母から、玻名グスクヌルはシヌク
    シヌルを継いで安須森ヌルを助けろと言われるが、敵討ちを諦められず悩む。
    島添大里グスクに行き、玻名グスクヌルを安須森ヌルに預ける。
    玻名グスクヌル、安須森ヌルから剣術を習う。
    5月 父の船からハーリーを見て、サハチたちと一緒に慶良間の島に行く。
    島ヌルのタミーと会い、ヤマトゥに行ってスサノオに挨拶してと頼む。
    早田六郎次郎、シンゴと一緒に対馬に帰る。
    愛洲次郎はササと一緒に南の島を探しに行くため琉球に残る。
    交易船が船出し、タミーが越来ヌルのハマと一緒にヤマトゥに行く。
    6月 若ヌルたちをサスカサに預けて、サハチたちと一緒に久米島に行く。
    久米島の北目村で新垣ヌルと会い、新垣森のウタキで、クミ姫の姉の
    ウムトゥ姫がアーラタキからイシャナギ島に行った事がわかる。
    堂村でニシタキヌルのクイシヌと会い、クイシヌと一緒にニシタキに登り、
    クミ姫スサノオ豊玉姫の話をする。
    大岳ヌルの案内でサハチと一緒にミーフガーと具志川森に行く。
    堂ヌルの案内でアーラタキに登る。
    サハチがクイシヌとニシタキに登り、スサノオユンヌ姫クミ姫が姿を現し
    て一緒に酒を飲んだと言うので、あたしはまだ姿を拝んでいないと悔しがる。
    手登根グスクのお祭り。
    7月 ヌルたちの安須森参詣に行き、玻名グスクヌルが安須森で神憑りになっ
    て、シヌクシヌルの遺骨を捜し出し、シヌクシヌルの勾玉を身に付けて、
    シヌクシヌルを継ぐ覚悟を決める。
    玻名グスクヌルが山グスクに行き、張三豊のもとで一か月の修行を始める。
    三姉妹の船と一緒にパレンバンの船とジャワの船も来て、シーハイイェンた
    ち、スヒターたちとの再会を喜ぶ。
    8月 与那原グスクのお祭り。
    ハルとシビーの新作のお芝居「武当山の仙人」で、主役の張三豊を演じ、
    シンシンがチャンオー、ナナがフーイーを演じる。
    サスカサが久高島から大里ヌルを連れて来て、島添大里グスクの十五夜の宴が
    催される。
    大里ヌルのマレビト神が二階堂右馬助だとわかる。
    ササたち、シーハイイェンたち、スヒターたち、リェンリーたち、旅芸人たち
    と一緒に慶良間の島に行く。
    アミーのお腹が大きくなっていて、相手は誰だか教えてくれない。
    9月 ビンダキ(弁ヶ岳)に行って、ビンダキ姫にイシャナギ島(石垣島)の
    ウムトゥ姫を呼んでほしいと頼むが、ウムトゥ姫は来ない。
    ヤマトゥから帰って来たユンヌ姫からヤマトゥの様子とタミーの事を聞く。
    愛洲次郎の船に乗って、ミャーク(宮古島)を目指して浮島を船出する。
    一緒に行ったのはシンシン、ナナ、ササの弟子のチチーとウミとミミと
    マサキ、安須森ヌルと若ヌルのマユ、玻名グスクヌル、女子サムレーの
    ミーカナとアヤー、愛洲次郎とその家臣たち、そして、ユンヌ姫アキシノ
    3日目の正午過ぎ、大神島に着いて上陸する。
    対岸の狩俣に上陸して、サミガー大主を知っている老人クマラパと会う。
    クマラパに連れられてクマラパの妻で女按司のマズマラーと会う。
    30年前にミャークが佐田大人という倭寇にやられた事を知って驚く。
    クマラパと娘タマミガの案内で与那覇グスクに行き、与那覇勢頭と会う。
    与那覇勢頭と一緒に漲水ウタキに行き、漲水のウプンマと会う。
    根間グスクに行き、目黒盛豊見親と会う。
    クマラパの案内で野崎に行き、アコーダティ勢頭と会う。
    歓迎の宴の翌朝、漲水のウプンマが訪ねて来て、ウムトゥ姫の娘のウパルズ
    池間島にいて、狩俣の神様は琉球から来たと聞き、漲水のウプンマと一緒に
    狩俣に戻る。
    船立ウタキ、糸数グスク跡、ウプラタスグスク跡を見て、狩俣に行き、
    マズマラーと一緒にウタキに入って、狩俣の祖神マヤヌマツミガからミャーク
    の歴史とウムトゥ姫の事を聞く。
    池間島に行き、池間按司からイシャナギ島に行った妹マッサビの事を聞く。
    ナナムイウタキでウパルズに歓迎されるが、ウパルズはクマラパを呼び、
    30年前の事を責める。
    クマラパは当時の事をササたちに話し、戦の後にクマラパが野城按司と高腰按
    司を再興した事を認めてウパルズはクマラパを許す。
    大嶽に登り、ササと安須森ヌルが熊野権現で鎮魂の曲を吹くと、大嶽按司の声
    が聞こえるが突然、大雨が降って来てガマの中に逃げる。
    赤名ウタキでウパルズの孫の赤名姫と会う。
    赤崎のウタキに行き、赤崎姫からアマミキヨの事を聞く。
    上比屋に行き、ムマニャーズと会い、アキシノは初代上比屋按司だったハツネ
    と再会する。
    百名に行き、百名姫から300年前の大津波の事を聞く。
    保良に行き、寿姫から、昔、保良の船が馬天浜に行って大里按司と取り引きし
    ていたと聞いて驚く。
    アラウスのウプンマと出会い、アマミキヨが上陸した砂浜に行く。
    アラウスのウタキで、アマミキヨの子孫の神様からアマミキヨの事を聞く。
    アマミキヨがミャークに来た事がわかって、来た甲斐があったと感動する。
    野城に行き、先代の女按司マムヤと会う。
    野城のお墓で初代野城按司の声を聞き、初代野城按司琉球から逃げて来た
    北原按司だった事を知る。
    高腰グスクに行き、ササと安須森ヌルが熊野権現で鎮魂の曲を吹くと、
    スサノオの声が聞こえ、スサノオ、ユンヌ姫、アキシノ、ウパルズ、池間姫、
    赤崎姫、百名姫、漲水姫、赤名姫が姿を現して、一緒に酒盛りを楽しむ。
    石原グスクに行き、先代の按司だったクマラパの妹チルカマと会う。
    伊良部島に行き、久米島から来たトゥムと会う。
    長山ウタキでヤマトゥの神様から延々と話を聞く。
    ミャークを去り、イシャナギ島(石垣島)に向かう。
    来間島に行き、ウプンマの娘インミガに歓迎される。
    多良間島に行き、女按司のスタタンのボウと会う。
    愛洲次郎、ボウの夫のハリマから祖父の活躍を聞く。
    イシャナギ島の北部の平久保に着き、平久保按司に会う。
    平久保按司は愛洲次郎の祖父に命を助けられていて、恩返しができると
    愛洲次郎を歓迎する。
    名蔵に着き、女按司のブナシルとフーツカサのマッサビとヌルたちと会う。
    マッサビと一緒にノーラオンに行き、ノーラ姫と会い、スサノオがウムトゥ岳
    の山頂で待っている事を知る。
    ウムトゥ岳に登りながら、大城のツカサと新城のツカサから、ヤキー(マラリ
    ア)によって村が全滅して、未だに村に帰れないと聞いて驚く。
    ウムトゥ岳の中腹にあるナルンガーラに着き、マッサビの屋敷で一休み。
    ササと安須森ヌルはマッサビに連れられてナルンガーラのウタキに行き、
    ウムトゥ姫と会い、ヤキーの事を聞く。

    酒と料理を持ってウムトゥ岳の山頂に行き、熊野権現でササと安須森ヌルが
    鎮魂の曲を吹くと、ウムトゥ姫ノーラ姫、ノーラ姫の長女の二代目ウムトゥ
    姫、次女の二代目ノーラ姫、三女のヤラブ姫、長男のテルヒコ、四女のクバン
    トゥ姫、五女のメートゥリ姫が現れる。
    ウムトゥ姫ノーラ姫から異国の神様の事を聞き、ヤラブ姫からアマミキヨ
    事を聞く。
    スサノオ、ユンヌ姫、アキシノ、赤名姫、ミナクシ、スンダレが現れ、酒盛り
    に加わる。
    テルヒコからミズシオン(水瀬御嶽)とシィサスオン(白石御嶽)のいわれを
    聞く。
    ササと安須森ヌルが華麗な曲を吹くとサラスワティのヴィーナが合奏する。
    マッサビの屋敷で、石城按司が描いたサラスワティの絵を見る。
    琉球から来た鍛冶屋のフーキチと会い、フーキチの師匠だったヤキチが玻名グ
    スク按司になったと言うとフーキチは驚き、故郷に帰りたくなったと言う。
    名蔵に行き、ブナシルの娘のミッチェと一緒に、シィサスオンでビシュヌ
    と会い、ミズシオンでラクシュミと会う。
    ノーラオンでノーラ姫から、サラスワティがヤラブ岳の山頂で待っている
    と知らされる。
    熊野の山伏ガンジューの案内でヤラブ岳に向かう。
    ヤラブ岳の山頂でサラスワティと会い、2000年前にアマンの国は沈んでしまっ
    たと聞いて驚く。

    突然、大きな雷が鳴り響いて、ササたちがガマの中に逃げ込むと、ユンヌ姫
    声が聞こえて、スサノオシヴァがヤキー退治をしていると言う。
    大雨がやみ、ササたちは御神崎に行き、名蔵に帰る。
    苦しんでいるスサノオの姿が脳裏に浮かび、安須森ヌルたちと一緒にナルンガ
    ーラに行き、マッサビを連れてウタキに行き、スサノオを看病している豊玉姫
    を見て驚く。

    10月 5日間寝込んでいたスサノオは快復して豊玉姫と一緒に琉球に帰る。
    タキドゥン島(竹富島)に行き、先代按司のタキドゥンと会う。
    タキドゥンが島添大里按司の息子で、サミガー大主も馬天ヌルも知っている事
    に驚く。
    若ヌルのキリの案内でマイヌオンに行き、マイヌ姫から昔の話を聞く。
    スサノオ豊玉姫を送って琉球に行っていたユンヌ姫から、張三豊が琉球
    去る事を聞いて驚く。
    マッサビたちと別れてクン島(西表島)に行き、ユーツンで、クンダギのツカ
    サとユーツンのツカサに歓迎される。
    クン岳に登り、イリウムトゥ姫と会い、クン按司スサノオ豊玉姫の子孫だ
    と知る。
    ユーツンの若者たちを鍛え、50本のヤマトゥの刀を贈る。
    ドゥナン島(与那国島)に行き、苗代大親の娘ナーシルと会う。
    クマラパは息子と娘との再会を喜ぶ。
    ナーシルと武当拳の試合をして、ナーシルの強さを認める。
    サンアイ村に行き、村人たちに歓迎される。
    サンアイ村のツカサのユミから苗代大親との出会いを聞く。
    ドゥナンバラ村のツカサの案内で宇良部岳に登り、ユウナ姫と会い、昔の話
    を聞く。
    ラッパの案内で、トゥンガン(立神岩)、サンニヌ台を見る。
    安須森ヌルとササはドゥナンバラ村のツカサから琉球に行った時の話を聞く。
    ダティグ村のダティグチディでメイヤ姫と会う。
    安須森ヌルとササはダティグ村のツカサから琉球に行った時の話を聞く。
    ナウンニ村に行くと、ムカラーがいて、ムカラーの2人の子供もいる。
    11月 ダンヌ村のツカサから琉球に行った時の話を聞いて、幼い頃に馬天浜で
    マッサビたちに会っていた事を思い出す。

    クブラ村に行き、ツカサに連れられてミミシウガンに登り、クブラ姫と会う。
    ターカウから来た南遊斎と会い、ターカウの事や琉球に行った時の話を聞く。
    愛洲次郎とティンダハナタで話している最中、頭の中が真っ白になって、気が
    つくと浜辺に二人だけでいる。

    近くにある洞窟で過ごしていたようだが、二人とも記憶がない。
    愛洲次郎と一緒にサンアイ村に帰ると皆が2人を迎えて祝福する。
    ミッチェとガンジューも立神岩の近くの浜辺で結ばれ、皆から祝福される。
    1月近く滞在したドゥナン島に別れを告げて、ターカウへと向かう。
    12月 ポンフー(澎湖)で阿蘇山の神様、阿蘇津姫を知り、気にかかる。
    ターカウ(台湾の高雄)に着き、クマラパの案内で「宮古館」に行く。
    平久保太郎と一緒にキクチ殿と会い、キクチ殿がナナの父親、早田次郎左衛門
    を知っていたので、ナナは感激する。
    トンドの王女アンアンと会う。
    アンアンはシーハイイェン、スヒター、メイユーからササの事を聞いている。
    キクチ殿の娘カオルの案内で熊野権現に行き、キクチ殿の母親の五峰尼と会
    い、阿蘇津姫の事を聞く。
    阿蘇津姫武庫津姫伊勢津姫瀬織津姫とも呼ばれ、遙か昔に南の国から九
    州にやって来たと五峰尼が言ったので、南の国とは琉球ではないのかと思う。
    ユンヌ姫豊玉姫に聞きに行こうとしたら、スサノオの声がして、阿蘇津姫
    わしらの御先祖様だと言い、阿蘇津姫の勾玉を見つければ、阿蘇津姫に会える
    だろうと言う。

    唐人町にある天妃宮で、神様として祀られているメイユーを見て驚く。
    マカタオ族の女首長パランと会い、メイユーの事を聞くと松景寺の慶真和尚が
    詳しい事を知っているというので会いに行く。
    慶真和尚からメイユーの活躍を聞く。
    慶真和尚はササたちを遊女屋に連れて行き、死んだはずの太守の妻ヂャンジャ
    ランと会わせる。
    唐人町にある宮殿で暮らしているアンアンの兄の太守に歓迎される。
    イャォジェン(瑤姫という古い神様に会って来たスサノオが、勾玉は鳥を現
    していると言ったので驚く。

    アンアンの船と一緒にトンド王国(マニラ)に行く。
    トンドの天妃宮にも黄金色のメイユーの像があり、トンドの王様が祀ったと
    アンアンが言う。
    アンアンと一緒に宮殿に入り、アンアンの父の王様と会い歓迎される。
    歓迎の宴の時、愛洲次郎の船が海賊に狙われているとユンヌ姫が知らせ、ササ
    たちは船に戻って、海賊たちを待ち伏せして倒す。
    海賊の隠れ家に行くと、海賊の首領はヂャンジャランによって殺されている。
    宮古館に行き、マフニ、上比屋のツキミガ、来間島のインミガと再会する。
    日本人町に行き、南遊斎の息子、小三郎に歓迎される。
    弁才天堂に行き、黄金色のサラスワティ像を見る。
    アンアンと一緒に山の砦に行く。
    明国に行っていた進貢船が帰って来て、使者のヤンランは順天府でクグルーと
    会い、仲良くなったと言う。
    ヤマトゥから佐伯新十郎がトンドに来て、豊玉姫はわしらの御先祖様だと言
    い、娘のトヨと仲良くなる。
    宮殿内の客殿からインドゥ町の「印度館」に移る。

1415年 1月 トンドで新年を迎え、日本人町熊野権現で、スサノオ、ユンヌ姫、
    アキシノ、赤名姫、メイヤ姫、サラスワティと一緒に酒盛りを楽しむ。

    ギリムイ姫ホアカリがトンドまで来て、ホアカリ伊勢津姫の事を聞く。
    伊勢津姫瀬織津姫の名で各地に祀られたが、今は瀬織津姫の名は隠されて
    弁才天として祀られているとホアカリは言う。
    シンシンの兄弟子シュヨンカと会い、シュミンジュンの孫だと聞いて驚く。
    アンアンと一緒に山の湖に行く。
    2月 アンアンと一緒にルバン島(ルバング島)に行く。
    3月 トヨたちと一緒にパラワン島に行き、砂金を採っている円通坊と会う。
    スサノオたちを送って行ったユンヌ姫が戻って来て、琉球の様子を聞く。
    若ヌルたちがユンヌ姫の声が聞こえるようになる。
    ユンヌ姫豊玉姫から瀬織津姫の事を聞いて、瀬織津姫は垣花に都があった頃
    のお姫様で、石器を作る石を求めて、貝殻を持ってヤマトゥに行ったという。
    4月 トンドを去り、アンアンの船を連れて、ミャークの船と一緒にパティロー
    マ島(波照間島)に行く。

    ドゥナン島のラッパとフー母娘、アックとユナパ母娘が、琉球に行くために
    ササたちを待っていて再会を喜ぶ。
    ブドゥマイ村の古いウタキでパティローマ姫と会い、豊姫の事を聞き、佐田大
    人に滅ぼされた村の事を聞く。
    マシュク村のヌルが琉球に行ってサングルミーと出会い、娘を産んだ事を知っ
    て驚く。
    5月 ミャークに着き、アンアンの船と与那覇勢頭の船を連れて、琉球に帰る。
    大勢の人たちに迎えられて浮島に上陸し、サハチにナーシルを紹介する。
    寂しい思いをしていた玻名グスクヌルに鍛冶屋のサキチが現れる。
    ナーシルは父親の苗代大親と会う。
    パティローマ島のペプチとサンクルはサングルミーと会う。
    南の島の人たちとトンドの使者たち、首里に行って中山王思紹と会う。
    セーファウタキに行き、豊玉姫から瀬織津姫の妹の知念姫瀬織津姫の勾玉を
    玉グスクに祀ったと聞く。

    玉グスクに行き、玉グスクヌルに古い勾玉を見せてもらうが瀬織津姫の勾玉
    はない。
    玉グスクヌルと一緒に玉グスクのアマツヅウタキでお祈りをするが神様の声は
    聞こえない。
    垣花に行って垣花ヌルに古い勾玉を見せてもらうが瀬織津姫の勾玉はない。
    知念に行き、知念ヌルと波田真ヌルと会い、今まで誰も身に付けられなかった
    「試練の勾玉」を身に付け、知念グスクのウタキでお祈りをすると知念姫の声
    が聞こえる。

    知念姫はササが試練の勾玉を身に付けているのに驚き、ササの祖母は瀬織津姫
    の子孫に違いないと言って、ヤマトゥに行って瀬織津姫に会ってこいと言う。

    浮島に行き、ヒューガから母親の事を聞き、祖母が阿波の国の大粟神社の巫女
    の娘だと知る。
    6月 アンアンたちと南の島のヌルたちを連れて久高島に行く。
    愛洲ジルーの船に乗って瀬織津姫に会うためにヤマトゥに行く。
    4人の弟子と安須森ヌルの娘のマユ、フカマヌルの娘のウニチル、奥間ヌルの
    娘のミワ、辺戸村のカミーも連れて行く。
    7月 八代に着き、阿蘇山に登るが、瀬織津姫の声は聞こえない。
    豊玉姫のお墓に行って、玉依姫瀬織津姫の事を聞くと、瀬織津姫は武庫山
    (六甲山)か、那智の滝か、伊勢の神宮か、天川の弁才天社か、富士山にい
    ると言い、武庫山に行ったら真名井御前と会えと言う。
    上関に行き、村上あやと再会して、一緒に那智の滝に行き、覚林坊と出会い、
    覚林坊の案内で天川の弁才天社に向かう。
    8月 山奥にある天川の弁才天社に着き、役行者像の前でお祈りするとマサキの
    勾玉を見た役行者が声を掛けて来る。
    マサキの勾玉は役行者琉球に行った時に真玉添にいた沢岻ヌルに贈った物だ
    と言うのでササたちは驚く。

    役行者瀬織津姫の声を聞いたのは武庫山と富士山だったと言う。
    愛洲次郎の故郷、五ヶ所浦に行き、次郎の父、愛洲隼人に歓迎されるが、次郎
    の妻と子に会って、後ろめたい気持ちになる。
    次郎の案内で伊勢の神宮に行くが瀬織津姫の声は聞こえず、ホアカリトヨウ
    ケ姫
に挨拶をして五ヶ所浦に戻る。
    愛洲次郎の船に乗って富士山に向かう。
    富士山の北側に回って浅間大神神社があったという樹海の中に入って行き、
    瀬織津姫の声を聞く。

    瀬織津姫から昔の話を聞くが、富士山の大噴火で瀬織津姫が造った都が埋まっ
    てしまい、人々を助けられなかった事を悔やんでいて黙り込んでしまう。
    樹海から出て精進湖から富士山の上に出ている満月を見上げ、瀬織津姫は月の
    神様だったのだと思う。
    精進湖で焚き火を囲んで祝杯を挙げ、鎮魂の曲を吹くと瀬織津姫役行者が現
    れ、密かにササの後を付けてきたスサノオ玉依姫、ホアカリ、トヨウケ姫
    現れ、ユンヌ姫、アキシノ、赤名姫、メイヤ姫も現れる。
    瀬織津姫から阿蘇山から富士山まで来たいきさつを聞き、娘の阿波津姫の事も
    聞く。
    五ヶ所浦に戻り、次郎たちとあやと別れて、覚林坊の案内で京都に向かう。
    高橋殿の屋敷に行ったら、高橋殿は驚いてササたちを迎える。
    タミーと会って話を聞く。
    御台所様がお忍びで高橋殿の屋敷に来て、ササとの再会を喜ぶ。
    御台所様と高橋殿と一緒に箕面の大滝に行き、役行者と会い、スサノオ瀬織
    津姫を連れてサラスワティに会いに行ったと聞く。
    広田神社の元宮で瀬織津姫の娘の武庫津姫と会い、真名井御前が神呪寺でササ
    を待っていると武庫津姫は言う。
    女神山の山頂でお祈りすると、トヨウケ姫ユンヌ姫の声が聞こえ、広田神社
    の奥の宮に行ってきたと言う。
    神呪寺の奥の院真名井御前と会い、真名井御前空海と出会って厳しい修行
    を積んで、神呪寺を建てて、瀬織津姫の名前を広めた事を聞く。
    真名井御前に頼まれて鎮魂の曲を吹く。
    9月 高橋殿と御台所様のお陰で、浜の南宮の秘宝である如意宝珠を見る。
    細川家の船に乗って阿波の勝瑞にある守護所に行き、守護代の武田修理亮に歓
    迎される。
    八倉比売神社に行き、奥の宮がある気延山に登り、イラ姫と会い、若き日の
    父の事を聞いて、父が彫ったイラ姫の神像を見る。
    大粟神社に行き、隠居させられた宮司の姉ウメと会い、父の事を聞く。
    ウメと一緒に祖母のお墓に行って祖母と話し、祖母ユンヌ姫と一緒にヒュー
    ガに会いに琉球に行く。

    大粟山の山頂に登り、阿波津姫と会って昔の話を聞き、大三島に酒好きの伊予
    津姫がいると聞いて、ササは帰りに大三島に寄って行こうと決める。
    勝瑞に戻り、船に乗って住吉大社に行き、奈良を目指す。
    三輪山の宿坊で銘酒「菩提泉」を御馳走になる。
    大神神社の三つ鳥居の前でサルヒコの声を聞き、タミーがスクナヒコの子孫だ
    とわかり、スクナヒコの事をサルヒコから聞く。

    玉依姫の跡を継いだ豊姫イラ姫の孫娘だと聞いて驚く。
    豊姫のお墓に行って豊姫と会い、豊姫が広田神社を創建したいきさつを聞く。
    生駒神社に行き、伊古麻津姫と会い、昔の話を聞く。
    役行者が開いた千光寺に行き、菊の花を眺めながら菊酒を御馳走になる。
    京都に戻り、交易船の使者たちの行列に参加して、御所に入る。
    10月 京都を去り、一文字屋の船に乗って因島で村上あやと再会して一緒に
    大三島に行く。
    大三島であやの弟子の大祝の娘のサヨと会い、サヨの案内でササたちは大山積
    神社を参拝する。
    宿坊に入ったササたちはサヨの父の大祝と姉の大巫女ウキと会い、ウキから
    大山積神社の歴史を聞く。
    ウキの案内で、ササたちは入り日の滝に行き、伊予津姫と会う。
    伊予津姫はシンシンの勾玉を見て驚き、その勾玉は娘の吉備津姫がなくした
    勾玉だと言う。

    アキシノが勾玉の事を説明すると、海で遭難して亡くなったと思っていた吉備
    津姫は楚の国に行って子孫を残したに違いないと伊予津姫は言う。

    酒と料理を用意して、入り日の滝で笛を吹くと、ユンヌ姫、赤名姫、キキャ
    姫、アイラ姫、アキシノ、トヨウケ姫が現れる。

    若ヌルたちも神様の姿を見る事ができ、ウニチルとミワも神様の声が聞こえ、
    姿を見る事ができるようになる。

    伊予津姫が娘の安芸津イラ姫の娘のミシマ姫ムナカタ姫を連れて現
    れ、ヴィーナの調べが聞こえてきて、スサノオ瀬織津姫サラスワティが現
    れ、楽しい酒盛りが始まる。

    12月 対馬に愛洲次郎の船が来たので驚き、再会を喜ぶ。

1416年 1月 愛洲次郎の船に乗って琉球に向かい、奄美大島沖で奥間が燃えている場面を
    見て驚く。
    奥間沖に船を泊めて、辺土名で奥間ヌルとウニタキと会い、奥間の避難民たち
    を首里に連れて行く。
    浮島に着き、那覇館でマチルギと一緒に李芸たちの歓迎の宴の準備を手伝う。
    那覇館の別館に行き、サハチたちにお土産の「菩提泉」を飲ませて喜ばれ、
    旅の話をする。
    安須森ヌルからシジマの話を聞いて驚く。
    アキシノの声が聞こえ、ササたちは外に出て、アキシノから、志慶真ヌルの
    寿命がもうすぐ尽きるので、その後、シジマが志慶真ヌルを継げばいいと言わ
    れる。

    サハチがアキシノに、中山王が山北王を滅ぼしても大丈夫かと聞くと、マチル
    ギはわたしの子孫だから、マチルギの息子が今帰仁按司を継げば何の問題もな
    いと言ったので、マチルギもササたちも驚く。

    タミーと一緒に須久名森に行き、タミーの案内で古いウタキを見つける。
    スクニヤ姫と会い、スクナヒコと会って話を聞く。
    セーファウタキに行き、豊玉姫から、スサノオ瀬織津姫を連れて来て、古い
    神様たちが大勢集まったと聞く。
    豊玉姫からスクナヒコの事を聞く。
    タミーは儀式を行なって豊玉姫によって須久名森ヌルに就任する。
    知念に行き知念姫にお礼を言って、借りていた勾玉を知念ヌルに返す。
    「玉グスクに来て」という瀬織津姫の声が聞こえ、ササたちが玉グスクに行
    き、アマツヅウタキでお祈りをすると、「わたしが身に付けていた勾玉を贈
    るわ」と瀬織津姫の声がして、ウタキの中から大きな勾玉が飛び出して来て、
    ササの首にぶら下がる。
    須久名森でササの笛を聞かせてと瀬織津姫が言ったので、須久名森に行き、
    ササと安須森ヌルは鎮魂の曲を吹いてスクナヒコの深い心の傷を癒やす。
    首里の「まるずや」で4度目の幹部会議が開かれ、ササとサタルーも加わる。
    沢岻に行き、役行者から勾玉をもらった沢岻ヌルと会い話を聞く。
    沢岻ヌルからシネリキヨの話を聞き、マサキがシネリキヨの子孫だとわかる。
    美浜島(浜比嘉島)の美浜ヌルと東松田の若ヌルがシネリキヨの子孫だと言う。
     沢岻大主の娘キラを沢岻ヌルに育てるために預かる。
    美浜ヌルに会うため、勝連に行き、勝連ヌルから美浜島の事を聞く。
    勝連ヌルと一緒に美浜島に行き、美浜ヌルと比嘉ヌルと会う。
    美浜島の比嘉村のアマミチュのウタキで、美浜姫の声を聞き、祖母の知念姫
    がササに感謝していると言われる。
    美浜島から勝連に戻り、神様の声が聞こえなかった中グスクヌルと勝連若ヌル
    はササの弟子にしてくれと頼み、ササは弟子にする。
    読谷山の喜名に行き、東松田の若ヌルと会う。
    東松田の若ヌルはササたちが来るのを知っていて、来るのを待っている。
    東松田の若ヌルがヤンバルにあるシネリキヨの聖地と言われるスムチナムイ
    まで行ってきたと言ったので、ササは東松田の若ヌルを気に入る。
    東松田の若ヌルはスムチナムイのアビーという神様が戦の邪魔をするので、
    やめさせなければならないと言う。

    東松田の若ヌルを連れて、宇座の牧場に行き、宇座按司に歓迎され、孫娘の
    クトゥを宇座ヌルにするために弟子に加える。
    宇座按司はお祝いだと言って、ササたちは酒盛りを楽しむが、酒に弱い東松田
    の若ヌルはすぐに酔って、あたしのマレビト神は島添大里按司なのと言ったの
    で、ササたちは唖然とする。

    アキシノ豊玉姫が対立しなくてよかったって安心したけど、それだけでは
    だめで、琉球を統一するには、シネリキヨの神様も味方につけなければならな
    い。アマミキヨの子孫のサハチとシネリキヨの子孫の東松田の若ヌルが結ばれ
    れば、うまくいくのかもしれないとシンシンたちに言う。

    2月 首里グスクのキーヌウチで真玉添姫から真玉添とシネリキヨの事を聞く。
    アビーを止めさせるにはアビーよりも古い神様に会わなければならないと思
    い、沢岻に行き、沢岻ヌルからイナの事を聞いて、イナと会ってアビーの事を
    聞く。
    イナの娘のカユアビーの師匠で、武芸の名人で勢理客ヌルを継ぎ、湧川グス
    クの跡地に祀られているとイナは言う。
    イナから初代今帰仁ヌルのアキシノが弓矢の名人だったと聞いて驚く。
    首里グスクのお祭りの準備を手伝いに行き、「千代松」の台本を書いている
    ハルとシビーに千代松を助けたカユの事を話す。
    首里グスクのお祭り。百浦添御殿での5度目の幹部会議に参加する。
    東松田の若ヌルが与那原グスクに来て、東松田の若ヌルと一緒に島添大里グス
    クに行き、金武から来た屋賀ヌルと会い、スムチナムイの事を聞く。
    屋賀ヌルと恩納ヌルを連れて一の曲輪のウタキに入って、ギリムイ姫に挨拶を
    する。
    東松田の若ヌルと屋賀ヌルと恩納ヌルを連れて、浜川ウタキ、ヤファサチム
    イ、ミントゥングスク、垣花森に行く。
    首里の龍天閣で6度目の幹部会議が開かれ、大まかな作戦が練られ、神様の事
    はササたちに任される。
    島添大里グスクのお祭り。
    3月 思紹の久高島参詣に若ヌルたちを連れて参加する。
    久高島から帰った次の日、志慶真ヌルが血を吐いて倒れたとユンヌ姫が知らせ
    てくれる。

    旅支度をして島添大里に向かい、若ヌルたちを安須森ヌルに預け、シジマと
    屋賀ヌルを連れて読谷山に行き、東松田の若ヌルを連れてヤンバルに向かう。
    ヤンバルの玉グスクに着き、玉グスクヌルのユカと一緒にスムチナムイに行
    き、スムチナムイヌルの声を聞く。
    役行者から勾玉をもらったのは沢岻ヌルだけでなく、自分ももらい、役行者
    弁ヶ岳に連れて行ったのは自分だと言ったので、ササたちは驚く。
    スムチナムイの神様コモキナは大陸にあった楚という国の王様の息子だったら
    しいとスムチナムイヌルは言う。

    ユカに引き留められるが、勢理客村に行き、勢理客大主を訪ねる。
    勢理客大主の孫娘マナの案内で湧川グスク跡地にあるウタキに行って勢理客ヌ
    ルのカユと会い、話し合って、カユアビーを引き留めると約束してくれる。
    カユはマナを勢理客ヌルに仕込んでくれと言い、引き受ける。
    勢理客大主に歓迎されて、村人たちと酒盛りを楽しんでいたら、志慶真ヌルが
    亡くなったとユンヌ姫が知らせる。
    今帰仁に着き、「まるずや」でウニタキと会い、屋賀ヌルをウニタキに預けて
    志慶真村に行く。
    志慶真村で今帰仁ヌルと勢理客ヌルに会い、シジマの事を説明していると、
    若ヌルを助けてと本部ヌルが駆け込んでくる。
    首に勾玉の紐が食い込んでいて苦しんでいる若ヌルをシジマが助けて、その
    勾玉を身に付ける。
    屋嘉比のお婆が来て、神様から何度も聞いているササに出会えた事を喜び、
    お婆の一声でシジマが志慶真ヌルを継ぐ事に決まる。
    クボーヌムイで志慶真ヌルの葬儀とシジマの志慶真ヌル就任の儀式が行なわ
    れ、アキシノもシジマを祝福する。
    国頭按司の船に乗って屋嘉比のお婆を送って行く。
    屋嘉比に着き、屋嘉比森のウタキでお祈りをすると、屋嘉比姫の声が聞こえ、
    お婆の寿命が尽きるので見守ってやってと言われる。
    お婆の屋敷に戻ると奥間ヌルと娘のミワが来ていて、ササたちとの再会を喜
    ぶ。
    お婆と一緒に酒を飲んで楽しい夜を過ごすが、翌朝、お婆は目覚める事なく
    亡くなる。
    お婆の葬儀に来た勢理客ヌルにササたちは追い出され、喜如嘉大主の船に乗っ
    て仲尾泊に行く。
    湧川グスクのウタキに行ってカユと会い、アビーはマジムンになってしまった
    ので、ササたちがマジムン退治をしなければならないと言われる。
    ササ、シンシン、ナナ、東松田の若ヌルが乙羽山の頂上でマジムン退治をする
    と、大粒の雹が落ちて来て、アビーに取り憑いていたマジムンたちは封じ込め
    られる。
    スムチナムイのウタキに行ってアビーと会うが、アビーは屋賀ヌルの事も東松
    田の若ヌルの事も覚えていない。
    玉グスクヌルのユカと会うが、ササたちの事を覚えていない。
    ヤンバルから帰り、シジマの志慶真ヌル就任と、屋嘉比のお婆の死と、マジム
    ン退治の事をサハチに報告する。
    ナツに妊娠を気づかれて、慌てて帰る。
    中グスクのお祭りの準備を手伝いに行く。
    首里で丸太引きのお祭り。
    思紹が正式に出陣命令を出し、玻名グスクヌルと一緒に若ヌルたちを連れて
    島添大里グスクに行き、留守を守る。

    安須森ヌル、サスカサ、シンシン、ナナは出陣するために首里に行く。
    4月 総大将のサハチが兵を率いて首里から出陣して行く。
    ユンヌ姫の知らせで保栄茂グスクに行き、救出された伊敷ヌルを助ける。
    島添大里グスクに東松田の若ヌルとシンシンとナナが来て、今帰仁グスクに
    あるアキシノの霊石が真っ二つに斬られてしまうと言う。
    マナビーを心配してミーグスクに来ていたマチルギが顔を出して、今帰仁
    行こうとしていたのに止められる。
    アキシノの事をマチルギに任せようと首から瀬織津姫の勾玉をはずして、
    マチルギに渡す。

    マチルギは恐る恐る瀬織津姫の勾玉を身に付けるが何も起こらず、アキシノ
    助けるために今帰仁に行く決心をする。

    勝連按司と越来按司の戦死を聞いてマチルギと勝連若ヌルは悲しみ、みんなで
    酒を飲みながら2人を忍ぶ。
    マチルギが東松田の若ヌルたちと一緒に白い鎧を身に着けて今帰仁に向かうの
    を見送る。
    ユンヌ姫アキシノを守るために豊玉姫を連れて今帰仁に行く。
    ユンヌ姫からアキシノの復活を聞いて喜ぶ。

尚巴志の略歴 第二部(1406-1416)

1406年  1月 首里グスクが完成する。 35歳
    シンゴが馬天浜に来る。サグルーとマサンルーがヤマトゥ旅から無事に帰る。
    2月 中山王武寧が首里グスクに移る。
    中山王武寧と八重瀬按司(タブチ)が、山南王(シタルー)を攻める。
    首里グスクを攻め落とし、中山王武寧を討ち取る。
    馬天ヌル、マチルギ、佐敷ヌル、フカマヌル、マジムン退治をする。
    ウニタキが浦添グスクを焼き討ちにする。
    懐機が久米村のアランポー一味を退治する。
    中山王の若按司が率いる中山軍を攻め滅ぼす。
    中グスク、越来グスクを攻め落とし、勝連と同盟を結ぶ。
    馬天ヌル、マチルギ、佐敷ヌル、フカマヌル、勝連のマジムンを退治する。
    父、思紹という名で中山王となる。
    3月 島添大里グスクに山田按司の次男マウシ(後の護佐丸)が訪ねてくる。
    4月 改めて山南王(シタルー)と同盟する。
    5月 シンゴ、対馬に帰る。
    平田大親、ジルムイ、マウシ、シラーがヤマトゥ旅に出る。
    中山王の進貢船が帰国。兵を率いて待ち構え、新垣大親と宜野湾親方を説得。
    サハチ夫婦、ウニタキ夫婦、ヒューガ夫婦と一緒に慶良間の島に行く。
    6月 武寧がシャム(タイ)に送った船が帰国。兵を率いて待ち構える。
    7月 中山王と山南王の合同進貢船が帰国。サングルミーが思紹に仕える。
    9月 ナーサの遊女屋「宇久真」が完成。中山王の重臣たちの懇親会。
    武寧の忠臣だった平戸親方の反乱が起こるが無事に治める。
    10月 宇座按司に会いに行く。
    12月 浮島のハリマの宿屋で志佐壱岐守と20年ぶりの再会をする。
    志佐壱岐守とジクー禅師を首里グスクに連れて行き、思紹と会わせる。

1407年  1月 首里グスクで新年の儀式。八重瀬按司(タブチ)も挨拶に来る。 36歳
    シンゴ、馬天浜に来る。平田大親、ジルムイ、マウシ、シラーが無事に帰国。
    島添大里の「まるずや」でナツと結ばれる。
    中山王思紹、初めて進貢船を送る。正使はサングルミー。
    ウニタキと懐機と一緒に進貢船に乗って明国に行く。
    2月 明国の泉州に着き、来遠駅に入る。
    ウニタキ、懐機と一緒に福州に行き、メイファンと再会する。
    サハチたち、メイファン姉妹の敵討ちを助ける。
    サハチたち、メイファン姉妹と海賊の隠れ家に行き、鉄炮(大砲)を見る。
    3月 サハチたち、メイファン姉妹と一緒に杭州に行く。
    サハチたち、三姉妹と別れて応天府に行く。
    懐機、富楽院の妓楼で、蓮華と再会し、朱洋敬とも再会する。
    サハチたち、富楽院の妓楼でお忍びの永楽帝と会う。
    サハチたち、張三豊を探しに武当山を目指し、旅の途中でシンシンを助ける。
    4月 サハチたち、南陽で張三豊と出会う。
    サハチたち、張三豊と弟子のシンシンと一緒に武当山に行く。
    懐機、武当山の裾野で、妹の懐虹と再会する。
    サハチたち、シンシンの案内で武当山に登り、山頂で真武神を拝む。
    サハチたち、武当山の山中で張三豊から武当拳の指導を受ける。
    5月 サハチたち、張三豊とシンシンと一緒に龍虎山に向かう。
    懐機、龍虎山で妻の両親と再会し、殺された両親の墓参りをする。
    サハチたち、張三豊とシンシンと一緒に杭州に向かう。
    6月 サハチたち、杭州でメイファン姉妹と再会、西湖のほとりの屋敷に行く。
    サハチたち、杭州に来ていたサングルミーとタブチと会う。
    7月 サハチたち、無事に琉球に帰国する。
    三姉妹の船に乗って、張三豊とシンシンが琉球に来る。
    8月 張三豊はシンシンと旅に出る。
    ジクー禅師とサグルーとササが一緒に行く。
    9月 張三豊とシンシンが旅から帰る。
    運天泊に三姉妹の敵の林剣峰が来ている事を知って驚く。
    11月 首里グスクで三つの婚礼。
    サハチの長男サグルー、マウシ(護佐丸)の妹マカトゥダルを妻に迎える。
    サハチの次男ジルムイはサム(勝連按司後見役)の娘ユミを妻に迎える。
    マウシは苗代大親の娘マカマドゥを妻に迎える。
    三姉妹、明国に帰る。張三豊とシンシンは琉球に残る。
    ナツのお腹か大きくなり、マチルギに責められる。
    ナツを側室に迎え、マチルギのヤマトゥ旅を許す。
    12月 ナツ、サハチの七男、ナナルーを産む。

1408年  1月 長女のミチがサスカサを継いで島添大里ヌルになる。 37歳
    中山王思紹、進貢船を送る。マサンルーとマタルーが明国に行く。
    シンゴ、馬天浜に来る。従弟のサンダーと弟のクルーがヤマトゥから帰る。
    2月 首里グスクのお祭り。
    叔父の當山親方を浦添按司に任命する。
    3月 中山王思紹、女たちを連れて久高島参詣。武寧の残党の襲撃を受ける。
    4月 首里で丸太引きのお祭りをやる。
    5月 ハーリーに行き、シタルーから中山王の龍舟を出してくれと頼まれる。
    兼グスク按司、張三豊に会えた事が嬉しくて島添大里まで付いてくる。
    シンゴ、対馬に帰る。従弟のシタルーとクグルーがヤマトゥ旅に出る。
    マチルギ、馬天ヌル、ササ、佐敷ヌル、フカマヌル、ヤマトゥ旅に出る。
    ジクー禅師、ヒューガ、張三豊とシンシンも一緒に行く。
    6月 落雷によって運玉森のマジムン屋敷が消え去る。
    進貢船が帰国。マサンルー、マタルー、タブチが無事に帰る。
    弟のマタルーを与那原大親に任命して、運玉森にグスク建築を命じる。
    三姉妹の船が浮島に来る。メイファンは来ない。
    7月 大きな台風が来て、馬天浜がやられ、「対馬館」を建てる。
    佐敷グスクで、ヒューガの娘ユリと出会う。

1409年  1月 シンゴ、馬天浜に来る。マチルギたちが無事に帰国。 38歳
    飯篠修理亮(後の長威斎)が琉球に来る。
    マチルギからヤマトゥ土産の一節切をもらう。
    張三豊は兼グスク按司に呼ばれ、修理亮を連れて阿波根グスクに行く。
    中山王思紹、進貢船を送る。正使はサングルミー。
    弟ヤグルーとクルー、従弟のシタルー、明国に行く。タブチは三度目の唐旅。
    2月 首里グスクのお祭り。
    張三豊が兼グスク按司を連れて島添大里に帰って来る。
    兼グスク按司と試合をして勝ち、兼グスク按司から師兄と呼ばれる。
    島添大里グスクのお祭りが7年ぶりに復活する。
    3月 中山王思紹の久高島参詣。
    閏3月 山南王の娘が具志頭の若按司に嫁ぐ。
    長男サグルーが妻と妹のサスカサを連れて島尻大里グスクの婚礼に出席する。
    首里弁ヶ岳のウニタキの拠点が完成する。
    4月 首里の丸太引きのお祭り。
    兼グスク按司から朝鮮に連れて行ってくれと頼まれる。
    長嶺グスクが完成して、山南王の娘婿が長嶺按司になる。
    佐敷グスクのお祭り。
    フカマヌルの娘の父親がウニタキだと、妻のチルーにばれる。
    シンゴ、対馬に帰る。
    中山王思紹、朝鮮に使者を送る。武寧の三人の側室を連れて行く。
    ウニタキ、懐機と一緒に交易船に乗ってヤマトゥと朝鮮に向かう。
    兼グスク按司も一緒に行く。
    5月 サハチたち、薩摩の坊津に着く。一文字屋と再会。
    サハチたち、一文字屋の船に乗って博多に着き、呑碧楼に登る。
    6月 サハチたち、上関で村上水軍の又太郎とあやの兄妹と会う。
    サハチたち、児島の下の津で塩飽水軍の塩飽三郎入道と会う。
    サハチたち、京都に着き、北山第の七重の塔に驚く。
    ササ、船岡山スサノオの神様の声を聞く。
    サハチたち、祇園祭りを見物する。
    サハチ、ウニタキ、懐機が高橋殿の招待を受けて、高橋殿の屋敷に行く。
    一節切を吹いていると高橋殿が現れて華麗に舞う。
    サハチたち、高橋殿と酒盛りをして酔い潰れる。
    サハチたち、高橋殿の案内で七重の塔に登り、お忍びの将軍義持と会う。
    サハチたちが高橋殿と一緒に鞍馬山に行くと、ササたちが来る。
    張三豊、鞍馬山で高橋殿に武当拳の指導をする。
    鞍馬山で修行していた慈恩禅師の師匠が張三豊の弟子だった事がわかる。
    サハチたち、高橋殿の屋敷で増阿弥の田楽を観る。
    ササ、シンシン、シズ、将軍様の御所に呼ばれ御台所様(日野栄子)と会う。
    7月 明国の使者たちが京都に来る。サハチたち、唐人行列を見る。
    腕のいい宮大工、一徹平郎と会い、琉球に来てくれと頼む。
    サハチたち、京都を去る。
    対馬の船越に着き、サワと再会し、孫娘のミナミと会う。
    朝鮮から帰ってきたイトと再会し、娘のユキと会う。
    朝鮮からの船が帰って来て、ツタ、マユ、シノ、スズと再会する。
    8月 イトの船に乗って朝鮮の富山浦に行き、早田五郎左衛門と再会する。
    サハチたち、倭館に行き、渋川道鎮と宗讃岐守と会う。
    サハチたち、浦瀬小次郎と一緒に漢城府(ソウル)に向かう。
    サハチたち、漢城府に着き、「津島屋」のハナの案内で都見物。
    サハチたち、「津島屋」のナナの案内で、サダン(芸人)たちと会う。
    サハチたち、ナナの案内で開京に行き、妓楼で早田左衛門太郎と再会する。
    サハチたち、漢城府に帰り、「津島屋」で李芸と会う。
    9月 琉球の使者たち、漢城府に着く。
    「津島屋」でお忍びの朝鮮王、李芳遠を見る。
    10月 サハチたち、朝鮮を去り対馬に戻る。
    イト、ユキ、ミナミを連れてイスケの船で木坂の八幡宮に行く。
    11月 サハチたち、博多に行き、パレンバンの使者たち会う。
    12月 サハチたち、博多を去り、琉球に向かう。パレンバンの船も一緒に行く。
    サハチたち、琉球に無事帰国。ナナもササたちと一緒に琉球に来る。
    浮島の天使館でパレンバンの人たちの歓迎の宴。
    首里の会同館で帰国祝いの宴。
    島添大里グスクに帰ったサハチ、佐敷ヌルから英祖の宝刀の話を聞く。

1410年  1月 新年の儀式。按司たちに龍天閣と名付けた高楼を見せる。 39歳
    中山王の進貢船がパレンバンの船を連れて明国に行く。
    長男サグルーがクグルーと一緒に明国に行く。
    ササたち、スサノオの神様の事を調べにヤンバルに行く。
    嘉数之子、上間大親となり、上間グスクに行く。
    シンゴ、馬天浜に来る。イハチとクサンルーが帰国。
    2月 首里グスクのお祭り。龍天閣を開放する。
    佐敷ヌルのお芝居「察度」が演じられる。
    マチルギがサハチの八男を産み、タチと名付ける。
    ウニタキの配下のイーカチが女子サムレーのチニンチルーを妻に迎える。
    勝連の若按司が病死し、サハチの義兄のサムが勝連按司になる。
    島添大里グスクのお祭り。お芝居は「サミガー大主」
    3月 中山王思紹の久高島参詣。
    ウニタキ、旅芸人一座を作る。
    サミガー大主の次男のシタルーが宇座按司の娘マジニを妻に迎える。
    中山王の進貢船が船出。思紹が張三豊とクルーを連れて明国に行く。
    丸太引きのお祭り。
    4月 佐敷グスクのお祭り。佐敷ヌルのお芝居「瓜太郎」が上演される。
    シンゴ、対馬に帰る。朝鮮とヤマトゥに行く交易船が船出する。
    5月 豊見グスクのハーリー。中山王の龍舟が優勝する。
    6月 中山王の進貢船が帰国。サグルーとクグルーが無事に帰る。
    兼グスク按司(ンマムイ)が山南王のために家族を連れて今帰仁に行く。
    7月 兼グスク按司、名護の山中で刺客に襲われ、ウニタキに助けられる。
    三姉妹の船が浮島に来る。メイユーがサハチの側室になる。
    国子監に送る官生が懐機の長男ファイテと浦添按司の三男ジルークに決まる。
    兼グスク按司、山南王の書状を持って再び今帰仁に行く。
    8月 兼グスク按司、山南王と山北王の同盟を決めて帰って来る。
    与那原グスクのお祭り。佐敷ヌルのお芝居は「運玉森のマジムン屋敷」
    首里グスクの正殿の唐破風が完成する。
    9月 ウニタキの娘のミヨンが懐機の長男ファイテに嫁ぐ。
    八重瀬按司のタブチが三男イハチの縁談を持ってくる。
    10月 馬天浜のお祭り。佐敷ヌルのお芝居は「サミガー大主、その二」
    三姉妹、帰る。
    中山王の進貢船が船出する。正使はサングルー、副使は八重瀬按司のタブチ。
    ファイテとジルークが留学のために明国に行く。
    山南王と山北王が同盟する。
    山北王の長女マサキが山南王の三男グルムイに嫁いでくる。
    兼グスク按司が刺客に襲われ、阿波根グスクから逃げて新グスクに入る。
    中山王の進貢船、帰国。思紹と張三豊が無事に帰る。
    11月 山北王に攻められて首里伊平屋島の人たちが逃げてくる。
    伊平屋島を取り戻すためにサグルー、マウシたちが伊平屋島に行く。
    12月 ウニタキと一緒に伊平屋島に行き、山北王の兵たちを追い出す。
    ヤマトゥに行った交易船が伊平屋島に着く。
    飯篠修理亮が慈恩禅師と二階堂右馬助を琉球に連れて来る。

1411年  1月 新年の儀式。 40歳
    慈恩禅師は修理亮と右馬助を連れて、琉球を知るために旅に出る。
    中山王の進貢船が船出。程復が正使を務めて故郷に帰る。
    2月 シンゴが馬天浜に来て、早田左衛門太郎の帰国を知らせる。
    慈恩禅師が旅から帰り、聾唖の少女を連れて来る。
    首里グスクのお祭り。お芝居は「瓜太郎」
    ウニタキ、与論島に行く。
    島添大里グスクのお祭り。佐敷ヌルのお芝居は「酒呑童子
    3月 中山王思紹の久高島参詣。
    勝連若按司の婚礼。
    進貢船が帰国。副使のタブチ、米須按司、玻名グスク按司が帰国する。
    タブチが獅子舞を持って帰る。
    4月 サグルーの長男が誕生して、サハチと名付けられる。
    今年二度目の進貢船が船出する。クグルーと馬天浜のシタルーが明国に行く。
    三男イハチが具志頭按司の娘チミーを妻に迎える。
    佐敷グスクのお祭り。佐敷ヌルのお芝居は「舜天」
    南風原にンマムイの新しいグスクが完成して兼グスクと名付ける。
    5月 思紹、伊平屋島伊是名島を守るために兵を送る。与論島にも兵を送る。
    ササたちを連れて与論島に行き、捕まっている与論按司と会う。
    シンゴ、対馬に帰る。
    交易船に乗ってサスカサがササたちと一緒にヤマトゥに行く。
    兼グスク按司今帰仁に行き、中山王の書状を山北王に渡す。
    本部のテーラー首里グスクに来て、山北王の書状を思紹に渡す。
    テーラー、中山王の書状を持って今帰仁に行く。
    兼グスク按司が山北王の書状を持って今帰仁から帰る。
    兼グスク按司、再び今帰仁に行き、中山王と山北王の同盟を決めて帰る。
    山南王のシタルーが島添大里グスクに来て、山南王と中山王の同盟が決まる。
    三王同盟なる。
    6月 ウニタキが与論島から帰る。
    中山王の進貢船、帰国。王茂が国相になり、マウシが無事に帰る。
    山南王のシタルーから贈られた側室ハルが島添大里グスクに来る。
    シタルーから頼まれたと言って石屋のクムンが島添大里グスクに来る。
    ウニタキの配下の女をシタルーの側室に贈る。
    7月 チューマチのためにミーグスク築き始める。
    クルーも手登根グスクを築き始める。
    三姉妹の船が鉄炮と火薬を持ってくる。
    8月 与那原グスクのお祭り。お芝居は「瓜太郎」と旅芸人の「浦島之子」
    メイユーたち、与那原に行き、張三豊の一か月の修行を始める。
    中山王の進貢船、帰国。クグルーとシタルーが無事に帰る。
    9月 ナツと子供たちを連れて津堅島に行く。
    平田グスクのお祭り。佐敷ヌルのお芝居「かぐや姫」と旅芸人の「浦島之子」
    今年3度目の進貢船が船出する。正使はサングルミー。
    10月 馬天浜のお祭り。佐敷ヌルのお芝居は「サミガー大主、その三」
    三姉妹、帰る。
    首里大聖寺が完成する。
    11月 慈恩禅師、島添大里城下のソウゲン屋敷で子供たちに読み書きを教える。
    今年4度目の進貢船が船出する。正使はタブチ。
    米須按司、玻名グスク按司、真壁按司、伊敷按司もタブチと一緒に行く。
    12月 ヤマトゥに行った交易船がジャワの船を連れて帰る。
    奥間のサタルーが国頭按司の材木が運んで浮島に来る。

1412年  1月 新年の儀式。 41歳
    中山王の進貢船、帰国。サングルミーが新しい永楽銭を持ってくる。
    早田左衛門太郎がイトとユキとミナミを連れて琉球に来る。
    2月 首里グスクのお祭り。佐敷ヌルのお芝居は「鎮西八郎為朝」
    四男のチューマチが山北王攀安知の次女、マナビーを妻に迎える。
    中山王の進貢船が船出。
    クマヌが隠居して、ムタが中グスク按司になる。
    島添大里グスクのお祭り。佐敷ヌルのお芝居は「かぐや姫
    仲尾大主と山北王の兵50人が浮島に来て、ミーグスクに入る。
    3月 中山王思紹の久高島参詣。イトたちも一緒に行く。
    中山王の進貢船、帰国。
    クマヌが亡くなる。
    4月 ジルムイの長女、マチルギが生まれ、サハチはクマヌの死から立ち直る。
    佐敷グスクのお祭り。お芝居は「察度」と旅芸人の「瓜太郎」
    佐敷ヌルがササたちを連れて安須森に行き、安須森の封印を解く。
    5月 ハーリーに中山王と山北王の龍舟も出る。
    早田左衛門太郎、イトたち、馬天浜から対馬に帰る。
    甥のシングルー、ウニタルが、奥間のサタルーとヤマトゥに行く。
    交易船に乗って安須森ヌルがササたちと一緒にヤマトゥに行く。
    朝鮮に行く勝連船も一緒に行く。
    6月 旅から帰って来た馬天ヌルと一緒に奥間ヌルが首里に来たので焦る。
    初めて東松田の若ヌルと会う。
    7月 中山王の進貢船、帰国。
    三姉妹の船が来て、リンジェンフォンの配下だったソンウェイが一緒に来る。
    大きな台風が来て、与那原に被害が出る。
    8月 与那原グスクのお祭り。お芝居は「運玉森のマジムン屋敷」
    島添大里グスクでサスカサを中心に十五夜の宴が行なわれる。
    9月 ナツがサハチの五女マカマドゥを産む。
    首里グスクの北曲輪の石垣が完成する。
    10月 馬天浜のお祭り。
    三姉妹、帰る。
    中山王の進貢船が船出。正使は島尻大親
    11月 中山王の進貢船が船出。正使はタブチ。3人の官生を国子監に送る。
    山南王の刺客が島添大里グスクに攻めて来るが、ユーナのお陰で助かる。
    アミーとユーナの姉妹を慶良間の島に送る。
    12月 ヤマトゥに行った交易船と朝鮮に行った勝連船、帰国。
    パレンバンの船二隻を琉球に連れて来る。

1413年  1月 新年の儀式。 42歳
    首里に報恩寺が完成する。住職は南泉禅師。
    シンゴがマツとトラを連れて馬天浜に来る。
    ササたち、佐敷ヌル、サタルー、ウニタル、シングルー、帰国する。
    ササは児島の山伏、福寿坊と時衆の辰阿弥を琉球に連れて来る。
    2月 マツとトラを首里グスクに連れて行き、思紹を紹介する。
    中山王の進貢船が船出。パレンバンの船を明国まで連れて行く。
    首里グスクのお祭り。お芝居はハルの「かぐや姫」、旅芸人の「舜天」
    一節切を吹きながらスサノオの声を聞き、ササから神人になったと言われる。
    辰阿弥の鉦と福寿坊の太鼓で、みんなで念仏踊りを踊る。
    佐敷ヌル、ササたち、マツとトラと一緒にヤンバルに旅立つ。
    一緒にセーファウタキに行ってくれとサスカサがスサノオに頼まれる。
    島添大里グスクのお祭り。お芝居は「瓜太郎」、旅芸人の「舜天」
    3月 中山王思紹の久高島参詣。
    クマヌの一周忌。中グスクのお祭りで、旅芸人の「舜天」が演じられる。
    4月 懐機の娘、ファイリンが佐敷大親の長男シングルーに嫁ぐ。
    シンゴ、マツ、トラと一緒にヒューガの船で慶良間の島に行く。
    アミーとユーナと会い、島ヌルのタミーと会う。
    佐敷グスクのお祭り。
    去年の10月と11月に送った中山王の進貢船が一緒に帰国。
    5月 シンゴ、マツとトラ、対馬に帰る。
    マグルーと平田大親の長男サングルー、シビーの兄クレーがヤマトゥに行く。
    交易船に乗って浦添ヌル、福寿坊がササたちと一緒にヤマトゥに行く。
    五男マグルーと兼グスク按司の長女マウミとの婚約が決まる。
    6月 手登根グスクのお祭りで、佐敷ヌルの新作「小松の中将様」が初演。
    7月 ヌルたちの安須森参詣が行なわれる。
    首里大聖寺で「盂蘭盆会」が行なわれ、念仏踊りを盛大にやる。
    クマヌの孫娘マナミーが米須の若按司マルクに嫁ぐ。
    三姉妹の船とパレンバンの船が一緒に来る。
    メイユーは6月に女の子ロンジェン(龍剣)を産み、琉球には来ない。
    8月 ジャワの船が来る。
    首里と島添大里でお月見の宴。
    9月 中山王の進貢船、帰国。
    中山王の進貢船が船出。
    四男チューマチと浦添按司の次男クジルー、明国に行く。
    10月 馬天浜のお祭り。
    シーハイイェン、スヒター、リェンリーたちのお芝居「瓜太郎」
    三姉妹、帰る。パレンバンの船もジャワの船も一緒に帰る。
    タブチの四男チヌムイ、姉の若ヌルと一緒に山南王を殺して母の敵を討つ。
    チヌムイが山南王を殺した事に驚き、東方の按司たちに守りを固めさせる。
    思紹に山南王の死を知らせ、今後の対策を練る。
    思紹のもとへ山南王妃とタブチの書状が届き、共に介入するなと書いてある。
    タブチが東方の按司たちに長嶺グスクを攻めてくれと依頼してくる。
    東方の按司たち、タブチのために長嶺グスクを攻める事に決める。
    豊見グスクで山南王の葬儀が行なわれ、手登根大親の妻、ウミトゥクが行く。
    今帰仁から帰ったウニタキが小渡ヌルから託された山北王の書状を見せる。
    クマヌの息子のサンルーと会い、若い頃のクマヌにそっくりなので驚く。
    11月 兼グスク按司がチヌムイと若ヌルを連れて島添大里グスクに訪ねてくる。
    タブチからの書状を読み、タブチが家族を連れて琉球から去る事を知る。
    思紹、タブチが山南王の座から下りたと聞いて幹部会議を開き、
    反乱を起こした東方の按司たちを東方の按司たちが退治するという形にして、
    八重瀬グスク、具志頭グスク、玻名グスク、米須グスク、山グスク、
    ナーグスクを攻め取ろうと決める。
    ウニタキと喜屋武グスクに行き、琉球を去るタブチたちを見送る。
    山南王妃に書状を送り、長嶺グスクを包囲している兵を撤収させる。
    八重瀬按司に戦をする振りをしてからグスクを開城して降参してくれと頼む。
    東方の按司たち、八重瀬グスクを攻める。
    降参するはずだった八重瀬按司は自分が犠牲となり屋敷に火を付けて戦死。
    思紹はマタルーを八重瀬按司にして、サグルーを与那原大親に任命する。
    具志頭グスクに攻め寄せ、長老の許しが出て、イハチが具志頭按司になる。
    ヤマトゥに行った交易船が一月も早く帰ってきたので驚き、浮島に行く。
    ササが連れて来た医者の無精庵と会う。
    帰国祝いの宴で、ヤマトゥから帰って来たマグルーはマウミとの再会を喜ぶ。
    12月 サグルーが与那原グスクに移り、ジルムイ、マウシ、シラーも移る。
    東方の按司たちを率いて玻名グスクを攻める。
    マウシとシラーが兵を率いて来て、玻名グスク攻めに加わる。
    ササとシンシンとナナが鎧を着て一緒に来て、ユンヌ姫も来る。
    ササたちを連れて具志頭グスクに行く。
    ササたちを連れて、ユンヌ姫の案内で古いウタキに行く。
    ユンヌ姫の案内で、ヤファサチムイ、ミントゥングスク、垣花森に行く。
    首里の「まるずや」で小渡ヌルと会い、島添大里グスクに連れて行く。
    父を殺したのはサハチだと疑っている小渡ヌルに、望月党の仕業だと教える。

1414年  1月 佐敷ヌルがセーファウタキで豊玉姫によって安須森ヌルに就任。43歳
    ウニタキの配下が来て、山北王が南部に兵を送るのが15日だと知らせる。
    思紹、手登根グスクで前山南王妃トゥイと会い、中山王の介入の許可を得る。
    首里グスクに按司たちが集まり、南部のグスクを攻め取るために出陣する。
    山北王の兵が糸満から上陸して、保栄茂グスクの北西の座安森に本陣を敷く。
    兼グスク按司が、ヤタルー師匠が喜屋武ヌルのマレビト神だったと知らせる。
    山北王の兵が島尻大里グスク攻めに加わる。
    シンゴが早田六郎次郎と愛洲次郎を連れて馬天浜に来る。
    馬天浜に行き、六郎次郎と再会し、愛洲次郎を歓迎する。
    2月 首里グスクのお祭り。お芝居は安須森ヌルの新作「豊玉姫
    ササたち、愛洲次郎たちと六郎次郎たちを連れてウタキ巡りの旅に出る。
    東方の按司たちと玻名グスクを攻め落とす。
    思紹、奥間大親を玻名グスク按司に任命する。
    島添大里グスクのお祭り。
    お芝居はハルとシビーの初作「ウナヂャラ」と旅芸人の「豊玉姫
    無謀にも出撃して来た米須按司が戦死して、若按司はグスクを開城する。
    3月 山グスクに行き、苗代大親から様子を聞く。
    山グスクの大岩に登るために崖で訓練をしている「赤丸党」の者たちを見る。
    八重瀬に来た旅から帰ったササたちを玻名グスクに連れて行く。
    山南王と山北王の兵に攻められて島尻大里グスクが落城し、摩文仁が戦死。
    島尻大里グスクで与座按司、真壁按司摩文仁按司、伊敷按司、新垣大親
    真栄里大親、真壁之子、新垣之子の八人が処刑される。
    島尻大里グスクで他魯毎の山南王就任の儀式が行なわれる。
    ササたち、山グスクに来て、近くの海岸でミャークのウタキを見つける。
    山グスクの下のグスクが落城する。
    山グスクの上のグスクも落城するが、勝連の若按司が戦死する。
    思紹と一緒に山グスクに行き、サグルーを山グスク大親に任命して、
    今帰仁攻めのための訓練をさせる事に決める。
    4月 与那原グスクに行き、与那原大親になったマウーと会う。
    佐敷グスクのお祭り。お芝居はハルとシビーの新作「馬天ヌル」
    湧川大主の妻が倒れたため、鬼界島攻めが延期になったとウニタキから聞く。
    張三豊が運玉森ヌルを連れて山グスクに行く。
    セーファウタキで豊玉姫によってササは運玉森ヌルに就任する。
    5月 ササたちと一緒に早田六郎次郎と愛洲次郎を連れて慶良間の島に行く。
    ササの代わりにヤマトゥに行くタミーを連れて帰る。
    中山王の進貢船が帰国。チューマチとクジルーが無事に帰る。
    シンゴと早田六郎次郎が対馬に帰る。
    愛洲次郎はササと一緒に南の島を探しに行くため帰らない。
    佐敷大親の次男ヤキチ、中グスク按司の長男マジルーがヤマトゥに行く。
    ヤマトゥに行く交易船と朝鮮に行く勝連船が船出。
    首里慈恩寺が完成する。住職は慈恩禅師。
    湧川大主の妻が亡くなり、鬼界島攻めは来年に延期になる。
    6月 中山王の進貢船が船出。正使はサングルミー。
    ウニタキと懐機、安須森ヌルとササたちと一緒に久米島に行く。
    懐機が新垣ヌルと仲良くなる。
    サハチたち、堂村でタブチと再会する。
    ウニタキと懐機と一緒に馬を借りて、チヌムイの案内で島内を巡る。
    ウニタキ、堂ヌルと仲良くなる。
    堂ヌルの案内で、ササたちと一緒にアーラタキに登る。
    クイシヌと会い、一緒にニシタキに登って一節切を吹き、姿を現したスサノオ
    とユンヌ姫とクミ姫と酒盛りを楽しむ。
    手登根グスクお祭りで、初めてトゥイと会い、ナーサの事を教える。
    7月 ヌルたちの安須森参詣が行なわれる。
    チューマチの妻、マナビーが首里グスクの御内原で娘チルギガニを産む。
    三姉妹の船が、パレンバンの船とジャワの船と一緒に来る。
    ソンウェイが鉄炮付きの武装船を慶良間の島に持ってくる。
    メイファンから運天泊に来ていた海賊リンジョンシェンが戦死した事を聞く。
    サハチたち、慶良間の島に行って、武装船に乗って鉄炮の試し撃ちをする。
    ウニタキが今帰仁に行き、山北王の軍師リュウインと会い、酒を飲み交わす。
    ウニタキがリュウインを首里に連れて来て、思紹、サハチ、懐機と会わせる。
    リュウインを山グスクに連れて行き、張三豊と会わせる。
    リュウインは浮島に行って久米村の役人たちと進貢船の相談をして、
    中山王から借りた明国の商品を山積みにした油屋の船に乗って帰る。
    8月 与那原グスクのお祭り。お芝居はハルとシビーの新作「武当山の仙人」
    久高島の大里ヌルが島添大里グスクに来て、十五夜の儀式を執り行なう。
    大里ヌル、マレビト神の二階堂右馬助を連れて久高島に帰る。
    旅芸人たちが慶良間の島に行き、ササたちも一緒に行く。
    島から帰って来たササから、アミーのお腹が大きくなっていると聞いて驚く。
    ウニタキに相談すると、アミーに誘われて断れなかったと白状する。
    具志頭按司イハチの長男、マハチが生まれる。
    9月 ササたちを乗せた愛洲次郎の船はミャークを目指して浮島を船出する。
    馬天ヌルから南の島に苗代大親の娘がいると聞いて驚く。
    張三豊が琉球を去る事をサハチに告げ、それを聞いていた右馬助が驚く。
    馬天浜に行き、サミガー大主から苗代大親とユミの事を聞く。
    ユリたちと会い、馬天浜のお祭りを張三豊の送別の宴にしてほしいと頼む。
    苗代大親と一緒に張三豊と会い、ユミの師匠だったウーニンの事を聞く。
    苗代大親は張三豊と試合をするが、その強さに驚く。
    10月 弁ヶ岳でユンヌ姫からササたちが無事にミャークに着いた事を聞く。
    馬天浜のお祭りに張三豊の弟子たちが集まり、盛大な送別の宴が催される。
    張三豊、山グスクヌルと右馬助を連れて、三姉妹の船に乗って琉球を去る。
    パレンバンの船とジャワの船も一緒に帰る。
    11月 ウニタキが来て、トゥイが湧川大主と若按司と会って来たと知らせる。
    東行法師のタムンと会い、張三豊が造った孤児院を訪ね、我謝ヌルと会う。
    マチルギが来て、アミーが産んだ娘の父親がサハチだと言って責める。
    玻名グスクを攻めていたと言うとマチルギは納得するが、首を傾げる。
    ウニタキにアミーが娘を産んだ事を話して、慶良間の島に近づくなと言う。
    12月 島尻大里ヌルが、山北王の若按司を迎えるためユリを借りたいと言う。
    ユリは引き受け、ハルとシビーを連れて島尻大里グスクに行く。
    今帰仁からミヌキチの次男ジルキチが来て、島添大里の研ぎ師に迎える。
    他魯毎の進貢船が、先代山南王の死を伝えるために船出する。
    手登根大親の妻ウミトゥクが次女のククを産む。
    山北王の若按司ミンが島尻大里グスクに来て歓迎され、山南王の世子となる。
    サタルーから奥間ヌルが宇座の御隠居の孫だったと聞いて驚く。
    中山王の進貢船、帰国。
    マグルーとウニタル、苗代之子と飯篠修理亮も無事に帰国する。
    島尻大里ヌルのマレビト神が苗代之子で、出会った二人はどこかに行く。
    島尻大里ヌルとどこかに行った苗代之子が首里に帰ってきて、話を聞く。
    ヤマトゥに行った交易船が帰って来ないので、サスカサに無事を祈ってくれ
    と頼むと、ギリムイ姫が様子を見にヤマトゥに行ってくれる。
    ギリムイ姫がホアカリを連れて帰ってきて、交易船は無事に博多にいて、
    タミーは高橋殿に頼まれて京都に残っていると教えてくれる。

1415年  1月 サスカサたちが頑張って各地の新年の儀式を執り行なう。 44歳
    トゥイが島尻大里ヌルを連れて島添大里グスクに来て、島尻大里ヌルの
    マレビト神は誰なのかと聞くので、苗代之子の事を話すと安心する。
    リュウインが来て、山北王の正使として中山王の進貢船に乗って行く。
    本部のテーラーもサムレー大将として10年振りに明国に行く。
    ヤマトゥに行った交易船が帰国。
    シンゴと早田六郎次郎の船も馬天浜に着く。
    シンゴからヤマトゥの戦の事を聞く。
    福寿坊が連れて来た職人たちと会う。
    2月 首里グスクのお祭り。お芝居はハルとシビーの新作「ササと御台所様」
    次女マチルーがウニタキの長男ウニタルに嫁ぎ、
    ンマムイの長女マウミが五男マグルーに嫁ぐ。
    ウニタル夫婦、マグルー夫婦、シングルー夫婦、まるずや巡りの旅に出る。
    旅から帰り、マグルーが山北王に会ってきたと言って、山北王の書状を渡す。
    取り引きをする商品が足らないという山北王の頼みを引き受ける。
    島添大里グスクのお祭り。お芝居は「ウナヂャラ」と旅芸人の「かぐや姫
    3月 ウニタキは今帰仁のお祭りに参加するため旅芸人たちと今帰仁に行く。
    中山王の久高島参詣。
    丸太引きのお祭りでシンシンの代わりを務めたファイリンが優勝する。
    4月 ウニタキが帰って来て、湧川大主が鬼界島攻めに行った事、
    名護按司が亡くなった事、新しい海賊が運天泊に来た事を聞く。
    懐機が考えた尚巴志という名で進貢船を送る事になったとウニタキに言う。
    佐敷グスクのお祭り。お芝居はハルとシビーの新作「佐敷按司
    5月 ナツがサハチの七女、ハナを産む。
    豊見グスクのハーリーで苗代之子が指揮した中山王の龍舟が優勝する。
    島尻大里グスクの初めてのお祭りを女子サムレーたちを連れて見に行き、
    兼グスク按司と会い、兼グスクの女子サムレーの隊長フニと会う。
    フニを連れて首里に行き、フニはマチルギとの再会を喜ぶ。
    シンゴと早田六郎次郎、対馬に帰る。
    苗代之子の長男サジルー、ウニタキの次男マサンルーがヤマトゥに行く。
    ヤマトゥに行く交易船と朝鮮に行く勝連船が船出。
    トゥイとナーサがマアサと4人の女子サムレーを連れて行く。
    サハチが世子尚巴志の名前で送る進貢船が船出する。
    首里の武術道場で武科挙を行なう。
    弁ヶ岳に登り、ユンヌ姫からササたちが無事に帰ってくる事を知らされる。
    ササたちがミャークの船とトンドの船を連れて帰国する。
    ウニタキと一緒に兼グスク按司から真喜屋之子の事を聞く。
    南の島の人たち、首里に行って中山王思紹と会う。
    兼グスク按司と一緒に慈恩寺に行って真喜屋之子と会って話を聞く。
    タキドゥン按司が、祖父が大事にしていた小刀を持っていたので驚く。
    タキドゥン按司を連れて島添大里グスクに帰り、昔の話を聞く。
    安須森ヌルから「英祖の宝刀」の中の一つ、小太刀がミャークにあったと聞い
    て、見つかってよかったと喜ぶ。
    6月 島添大里グスクに来たクマラパから祖父カルーの事を聞いてナツは驚く。
    ウニタキ、真喜屋之子の事を調べるために今帰仁に行く。
    行方知れずの玻名グスクヌルが奥間のミワを連れて島添大里に帰って来る。
    ミワはサハチを見て、思わず、お父さんと呼んでしまい、それを聞いていた
    安須森ヌル、サスカサ、女子サムレーたちは唖然とする。
    マチルギがやって来て、刀を振り回してサハチを追うお芝居をして、物見櫓の
    上で、サタルーを守るためにウナイ神として妹が必要だったのよ、と言う。
    愛洲ジルーの船に乗ってササたちは瀬織津姫に会うためにヤマトゥに行く。
    山南王の進貢船が帰国し、冊封使が7月半ばに来るだろうと中山王に伝える。
    ウニタキが帰って来て、真喜屋之子の兄が材木屋のナコータルーだと教える。
    手登根グスクのお祭り。お芝居はハルとシビーの新作「サスカサ」
    7月 ヌルたちの安須森参詣。南の島のヌルたちもアンアンたちも参加する。
    安須森参詣から帰って来た安須森ヌルが、サスカサが今帰仁若ヌルと勢理客若
    ヌルに武当拳を教え、佐敷ヌルと平田ヌルが仲間はずれにされていたクーイの
    若ヌルと仲良くなったとサハチに言う。
    パレンバンとジャワの船が来て、張三豊がムラカに行ったと知らせる。
    シーハイイェンたちとスヒターたち、ササがいないとがっかりするが、
    アンアンがいたので驚き、再会を喜ぶ。
    李仲按司と会い、冊封使の接待について中山王と山南王の分担を決める。
    冊封使の船が浮島に来て、山南王の重臣たちに迎えられて天使館に入る。
    島添大里グスクに永楽帝の娘のリーポー姫が来る。
    歓迎の宴を開いて、懐機とウニタキも呼んで、リーポー姫と一緒に来た張三豊
    の弟子チウヨンフォン、宦官のチャイシャン、通事のツイイーから話を聞く。
    チウヨンフォンを連れて慈恩寺に行き、シュミンジュンと会わせる。
    8月 豊見グスクで諭祭の儀式と諭祭の宴が行なわれる。
    与那原グスクのお祭り。お芝居はハルとシビーの新作「女海賊」
    安須森ヌルと一緒に島尻大里グスクに滞在して冊封の宴の準備を手伝い、
    照屋大親と酒を飲んで打ち解け、中程大親からアミーとユーナを助けてくれた
    お礼を言われ、小禄按司と瀬長按司からは娘をサハチの息子に嫁がせたいと言
    われる。
    島尻大里グスクで他魯毎冊封の儀式と冊封の宴が行なわれる。
    リーポー姫たち、シーハイイェンたち、スヒターたち、アンアンたちが山南王
    に会うために島尻大里グスクに来て、他魯毎に歓迎される。
    帰りにリーポー姫を狙う連中の襲撃があるが、チャイシャンの配下が倒す。
    王女たち首里グスクの龍天閣で中山王思紹と会う。
    首里グスクで冊封使を迎えて中秋の宴が催され、島添大里グスクでは十五夜
    宴が催される。
    9月 首里グスクで冊封使を招待して重陽の宴が行なわれる。
    島添大里に帰ると、リーポー姫を好きになったウリーが恋の病に罹っている。
    ウリーを平田グスクのお祭りに連れて行きリーポー姫と会わせる。
    平田グスクのお祭り。お芝居は「女海賊」、旅芸人たちの「ウナヂャラ」
    ミャークの船が帰国する。
    リーポー姫たち、シーハイイェンたち、スヒターたち、アンアンたち、山北王
    に会うためにヒューガの船に乗って名護に向かう。
    ユンヌ姫から、ミャークの船が無事に着いた事と台風が来る事を聞く。
    山北王の正使リュウインを乗せて行った中山王の進貢船が帰国。
    テーラーからリュウインが永楽帝に仕える事になって帰って来ない事を聞く。
    テーラーから真喜屋之子の事を聞く。
    10月 王女たち、油屋の船に乗って、無事に浮島に帰ってくる。
    テーラー冊封使の船に乗せるためにリュウインの家族を連れて来る。
    兼グスク按司から松堂夫婦を紹介され、歓迎の宴を開いて松堂から話を聞く。
    松堂と一緒に来たクチャとスミは島添大里に行き、マナビーとの再会を喜ぶ。
    王女たちを守っていたウニタキから、クーイヌルがマチルギの従姉だと聞いて
    驚き、クーイの若ヌルは助けなければならないと思う。
    島尻大里グスクで、冊封使たちを招待して餞別の宴が行なわれる。
    馬天浜で張三豊を偲ぶお祭りが行なわれ、パレンバン、ジャワ、トンドの人
    たちの送別の宴も兼ね、大勢の人たちが浜辺に集まって酒盛りを楽しむ。
    パレンバン、ジャワ、トンドの船が帰る。
    娘たちの武当拳の試合の決勝戦でリーポー姫とサスカサが引き分ける。
    クチャとスミは武当拳を身に付けたいと思い、ここで修行をする決心をする。
    冊封使の船に乗ってリーポー姫たちが帰る。
    冊封使の船と一緒に、サングルミーを正使とした中山王の進貢船も船出する。
    完成したジクー寺で、中山王の幹部たちが集まり、今帰仁攻めの相談をする。
    マチルギは今帰仁を攻めたらマナビーとマウミが悲しむと言い、
    懐機は大義名分が必要だと言う。
    琉球を統一するためには山北王は倒さなければならないと思紹は言い、
    4月の予定で準備をしておこうと言う。
    11月 材木屋のナコータルーと浮島で会い、娘のマルを島添大里のミーグスクに
    連れて行き、マナビーと会わせる。
    ナコータルーが島添大里グスクに来て、物見櫓の上で真喜屋之子の事を話す。
    物見櫓の材木が傷んでいるとナコータルーに言われ、建て直す事にする。
    首里の遊女屋「喜羅摩」でナコータルーと真喜屋之子を会わせる。
    油屋の娘のユラを連れて島添大里グスクに帰ると、ハルとシビーが千代松の事
    を調べにヤンバルに行きたいと言い出す。
    12月 湧川大主が鬼界島から帰って来るので、ウニタキは今帰仁に行く。
    国頭按司の材木を運んで来たサタルーに、松堂夫婦を送ってくれと頼む。
    サタルーは松堂夫婦、ハルとシビー、女子サムレーのシジマとユーナ、
    ウニタル夫婦、油屋のユラを連れてヤンバルに帰る。
    クチャとスミは武当拳を身につけるためにミーグスクに残る。
    ハルたちがヤンバルから帰り、シジマが神人になったと聞く。
    帰って来たウニタキから、湧川大主が鬼界島攻めに失敗した事を聞く。
    ウニタキが真喜屋之子を使うと言うので、ウニタキに任せる。
    真喜屋之子、旅芸人たちと一緒にヤンバルに行く。
    中山王の進貢船が帰国。
    国子監に留学していたファイテとジルークが帰る。
    会同館の帰国祝いの宴でファイテとジルークから話を聞く。

1416年  1月 龍天閣で祝宴が開かれ、幹部たちは今帰仁攻めの作戦を練る。 45歳
    ファイテとミヨン、ジルークとミカが琉球を知るために旅に出る。
    油屋のユラが今帰仁のお祭りの準備のため今帰仁に行く。
    クチャとスミも一緒に名護に帰る。
    ウニタキから奥間炎上を聞いて驚き、首里に行って思紹に知らせ、
    「まるずや」の裏の屋敷で幹部会議を開く。
    ウニタキは奥間大親と一緒に奥間に向かう。
    ヤマトゥに行った交易船が李芸の乗っている朝鮮船とササたちが乗っている
    愛洲次郎の船を連れて浮島に帰る。
    シンゴと早田六郎次郎の船も馬天浜に着き、朝鮮に行った船も勝連に着く。
    浮島の那覇館に行き、李芸と早田五郎左衛門と再会する。
    別館にいる奥間の避難民たちを見舞い、奥間大親から奥間の様子を聞く。
    マチルギと一緒に歓迎の宴の準備を手伝っていたササから旅の話を聞く。
    安須森ヌルがササにシジマの事を話すと、アキシノの声が聞こえ、サハチたち
    は外に出て、アキシノから、志慶真ヌルの寿命がもうすぐ尽きるので、その
    後、シジマが志慶真ヌルを継げばいいと言われる。
    アキシノに、中山王が山北王を滅ぼしても大丈夫かと聞くと、マチルギは私
    の子孫だから、マチルギの息子が今帰仁按司を継げば何の問題もないと言った
    ので、マチルギもサハチたちも驚く。
    思紹、首里に来た李芸と五郎左衛門と会い、五郎左衛門との再会を喜び、
    カンスケを朝鮮担当奉行に任じて李芸の被慮人探しを助けるように命じる。
    馬天浜に行き、シンゴと早田六郎次郎と会う。
    首里の「まるずや」で4度目の幹部会議が開かれ、ササとサタルーも加わる。
    奥間が焼かれて、国頭按司、羽地按司、名護按司も怒っているとウニタキが
    知らせる。
    奥間のためにも早い内に今帰仁を攻めたいと思紹は言うが、安須森ヌルは
    ユラのために今帰仁のお祭りはやらせてあげたいと言い、ヒューガも3月では
    まだ船が出せないかもしれないと言うので、出陣は4月1日に決まる。
    冊封使のお礼のため、山南王と中山王の進貢船が船出する。
    六男のウリーと八重瀬按司の長男のハチグルーがクレーと一緒に唐旅に出る。
    2月 ジクー寺の落慶供養が行なわれ、「大禅寺」と名付けられる。
    会同館の西に庭園を造る事になり、慶良間から来た若者たちが整地を始める。
    旅から帰って来たファイテとジルークは首里の城下の入口に琉球らしい立派な
    御門を造らなければならないと言って一徹平郎と相談する。
    首里グスクのお祭り。お芝居はハルとシビーの新作「千代松」
    旅芸人たちは、今帰仁のお祭りに「千代松」を演じようと張り切る。
    百浦添御殿で5度目の幹部会議が開かれ、真喜屋之子の活躍によって、
    国頭按司、羽地按司、名護按司の山北王からの離反が決まり、名護の松堂、
    国頭の喜如嘉の長老、羽地の我部祖河の長老が夫婦連れで、各按司の書状を
    持って、「まるずや」の船に乗って来るとウニタキが言う。
    山北王を倒した後の今帰仁按司は、名護按司と国頭按司は千代松の血を引いて
    いる者になってほしいと言い、羽地按司は、帕尼芝の血を引いた者も按司代と
    して置いてほしいと言っているという。
    チューマチ夫婦を今帰仁に送るのが一番いいと懐機が言って、皆が賛成する。
    3人の長老は人質として戦が終わるまで南部にいて、恩納按司と金武按司
    人質も真喜屋之子と奥間大親が連れて来るとウニタキが言う。
    ヤンバルの長老たちがウニタキに連れられて島添大里に来て、歓迎する。
    ササたちが若ヌルたちを連れて島添大里に来て、東松田の若ヌルと再会する。
    真喜屋之子と奥間大親が、金武から屋賀ヌル母子、恩納から恩納ヌル母子を
    人質として島添大里グスクに連れて来る。
    ウニタキと一緒に酒を飲みながら、真喜屋之子と奥間大親から活躍話を聞く。
    3人の按司たちが寝返ったのは屋嘉比のお婆のお陰だと聞いて、お婆に感謝
    して祝杯を挙げる。
    真喜屋之子を連れて首里に行き、ヤンバルの按司たちの書状を思紹に渡す。
    真喜屋之子の活躍に、思紹はサムレー大将になれと言うが、真喜屋之子は
    断り、ヤンバルの道を整備したいので普請奉行になりたいという。
    思紹は真喜屋之子を和泊大親の名で、道普請奉行に任命する。
    首里の龍天閣で6度目の幹部会議が開かれ、大まかな作戦が練られる。
    ウニタキと奥間大親は中山王の書状を持ってヤンバルに行く。
    島添大里グスクのお祭り。お芝居は「女海賊」と旅芸人の「千代松」
    ヤンバルの長老たちとクチャとスミもマナビー夫婦と一緒にお祭りを楽しむ。
    3月 中山王の書状が内密に、浦添按司、北谷按司、中グスク按司、越来按司
    勝連按司、安慶名按司、伊波按司、山田按司に届けられ、戦の準備を始める。
    思紹の久高島参詣。安須森ヌル、ササたちも若ヌルたちを連れて参加する。
    ササたち、シジマと屋賀ヌルを連れて、ヤンバルに向かう。
    瀬長按司が山北王との縁談の事で訪ねて来て、喜んで山北王の娘を嫁に迎える
    と返事をしてくれと言う。
    ヤンバルから帰って来たササたちから、シジマの志慶真ヌル就任と、屋嘉比の
    お婆の死と、マジムン退治の事を聞き、お婆が亡くなってしまって、ヤンバル
    の按司たちの意思が揺らぐのを心配する。
    ナツがササの妊娠に気づき、ササは慌てて帰って行く。
    クマヌの命日に中グスクのお祭りが行なわれる。お芝居は「瓜太郎」
    中部の按司たちが中グスクに集まり、思紹とサハチから詳しい話を聞く。
    旅芸人たち、今帰仁のお祭りに参加するため今帰仁に向かう。
    首里の丸太引きのお祭りで8年ぶりに佐敷が優勝する。
    思紹から、今帰仁攻めの総大将を務めろと言われて驚くが、自分がやらなけれ
    ばならないと引き受ける。
    今帰仁のお祭りの翌日、思紹は山南王と東方の按司たちに今帰仁攻めを伝え
    る。
    マチルギはマナビーとマハニを説得する。
    山南王の兵によって保栄茂グスクとテーラーグスクは包囲され、伊敷にいた
    羽地と名護の兵は中山王に従って出陣する事になる。
    中山王は正式に各按司たちに出陣命令を出す。
    安須森ヌル、サスカサ、シンシン、ナナは出陣するために首里に行き、
    妊娠しているササは若ヌルたちを連れて島添大里グスクに入る。
    ウニタキが帰って来て、今帰仁城下の全焼と湧川大主の逃亡をサハチと思紹に
    知らせ、敵の鉄炮を奪い取った事も知らせる。
    4月 首里グスクで出陣の儀式を行ない、総大将として出陣する。
    読谷山の喜名に泊まり、東松田の若ヌルと一緒に酒を飲み、若ヌルからマレビ
    ト神だと言われて驚き、若ヌルに見つめられて記憶をなくす。
    気が付くと2日が過ぎていて、保栄茂グスクで騒ぎが起こったが何とか解決し
    た事を安須森ヌルから聞く。
    仲尾泊に着き、ヤンバルの按司たちと会い、琉球の統一のために従ってくれた
    お礼を言う。
    今帰仁に着いて焼け跡に造られた陣地を見て驚き、物見櫓に登って今帰仁グス
    クを見て、攻め落とすのは難しいと改めて思う。
    焼け跡の残骸を片付けて、それぞれの陣地を確保する。
    夜明け前に敵の攻撃があり、鉄炮の試し撃ちをして発射角度を調節する。
    サグルーたちが兵を率いて、志慶真曲輪を攻めるために移動して行く。
    ヌルたちも一緒に行き、クボーヌムイにいる志慶真ヌルと戦勝祈願を行なう。
    石垣と楯の間にある残骸を片付け、総攻撃が始まる。
    午後に2度目の総攻撃が始まり、突然、大御門が開いて、馬に乗った下間大主
    と具志堅大主が現れ、苗代之子と安慶名按司が一騎打ちをする。
    大御門から20騎の騎馬武者が出て来て暴れ回り、引き上げる騎馬武者を追って
    勝連按司と越来按司が兵を率いて外曲輪に突入する。
    大御門が閉じられ、勝連按司と越来按司を助けろと総攻撃を命じる。
    中山王の兵たちは石垣を越えて外曲輪に侵入、乱戦の末、外曲輪を奪い取る。
    義兄の勝連按司と叔父の越来按司が戦死して悲しむ。
    外曲輪内の屋敷にいた山北王の側室のウクとミサと会い、フミから預かったと
    いう紙切れには敵の大将の配置図が書いてある。
    フミの紙切れをよく見ると三の曲輪に「抜け穴」と書いてあり、山北王も見つ
    ける事ができなかった抜け穴を探してみるとウニタキは言う。
    サグルーたちが志慶真曲輪を攻め落とす。
    勝連按司の枕元に座っていて一睡もしていなかったので、懐機に言われて城下
    にある本陣の仮小屋に行って横になる。
    話し声で目が覚め、東松田の若ヌルから話を聞いて、ササに会いに行く事を許
    すが、ササは連れて来るなと言う。
    松明のおとり作戦を夜が明けるまで続けて、敵兵を眠らせない。
    3日目の夜が明け、物見櫓に登ってきたウニタキに、勝連按司を継げと言う
    が、ウニタキは断り、娘婿のジルムイに継がせればいいと言う。
    正午頃、敵が突然攻めて来たと思ったら、志慶真村のサムレー大将2人で、
    志慶真曲輪が陥落したので投降すると言う。
    リュウインの弟子たちが10人、馬に乗って攻めて来て暴れ回る。
    ウニタキが抜け穴の出口を見つけ出し、ウニタキと一緒に確認に行く。
    抜け穴を使って苗代之子と安慶名按司が三の曲輪に突入し、総攻撃をして
    三の曲輪を攻め落とす。
    浦添按司と越来若按司が戦死する。
    三の曲輪から負傷兵を運んでいる最中、リュウインの弟子たちが外曲輪に攻め
    込み、暴れ回って壮絶な討ち死にをする。
    三の曲輪を片付け終わった午後、総攻撃を開始し、中御門の上にある櫓を火矢
    で撃って焼き払い、中曲輪を奪い取る。
    突然の大雨に驚いていると、石垣の上の敵兵が消えたと兼グスク按司が知ら
    せ、総攻撃を命じる。
    大雨の中、梯子を持った兵たちが石垣に取り付いて二の曲輪に侵入する。
    サハチたちも行こうとしたら地震が起こり、雨もやむ。
    サハチたちが御内原に行くと、すでに制圧され、敵兵の死体があちこちに転が
    っていて、テーラーの死体もある。
    二の曲輪に行こうとしたらウタキの前にヌルたちがいるのに気づき、マチルギ
    もいたので驚く。
    マチルギがアキシノの霊石を元に戻したと聞いて驚き、霊石をよく見る。
    ウニタキが山北王の側室だったフミを連れてきて、フミから何が起こったのか
    を聞き、山北王の遺体を確認する。
    フミと一緒に一の曲輪まで行き、敵将の戦死を確認し、御殿に上がって、
    マウシとサタルーに山北王の死を伝える。
    屋根から落ちた瓦が山のようになっている部屋に、志慶真ヌル、シンシン、
    ナナ、東松田若ヌルがいて、クーイ若ヌルの遺体を囲んでお祈りをしている。
    マチルギと安須森ヌルと奥間ヌルが来たので、一緒に御内原に戻って山北王妃
    と会い、山北王の側室のタンタンから「洪武帝の宝剣」の事を聞く。
    ウニタキが御殿の地下にある地下蔵を見つけ、山北王が溜め込んだ財宝を見る
    と、その中に「洪武帝の宝剣」がある。
    ウニタキから、山北王の次男のフニムイと平敷大主と愛宕之子が消えたと知ら
    され、ウニタキは絶対に探し出すという。
    一の曲輪と二の曲輪の遺体を片付け、敵兵の遺体は山北王も含め、皆、抜け穴
    のガマの中に埋葬して入り口を塞ぐ。
    今帰仁ヌルと勢理客ヌルとクーイの若ヌルの遺体は、ヌルたちによって
    クボーヌムイに運ばれて埋葬される。
    山北王が持っていた英祖の宝刀の太刀は、雷に打たれた時、どこかに飛ばされ
    てしまったのか見つからない。
    御内原のウタキの前でヌルたちがお清めの儀式をして、御内原を再び男子禁制
    の聖地とする。
    マチルギ、志慶真ヌル、屋嘉比ヌル、東松田の若ヌルの四人がマジムン退治を
    して、かつて、滅ぼされてマジムンとなって彷徨っている歴代の今帰仁按司
    一族たちを封印する。
    戦で流れた多くの血を洗い流すかのように大雨が降り、稲妻が走って雷鳴が鳴
    り響き、風も強くなり、雨がやんだかと思うと、静かに雪が降ってくる。
    マジムン退治が終わったあとも雪は静かに降り続き、マチルギと一緒に一の曲
    輪の御殿の二階に上がって雪景色を眺める。
    真っ二つにされた霊石の前でお祈りした時に聞こえた声は豊玉姫だったと
    マチルギから言われ、マチルギと一緒に南の方に向かって両手を合わせる。
    マチルギは今帰仁を再建するために、このままここに残ると言い出し、
    アキシノの子孫であり、千代松の曽孫であるマチルギが、この惨めな有様を
    見て黙っていられるはずはないと思い、見事な城下を造ってくれと言う。

『尚巴志伝 第二部』の年表

1406年

2月  サハチ(尚巴志)、武寧を殺して首里グスクを奪い取る。
    サハチ、浦添グスクを焼き討ちにする。
    サハチ、中山軍を倒し、中山王の若按司を討ち取る。
    サハチ、中グスク、越来グスクを攻め落とす。
    サハチ、勝連グスクを攻めようとするが、ウニタキの活躍で同盟を結ぶ。
    サハチの父、思紹が中山王になる。
3月  山田按司の次男、マウシ(後の護佐丸)がサハチを訪ねて首里に行く。
    マウシ、島添大里グスクに行き、馬天若ヌルのササと出会う。
4月  中山王、改めて山南王と同盟する。
5月  早田新五郎、対馬に帰る。
    中山王の進貢船が帰国。サハチ、兵を率いて待ち構える。
    サハチ夫婦、ウニタキ夫婦、ヒューガ夫婦と一緒に慶良間の島に行く。
6月  武寧がシャム(タイ)に送った船が帰国。サハチ、兵を率いて待ち構える。
7月  中山王と山南王の合同進貢船が帰国。正使のサングルミーが思紹に仕える。
9月  ナーサの遊女屋「宇久真」が完成。中山王の重臣たちの懇親会。
    武寧の忠臣だった平戸親方の反乱が起こるが無事に治める。
10月  サハチ、宇座按司に会いに行く。
12月  サハチ、浮島のハリマの宿屋で志佐壱岐守と20年ぶりの再会をする。
    サハチ、志佐壱岐守とジクー禅師を首里に連れて行き、思紹と会わせる。

1407年

1月  首里グスクで新年の儀式。八重瀬按司(タブチ)も挨拶に来る。
    浮島の天使館を壊して、新しい天使館を建て始める。
    早田新五郎、馬天浜に来る。
    サハチ、島添大里の「まるずや」でナツと結ばれる。
    中山王思紹、初めて進貢船を送る。正使はサングルミー。
    サハチ、ウニタキと懐機と一緒に進貢船に乗って明国に行く。
2月  首里グスクでお祭り。思紹の身代わりが何者かに殺される。
    サハチたち、明国の泉州に着き、来遠駅に入る。
    サハチ、ウニタキ、懐機、福州に行き、メイファンと再会する。
    サハチたち、メイファン姉妹の敵討ちを助ける。
    サハチたち、メイファン姉妹と海賊の隠れ家に行き、鉄炮(大砲)を見る。
3月  サハチたち、メイファン姉妹と一緒に杭州に行く。
    サハチたち、三姉妹と別れて応天府に行く。
    懐機、富楽院の妓楼で、蓮華と再会し、朱洋敬とも再会する。
    サハチたち、朱洋敬の屋敷にお世話になる。
    サハチたち、富楽院の妓楼でお忍びの永楽帝と会う。
    サハチとウニタキ、朱洋敬の屋敷で、懐機から永楽帝の活躍を聞く。
    サハチたち、張三豊を探しに武当山を目指す。
    サハチたち、旅の途中でシンシンを助ける。
4月  サハチたち、南陽で張三豊と出会う。
    サハチたち、張三豊と弟子のシンシンと一緒に武当山に行く。
    サハチたち、武当山の裾野で、懐機の妹、懐虹と会う。
    サハチたち、シンシンの案内で武当山に登る。
    サハチたち、武当山の山頂で真武神を拝む。
    サハチたち、武当山の山中で武当拳の修行に励む。
    馬天ヌル、思紹の身代わりを殺した刺客を調べにヤンバルに向かう。
    馬天ヌル、運天泊で勢理客ヌルと会う。
5月  サハチたち、張三豊とシンシンと一緒に龍虎山に行く。
    懐機、龍虎山で妻の両親と再会し、殺された両親の墓参りをする。
    サハチたち、張三豊とシンシンと一緒に杭州に向かう。
6月  サハチたち、杭州でメイファン姉妹と再会し、西湖のほとりの屋敷に行く。
    サハチたち、杭州に来ていたサングルミーとタブチと会う。
7月  サハチたち、無事に琉球に帰国する。
    首里グスクが拡張されて土塁に囲まれた北曲輪ができている。
    三姉妹の船に乗って、張三豊とシンシンが琉球に来る。
8月  張三豊はシンシンと旅に出る。ジクー禅師とサグルーとササが一緒に行く。
9月  張三豊たちが旅から帰る。
    運天泊に三姉妹の敵の林剣峰が来ている事を知ってサハチは驚く。
    今帰仁グスクの御内原の屋敷が完成、山北王(攀安知)は祝宴を開く。
10月  恩納グスクと金武グスクが完成する。
11月  首里グスクで三つの婚礼。
    サハチの長男サグルー、マウシの妹マカトゥダルを妻に迎える。
    サハチの次男ジルムイはサム(勝連按司後見役)の娘ユミを妻に迎える。
    マウシは苗代大親の娘マカマドゥを妻に迎える。
    三姉妹、明国に帰る。張三豊とシンシンは琉球に残る。
    ナツのお腹か大きくなり、サハチは妻のマチルギに責められる。
    サハチ、ナツを側室に迎え、マチルギのヤマトゥ旅を許す。
12月  ナツ、サハチの七男、ナナルーを産む。

1408年

1月  サハチの長女ミチ、サスカサを継いで島添大里ヌルになる。
    サスカサは運玉森ヌルを名乗る。
    杭州でメイファンが懐機の息子を産み、チョンチと名付ける。
    中山王思紹、進貢船を送る。
    早田新五郎、馬天浜に来る。
2月  首里グスクのお祭り。
    サハチ、ウニタキと一緒に浦添に行き、浦添グスクを片付ける決心をする。
    サハチ、叔父の當山親方を浦添按司に任命する。
3月  中山王思紹、女たちを連れて久高島参詣。武寧の残党の襲撃を受ける。
4月  首里で丸太引きのお祭り。
5月  サハチ、ハーリーに行き、山南王から中山王の龍舟を出してくれと頼まれる。
    兼グスク按司、張三豊に会えた事が嬉しくて島添大里までついてくる。
    日本の将軍、足利義満、死す。義持が跡を継ぐ。
    早田新五郎、対馬に帰る。
    マチルギ、馬天ヌル、ササ、佐敷ヌル、フカマヌル、ヤマトゥ旅に出る。
    ジクー禅師、ヒューガ、張三豊とシンシンも一緒に行く。
    山北王の攀安知、徳之島を攻める。
6月  マチルギたち、博多に着く。
    落雷によって運玉森のマジムン屋敷が消え去る。
    進貢船が帰国。マサンルー、マタルー、タブチが無事に帰る。
    サハチ、弟のマタルーを与那原大親に任命、運玉森にグスク建築を命じる。
    京都の等持院にて義満の49日法会。
    三姉妹の船が浮島に来る。メイファンは来ない。
    マチルギたち、対馬に着き、マチルギはイトとユキに会う。
    パレンバンの船が若狭小浜に来る。
7月  大きな台風が来て、馬天浜がやられ、「対馬館」を建てる。
    サハチ、佐敷グスクで、ヒューガの娘ユリが吹く笛を聞く。
8月  馬天ヌル、ササ、佐敷ヌル、対馬のワタツミ神社で豊玉姫を知る。
    パレンバンの使者、京都に行き将軍義持に謁見、珍品献上。
11月  小浜にいたパレンバンの船が台風で破損する。
12月  マチルギたち、対馬で雪を見て感激する。
    山北王の攀安知、徳之島を占領して帰る。

1409年

1月  新年の儀式。
    早田新五郎、馬天浜に来る。マチルギたちが無事に帰国。
    飯篠修理亮(後の長威斎)が琉球に来る。
    サハチ、マチルギからヤマトゥ土産の一節切をもらう。
    張三豊は兼グスク按司に呼ばれ、修理亮を連れて阿波根グスクに行く。
    中山王思紹、進貢船を送る。正使はサングルミー。タブチは三度目の唐旅。
2月  首里グスクのお祭り。
    永楽帝、順天府(北京)に行く(1410年11月まで)。
    馬天ヌル、ササとシンシンを連れて、「ティーダシルの石」を探す旅に出る。
    ササたち、座喜味の山で数個の古い勾玉を見つける。
    ササは赤い勾玉、シンシンは青い勾玉を身に付ける。
    山南王、進貢船を送る。李仲按司の息子の李傑、再び国子監に入る。
    張三豊が兼グスク按司を連れて島添大里に帰って来る。
    兼グスク按司と試合をして勝ち、サハチは兼グスク按司から師兄と呼ばれる。
    島添大里グスクのお祭りが7年ぶりに復活する。
3月  中山王思紹の久高島参詣。
閏3月 山南王の娘が具志頭の若按司に嫁ぐ。
    サハチの長男サグルーが妻と妹のサスカサを連れて婚礼に出席する。
    首里弁ヶ岳のウニタキの拠点が完成する。
4月  浦添按司の娘カナ、セーファウタキで儀式をして浦添ヌルになる。
    兼グスク按司がサハチに朝鮮に連れて行ってくれと頼む。
    長嶺グスクが完成して、山南王の娘婿が長嶺按司になる。
    中山王の龍舟が完成して、慶良間之子が特訓を始める。
    フカマヌルの娘の父親がウニタキだと、妻のチルーにばれる。
    早田新五郎、対馬に帰る。
    中山王思紹、朝鮮に使者を送る。武寧の三人の側室を連れ帰る。
    サハチ、ウニタキ、懐機と一緒に交易船に乗ってヤマトゥと朝鮮に向かう。
    兼グスク按司も一緒に行く。
5月  思紹、王妃を連れて豊見グスクにハーリー見物に行く。
    山北王の弟、湧川大主が本部のテーラーと一緒に奄美大島を攻める。
    サハチたち、薩摩の坊津に着く。一文字屋と再会。
    サハチたち、博多に着き、呑碧楼に登る。
    サハチたち、一文字屋の船に乗って京都に向かう。
6月  サハチたち、上関で村上水軍の又太郎とあやの兄妹と会う。
    サハチたち、児島の下の津で塩飽水軍の塩飽三郎入道と会う。
    サハチたち、京都に着く。
    サハチたち、北山第の七重の塔に驚く。
    ササ、船岡山スサノオの神様の声を聞く。
    サハチたち、祇園祭りを見物する。
    サハチ、ウニタキ、懐機が高橋殿の招待を受けて、高橋殿の屋敷に行く。
    サハチが一節切を吹いていると高橋殿が現れて華麗に舞う。
    サハチたち、高橋殿と酒盛りをして酔い潰れる。
    サハチたち、高橋殿の案内で七重の塔に登り、お忍びの将軍義持と会う。
    サハチたち、高橋殿と一緒に鞍馬山に行く。
    鞍馬山にササたちが来る。
    張三豊、鞍馬山で高橋殿に武当拳の指導をする。
    鞍馬山で修行していた慈恩禅師の師匠が張三豊の弟子だった事がわかる。
    サハチたち、高橋殿の屋敷で増阿弥の田楽を観る。
    ササ、シンシン、シズ、将軍様の御所に呼ばれて御台所様(日野栄子)と会う。
7月  明国の使者たちが京都に来る。サハチたち、唐人行列を見る。
    サハチ、腕のいい宮大工、一徹平郎と会い、琉球に来てくれと頼む。
    サハチたち、京都を去る。
    三姉妹の船二隻が琉球に来る。懐機の家族が帰国。
    マチルギ、佐敷ヌルと三姉妹を連れて久高島に行く。
    佐敷ヌル、フボーヌムイに籠もり、神様から英祖の宝刀を探せと言われる。
    佐敷ヌル、メイユーと一緒に英祖の宝刀を探し、越来で短刀を見つける。
    サハチたち、対馬の船越に着く。
    サハチ、サワと再会し、孫娘のミナミと会う。
    サハチ、朝鮮から帰ってきたイトと再会し、娘のユキと会う。
    サハチ、イトと無人島に行き、朝鮮の事を聞く。
    朝鮮からの船が帰って来て、サハチはツタ、マユ、シノ、スズと再会する。
8月  サハチたち、イトの船に乗って朝鮮の富山浦(釜山)に行く。
    サハチ、早田五郎左衛門と再会する。
    サハチたち、倭館に行き、渋川道鎮と宗讃岐守と会う。
    中山王の進貢船が帰国。ヤグルーとクルーと従弟のシタルーが無事に帰る。
    サハチたち、浦瀬小次郎と一緒に漢城府(ソウル)に向かう。
    サハチたち、漢城府に着き、「津島屋」のハナの案内で都見物。
    サハチたち、「津島屋」のナナの案内で、サダン(芸人)たちと会う。
    サハチたち、ナナの案内で開京に行き、妓楼で早田左衛門太郎と再会する。
    サハチたち、漢城府に帰り、「津島屋」で李芸と会う。
9月  琉球の使者たち、漢城府に着く。
    サハチ、「津島屋」でお忍びの朝鮮王、李芳遠を見る。
    平田グスクのお祭り。佐敷ヌルが書いたお芝居「浦島之子」が上演される。
10月  サハチたち、朝鮮を去り対馬に戻る。
    サハチ、イト、ユキ、ミナミを連れてイスケの船で木坂の八幡宮に行く。
    琉球の使者たち、朝鮮から博多に行く。
    馬天浜のお祭り。佐敷ヌルのお芝居は「サミガー大主」
    三姉妹が帰る。
    与那原グスクが完成する。
11月  八重瀬按司のタブチが具志頭を攻めて、按司を交代させる。
    パレンバンの船が小浜から博多に着く。
    サハチたち、博多に行き、パレンバンの使者たち会う。
12月  サハチたち、博多を去り、琉球に向かう。パレンバンの船も一緒に行く。
    首里グスクの高楼が完成する。
    湧川大主とテーラー奄美大島の半分を占領して帰る。
    サハチたち、琉球に無事帰国。ナナもササたちと一緒に琉球に来る。
    浮島の天使館でパレンバンの人たちの歓迎の宴。
    首里の会同館で帰国祝いの宴。
    島添大里グスクに帰ったサハチ、佐敷ヌルから英祖の宝刀の話を聞く。

1410年

1月  新年の儀式。按司たちに龍天閣と名付けた高楼を見せる。
    中山王の進貢船がパレンバンの船を連れて明国に行く。
    ササたち、スサノオの神様の事を調べにヤンバルに行く。
    嘉数之子、上間大親となり、上間グスクに行く。
    早田新五郎、馬天浜に来る。イハチとクサンルーが帰国。
2月  首里グスクのお祭り。龍天閣を開放する。佐敷ヌルのお芝居「察度」
    マチルギがサハチの八男を産み、タチと名付ける。
    ウニタキの配下のイーカチが女子サムレーのチニンチルーを妻に迎える。
    勝連の若按司が病死し、サハチの義兄のサムが勝連按司になる。
    島添大里グスクのお祭り。お芝居は「サミガー大主」
3月  中山王思紹の久高島参詣。
    ウニタキ、旅芸人一座を作る。
    サミガー大主の次男のシタルーが宇座按司の娘マジニを妻に迎える。
    中山王の進貢船が船出。思紹が張三豊とクルーを連れて明国に行く。
4月  佐敷グスクのお祭り。佐敷ヌルのお芝居「瓜太郎」が上演される。
    早田新五郎、対馬に帰る。朝鮮とヤマトゥに行く交易船が船出する。
5月  山北王、奄美大島南部を攻めるため兵100人を送る。
    豊見グスクのハーリー。中山王の龍舟が優勝する。
6月  中山王の進貢船が帰国。サグルーとクグルーが無事に帰る。
    小禄按司が亡くなる。
    兼グスク按司(ンマムイ)が山南王のために家族を連れて今帰仁に行く。
    兼グスク按司、義兄の山北王と会い、山南王の書状を渡す。
    兼グスク按司、運天泊に行き、湧川大主と明国の海賊と会う。
    兼グスク按司、羽地按司、名護按司と会い、本部でテーラーと会う。
    兼グスク按司、国頭按司と会い、奥間に行ってナーサと出会う。
    兼グスク按司、ナーサからウニタキが義兄だと知らされて驚く。
    中山王思紹、張三豊と一緒に武当山に登る。
    ササたち、京都に着く。
    高橋殿が迎えに来て、ササたちは将軍様の御所に移って御台所様と会う。
    ササ、船岡山スサノオの神様と会う。
    ササたち、将軍義持と一緒に伊勢の神宮参詣をする。
    ササ、外宮でホアカリの神様と会い、小俣神社でトヨウケ姫の神様と会う。
7月  兼グスク按司、名護の山中で刺客に襲われ、ウニタキに助けられる。
    兼グスク按司、家族を今帰仁に残して帰り、山南王に報告する。
    三姉妹の船が浮島に来る。メイユーがサハチの側室になる。
    国子監に送る官生が懐機の長男ファイテと浦添按司の三男ジルークに決まる。
    兼グスク按司、山南王の書状を持って再び今帰仁に行く。
8月  兼グスク按司、山南王と山北王の同盟を決めて帰って来る。
    与那原グスクのお祭り。佐敷ヌルのお芝居は「運玉森のマジムン屋敷」
    山南王、保栄茂グスクを築き始める。
    首里グスクの正殿の唐破風が完成する。
    中山王思紹、張三豊と一緒に華山に登る。
    京都に大きな台風が来て、ササたちは避難民たちを助ける。
9月  ウニタキの娘のミヨンが懐機の長男ファイテに嫁ぐ。
    中山王思紹、張三豊と一緒に応天府に着き、使者たちと合流する。
    八重瀬按司のタブチがサハチの三男イハチの縁談を持ってくる。
    ササたち、鞍馬山で慈恩禅師を連れて来た飯篠修理亮と再会する。
10月  ササたち、村上あやの船に乗って京都を去り博多に向かう。
    ササたち、博多の近くで豊玉姫のお墓を見つけ、玉依姫と会う。
    馬天浜のお祭り。佐敷ヌルのお芝居は「サミガー大主、その二」
    三姉妹、帰る。
    中山王の進貢船が船出する。正使はサングルー、副使は八重瀬按司のタブチ。
    ファイテとジルークが留学のために明国に行く。
    山南王と山北王が同盟する。
    山北王の長女マサキが山南王の三男グルムイに嫁いでくる。
    花嫁の護衛のテーラー、兼グスク按司の家族を連れ帰る。
    兼グスク按司は山南王の刺客に襲撃され、その前に家臣たちを連れて逃げる。
    兼グスク按司は新グスクに入り、八重瀬グスクにいる母親と会う。
    兼グスク按司、母親を連れて首里に行き、ナーサと会わせる。
    中山王の進貢船、帰国。思紹と張三豊が無事に帰る。
11月  張三豊、新グスクのガマでサスカサ、テーラーたちを修行させる。
    マウシの長女マミーが首里グスクの御内原で生まれる。
    奄美大島南部を攻めていた山北王の兵が半数以上の兵を失い帰国する。
    山北王、奄美大島攻めの失敗に腹を立てて、伊平屋島伊是名島を攻める。
    首里伊平屋島の人たちが逃げてくる。
    伊平屋島を取り戻すためにサグルー、マウシたちが伊平屋島に行く。
12月  サハチもウニタキと一緒に伊平屋島に行き、山北王の兵たちを追い出す。
    ヤマトゥに行った交易船が伊平屋島に着く。
    飯篠修理亮が慈恩禅師と二階堂右馬助を琉球に連れて来る。
    ササ、シンシンとナナを連れてセーファウタキに行き、豊玉姫と会う。

1411年

1月  慈恩禅師は修理亮と右馬助を連れて、琉球を知るために旅に出る。
    山北王の兵50人が保栄茂グスクに入る。
    早田左衛門太郎、朝鮮の職を解かれて対馬に帰る。
    ササ、馬天ヌルと佐敷ヌルをセーファウタキに連れて行き豊玉姫と会わせる。
    ティーダシルは石ではなく鏡だったと馬天ヌルは気づく。
    中山王の進貢船が船出。程復が正使を務めて故郷に帰る。
2月  浦添ヌルのカナが極楽寺の残骸を片付けて、古い鉄の剣を見つける。
    早田新五郎が馬天浜に来て、左衛門太郎の帰国を知らせる。
    慈恩禅師が旅から帰り、聾唖の少女を連れて来る。
    首里グスクのお祭り。お芝居は「瓜太郎」
    ウニタキ、与論島に行く。
    島添大里グスクのお祭り。佐敷ヌルのお芝居は「酒呑童子
3月  中山王思紹の久高島参詣。
    ササ、久高島の神様から舜天の誤解を解いてくれと頼まれる。
    ササ、馬天ヌルと一緒に大里ヌルと会う。
    勝連若按司の婚礼。
    進貢船が帰国。副使のタブチ、米須按司、玻名グスク按司が帰国する。
    タブチが獅子舞を持って帰る。
4月  サグルーの長男が誕生して、サハチと名付けられる。
    今年2度目の進貢船が船出する。クグルーと馬天浜のシタルーが明国に行く。
    サハチの三男イハチが具志頭按司の娘チミーを妻に迎える。
    佐敷グスクのお祭り。佐敷ヌルのお芝居は「舜天」
    佐敷ヌルとユリ、与那原に行き、張三豊の指導を受ける。
    南風原にンマムイの新しいグスクが完成して兼グスクと名付ける。
5月  山南王の三男グルムイが保栄茂グスクに入って保栄茂按司になる。
    思紹、伊平屋島伊是名島を守るために兵を送る。与論島にも兵を送る。
    苗代之子、ウニタキと共に与論グスクを攻め落とし、与論按司を捕らえる。
    サハチ、ササたちを連れて与論島に行き、捕まっている与論按司と会う。
    ササ、ハジピキパンタでユンヌ姫と会う。
    山北王、伊是名島を攻める。
    早田新五郎、対馬に帰る。
    交易船に乗ってサスカサがササたちと一緒にヤマトゥに行く。
    朝鮮に行く勝連船も一緒に行く。
    ササたち、与論島から交易船に乗り込む。
    兼グスク按司今帰仁に行き、中山王の書状を山北王に渡す。
    山北王、伊是名島攻撃を中止する。
    本部のテーラー首里グスクに行き、山北王の書状を思紹に渡す。
    テーラー、中山王の書状を持って今帰仁に行く。
    兼グスク按司が山北王の書状を持って今帰仁から帰る。
    兼グスク按司、再び、今帰仁に行き、中山王と山北王の同盟を決めて帰る。
    中山王の兵が与論島から撤収する。
    湧川大主、新しい与論按司を連れて与論島に行く。
    本部のテーラー奄美大島攻めに向かう。
    山南王のシタルーが島添大里グスクに来て、山南王と中山王の同盟が決まる。
    三王同盟なる。
6月  ウニタキが与論島から帰る。
    中山王の進貢船、帰国。王茂が国相になり、マウシが無事に帰る。
    本部のテーラー奄美大島でクユー一族と話を付け、奄美大島を平定する。
    山南王のシタルーから贈られた側室ハルが島添大里グスクに来る。
    シタルーから頼まれたと言って石屋のクムンが島添大里グスクに来る。
    サハチ、ウニタキの配下の女をシタルーの側室に贈る。
7月  サハチ、チューマチのためにミーグスク築き始める。
    クルーも手登根グスクを築き始める。
    ササたち、高橋殿、御台所様と熊野参詣に行く。
    三姉妹の船が鉄炮と火薬を持ってくる。
    ササたち、新宮の神倉山で新宮の十郎の話を聞く。
8月  与那原グスクのお祭り。お芝居は「瓜太郎」と旅芸人の「浦島之子」
    ササたち、将軍様の御所で、月見の宴に参加する。
    メイユーたち、与那原に行き、張三豊の一か月の修行を始める。
    伊敷按司はナーグスクに移って隠居、真壁按司も山グスクに移って隠居する。
    中山王の進貢船、帰国。クグルーとシタルーが無事に帰る。
9月  サハチ、ナツと子供たちを連れて津堅島に行く。
    平田グスクのお祭り。お芝居は「かぐや姫」と旅芸人の「浦島之子」。
    今年3度目の進貢船が船出する。正使はサングルミー。
    4代将軍義持が、明との国交を断絶。明の冊封使を兵庫の港で追い払う。
10月  馬天浜のお祭り。佐敷ヌルのお芝居は「サミガー大主、その三」
    三姉妹、帰る。
    ウニタキ、兼グスク按司を連れてヤンバルに行く。
    首里大聖寺が完成する。
    慈恩禅師、越来ヌルと島添大里城下で暮らし子供たちに読み書きを教える。
11月  今年4度目の進貢船が船出する。正使はタブチ。
    米須按司、玻名グスク按司、真壁按司、伊敷按司もタブチと一緒に行く。
    ウニタキ、今帰仁に「まるずや」を開く。
12月  ヤマトゥに行った交易船がジャワの船を連れて帰る。
    奥間のサタルーが国頭按司の材木が運んで浮島に来る。
    ササたち、サスカサとサタルーを連れて久高島に行く。

1412年

1月  中山王の進貢船、帰国。サングルミーが新しい永楽銭を持ってくる。
    早田左衛門太郎がイトとユキとミナミを連れて琉球に来る。
2月  首里グスクのお祭り。佐敷ヌルのお芝居は「鎮西八郎為朝」
    サハチの四男のチューマチが攀安知の次女、マナビーを妻に迎える。
    中山王の進貢船が船出。
    クマヌが隠居して、養子のムタが中グスク按司になる。
    島添大里グスクのお祭り。佐敷ヌルのお芝居は「かぐや姫
    仲尾大主と山北王の兵50人が浮島に来て、ミーグスクに入る。
3月  中山王思紹の久高島参詣。イトたちも一緒に行く。
    中山王の進貢船、帰国。
    玉グスク按司が亡くなる。
    クマヌが亡くなる。
    志慶真の長老が亡くなる。
4月  前中山王妃だった兼グスク按司の母親か亡くなる。
    浦添グスクのお祭り。お芝居は「舜天」と旅芸人の「瓜太郎」
    ジルムイの長女、マチルギが生まれ、サハチはクマヌの死から立ち直る。
    佐敷グスクのお祭り。お芝居は「察度」と旅芸人の「瓜太郎」
    佐敷ヌルがササたちを連れて安須森に行き、安須森の封印を解く。
    カミーがしゃべれるようになり、馬天ヌルにヌルの指導を頼む。
5月  ハーリーに中山王と山北王の龍舟も出る。
    早田左衛門太郎、イトたち、馬天浜から対馬に帰る。
    甥のシングルー、ウニタルが、奥間のサタルーとヤマトゥに行く。
    交易船に乗って佐敷ヌルがササたちと一緒にヤマトゥに行く。
    朝鮮に行く勝連船も一緒に行く。
    山北王、前与論按司父子に鬼界島を攻めさせる。
    馬天ヌル、麦屋ヌルとカミーを連れてヤンバルのウタキ巡りの旅に出る。
    馬天ヌル、今帰仁のクポーヌムイで安須森若ヌルの声を聞く。
    馬天ヌル、屋嘉比のお婆を連れて安須森に登り、神様からお礼を言われる。
6月  旅から帰って来た馬天ヌルと一緒に奥間ヌルが首里に来たのでサハチは焦る。
    サハチ、初めて東松田の若ヌルと会う。
    馬天ヌル、浦添ヌルと一緒に朝盛法師と会い、舜天の事を聞く。
    馬天ヌル、浦添ヌルと一緒に仲順に行き、舜天と会い、お礼を言われる。
    馬天ヌル、ヌルたちを連れて南部を巡り、セーファウタキに行く。
    ササたちと佐敷ヌル、厳島の弥山でアキシノの声を聞く。
    パレンバンの船が若狭小浜に来る。
7月  ササたちと佐敷ヌル、京都大原の寂光院平維盛と会い話を聞く。
    ササたちと佐敷ヌル、京都でパレンバンのシーハイイェンたちと再会する。
    中山王の進貢船、帰国。
    三姉妹の船が来て、リンジェンフォンの配下だったソンウェイが一緒に来る。
    リンジョンシェンが運天泊に来て、鉄炮付きの武装船を山北王に贈る。
    ササたちと佐敷ヌル、御台所様と高橋殿と一緒に熊野に行く。
    大きな台風が来て、与那原に被害が出る。
8月  ササたちと佐敷ヌル、熊野新宮の神倉山で鳥居禅尼から平維盛の事を聞く。
    島添大里グスクでサスカサを中心に十五夜の宴が行なわれる。
9月  ナツがサハチの五女マカマドゥを産む。
    首里グスクの北曲輪の石垣が完成する。
10月  馬天浜のお祭り。
    三姉妹、帰る。
    中山王の進貢船が船出。正使は島尻大親
11月  中山王の進貢船が船出。正使はタブチ。3人の官生を国子監に送る。
    山南王の刺客が攻めて来るが、ユーナのお陰でサハチは助かる。
    サハチはアミーとユーナの姉妹を慶良間の島に送る。
12月  喜界島を攻めていた山北王の兵がやられて半数の兵を失い帰還する。
    ヤマトゥに行った交易船と朝鮮に行った勝連船、帰国。
    パレンバンの船二隻を琉球に連れて来る。
    永楽帝はこれより12年間、毎日30万人を動員して武当山の道観を大修復する。

1413年

1月  山南王の進貢船が船出。
    首里に報恩寺が完成する。住職は南泉禅師。
    早田新五郎、マツとトラを連れて馬天浜に来る。
    ササたち、佐敷ヌル、サタルー、ウニタル、シングルー、帰国する。
    ササは児島の山伏、福寿坊と時衆の辰阿弥を琉球に連れて来る。
    サハチ、マツとトラとの再会を喜び、浜辺でササたちと一緒に酒盛り。
2月  サハチ、マツとトラを首里グスクに連れて行き、思紹を紹介する。
    中山王の進貢船が船出。パレンバンの船を明国まで連れて行く。
    首里グスクのお祭り。お芝居は「かぐや姫」、旅芸人のお芝居は「舜天」
    サハチは一節切を吹きながら、スサノオの声を聞く。
    辰阿弥の鉦と福寿坊の太鼓で、みんなで念仏踊りを踊る。
    佐敷ヌル、ササたちと一緒にヤンバルに旅立つ。
    マツとトラ、福寿坊と辰阿弥も同行する。
    サハチ、苗代大親と会い、慈恩寺を建てる場所を相談する。
    一緒にセーファウタキに行ってくれとサスカサがスサノオに頼まれる。
    佐敷ヌルとササ、仲順に行き、舜天にお礼を言い、長老たちに歓迎される。
    島添大里グスクのお祭り。お芝居は「瓜太郎」、旅芸人の「舜天」
    永楽帝、北京巡幸。3年半、滞在(1416年10月まで)。
3月  中山王思紹の久高島参詣。
    クマヌの一周忌に中グスクでお祭りが行なわれる。
4月  懐機の娘、ファイリンが佐敷大親の長男シングルーに嫁ぐ。
    サハチ、シンゴ、マツ、トラと一緒にヒューガの船で慶良間の島に行く。
    サハチ、アミーとユーナと会い、島ヌルのタミーと会う。
    山南王の進貢船が船出。正使は李仲按司
    去年の10月と11月に送った中山王の進貢船が一緒に帰国。
5月  早田新五郎、マツとトラ、対馬に帰る。
    マグルーと平田大親の長男サングルー、シビーの兄クレーがヤマトゥに行く。
    交易船に乗って浦添ヌル、福寿坊がササたちと一緒にヤマトゥに行く。
    朝鮮に行く勝連船も一緒に行く。
    サハチの五男マグルーと兼グスク按司の長女マウミとの婚約が決まる。
6月  ササたち、児島に着き、英祖の父親のグルーを探し出す。
    ユンヌ姫、グルーを連れて琉球に行く。
    手登根グスクのお祭りで、佐敷ヌルの新作「小松の中将様」が初演される。
    ササたち、京都に着く。高橋殿は喪中で御台所様は妊娠中。
7月  ヌルたちの安須森参詣が行なわれる。
    湧川大主、諸喜田大主と鉄炮を積んだ武装船で鬼界島に向かう。
    湧川大主、前浦添ヌルのマジニと結ばれる。
    湧川大主、鉄炮を撃ち、鬼界島を奪い取るが島の領主の御所殿に逃げられる。
    マジニは鬼界島のヌルと一緒にウタキに入る。
    首里大聖寺で「盂蘭盆会」が行なわれ、念仏踊りを盛大にやる。
    クマヌの孫娘マナミーが米須の若按司マルクに嫁ぐ。
    三姉妹の船とパレンバンの船が一緒に来る。
    メイユーは6月に女の子ロンジェン(龍剣)を産み、琉球には来ない。
8月  与那原グスクのお祭り。
    ジャワの船が来る。
    首里と島添大里でお月見の宴。
9月  平田グスクのお祭り。
    スヒターたちがプンチャックを披露、シーハイイェンたちは武当剣を披露。
    中山王の進貢船、帰国。
    山南王の進貢船、帰国。
    中山王の進貢船が船出。
    サハチの四男チューマチと浦添按司の次男クジルー、明国に行く。
10月  馬天浜のお祭り。シーハイイェン、スヒター、リェンリーたちの「瓜太郎」
    三姉妹、帰る。パレンバンの船もジャワの船も一緒に帰る。
    タブチの四男チヌムイ、姉の若ヌルと一緒に山南王を殺して母の敵を討つ。
    タブチ、チルムイから話を聞いて驚き、隠居して長男に八重瀬按司を譲る。
    山南王がいなくなったと、息子たちが探し回る。
    対馬の船越にいたササは、山南王がチヌムイに斬られる場面を見て慌てる。
    タブチ、死を覚悟して山南王の遺体を島尻大里グスクに運ぶ。
    タブチ、山南王の重臣、新垣大親に山南王の遺体を見せて訳を話す。
    タブチ、重臣たちと会い、照屋大親から山南王になれと言われて驚く。
    山南王妃が島尻大里グスクを出て、豊見グスクに行く。
    タブチ、察度の御神刀を身に付けて、山南王になる決意を固める。
    サハチ、チヌムイが山南王を殺した事を知って驚く。
    他魯毎、豊見グスクに来た母から父が伯父のタブチに殺されたと聞いて驚く。
    首里に行ったサハチは思紹に山南王の死を知らせ、今後の対策を練る。
    タブチは摩文仁大主たちを島尻大里グスクに呼んで祝い酒を飲む。
    他魯毎、瀬長按司たちに八重瀬グスクを攻めさせる。
    他魯毎、島尻大里グスクに攻め寄せて、父の遺体を引き取る。
    思紹のもとへ山南王妃とタブチの書状が届き、共に介入するなと書いてある。
    本部のテーラーが山南王妃の書状を持って今帰仁に行く。
    小渡ヌルがタブチの書状を持って今帰仁に行く。
    タブチ、東方の按司たちに長嶺グスクを攻めてくれと依頼する。
    東方の按司たち、タブチのために長嶺グスクを攻める事に決める。
    八重瀬グスクを包囲している他魯毎の兵、下痢に悩ませられる。
    豊見グスクで山南王の葬儀が行なわれ、手登根大親の妻、ウミトゥクが行く。
    他魯毎の兵が照屋グスク、糸満グスク、大グスクを攻める。
    タブチの兵が阿波根グスクと保栄茂グスクを攻める。
    東方の按司たちも長嶺グスクを攻める。
    タブチ、山南王妃が王印を持ち出した事を知って慌てる。
    下痢に悩まされた長嶺按司は長嶺グスクに戻り、グスクに閉じ込められる。
    ウニタキが小渡ヌルから託された山北王の書状をサハチたちに見せる。
    サハチから知らせを受けた山南王妃は保栄茂按司の家族を豊見グスクに移す。
    サハチ、奥間のサンルーと会い、若い頃のクマヌにそっくりなので驚く。
11月  明から帰国した山南王の進貢船は照屋大親の裏切りで他魯毎が手に入れる。
    正使として明国に行った李仲按司が帰って来て、他魯毎の軍師になる。
    照屋大親の裏切りで進貢船を奪われてタブチは物凄い剣幕で腹を立てる。
    豊見グスクの抜け穴を知ったタブチは、豊見グスクに総攻撃を掛ける。
    タブチの作戦は敵に筒抜けで、タブチの兵は敵に追われて逃げ散る。
    タブチは山南王になる事を諦め、喜屋武グスクに行く。
    ナーグスク大主がタブチの後を追ってくる。
    山南王妃の兄である摩文仁大主が山南王になると言い出す。
    兼グスク按司がチヌムイと若ヌルを連れて島添大里グスクにサハチを訪ねる。
    タブチの書状を読み、タブチが家族を連れて琉球から去る事をサハチは知る。
    サハチはチヌムイに久米島に行けと勧める。
    タブチ、ナーグスク大主の娘が他魯毎の息子を産んでいる事を知って驚く。
    思紹、タブチが山南王の座から下りたと聞いて幹部会議を開く。
    思紹、八重瀬グスク、具志頭グスク、玻名グスクを攻め取ろうと決める。
    サハチとウニタキ、喜屋武グスクに行き、琉球を去るタブチたちを見送る。
    喜屋武グスクには島尻大里ヌルが残る。
    サハチ、山南王妃に書状を送り、長嶺グスクを包囲している兵を撤収させる。
    山南王妃、八重瀬グスクを包囲している兵を撤収させる。
    サハチ、八重瀬按司と会い、戦をする振りをしてから降参してくれと頼む。
    東方の按司たち、八重瀬グスクを攻める。
    八重瀬按司は、父親とチヌムイを助けるために自分が犠牲となり戦死する。
    島尻大里グスクで摩文仁大主の山南王就任の儀式が行なわれる。
    摩文仁大主は摩文仁の名で山南王になる。
    島尻大里グスクは他魯毎の1000人の兵に包囲される。
    摩文仁は敵の総攻撃を知り、兵を隠し、夜明け前に他魯毎の陣地を攻撃する。
    突然、他魯毎の兵が攻めて来て、摩文仁の兵は総崩れになる。
    慶留ヌルから御神刀のいわれを聞いた摩文仁は、察度の御神刀を腰に差す。
    山南王妃は中山王から送られてきたタブチたちの焼けただれた首を確認する。
    思紹はマタルーを八重瀬按司にして、サグルーを与那原大親に任命する。
    島尻大里グスクの抜け穴を見つけた摩文仁は、他魯毎の兵たちを追い散らす。
    サハチ、具志頭グスクに攻め寄せ、イハチが具志頭按司になる事に決まる。
    長老はサミガー大主を知っていて、曽孫のイハチが按司になる事を喜ぶ。
    摩文仁が戦勝祝いの宴を開き、抜け穴を見つけた慶留ヌルを褒める。
    交易船が一月も早く帰ってきたのでサハチは驚き、浮島に行く。
    サハチはササが連れて来た医者の無精庵と会う。
    会同館での帰国祝いの宴で、マグルーはマウミとの再会を喜ぶ。
    他魯毎糸満の港を守るために防壁を築き始める。
    若按司たちが逃げて行った李仲グスクを摩文仁按司が本拠地にする。
    八重瀬按司になったマタルーは八重瀬グスクに引っ越しをする。
12月  サグルーが与那原グスクに移り、ジルムイ、マウシ、シラーも移る。
    ササ、シンシン、ナナも佐敷グスクから与那原グスクに引っ越しをする。
    サハチは東方の按司たちを率いて玻名グスクを攻める。
    マウシとシラーが兵を率いて来て加わる。
    ササとシンシンとナナが鎧を着て一緒に来て、ユンヌ姫も来る。
    サハチはササたちを連れて具志頭グスクに行く。
    長老がサミガー大主から贈られた刀を調べると、手紙が出てきて感動する。
    サハチ、ササたちを連れて、ユンヌ姫の案内で古いウタキに行く。
    ササ、アマミキヨはアマン姫ではなく、もっと古い神様だと知る。
    ササ、アマミキヨが来たアマンの国を探さなくてはならないと思う。
    ユンヌ姫の案内で、ヤファサチムイ、ミントゥングスクに行きお祈りをする。
    昔、都があったという垣花森のウタキで、玉グスクヌルの声をササは聞く。
    摩文仁の甥のイシムイが賀数グスクを奪い捕り、賀数按司を名乗る。
    テーラーは豊見グスクの南にある山の上にグスクを築き始める。
    イシムイは賀数グスクの東にある當銘蔵森にグスクを築き始める。
    李仲按司は島尻大里グスクの抜け穴の出口を探しているが見つけられない。
    ササたちはユンヌ姫と一緒に、古いウタキ探しに熱中している。
    サハチ、首里のまるずやで小渡ヌルと会い、島添大里グスクに連れて行く。
    サハチは小渡ヌルに、父の越来按司を殺したのは望月党の仕業だと教える。
    ササたちがやって来て、ササは小渡ヌルと再会する。
    鬼界島では湧川大主があとの事を鬼界按司に任せて、引き上げる事にする。
    ウニタキが、山北王は正月の半ば頃に南部に兵を送るようだとサハチに話す。

1414年

1月  佐敷ヌル、娘のマユを連れて八重瀬グスクに行き、新年の儀式をする。
    ササたち、玻名グスクの陣地に来て新年の儀式をする。
    島尻大里グスクでは按司たちが集まって華やかな宴が続く。
    豊見グスクでは山南王妃は身を引くと言って他魯毎に王印を渡す。
    宅間之子が来て、山南王に頼まれた「山南志」と抜け穴の図を持ってくる。
    ササはチチーとミミとマサキとウミをヌルにするための指導を始める。
    李仲按司、抜け穴の出口を塞ぎ、敵を島尻大里グスクに閉じ込める。
    山グスク按司、子供の具合が悪くなって島尻大里グスクから山グスクに戻る。
    他魯毎、総攻撃を掛けて島尻大里グスクを包囲する。
    摩文仁、抜け穴の出口が塞がれた事を知って驚く。
    セーファウタキで儀式をしてマチは佐敷ヌルに、サチは平田ヌルに就任。
    佐敷ヌルも儀式を行なって、豊玉姫によって、安須森ヌルに就任する。
    米須の城下で怪我人の治療をしていた無精庵が山グスクに連れて行かれる。
    山グスク按司、島尻大里グスクを包囲している他魯毎の兵を攻める。
    ウニタキ、慶良間の島に行って、ユーナを連れて来る。
    ウニタキの配下が、山北王が南部に兵を送るのが15日だとサハチに知らせる。
    思紹、手登根グスクに行き、前山南王妃と会い、中山王の介入の許可を得る。
    奄美大島の使者が、鬼界按司たちが全滅したと知らせ、湧川大主は怒る。
    首里グスクに按司たちが集まり、南部に出陣する。
    山グスク按司が総攻撃を掛けて、島尻大里グスクにいた按司たちを外に出す。
    新垣按司と真栄里按司は総攻撃を諦め、生き残る道を考え始める。
    山北王の兵300人が糸満の港から上陸して、座安森に本陣を敷く。
    兵を率いて来たのは諸喜田大主で、山北王の命令でテーラーが総大将になる。
    山北王は若按司のミンを山南王の世子にするつもりだと聞きテーラーは驚く。
    テーラーリュウインが考えた丸太車を密かに作る。
    兼グスク按司、喜屋武グスクを開城する。
    ヤタルー師匠が前島尻大里ヌルのマレビト神だとわかり、サハチに知らせる。
    山北王の兵が島尻大里グスク攻めに加わる。
    李仲按司、李仲グスクを取り戻し、ナーグスクを開城して、伊敷ヌルと会う。
    伊敷ヌルが他魯毎の子供を産んでいたので李仲按司は驚く。
    トゥイはユーナを豊見グスクに連れて行って父親の中程大親と会わせる。
    イシムイ、賀数グスクから出撃して西の方に逃げて行く。
    早田新五郎、早田六郎次郎と愛洲次郎を連れて馬天浜に来る。
    ササ、愛洲次郎をマレビト神だと思って迎える。
    サハチ、馬天浜に行き、六郎次郎と再会し、愛洲次郎を歓迎する。
    真栄里按司、新垣按司他魯毎に降伏する。
2月  首里グスクのお祭り。お芝居は安須森ヌルの新作「豊玉姫
    ササたち、愛洲次郎たちと六郎次郎たちを連れてウタキ巡りの旅に出る。
    サハチ、東方の按司たちと玻名グスクを攻め落とす。
    思紹、奥間大親を玻名グスク按司に任命する。
    玻名グスクヌル、叔母を頼って八重瀬グスクに行く。
    島添大里グスクのお祭り。お芝居はハルとシビーの初作「ウナヂャラ」
    米須按司が戦死して、若按司は米須グスクを開城する。
3月  サハチ、山グスクに行き、攻め落とすのは容易な事ではないと思う。
    サハチ、ウニタキと会い、崖で訓練をしている「赤丸党」の者たちを見る。
    サハチは旅から帰って来たササたちを玻名グスクに連れて行く。
    他魯毎と山北王の兵に攻められて島尻大里グスクが落城し、摩文仁が戦死。
    波平大親は助かり、他魯毎から労われる。
    八重瀬の本陣に波平大親が来て、思紹は波平グスクの兵を撤収させる。
    島尻大里グスクで真壁按司摩文仁按司、伊敷按司たち8人が処刑される。
    島尻大里グスクで他魯毎の山南王就任の儀式が行なわれる。
    次男の兼グスク按司が豊見グスク按司になる。
    四男のシルムイが阿波根グスクに入り、阿波根按司になる。
    伊敷グスクは李仲按司が管理し、山北王の兵たちが夏まで滞在する事になる。
    ササたち、山グスクに来て、近くの海岸でミャークのウタキを見つける。
    山グスクの下のグスクが落城する。
    ササたち、泊に行ってミャークの事を調べ、安謝大親からも聞く。
    山グスクの上のグスクも落城するが、勝連の若按司が戦死する。
    思紹、サグルーを山グスク大親に任命し、今帰仁攻めのための訓練をさせる。
4月  一月遅れの久高島参詣が行なわれ、小渡ヌルが久高ヌルを継ぐ。
    大里ヌル、初めて朝日を見て感動する。
    山北王、沖の郡島に行って、クーイの若ヌルと会い、今帰仁に連れて行く。
    サハチ、与那原グスクに行き、与那原大親になったマウーと会う。
    佐敷グスクのお祭り。お芝居はハルとシビーの新作「馬天ヌル」
    喜屋武ヌルが玻名グスクヌルと一緒に戦死した兵たちを供養して回る。
    張三豊、運玉森ヌルを連れて山グスクに行く。
    ササは運玉森ヌルを継げと運玉森ヌルから言われる。
    ササたち、セーファウタキで喜屋武ヌル、玻名グスクヌル、慶留ヌルと会う。
    ササの運玉森ヌル就任の儀式に喜屋武ヌルたちも参加する。
    豊玉姫によってササは運玉森ヌルに就任する。
    ササたち、アマン姫に挨拶に行くと、玻名グスクヌルの勾玉を見て驚く。
    アマン姫は玻名グスクヌルにシヌクシヌルを継げと言う。
    ナナは豊玉姫とアマン姫の声が聞こえて神人になれたと大喜びする。
    ササたち、垣花に行き、玻名グスクヌルの曽祖母の声を聞く。
    シヌクシヌルを継いで安須森ヌルを助けなければならないと曽祖母は言う。
    ササたち、玻名グスクヌルを安須森ヌルに預ける。
5月  サハチ、ササたちと早田六郎次郎と愛洲次郎を連れて慶良間の島に行く。
    ササの代わりにヤマトゥに行くタミーを連れて帰る。
    伊敷グスクにいた山北王の兵たちが今帰仁に帰る。
    中山王の進貢船が帰国。チューマチとクジルーが無事に帰る。
    早田新五郎と早田六郎次郎が対馬に帰る。
    愛洲次郎はササと一緒に南の島を探しに行くため帰らない。
    佐敷大親の次男ヤキチ、中グスク按司の長男マジルーがヤマトゥに行く。
    ヤマトゥに行く交易船と朝鮮に行く勝連船が船出。
    首里慈恩寺が完成する。住職は慈恩禅師。
    湧川大主の妻が亡くなり、鬼界島攻めは来年に延期になる。
    山北王はクーイの若ヌルのために沖の郡島に御殿を築き始める。
6月  中山王の進貢船が船出。正使はサングルミー。
    サハチとウニタキと懐機、安須森ヌルとササたち、久米島に行く。
    懐機が新垣ヌルと仲良くなる。
    サハチたち、堂村でタブチと再会する。
    安須森ヌルとササたち、クイシヌと一緒にニシタキに登り、クミ姫と会う。
    サハチとウニタキと懐機は馬を借りて、チヌムイの案内で島内を巡る。
    ウニタキ、堂ヌルと仲良くなる。
    サハチとウニタキ、堂ヌルの案内で、ササたちと一緒にアーラタキに登る。
    サハチ、クイシヌと会い、一緒にニシタキに登って一節切を吹く。
    サハチ、姿を現したスサノオとユンヌ姫とクミ姫と酒盛りを楽しむ。
    手登根グスクお祭りで、サハチは初めてトゥイと会い、ナーサの事を教える。
7月  ヌルたちの安須森参詣が行なわれる。
    久高島の大里ヌルが首里に来て、何を見ても感激する。
    安須森で玻名グスクヌルが神憑りにあい、シヌクシヌルの勾玉を見つける。
    玻名グスクヌル、シヌクシヌルを継ぐ覚悟を決め張三豊のもとで修行をする。
    チューマチの妻、マナビーが首里グスクの御内原で娘チルギガニを産む。
    三姉妹の船が、パレンバンの船とジャワの船と一緒に来る。
    ササたち、シーハイイェンたち、スヒターたちと再会を喜ぶ。
    ソンウェイが鉄炮付きの武装船を慶良間の島に持ってくる。
    サハチ、運天泊に来ていた海賊リンジョンシェンが戦死した事を聞く。
    サハチたち、慶良間の島に行って、武装船に乗って鉄炮の試し撃ちをする。
    首里にいる油屋がリンジョンシェンの戦死を知り、山北王に知らせる。
    ウニタキ、今帰仁に行き、山北王の軍師リュウインと会い、酒を飲み交わす。
    ウニタキ、リュウインを首里に連れて来て、思紹、サハチ、懐機と会わせる。
    サハチとウニタキ、リュウインを山グスクに連れて行き、張三豊と会わせる。
    リュウインは中山王から借りた明国の商品を山積みにした油屋の船で帰る。
8月  与那原グスクのお祭り。お芝居はハルとシビーの新作「武当山の仙人」
    久高島の大里ヌルが島添大里グスクに来て、十五夜の儀式を執り行なう。
    大里ヌル、二階堂右馬助と出会い、マレビト神だとわかる。
    大里ヌル、右馬助を連れて久高島に帰る。
    旅芸人たちが慶良間の島に行き、ササたちも一緒に行く。
    ササから、アミーのお腹が大きくなっていると聞いてサハチは驚く。
    ウニタキに相談すると、アミーに誘われて断れなかったと白状する。
    具志頭按司イハチの長男、マハチが生まれる。
9月  ササ、ビンダキ姫にウムトゥ姫を呼んでもらうが、ウムトゥ姫は来ない。
    ユンヌ姫が帰ってきて、ヤマトゥの事とタミーの事をササに教える。
    ササたちを乗せた愛洲次郎の船はミャークを目指して浮島を船出する。
    三日目の正午過ぎ、大神島に着いてササたちは上陸する。
    狩俣に上陸したササたちはサミガー大主を知っている老人クマラパと会う。
    ササたち、クマラパに連れられてクマラパの妻で女按司のマズマラーと会う。
    30年前にミャークが佐田大人という倭寇にやられた事を知って驚く。
    ササたち、クマラパの案内で与那覇グスクに行き、与那覇勢頭と会う。
    ササたち、与那覇勢頭と一緒に漲水ウタキに行き、漲水のウプンマと会う。
    ササたち、根間グスクに行き、目黒盛豊見親と会う。
    ササたちはクマラパの案内で野崎に行き、アコーダティ勢頭と会う。
    漲水のウプンマから狩俣の神様は琉球から来たと聞いて、狩俣に戻る。
    船立ウタキ、糸数グスク跡、ウプラタスグスク跡を見て、狩俣に行く。
    狩俣の祖神マヤヌマツミガからミャークの歴史とウムトゥ姫の事を聞く。
    ササたち、池間島に行き、池間按司から妹のマッサビの事を聞く。
    ササたち、ナナムイウタキでウパルズに歓迎される。
    ウパルズはクマラパを呼んで、30年前の事を責める。
    クマラパは当時の事をササたちに話し、ウパルズから許される。
    大嶽に登り、ササと安須森ヌルは熊野権現で鎮魂の曲を吹く。
    ササたち、赤名ウタキでウパルズの孫の赤名姫と会う。
    ササたち、赤崎のウタキに行き、赤崎姫からアマミキヨの事を聞く。
    ササたち、上比屋に行き、アキシノは初代上比屋按司のハツネと再会する。
    ササたち、百名に行き、百名姫から300年前の大津波の事を聞く。
    ササたち、保良に行き、保良の船が馬天浜に行っていたと聞いて驚く。
    ササたち、アラウスのウプンマと出会い、アマミキヨが上陸した砂浜に行く。
    ササと安須森ヌル、アラウスのウタキで、神様からアマミキヨの事を聞く。
    アマミキヨがミャークに来た事がわかって、ササと安須森ヌルは感動する。
    ササたち、野城に行き、先代の女按司マムヤと会う。
    野城のお墓で初代野城按司琉球から逃げて来た北原按司だった事を知る。
    高腰グスクに行き、ササと安須森ヌルが熊野権現で鎮魂の曲を吹く。
    スサノオ、ユンヌ姫、アキシノ、ウパルズ、池間姫、赤崎姫、百名姫、
    漲水姫、赤名姫が姿を現して、一緒に酒盛りを楽しむ。
    ササたち、石原グスクに行き、クマラパの妹チルカマと会う。
    ササたち、伊良部島に行き、久米島から来たトゥムと会う。
    ササたち、長山ウタキでヤマトゥの神様から延々と話を聞く。
    ササたち、ミャーク(宮古島)を去り、イシャナギ島(石垣島)に向かう。
    ササたち、来間島に行き、ウプンマの娘インミガに歓迎される。
    ササたち、多良間島に行き、女按司のスタタンのボウと会う。
    愛洲次郎、ボウの夫のハリマから祖父の活躍を聞く。
    ササたち、イシャナギ島の北部の平久保に着き、平久保按司に会う。
    平久保按司は愛洲次郎の祖父に命を助けられていて、愛洲次郎を歓迎する。
    名蔵に着き、女按司のブナシルとフーツカサのマッサビとヌルたちと会う。
    ササたち、マッサビと一緒にノーラオンに行き、ノーラ姫と会う。
    スサノオがウムトゥ岳の山頂で待っている事を知る。
    ウムトゥ岳に登りながら大城のツカサから、ヤキー(マラリア)の事を聞く。
    ウムトゥ岳の中腹にあるナルンガーラに着き、マッサビの屋敷で一休み。
    ササと安須森ヌル、マッサビに連れられてナルンガーラのウタキに行く。
    ウムトゥ姫と会って、ヤキーの事を聞く。
    ササたち、酒と料理を持ってウムトゥ岳の山頂に行く。
    ササと安須森ヌルが鎮魂の曲を吹くと、ウムトゥ姫とノーラ姫たちが現れる。
    ウムトゥ姫から異国の神様の事を聞き、ヤラブ姫からアマミキヨの事を聞く。
    スサノオ、ユンヌ姫、アキシノ、赤名姫が現れ、酒盛りに加わる。
    テルヒコから水瀬御嶽と白石御嶽のいわれを聞く。
    ササと安須森ヌルが華麗な曲を吹くとサラスワティのヴィーナが合奏する。
    ササと安須森ヌル、マッサビの屋敷で、サラスワティの絵を見る。
    ササたち、琉球から来た鍛冶屋のフーキチと会う。
    名蔵に行き、ブナシルの娘のミッチェと一緒に、白石御嶽と水瀬御嶽に行く。
    ノーラ姫からサラスワティがヤラブ岳で待っていると知らされる。
    ササたち、熊野の山伏ガンジューの案内でヤラブ岳に向かう。
    サラスワティと会い、2000年前にアマンの国は沈んでしまったと聞いて驚く。
    突然、大きな雷が鳴り響いて、ササたちはガマの中に逃げ込む。
    ユンヌ姫の声が聞こえて、スサノオとシヴァがヤキー退治をしていると言う。
    大雨がやみ、ササたちは御神崎に行き、名蔵に帰る。
    苦しんでいるスサノオを見たササは、安須森ヌルたちとナルンガーラに行く。
    マッサビを連れてウタキに行き、スサノオを看病している豊玉姫を見て驚く。
    平田グスクのお祭り。お芝居はハルとシビーの新作「ジオン」
    サハチ、馬天ヌルから南の島に苗代大親の娘がいると聞いて驚く。
    張三豊が琉球を去る事をサハチに告げ、聞いていた二階堂右馬助が驚く。
    サハチ、馬天浜に行き、サミガー大主から苗代大親とユミの事を聞く。
    サハチ、ユリに馬天浜のお祭りを張三豊の送別の宴にしてほしいと頼む。
    サハチ、苗代大親と一緒に慈恩寺に行って張三豊からウーニンの事を聞く。
    苗代大親は張三豊と試合をするが、その強さにサハチは驚く。
10月  5日間寝込んでいたスサノオは快復して豊玉姫と一緒に琉球に帰る。
    ササたち、タキドゥン島(竹富島)に行き、先代按司のタキドゥンと会う。
    タキドゥンがサミガー大主も馬天ヌルも知っている事にササたちは驚く。
    ササたち、若ヌルの案内でマイヌオンに行き、マイヌ姫から昔の話を聞く。
    ササたち、ユンヌ姫から、張三豊が琉球を去る事を聞いて驚く。
    ササたち、マッサビたちと別れてクン島(西表島)に行く。
    ユーツンで、クンダギのツカサとユーツンのツカサに歓迎される。
    ササたち、クン岳に登り、イリウムトゥ姫と会う。
    ササたち、ユーツンの若者たちを鍛え、50本のヤマトゥの刀を贈る。
    ササたち、ドゥナン島(与那国島)に行き、苗代大親の娘ナーシルと会う。
    クマラパは息子と娘との再会を喜ぶ。
    ササはナーシルと武当拳の試合をして、ナーシルの強さを認める。
    ササたち、サンアイ村に行き、村人たちに歓迎される。
    安須森ヌルとササはサンアイ村のツカサから苗代大親との出会いを聞く。
    ドゥナンバラ村のツカサの案内で宇良部岳に登り、ユウナ姫と会う。
    ササたち、ラッパの案内で、トゥンガン(立神岩)、サンニヌ台を見る。
    安須森ヌルとササ、ドゥナンバラ村のツカサから琉球に行った時の話を聞く。
    ササたち、ダティグ村のダティグチディでメイヤ姫と会う。
    安須森ヌルとササ、ダティグ村のツカサから琉球に行った時の話を聞く。
    ササたちがナウンニ村に行くと、ムカラーがいて、ムカラーの子供もいた。
    サハチ、弁ヶ岳でユンヌ姫からササたちが無事にミャークに着いた事を聞く。
    馬天浜のお祭りに張三豊の弟子たちが集まり、張三豊の送別の宴が催される。
    張三豊、山グスクヌル、二階堂右馬助、三姉妹の船に乗って琉球を去る。
    パレンバンの船とジャワの船も一緒に帰る。
    前山南王妃のトゥイ、ナーサと一緒にヤンバルの旅に出る。
    姪のウニョンの実の母がナーサだと聞いてトゥイは驚く。
    ウニョンの夫だった浜川大親は生きていて、ウニタキだと聞いて、さらに驚
    く。
    奥間の長老の跡継ぎがサハチの息子だとナーサから聞いてトゥイは驚く。
    奥間の長老の妻が、父が奥間の娘に生ませた姉だと聞いてトゥイは驚く。
    サタルーと会い、サハチがヤマトゥの将軍と会ったと聞いてトゥイは驚く。
    トゥイたち、今帰仁に行き、研ぎ師のミヌキチと会う。
    トゥイたち、ミヌキチの娘婿の兼次大主の案内で今帰仁グスクに入る。
    トゥイ、山北王の若按司と婚約したママチーとその母親のチヨと再会する。
    サタルーもトゥイと一緒に今帰仁グスクに入り、内部を観察する。
    トゥイ、山北王妃と再会し、姉のマティルマと義姉のマアミと再会をする。
11月  ササと安須森ヌル、ダンヌ村のツカサから琉球に行った時の話を聞く。
    ササは幼い頃に馬天浜でマッサビたちに会っていた事を思い出す。
    トゥイが湧川大主と会い、若按司とも会ったとウニタキがサハチに言う。
    サハチ、東行法師のタムンと会い、張三豊が造った孤児院の事を聞く。
    タムンと一緒に孤児院を訪ね、孤児院は中山王が面倒を見ると言う。
    マチルギが、アミーが産んだ娘の父親がサハチだと凄い剣幕で責める。
    戦をしていたサハチが島に行けるわけがないと言うとマチルギは納得する。
    ウニタキが南部の様子を教え、サハチはアミーが娘を産んだ事を話す。
    ササたち、クブラ村のツカサとミミシウガンに登り、クブラ姫と会う。
    ササたち、南遊斎と会い、ターカウの事や琉球に行った時の話を聞く。
    ササと愛洲次郎、頭の中が真っ白になり、気がつくと浜辺に二人だけでいる。
    近くにある洞窟で過ごしていたようだが、二人とも記憶がない。
    ササと愛洲次郎がサンアイ村に帰ると皆が2人を迎えて祝福する。
    ミッチェとガンジューも立神岩の近くの浜辺で結ばれ、皆から祝福される。
    ササたち、ドゥナン島に別れを告げて、ターカウ(台湾の高雄)へと向かう。
12月  島尻大里ヌルが、山北王の若按司を迎えるためにユリの力を借りたいと言う。
    ユリは引き受け、ハルとシビーを連れて島尻大里グスクに行く。
    ミヌキチの次男のジルキチが来て、サハチは島添大里の研ぎ師に迎える。
    他魯毎の進貢船が、先代山南王の死を伝えるために船出する。
    手登根大親の妻ウミトゥクが次女のククを産む。
    山北王の若按司ミンが島尻大里グスクに来て歓迎され、山南王の世子となる。
    山南王はミンの婿入りを記念して、糸満川を「婿入り川」と命名する。
    サタルーから奥間ヌルが宇座の御隠居の孫だったと聞いてサハチは驚く。
    中山王の進貢船、帰国。
    マグルーとウニタル、サムレー大将の苗代之子と飯篠修理亮も帰国する。
    島尻大里ヌルのマレビト神が苗代之子で、出会った二人はどこかに行く。
    ササたち、ターカウに着き、クマラパの案内で「宮古館」に行く。
    ササたち、平久保太郎と一緒に、キクチ殿と会う。
    キクチ殿がナナの父親、早田次郎左衛門を知っていたので、ナナは感激する。
    ササたち、トンドの王女アンアンと会う。
    アンアンはシーハイイェン、スヒター、メイユーからササの事を聞いている。
    ササたち熊野権現に行き、五峰尼と会い、阿蘇津姫の事を聞く。
    阿蘇津姫は武庫津姫、伊勢津姫、瀬織津姫とも呼ばれる。
    阿蘇津姫は遙か昔に南の国から九州にやって来たと五峰尼は言う。
    南の国とは琉球ではないのかとササは思う。
    スサノオの声がして、阿蘇津姫はスサノオの御先祖様だと言う。
    阿蘇津姫の勾玉を見つければ、阿蘇津姫に会えるだろうとスサノオは言う。
    ササたち唐人町の天妃宮で、神様として祀られているメイユーを見て驚く。
    ササたち、マカタオ族の女首長パランと会い、メイユーの事を聞く。
    松景寺の慶真和尚が詳しい事を知っているというので会いに行く。
    ササたち、慶真和尚からメイユーの活躍を聞く。
    慶真和尚はササたちを遊女屋に連れて行き、ヂャンジャランと会わせる。
    ササたち、唐人町にある宮殿で暮らしているアンアンの兄に歓迎される。
    ササたち、スサノオから勾玉は鳥を現していると聞いて驚く。
    ササたち、アンアンの船と一緒にトンド王国(マニラ)に行く。
    トンドの天妃宮にもメイユーの像があり、王様が祀ったとアンアンが言う。
    ササたち、アンアンと一緒に宮殿に入り、王様と会い歓迎される。
    歓迎の宴の時、愛洲次郎の船が海賊に狙われているとユンヌ姫が知らせる。
    ササたちは船に戻って、海賊たちを待ち伏せして倒す。
    海賊の隠れ家に行くと、海賊の首領はヂャンジャランによって殺されている。
    ササたち、宮古館に行き、マフニ、ツキミガ、インミガと再会する。
    ササたち、日本人町に行き、南遊斎の息子、小三郎に歓迎される。
    ササたち、弁才天堂に行き、黄金色のサラスワティ像を見る。
    島尻大里ヌルと消えた苗代之子が首里に帰ってきて、サハチは話を聞く。
    サハチ、交易船が帰って来ないので、サスカサに無事を祈ってくれと頼む。
    ギリムイ姫が様子を見にヤマトゥに行ってくれる。
    ギリムイ姫がホアカリを連れて帰ってきて、ヤマトゥの様子を教えてくれる。

 1415年

1月  安須森ヌルたちはいないが、サスカサたちが各地の新年の儀式を行なう。
    トゥイが島尻大里ヌルのマレビト神は誰なのかとサハチに聞く。
    サハチが苗代之子の事を話すとトゥイも島尻大里ヌルも安心する。
    山北王の材木屋が宜野座に拠点を造って勝連按司と取り引きを始める。
    金武按司の材木が売れなくなり、「まるずや」で材木を買い取ってやる。
    リュウインが来て山北王の正使として中山王の進貢船に乗って行く。
    本部のテーラーもサムレー大将として10年振りに明国に行く。
    ヤマトゥに行った交易船が帰国。
    早田新五郎と早田六郎次郎の船も馬天浜に着く。
    サハチ、新五郎からヤマトゥの戦の事を聞く。
    サハチ、福寿坊が連れて来た職人たちと会う。
    ササたち、トンドで新年を迎える。
    熊野権現で、スサノオ、ユンヌ姫、アキシノ、サラスワティたちと酒盛り。
    ギリムイ姫とホアカリがトンドまで来て、ササと安須森ヌルと会う。
    ササはホアカリに伊勢津姫の事を聞く。
    伊勢津姫は瀬織津姫の名で各地に祀られたが、
    今は瀬織津姫の名は隠されて弁才天として祀られているとホアカリは言う。
    シンシンの兄弟子シュヨンカと会い、シュミンジュンの孫だと聞いて驚く。
2月  首里グスクのお祭り。お芝居はハルとシビーの新作「ササと御台所様」
    サハチの次女マチルーがウニタキの長男ウニタルに嫁ぐ。
    ンマムイの長女マウミがサハチの五男マグルーに嫁ぐ。
    ウニタル夫婦、マグルー夫婦、シングルー夫婦、まるずや巡りの旅に出る。
    若夫婦たち、ウニタキに助けられ、「三星党」の事を聞いて驚く。
    若夫婦たち、八重瀬グスクに行き、八重瀬按司に「三星党」の事を聞いたら、
    「三星党」の事は二度と口に出すなと言われる。
    若夫婦たち、兼グスク按司からウニタキが勝連按司の息子だと聞いて驚く。
    若夫婦たち、旅から帰り、マグルー夫婦が山北王の書状をサハチに渡す。
    取り引きをする商品が足らないという山北王の頼みをサハチは引き受ける。
    島添大里グスクのお祭り。お芝居は「ウナヂャラ」と旅芸人の「かぐや姫
3月  ウニタキ、今帰仁のお祭りに参加するため旅芸人たちを連れて今帰仁に行く。
    中山王の久高島参詣。
    山南王の弟、シルムイ(阿波根按司)が糸数按司の娘マクミを嫁に迎える。
    丸太引きのお祭りでシンシンの代わりを務めたファイリンが優勝する。
4月  ウニタキが帰って来て、湧川大主が鬼界島攻めに行った事、
    名護按司が亡くなった事、新しい海賊が運天泊に来た事をサハチに知らせる。
    サハチは「尚巴志」という名で進貢船を送る事になったとウニタキに言う。
    ササたちとアンアンの船、ミャークの船と一緒にパティローマ島に行く。
    ドゥナン島のラッパたちが、琉球に行くために待っていて再会を喜ぶ。
    ササたち、古いウタキでパティローマ姫から豊姫の事を聞く。
    マシュク村のヌルがサングルミーと出会って娘を産んだ事にササたちは驚く。
    湧川大主、鬼界島の船を永良部島沖で沈めて、奄美大島万屋に着く。
    奄美按司に造らせた万屋グスクで、湧川大主はマジニとの再会を喜ぶ。
    湧川大主、鬼界島を攻めるが敵の反撃に遭って万屋に引き上げる。
    湧川大主が静めた船は石を積んだ船だとキキャ姫が楽しそうに笑う。
    佐敷グスクのお祭り。お芝居はハルとシビーの新作「佐敷按司
5月  ナツがサハチの七女、ハナを産む。
    豊見グスクのハーリーで苗代之子が乗った中山王の龍舟が優勝する。
    島尻大里グスクで初めてのお祭りが行なわれる。
    サハチは兼グスク按司と会い、兼グスクの女子サムレーの隊長フニと会う。
    サハチはフニを連れて首里に行き、フニはマチルギとの再会を喜ぶ。
    早田新五郎と早田六郎次郎、対馬に帰る。
    苗代之子の長男サジルー、ウニタキの次男マサンルーがヤマトゥに行く。
    ヤマトゥに行く交易船と朝鮮に行く勝連船が船出。
    トゥイとナーサがマアサと4人の女子サムレーを連れて行く。
    サハチが世子尚巴志の名前で送る進貢船が船出する。
    首里の武術道場で武科挙を行なう。
    サハチ、弁ヶ岳でユンヌ姫からササたちが無事に帰ってくる事を知らされる。
    ササたちミャークの船とトンドの船を連れて帰国する。
    寂しい思いをしていた玻名グスクヌルに鍛冶屋のサキチが現れる。
    ドゥナン島のナーシルは父親の苗代大親と会う。
    パティローマ島のペプチとサンクルはサングルミーと会う。
    サハチとウニタキ、兼グスク按司から真喜屋之子の事を聞く。
    南の島の人たち、首里に行って中山王思紹と会う。
    ササたちセーファウタキに行き、豊玉姫から
    瀬織津姫の妹の知念姫が瀬織津姫の勾玉を玉グスクに祀ったと聞く。
    ササたち玉グスクに行き古い勾玉を見せてもらうが瀬織津姫の勾玉はない。
    ササたち玉グスクのアマツヅウタキでお祈りをするが神様の声は聞こえない。
    ササたち垣花に行って古い勾玉を見せてもらうが瀬織津姫の勾玉はない。
    ササたち知念に行き、知念ヌルと波田真ヌルと会い、
    今まで誰も身に付けられなかった「試練の勾玉」をササが身に付け、
    知念グスクのウタキでお祈りをすると知念姫の声が聞こえる。
    知念姫はササが試練の勾玉を身に付けているのに驚き、
    ササの祖母は瀬織津姫の子孫に違いないと言って、
    ヤマトゥに行って瀬織津姫に会ってこいと言う。
    ササたち浮島に行き、ヒューガから母親の事を聞き、
    ササの祖母は阿波の国の大粟神社の巫女の娘だと知る。
    クマラパは妹チルカマを連れて、津堅島に行き、島の人たちに歓迎される。
    フーキチは玻名グスクに行って、玻名グスク按司になったヤキチと再会する。
    サハチは兼グスク按司と一緒に慈恩寺に行って真喜屋之子と会って話を聞く。
    タキドゥンが、祖父が大事にしていた小刀を持っていたのでサハチは驚く。
    サハチはタキドゥンを連れて島添大里グスクに帰り、昔の話を聞く。
    安須森ヌルから「英祖の宝刀」の中の小太刀がミャークにあったと聞いて、
    サハチは見つかってよかったと喜ぶ。
6月  ササたち、アンアンたちと南の島のヌルたちを連れて久高島に行く。
    島添大里グスクに来たクマラパから祖父カルーの事を聞いてナツは驚く。
    ウニタキ、真喜屋之子の事を調べるために今帰仁に行く。
    行方知れずの玻名グスクヌルが奥間のミワを連れて島添大里に帰って来る。
    ミワはサハチを見て、思わず、お父さんと呼んでしまう。
    それを聞いていた安須森ヌル、サスカサ、女子サムレーたちは唖然とする。
    マチルギが来て刀を振り回し、サハチを追うお芝居をして、物見櫓の上で、
    サタルーを守るためにウナイ神として妹が必要だったのよ、とサハチに言う。
    愛洲ジルーの船に乗ってササたちは瀬織津姫に会うためにヤマトゥに行く。
    ササは4人の弟子と安須森ヌルの娘のマユ、フカマヌルの娘のウニチル、
    奥間ヌルの娘のミワ、辺戸村のカミーも連れて行く。
    山南王の進貢船が帰国し、冊封使が7月の半ば頃に来ると中山王に伝える。
    ウニタキが帰って来て、真喜屋之子の兄が材木屋のナコータルーだと教える。
    手登根グスクのお祭り。お芝居はハルとシビーの新作「サスカサ」
    湧川大主が山北王に依頼した援軍が鬼界島に来る。
    二度目の総攻撃を掛けるが、敵の罠にはまって多くの戦死者を出し、
    御所殿を倒す事ができずに引き上げる。
    惨めな負け戦に湧川大主は酒に溺れる。
7月  ヌルたちの安須森参詣。南の島のヌルたちもアンアンたちも参加する。
    久高島の大里ヌル、二階堂右馬助の娘を産む。
    ササたち八代に着き、阿蘇山に登るが、瀬織津姫の声は聞こえない。
    ササたち豊玉姫のお墓に行って、玉依姫瀬織津姫の事を聞くと、
    瀬織津姫は武庫山か、那智の滝か、伊勢の神宮か、天川の弁才天社か、
    富士山にいると言い、武庫山に行ったら真名井御前と会えと言う。
    ササたち、上関に行き、村上あやと再会して、一緒に那智の滝に行き、
    覚林坊と出会い、覚林坊の案内で天川の弁才天社に向かう。
    安須森参詣から帰って来た安須森ヌルが、
    サスカサが今帰仁若ヌルと勢理客若ヌルに武当拳を教え、
    佐敷ヌルと平田ヌルがクーイの若ヌルと仲良くなったとサハチに言う。
    パレンバンの船とジャワの船が来て、張三豊がムラカに行ったと知らせる。
    シーハイイェンたちとスヒターたち、ササがいないとがっかりするが、
    アンアンがいたので驚き、再会を喜ぶ。
    トンドから来ていたシュヨンカは祖父のシュミンジュンとの再会を喜ぶ。
    サハチは李仲按司と、冊封使の接待について中山王と山南王の分担を決める。
    冊封使の船が浮島に来て、山南王の重臣たちに迎えられて天使館に入る。
    島添大里グスクに永楽帝の娘のリーポー姫が来て、サハチと会う。
    サハチは懐機とウニタキを呼んで、歓迎の宴を開く。
    サハチ、チウヨンフォンを連れて慈恩寺に行き、シュミンジュンと会わせる。
8月  ササたち、山奥にある天川の弁才天社に着き、
    役行者像の前でお祈りするとマサキの勾玉を見た役行者が声を掛けて来る。
    マサキの勾玉は役行者が沢岻ヌルに贈った物だと言うのでササたちは驚く。
    役行者瀬織津姫の声を聞いたのは武庫山と富士山だったと言う。
    ササたち、愛洲次郎の故郷、五ヶ所浦に行き、次郎の父に歓迎される。
    ササたち、次郎の案内で伊勢の神宮に行くが瀬織津姫の声は聞こえず、
    ホアカリとトヨウケ姫に挨拶をして五ヶ所浦に戻る。
    ササたち、愛洲次郎の船に乗って富士山に向かう。
    豊見グスクで諭祭の儀式と諭祭の宴が行なわれる。
    与那原グスクのお祭り。お芝居はハルとシビーの新作「女海賊」
    島尻大里グスクに滞在して冊封の宴の準備を手伝っていたサハチは、
    照屋大親と酒を飲んで打ち解け、
    中程大親からアミーとユーナを助けてくれたお礼を言われ、
    小禄按司と瀬長按司からは娘をサハチの息子に嫁がせたいと言われる。
    島尻大里グスクで他魯毎冊封の儀式と冊封の宴が行なわれる。
    リーポー姫たち、シーハイイェンたち、スヒターたち、アンアンたちが、
    山南王に会うために島尻大里グスクに来て、他魯毎に歓迎される。
    島尻大里グスクからの帰りにリーポー姫を狙う連中の襲撃があるが、
    チャイシャンの配下の者たちが倒す。
    王女たち首里グスクの龍天閣で中山王思紹と会う。
    湧川大主、マジニのお陰で立ち直り、鬼界島攻めを中止にする。
    山北王の弟はやめて自分らしく生きようと決めたと湧川大主はマジニに言う。
    首里グスクで冊封使を迎えて中秋の宴が催される。
    島添大里グスクでは十五夜の宴が催される。
    富士山の北側に回って浅間大神神社があったという樹海の中に入って行き、
    ササたちは瀬織津姫の声を聞く。
    ササたちは瀬織津姫から昔の話を聞くが、
    富士山の大噴火で瀬織津姫が造った都が埋まってしまい、
    都の人たちを助けられなかった事を未だに悔やんでいて黙り込んでしまう。
    ササたちは樹海から出て精進湖から富士山の上に出ている満月を見上げ、
    瀬織津姫は月の神様だったのだと思う。
    精進湖で焚き火を囲んで祝杯を挙げ、ササが鎮魂の曲を吹くと、瀬織津姫
    役行者が現れ、密かにササの後を付けてきたスサノオ玉依姫、ホアカリ、
    トヨウケ姫が現れ、ユンヌ姫、アキシノ、赤名姫、メイヤ姫も現れる。
    ササたち、瀬織津姫から阿蘇山から富士山まで来たいきさつを聞き、
    娘の阿波津姫の事も聞く。
    ササたち五ヶ所浦に戻り愛洲次郎たちと別れ、覚林坊の案内で京都に向かう。
    ササたちが高橋殿の屋敷に行ったら、高橋殿は驚いてササたちを迎える。
    ササたち、タミーと会って話を聞く。
    御台所様がお忍びで高橋殿の屋敷に来て、ササとの再会を喜ぶ。
    ササたち、御台所様と高橋殿と一緒に箕面の大滝に行き、役行者と会い、
    スサノオ瀬織津姫を連れてサラスワティに会いに行ったと聞く。
    ササたち、広田神社の元宮で瀬織津姫の娘の武庫津姫と会い、
    真名井御前が神呪寺でササを待っていると武庫津姫は言う。
    ササたちが女神山の山頂でお祈りするとトヨウケ姫とユンヌ姫の声が聞こえ、
    広田神社の奥の宮に行ってきたと言う。
    ササたち、神呪寺の奥院で真名井御前と会い、真名井御前が空海と出会い、
    厳しい修行を積んで神呪寺を建て、瀬織津姫の名前を広めた事を聞く。
    ササは真名井御前に頼まれて鎮魂の曲を吹く。
9月  ササたち、高橋殿と御台所様のお陰で、浜の南宮の秘宝、如意宝珠を見る。
    ササたち細川家の船に乗って勝瑞に行き、守護代の武田修理亮に歓迎される。
    ササたち八倉比売神社に行き、奥の宮がある気延山に登り、アイラ姫と会い、
    若き日の父の事を聞いて、父が彫ったアイラ姫の神像を見る。
    ササたち大粟神社に行き、先代宮司の姉ウメと会い、父の事を聞く。
    ササはウメと一緒に祖母のお墓に行って祖母と話す。
    祖母はユンヌ姫と一緒にヒューガに会いに琉球に行く。
    ササたち、大粟山の山頂に登り、阿波津姫と会って昔の話を聞き、
    大三島に酒好きの伊予津姫がいると聞いて、帰りに寄って行こうと決める。
    ササたち勝瑞に戻り、船に乗って住吉大社に行き、奈良を目指す。
    ササたち、三輪山の宿坊で銘酒「菩提泉」を御馳走になる。
    ササたち、大神神社の三つ鳥居の前でサルヒコの声を聞き、
    タミーがスクナヒコの子孫だとわかり、スクナヒコの事をサルヒコから聞く。
    ササたち、玉依姫の跡を継いだ豊姫がアイラ姫の孫娘だと聞いて驚く。
    ササたち豊姫のお墓に行って豊姫と会い、広田神社を創建した経緯を聞く。
    ササたち、生駒神社に行き、伊古麻津姫と会い、昔の話を聞く。
    ササたち、千光寺に行き、菊の花を眺めながら菊酒を御馳走になる。
    首里グスクで冊封使を招待して重陽の宴が行なわれる。
    リーポー姫を好きになったウリーが恋の病に罹る。
    サハチ、ウリーを平田グスクのお祭りに連れて行きリーポー姫と会わせる。
    平田グスクのお祭り。お芝居は「女海賊」、旅芸人たちの「ウナヂャラ」
    ヒューガ、ユンヌ姫が連れて来た母と兄妹たちと馬天ヌルを通して話をする。
    ミャークの船が帰国する。
    ユンヌ姫と赤名姫がミャークの船を先導する。
    リーポー姫たち、シーハイイェンたち、スヒターたち、アンアンたち、
    山北王に会うためにヒューガの船に乗って名護に向かう。
    名護に着いた王女たち、名護の長老、松堂が明国の言葉を話したので驚く。
    王女たちと一緒に行った兼グスク按司は、松堂から明国に行った話を聞く。
    王女たち、轟の滝に行き、松堂の屋敷で朝食を御馳走になる。
    王女たち、羽地に行き、羽地按司に歓迎され昼食を御馳走になる。
    王女たち、今帰仁に着き、勢理客ヌルの出迎えで天使館に入り、
    翌日、今帰仁グスクに入って、山北王と会う。
    山北王は、そろそろ首里を攻め取る時期が来たのかもしれないと思い、
    首里攻めの作戦を練るのに熱中する。
    ミャークから帰ったユンヌ姫が、ミャークの船が無事に着いた事と、
    台風が来る事をサハチに告げる。
    鬼界島に行ったユンヌ姫は娘のキキャ姫に台風の事を教え、
    赤名姫は佐田大人の船を破壊したやり方を教える。
    鬼界島に台風が来て、山北王の船4隻が座礁する。
    湧川大主は嘆き、マジニは天罰が下ったと思う。
    キキャ姫はユンヌ姫と赤名姫と一緒にヤマトゥに行く。
    ササたち、京都に戻り、交易船の使者たちの行列に参加して、御所に入る。
    トゥイとナーサはヤマトゥの着物を着て、毎日、都見物を楽しんでいる。
    王女たち、クンの案内で国頭に行き、国頭按司に歓迎される。
    兼グスク按司、喜如嘉の長老から千代松の事を聞く。
    国頭の「まるずや」で真喜屋之子がサンルータの妻だったクミと会う。
    山北王の正使リュウインを乗せて行った中山王の進貢船が帰国。
    サハチはテーラーから、リュウインが永楽帝に仕え、帰って来ない事を聞く。
    サハチはテーラーから真喜屋之子の事を聞く。
10月  ササたち、京都を去り、因島で村上あやと再会して一緒に大三島に行く。
    大三島であやの弟子のサヨの案内でササたちは大山積神社を参拝する。
    宿坊に入ったササたちはサヨの姉の大巫女ウキから大山積神社の歴史を聞く。
    ウキの案内で、ササたちは入り日の滝に行き、伊予津姫と会う。
    伊予津姫はシンシンの勾玉を見て驚き、娘の吉備津姫がなくした物だと言う。
    吉備津姫は、楚の国に行って子孫を残したに違いないと伊予津姫は言う。
    酒と料理を用意して、入り日の滝でササが笛を吹くと、
    ユンヌ姫、赤名姫、キキャ姫、アイラ姫、アキシノ、トヨウケ姫が現れる。
    若ヌルたちも神様の姿を見る事ができ、ウニチルとミワも神様の声が聞こえ、
    姿を見る事ができるようになる。
    伊予津姫が安芸津姫とミシマ姫とムナカタ姫を連れて現れ、
    ヴィーナの調べが聞こえてきて、スサノオ瀬織津姫、サラスワティが現れ、
    楽しい酒盛りが始まる。
    王女たち、油屋の船に乗って、無事に浮島に帰ってくる。
    今帰仁に帰ったテーラーリュウインの家族を連れて来る。
    テーラーリュウインを明国に置いて来た事で山北王に怒られていた。
    兼グスク按司が松堂夫婦をサハチに紹介し、サハチは松堂から話を聞く。
    クチャとスミは島添大里グスクに行き、マナビーとの再会を喜ぶ。
    ウニタキから、クーイヌルがマチルギの従姉だと聞いてサハチは驚き、
    クーイの若ヌルは助けなければならないと思う。
    島尻大里グスクで、冊封使たちを招待して餞別の宴が行なわれる。
    馬天浜で張三豊を偲ぶお祭りが行なわれ、大勢の人たちが酒盛りを楽しむ。
    パレンバン、ジャワ、トンドの船が帰る。
    先代の山南王の命日に豊見グスクで法要が行なわれる。
    武当拳の試合が行なわれ、決勝戦でリーポー姫とサスカサが引き分ける。
    クチャとスミは試合を見て、武当拳の修行をする決心をする。
    冊封使の船に乗ってリーポー姫たちが帰る。
    冊封使の船と一緒に、サングルミーを正使とした中山王の進貢船も船出する。
    完成したジクー寺で、中山王の幹部たちが集まり、今帰仁攻めの相談をする。
    マチルギは今帰仁を攻めたらマナビーとマウミが悲しむと言う。
    懐機は大義名分が必要だと言う。
    琉球を統一するためには山北王は倒さなければならないと思紹は言い、
    4月の予定で準備をしておこうと言う。
11月  島尻大里ヌルが跡継ぎの娘を産む。
    サハチ、材木屋のナコータルーと浮島で会い、
    娘のマルを島添大里のミーグスクに連れて行き、マナビーと会わせる。
    ナコータルーが会いに来て、サハチは物見櫓の上で真喜屋之子の事を話す。
    物見櫓の材木が傷んでいるとナコータルーに言われ、建て直す事にする。
    サハチは首里の遊女屋「喜羅摩」でナコータルーと真喜屋之子を会わせる。
    サハチが油屋の娘のユラを連れて島添大里グスクに帰ると、
    ハルとシビーが千代松の事を調べにヤンバルに行きたいと言い出す。
    ユラは「志慶真のウトゥタル」の台本を書いて、安須森ヌルに認められる。
    女子サムレーのシジマが志慶真のウトゥタルの事に詳しいのでユラは驚き、
    ハルとシビーと一緒にウトゥタルの話を聞く。
12月  湧川大主が鬼界島から帰って来るので、ウニタキは今帰仁に行く。
    国頭按司の材木を運んで来たサタルーが島添大里グスクに来たので、
    サハチは松堂夫婦を送って行ってくれと頼む。
    サタルーは松堂夫婦、ハルとシビー、女子サムレーのシジマとユーナ、
    ウニタル夫婦、油屋のユラを連れてヤンバルに帰る。
    クチャとスミは武当拳を身につけるためにミーグスクに残る。
    ハルたち、国頭に着き、喜如嘉の長老から志慶真のウトゥタルの話を聞き、
    ウトゥタルに会った事があるという屋嘉比のお婆と会う。
    屋嘉比のお婆の話を聞いて、シジマは幼い頃を思い出す。
    シジマは志慶真ヌルを継ぐ正当な血筋で、ウトゥタルの血を引き、
    初代の今帰仁ヌルだったアキシノの血も引いているとお婆は言う。
    奥間でユーナからシジマの知っている昔話はあまりに多すぎると言われ、
    神様になった祖母の声を聞いていたのかもしれないとシジマは思う。
    ハルたち親泊に行ってウトゥタルのお墓を探し、シジマが祖母の声を聞き、
    ウトゥタルの声も聞く。
    ウトゥタルはシジマに志慶真ヌルを継げと言うが、もう少し待てと言う。
    シジマはハルとユラに頼まれて、ウトゥタルから湧川按司の事などを聞く。
    湧川大主、鬼界島を攻め取らずに運天泊に帰る。
    湧川大主、今帰仁グスクに行き、山北王に怒鳴られて今帰仁に屋敷に帰る。
    湧川大主、娘のチルーがお芝居に熱中していると聞いて呆れる。
    湧川大主、鬼界島攻めで戦死した家族を回って頭を下げる。
    湧川大主、運天泊に帰り、配下の割目之子から留守中の出来事を聞き、
    リュウインが明国から帰らないと聞いて驚く。
    湧川大主、戦死した配下の家族を回って頭を下げる。
    湧川大主、羽地グスクに行き、義弟の羽地按司に詫びる。
    湧川大主、国頭に行き、叔父の国頭按司に今後の事を説明する。
    側室クルキから王女たちが来て、ユラが南部の娘たちを連れてきた事を聞く。
    ハルたちがヤンバルから帰り、シジマが神人になったとサハチに言う。
    ウニタキから、湧川大主が鬼界島攻めに失敗した事をサハチは聞く。
    ウニタキが真喜屋之子を使うと言うので、サハチはウニタキに任せる。
    真喜屋之子、旅芸人たちと一緒にヤンバルに行く。
    中山王の進貢船が帰国。
    国子監に留学していたファイテとジルークが帰る。
    会同館の帰国祝いの宴でサハチはファイテとジルークから話を聞く。

1416年

1月  龍天閣でお祝いの宴が開かれ、集まった幹部たちは今帰仁攻めの作戦を練る。
    山北王はクーイの若ヌルと新年を祝い、今年は中山王を攻めると言う。
    ファイテとミヨン、ジルークとミカ、琉球を知るために旅に出る。
    油屋のユラが今帰仁のお祭りの準備のため今帰仁に行く。
    クチャとスミも一緒に名護に帰る。
    ユラ、今帰仁に着き、「志慶真のウトゥタル」の台本を披露して喜ばれる。
    ユラが奥間ヌルの娘の父親が島添大里按司だという噂が流れたと言う。
    それを聞いていたクンが山北王に話すと急に顔色が変わって怒りだし、
    諸喜田大主を呼ぶと、奥間を攻め滅ぼせと命じる。
    諸喜田大主は耳を疑い、山北王に何を言っても無駄で、仕方なく引き受ける。
    諸喜田大主は並里大主と仲宗根大主と一緒に内密に奥間攻めの準備をするが、
    奥間の鍛冶屋に知られ、鍛冶屋はすぐに奥間に行って長老に知らせる。
    奥間の長老は奥間ヌルとサタルーを呼んで相談し、
    奥間ヌルはアカマルのウタキに入って神様のお告げを聞く。
    初代奥間ヌルのヤクムは民を守れ、新しい奥間を造ればいいと言い、
    シチャラヌルは中山王が攻めてくるので、逃げなさいと言う。
    奥間ヌルはサハチと一緒に過ごした時、琉球を統一するのが俺の夢だと言った
    サハチの言葉を思い出し、サハチの夢に奥間の存亡を懸けようと決心する。
    奥間ヌルは村人たちを全員、避難させる。
    諸喜田大主たち、誰もいなくなった奥間村を焼き払う。
    愛洲次郎の船に乗っていたササ、奄美大島沖で奥間が燃えている場面を見る。
    サタルー、赤丸党を連れて、奥間村が炎上した噂を広める。
    サハチ、ウニタキから奥間炎上を聞いて驚き、首里に行って思紹に知らせ、
    「まるずや」の裏の屋敷で幹部会議を開く。
    ウニタキは奥間大親と一緒に奥間に向かう。
    奥間に着いたウニタキと奥間大親は焼け跡を見て愕然となり、
    村人たちが避難している辺土名に行き、奥間ヌルと会う。
    ウニタキは奥間ヌルから奥間が各地に贈った側室たちの記録を見せてもらう。
    奥間沖に交易船と愛洲次郎の船が来て、ササたちが辺土名に上陸してくる。
    ササは朝鮮の李芸を連れて来たとウニタキに言う。
    ササたち、奥間の避難民たちの年寄り子供を浮島に連れて行く。
    運天泊にいた湧川大主は奥間炎上を聞いて、兄貴がやっちまったかと嘆く。
    ヤマトゥに行った交易船が李芸の朝鮮船と愛洲次郎の船を連れて浮島に帰る。
    早田新五郎と六郎次郎の船も馬天浜に着き、朝鮮に行った船も勝連に着く。
    サハチ、浮島の那覇館に行き、李芸と早田五郎左衛門と再会する。
    サハチ、奥間の避難民たちを見舞い、奥間大親から奥間の様子を聞く。
    サハチ、マチルギと一緒に宴の準備を手伝っていたササから旅の話を聞く。
    安須森ヌルがササにシジマの事を話すと、アキシノの声が聞こえる。
    サハチたちは外に出て、志慶真ヌルの寿命がもうすぐ尽きるので、
    その後、シジマが志慶真ヌルを継げばいいとアキシノから言われる。
    サハチがアキシノに、中山王が山北王を滅ぼしても大丈夫かと聞くと、
    マチルギはわたしの子孫だから、マチルギの息子が今帰仁按司を継げば、
    何の問題もないと言ったので、マチルギもサハチたちも驚く。
    マチルギはサハチに出会う前、敵を討つために剣術に夢中になっていた時、
    「あなたの息子が今帰仁按司を継ぐのよ」と言う神様の声を聞いたのを
    思い出し、空を見上げて感謝を込めて両手を合わせる。
    思紹、首里に来た李芸と五郎左衛門と会い、五郎左衛門との再会を喜び、
    カンスケを朝鮮担当奉行に任じて李芸の被慮人探しを助けるように命じる。
    サハチ、馬天浜に行き、早田新五郎と早田六郎次郎と会う。
    ササたち、タミーと一緒に須久名森に行き、古いウタキを見つける。
    ササたち、スクニヤ姫と会い、スクナヒコと会って話を聞く。
    ササたち、セーファウタキに行き、スサノオ瀬織津姫を連れて来て、
    古い神様たちが大勢集まったと豊玉姫から聞く。
    ササ、豊玉姫からスクナヒコの事を聞く。
    タミーは儀式を行なって豊玉姫によって須久名森ヌルに就任する。
    ササたち知念に行き知念姫にお礼を言い、借りていた勾玉を知念ヌルに返す。
    「玉グスクに来て」という瀬織津姫の声を聞き、ササたちが玉グスクに行き、
    アマツヅウタキでお祈りをすると、「わたしが身に付けていた勾玉を贈るわ」
    と瀬織津姫の声がして、ウタキの中から大きな勾玉が飛び出してきて、
    ササの首にぶら下がる。
    須久名森でササの笛を聞かせてと瀬織津姫が言ったので、ササたちは須久名森
    に行き、ササと安須森ヌルは鎮魂の曲を吹いてスクナヒコの心の傷を癒やす。
    首里の「まるずや」の裏の屋敷で4度目の幹部会議が開かれる。
    奥間炎上に国頭按司、羽地按司、名護按司も怒っているとウニタキが言う。
    奥間のためにも早い内に今帰仁を攻めたいと思紹は言うが、
    安須森ヌルはユラのために今帰仁のお祭りはやらせてあげたいと言い、
    ヒューガも3月ではまだ船が出せないと言うので、出陣は4月1日に決まる。
    李芸は若狭町の遊女屋「松風楼」の女将と会って朝鮮の娘の事を聞き、
    島添大里と佐敷を探すが、朝鮮人を探す事はできない。
    冊封使のお礼のため、山南王と中山王の進貢船が船出する。
    サハチの六男ウリーと八重瀬按司の長男ハチグルーが唐旅に出る。
    李芸は糸満で武寧の側室サントゥクの家族を見つけ、帰るように勧める。
    ササたち沢岻に行き、役行者から勾玉をもらった沢岻ヌルと会って話を聞く。
    沢岻ヌルからシネリキヨの話を聞き、マサキがシネリキヨの子孫だとわかる。
    美浜島(浜比嘉島)の美浜ヌルと東松田の若ヌルがシネリキヨの子孫だと聞く。
    ササ、沢岻大主の娘キラを沢岻ヌルに育てるために預かる。
    ササたち、美浜ヌルに会うため勝連に行き、勝連ヌルから美浜島の事を聞く。
    ササたち、勝連ヌルと一緒に美浜島に行き、美浜ヌルと比嘉ヌルと会う。
    ササたち、美浜島の比嘉村のアマミチュのウタキで、美浜姫の声を聞き、
    祖母の知念姫がササに感謝していると言われる。
    美浜島から勝連に戻り、神様の声が聞こえなかった中グスクヌルと勝連若ヌル
    はササの弟子にしてくれと頼み、ササは弟子にする。
    ササたち、読谷山の喜名に行き、東松田の若ヌルと会う。
    東松田の若ヌルはササたちが来るのを知っていて、来るのを待っている。
    東松田の若ヌルがヤンバルにあるシネリキヨの聖地と言われるスムチナムイ
    まで行ってきたと言ったので、ササは東松田の若ヌルを気に入る。
    東松田の若ヌルはスムチナムイのアビーという神様が戦の邪魔をするので、
    やめさせなければならないと言う。
    ササたちは東松田の若ヌルを連れて宇座の牧場に行き、宇座按司に歓迎され、
    孫娘のクトゥを宇座ヌルにするために弟子に加える。
    宇座按司はお祝いだと言って、ササたちは酒盛りを楽しむ。
    酒に弱い東松田の若ヌルはすぐに酔って、あたしのマレビト神は島添大里按司
    なのと言ったので、ササたちは唖然とする。
    アキシノと豊玉姫が対立しなくてよかったって安心したけど、
    それだけではだめで、琉球を統一するには、シネリキヨの神様も味方につけな
    ければならない。アマミキヨの子孫のサハチとシネリキヨの子孫の東松田の若
    ヌルが結ばれれば、うまくいくのかもしれないとササは言う。
    北山第の七重の塔が落雷で焼失する。
2月  ジクー寺の落慶供養、ジクー禅師によって「大禅寺」と名付けられる。
    ササたち、首里グスクのキーヌウチで真玉添姫からシネリキヨの事を聞く。
    アビーを止めさせるにはアビーよりも古い神様に会わなければならないので、
    沢岻に行き、沢岻ヌルからイナの事を聞き、イナと会ってアビーの事を聞く。
    イナの娘のカユはアビーの師匠で、武芸の名人で勢理客ヌルを継ぎ、
    湧川グスクの跡地に祀られているとイナは言う。
    イナから初代今帰仁ヌルのアキシノが弓矢の名人だったと聞いてササは驚く。
    首里グスクの北、会同館の西側に庭園を造る事に決まり、
    慶良間から来た若者たちが木を伐り倒して整地を始める。
    旅から帰って来たファイテとジルークは首里の城下の入口に琉球らしい立派な
    御門を造らなければならないと言って一徹平郎と相談する。
    首里グスクのお祭り。お芝居はハルとシビーの新作「千代松」
    旅芸人たちは、今帰仁のお祭りに「千代松」を演じようと張り切る。
    百浦添御殿で5度目の幹部会議が開かれ、真喜屋之子の活躍によって
    国頭按司、羽地按司、名護按司の山北王からの離反が決まり、名護の松堂、
    国頭の喜如嘉の長老、羽地の我部祖河の長老が夫婦連れで、各按司の書状を
    持って、「まるずや」の船に乗って来るとウニタキが言う。
    山北王を倒したあとの今帰仁按司は、名護按司と国頭按司は千代松の血を引い
    ている者になってほしいと言い、羽地按司は、帕尼芝の血を引いた者も按司
    として置いてほしいと言っているという。
    チューマチ夫婦を今帰仁に送るのが一番いいと懐機が言って、皆が賛成する。
    3人の長老は人質として戦が終わるまで南部にいて、恩納按司と金武按司
    人質も真喜屋之子と奥間大親が連れて来るとウニタキが言う。
    浦添グスクでジルークとミカの婚礼が行なわれ、ジルーク夫婦を祝福する。
    平田グスクで平田大親の長男サングルーと垣花按司の長女マフイの婚礼。
    ヤンバルの長老たちが島添大里グスクに来て、サハチは歓迎する。
    ササたちが島添大里グスクに来て、サハチは東松田の若ヌルと再会する。
    金武から屋賀ヌル母子、恩納から恩納ヌル母子が人質として来て、
    ササたちは屋賀ヌルからスムチナムイウタキの事を聞く。
    ササたち、屋賀ヌルと恩納ヌルを連れて、ギリムイ姫に挨拶をする。
    サハチとウニタキ、酒を飲みながら、真喜屋之子と奥間大親から活躍を聞く。
    按司たちが寝返ったのは屋嘉比のお婆のお陰だと聞いて、サハチは感謝する。
    奥間攻めから一月が経って、山北王はクーイの若ヌルに会いに行き、
    来年の今頃、お前は中山王になった俺の正妻だと言って祝杯を挙げる。
    湧川大主は久し振りに玉グスクヌルのユカを訪ね、自分の娘がいたのに驚き、
    村人たちと一緒に酒盛りを楽しむ。
    サハチとウニタキ、真喜屋之子と奥間大親を連れて首里に行き、
    ヤンバルの按司たちの書状を思紹に渡す。
    真喜屋之子の活躍に、思紹はサムレー大将になれと言うが、
    真喜屋之子は断り、道を整備したいので普請奉行になりたいという。
    思紹は真喜屋之子を和泊大親の名で、道普請奉行に任命する。
    ササたちは東松田の若ヌルと屋賀ヌルと恩納ヌルを連れて、浜川ウタキ、
    ヤファサチムイ、ミントゥングスク、垣花森に行く。
    首里の龍天閣で6度目の幹部会議が開かれ、大まかな作戦が練られる。
    李芸、恩納岳でナコータルーの配下の朝鮮人と会い、帰国を促す。
    ウニタキと奥間大親は中山王の書状を持ってヤンバルに行く。
    李芸、今帰仁に着き、ウニタキと再会し、ウニタキから山北王の側室のパクが
    朝鮮人を探しては中山王が朝鮮に送る船に乗せている事を教える。
    李芸、山北王と会い、領内で被慮人を探して、朝鮮に連れて帰る許可を得て、
    パクとも会って、パクが見つけた11人の朝鮮人を連れて帰る約束をする。
    李芸、遊女屋にいる朝鮮人の遊女13人を探し出し、遊女屋と交渉する。
    島添大里グスクのお祭り。お芝居は「女海賊」と旅芸人の「千代松」
    ヤンバルの長老たちとクチャとスミもマナビー夫婦と一緒にお祭りを楽しむ。
3月  中山王の書状が内密に、浦添按司、北谷按司、中グスク按司、越来按司
    勝連按司、安慶名按司、伊波按司、山田按司に届けられ、戦の準備を始める。
    ウニタキは、各城下にいる湧川大主の配下の者たちの見張りを強化する。
    思紹の久高島参詣。安須森ヌル、ササたちも若ヌルたちを連れて参加する。
    与那原にいたササに、志慶真ヌルが血を吐いて倒れたとユンヌ姫が知らせる。
    ササたちは島添大里グスクに向かい、若ヌルたちを安須森ヌルに預け、シジマ
    と屋賀ヌルを連れて喜名に行き、東松田の若ヌルを連れてヤンバルに向かう。
    ササたち、ヤンバルの玉グスクに着き、玉グスクヌルのユカと一緒に
    スムチナムイに行き、スムチナムイヌルの声を聞く。
    役行者から勾玉をもらったのは沢岻ヌルだけでなく、自分ももらい、
    役行者を弁ヶ岳に連れて行ったのは自分だと言ったので、ササたちは驚く。
    スムチナムイの神様コモキナは大陸にあった楚という国の王様の息子だった
    らしいとスムチナムイヌルは言う。
    ササたち勢理客村に行き、勢理客大主を訪ねる。
    勢理客大主の孫娘マナの案内で湧川グスク跡地にあるウタキに行って、
    カユと会い、話し合って、カユはアビーを引き留めると約束してくれる。
    カユはマナを勢理客ヌルに仕込んでくれとササに言い、ササは引き受ける。
    勢理客大主に歓迎されて、村人たちと酒盛りを楽しんでいたら、
    志慶真ヌルが亡くなったとユンヌ姫が知らせる。
    南部にいたテーラーが山北王に呼ばれ、娘のママキと瀬長按司の息子の縁談
    をまとめてくれと頼まれる。
    ササたち今帰仁に着き、「まるずや」でウニタキと会い、志慶真村に行く。
    志慶真村で今帰仁ヌルと勢理客ヌルに会い、シジマの事を説明していると、
    若ヌルを助けてと本部ヌルが駆け込んでくる。
    首に勾玉の紐が食い込んで苦しんでいる若ヌルをシジマが助けて、
    その勾玉を身に付ける。
    屋嘉比のお婆が来て、神様から何度も聞いているササに出会えた事を喜び、
    お婆の一声でシジマが志慶真ヌルを継ぐ事に決まる。
    クボーヌムイで志慶真ヌルの葬儀とシジマの志慶真ヌル就任の儀式が行なわ
    れ、アキシノもシジマを祝福する。
    ササたち、国頭按司の船に乗って屋嘉比のお婆を送って行く。
    屋嘉比に着き、屋嘉比森のウタキでお祈りをすると、屋嘉比姫の声が聞こえ、
    お婆の寿命が尽きるので見守ってやってと言われる。
    ササたちがお婆の屋敷に戻ると奥間ヌルと娘のミワが来ていて、再会を喜ぶ。
    ササたち、お婆と一緒に酒を飲んで楽しい夜を過ごすが、
    翌朝、お婆は目覚める事なく亡くなる。
    お婆の葬儀に来た勢理客ヌルにササたちは追い出され、
    喜如嘉大主の船に乗って仲尾泊に行く。
    ササたち、湧川グスクのウタキに行ってカユと会い、アビーはマジムンになっ
    てしまったので、ササたちがマジムン退治をしなければならないと言われる。
    ササ、シンシン、ナナ、東松田の若ヌルが乙羽山でマジムン退治をすると、
    雹が落ちて来て、アビーに取り憑いていたマジムンたちは封じ込められる。
    ササたち、スムチナムイのウタキに行ってアビーと会うが、
    アビーは屋賀ヌルの事も東松田の若ヌルの事も覚えていない。
    ササたち、玉グスクヌルのユカと会うが、ササたちの事を覚えていない。
    瀬長按司が山北王との縁談の事でサハチを訪ねて来る。
    ヤンバルから帰って来たササたちから、シジマの志慶真ヌル就任と、
    屋嘉比のお婆の死と、マジムン退治の事をサハチは聞く。
    ナツがササの妊娠に気づき、ササは慌てて帰って行く。
    クマヌの命日に中グスクのお祭りが行なわれる。
    中部の按司たちが中グスクに集まり、思紹とサハチから詳しい話を聞く。
    旅芸人たち、今帰仁のお祭りに参加するため今帰仁に向かう。
    首里の丸太引きのお祭りで8年ぶりに佐敷が優勝する。
    サハチは思紹から、今帰仁攻めの総大将を務めろと言われて驚くが、
    自分がやらなければならないと引き受ける。
    今帰仁のお祭りで、ユラのお芝居「志慶真のウトゥタル」と旅芸人の
    「千代松」が演じられ、武術試合も行なわれる。
    山北王はクーイの若ヌルと一緒にお忍びでお祭りを楽しみ、
    湧川大主も側室たちとお忍びで楽しみ、
    テーラーは武術試合の検分役を務める。
    トゥイが母を偲ぶと称して子供たちを集め、保栄茂按司の家族を保護する。
    仲尾大主は島添大里のミーグスクにいるヤンバルの長老たちに呼ばれて、
    妻と娘を連れてミーグスクに行き、中山王の山北王攻めを知らされ、羽地、
    名護、国頭も中山王に従うと聞いて驚き、そのままミーグスクに滞在する。
    お祭りの翌日、旅芸人たちはユラとサラを連れて今帰仁を去る。
    中山王の大軍が攻めて来るという噂が流れてきて今帰仁城下は混乱する。
    城下にいた山北王は噂に驚き、クーイの若ヌルを連れてグスクに戻り、愛宕
    子から羽地、名護、国頭の按司たちが裏切った事を聞き、重臣たちを集める。
    テーラーから中山王の大軍が攻めて来ても、このグスクは落とせないと言わ
    れ、冷静さを取り戻した山北王は痛い目に遭わせてやろうと強気になる。
    山北王はサムレー大将たちに戦の準備をさせ、諸喜田大主を奥間から撤収さ
    せ、湧川大主を呼べと命じる。
    中山王は山南王と東方の按司たちに今帰仁攻めを伝える。
    マチルギはマナビーとマハニを説得する。
    山南王の兵によって保栄茂グスクとテーラーグスクは包囲され、
    伊敷にいた羽地と名護の兵は中山王に従って出陣する事になる。
    サタルーが「赤丸党」を率いて、今帰仁の城下の空き家に火を付けると、
    強風が吹いてきて、城下は全焼する。
    久し振りに今帰仁に来た湧川大主は焼け跡と化した城下を見て驚き、
    グスクに行って山北王と会い、武装船に積んである鉄炮をすべてはずして
    グスクに持って来いと言われる。
    諸喜田大主が撤収し、避難していた人たちが奥間村に戻って歓声を上げる。
    運天泊に帰った湧川大主は武装船に積んである鉄炮の半分、6つをはずして、
    今帰仁グスクに運ぶようにナグマサに命じると、ユカに会いに行く。
    前回、山北王が勝つと言ったのに、今回は中山王が勝つと言うユカは、
    山北王に従えば湧川大主の寿命は尽き、従わなければ10年は延びると言う。
    勢理客ヌルと今帰仁ヌル、中山王の回し者だと言って志慶真ヌルを捕まえて、
    今帰仁ヌルの屋敷の物置に閉じ込める。
    ウニタキが来て、志慶真ヌルは物置から逃げ出して志慶真村に帰り、
    クボーヌムイに朝のお祈りに行く。
    クボーヌムイから帰ると今帰仁ヌルが待っていて、志慶真ヌルを捕まえようと
    するが、今帰仁ヌルは志慶真ヌルに神様の姿を見て両手を合わす。
    クーイの若ヌル、志慶真ヌルから武芸を教えてもらう事になる。
    怪我をしたナグマサから、何者かに襲われて、鉄炮を奪われたと聞いた
    湧川大主は大笑いをして、逃げる決心を固める。
    湧川大主、武装船に側室と子供たちを乗せて運天泊を去る。
    李芸たちは今帰仁で見つけた31人の被慮人を連れて無事に首里に帰って来る。
    湧川大主の逃亡を知った今帰仁グスクは騒然となり、逃げ出す兵が続出。
    勢理客ヌルと今帰仁ヌルの進言によって、志慶真曲輪の守りは諸喜田大主と
    謝名大主に変えられ、志慶真の兵は外曲輪の守りに回される。
    諸喜田大主が捕まえようとしたので、志慶真ヌルはクボーヌムイに籠もる。
    中山王は正式に各按司たちに出陣命令を出す。
    安須森ヌル、サスカサ、シンシン、ナナは出陣するために首里に行く。
    妊娠しているササは若ヌルたちを連れて島添大里グスクに入る。
    ウニタキが帰って来て、今帰仁城下の全焼と湧川大主の逃亡を知らせ、
    敵の鉄炮を奪い取った事もサハチと思紹に知らせる。
4月  首里グスクで出陣の儀式を行ない、サハチは総大将として出陣する。
    読谷山の喜名に泊まり、サハチは東松田の若ヌルと一緒に酒を飲み、若ヌル
    からマレビト神だと言われて驚き、若ヌルに見つめられて記憶をなくす。
    気が付くと2日が過ぎていて、南部での騒ぎをサハチは安須森ヌルから聞く。
    先に行った懐機と苗代大親今帰仁に行き、焼け跡を片付けて陣地を造る。
    仲尾泊に着いたサハチはヤンバルの按司たちと会い、お礼を言う。
    クーイの若ヌル、最後の稽古の日、志慶真ヌルから祖母が今帰仁若ヌルで、
    山北王の祖父は敵だったと聞いて驚く。
    今帰仁に着いたサハチは焼け跡に造られた陣地を見て驚き、物見櫓に登って
    今帰仁グスクを見て、攻め落とすのは難しいと改めて思う。
    焼け跡の残骸を片付けて、それぞれの陣地を確保する。
    夜明け前に敵の攻撃があり、鉄炮の試し撃ちをして発射角度を調節する。
    サグルーたちが兵を率いて、搦め手の志慶真曲輪を攻めるために移動する。
    ヌルたちも一緒に行き、クボーヌムイで志慶真ヌルと戦勝祈願を行なう。
    石垣と楯の間にある残骸を片付け、総攻撃が始まる。
    今帰仁ヌルが鉄炮の玉で砕けた岩の破片が刺さって亡くなる。
    クボーヌムイの山頂近くで、志慶真ヌルがシンシン、ナナ、東松田の若ヌルと
    一緒にマジムンになったクーイの若ヌルの祖母を退治する。
    クーイの若ヌル、気を失ったあと、記憶をなくし、山北王を覚えていない。
    午後に2度目の総攻撃が始まり、突然、大御門が開いて、馬に乗った下間大主
    と具志堅大主が現れ、苗代之子と安慶名按司が一騎打ちをする。
    大御門から20騎の騎馬武者が出て来て暴れ回り、引き上げる騎馬武者を追って
    勝連按司と越来按司が兵を率いて外曲輪に突入する。
    大御門が閉じられ、勝連按司と越来按司を助けろとサハチは総攻撃を命じる。
    中山王の兵たちは石垣を越えて外曲輪に侵入、乱戦の末、外曲輪を奪い取る。
    義兄の勝連按司と叔父の越来按司が戦死し、サハチは悲しむ。
    サハチは外曲輪内の屋敷にいた山北王の側室のウクとミサと会い、
    フミから預かったという紙切れには敵の大将の配置図が書いてある。
    フミの紙切れをよく見ると三の曲輪に「抜け穴」と書いてあり、
    山北王も見つける事ができなかった抜け穴を探してみるとウニタキは言う。
    サグルーたちが志慶真村に行くとサタルーたちが待っていて、
    作戦を確認して、それぞれが配置に着く。
    マウシとサタルーは志慶真川を偵察しに行き、ウニタキと会う。
    最初の総攻撃をするが、敵の攻撃が激しくて石垣に取り付く事もできない。
    日が暮れて、篝火を炊いて敵の夜襲に備え、松明を使っておとり作戦をしなが
    ら月が沈むのを待ち、月が沈んだ夜明け前に、マウシが率いる山グスクの兵が
    急斜面をよじ登り、石垣に取り付いて志慶真曲輪内に潜入して敵兵を倒す。
    ウハに率いられた山グスクの兵も石垣を登って曲輪内に潜入し、敵兵を倒して
    御門を開け、待機していたサグルーとジルムイの兵が突入して曲輪内で乱戦と
    なり、志慶真曲輪を攻め落とす。
    戦死した兵の遺体を片付け、ヌルたちが来て志慶真曲輪を清める。
    東松田の若ヌルが、山北王が御内原内にあるアマチヂウタキの霊石を真っ二つ
    に斬ってしまう場面を見て、ヌルたちはクボーヌムイに行き、アキシノにその
    事を話すが、心配しなくても大丈夫とアキシノは言う。
    東松田若ヌルは心配して、シンシン、ナナと一緒に安須森ヌルに相談に行く。
    勝連按司の枕元に座っていて一睡もしていなかったサハチは、
    懐機に言われて城下にある本陣の仮小屋に行って横になる。
    クーイの若ヌルの侍女イリーが亡くなる。
    話し声で目が覚めたサハチは、東松田の若ヌルから話を聞いて、
    ササに会いに行く事を許すが、ササは連れて来るなと言う。
    松明のおとり作戦を夜が明けるまで続けて、敵兵を眠らせない。
    三日目の夜が明け、勝連按司を継げとサハチはウニタキに言うが、
    ウニタキは断り、娘婿のジルムイに継がせればいいと言う。
    正午頃、敵が突然攻めて来たと思ったら、志慶真村のサムレー大将2人で、
    志慶真曲輪が陥落したので投降すると言う。
    リュウインの弟子たちが10人、馬に乗って攻めて来て暴れ回る。
    ウニタキが抜け穴の出口を見つけ、サハチはウニタキと一緒に確認に行く。
    東松田の若ヌルたち、島添大里グスクに着き、ササと会って相談する。
    ミーグスクに来ていたマチルギが来て、今帰仁に行くというササを止める。
    ササはマチルギに任せると言い、瀬織津姫の勾玉をはずしてマチルギに渡す。
    マチルギは恐る恐る瀬織津姫の勾玉を身に付けるが何も起こらず、
    アキシノを助けるために今帰仁に行く決心をする。
    勝連按司と越来按司の戦死を聞いてマチルギと勝連若ヌルは悲しむ。
    マチルギは東松田の若ヌルたちと一緒に白い鎧を身に着けて今帰仁に向かう。
    抜け穴を使って苗代之子と安慶名按司が三の曲輪に突入し、
    総攻撃をして三の曲輪を攻め落とす。
    浦添按司と越来若按司が戦死する。
    三の曲輪から負傷兵を運んでいる最中、リュウインの弟子たちが外曲輪に攻め
    込み、暴れ回って壮絶な討ち死にをする。
    三の曲輪を片付け終わった午後、総攻撃を開始して、中御門の上にある櫓
    を火矢を撃って焼き払い、中曲輪を奪い取る。
    天井から太い柱が落ちてきて、クーイの若ヌルは押し潰されて亡くなる。
    山北王は一の曲輪の御殿に行き、クーイの若ヌルの死を嘆き悲しむ。
    フラフラした足取りで御内原に行った山北王はウタキでお祈りをしている
    勢理客ヌルを後ろから斬り捨てる。
    勢理客ヌルを斬った山北王を見ていたテーラーは山北王に駆け寄って、
    気でも違ったかと言うが、山北王はテーラーに斬り付けてくる。
    テーラーも太刀を抜いて相手をするが腕を斬られてつまづいて倒れ、
    山北王はウタキに行って霊石を真っ二つに斬ってしまう。
    大雨が降り出して、雷が鳴り響き、太刀を振り上げていた山北王に雷が落ち、
    山北王は弾き飛ばされてテーラーの足下に落ちて来る。
    騒ぎを聞いてやって来た兼次大主はテーラーが山北王を殺したと勘違いして、
    テーラーと戦い、テーラーを斬る。
    マウシたちが御内原に侵入して来て乱戦となり兼次大主はマウシに斬られる。
    マチルギたち今帰仁に着きクボーヌムイに行き、志慶真ヌルと会い、アキシノ
    に挨拶をしていると、アキシノの悲鳴が聞こえ、声が聞こえなくなる。
    マチルギは志慶真村の志慶真ヌルの屋敷に行き、ヌルたちを連れて、
    志慶真曲輪から二の曲輪に攻め込む。
    真っ二つにされた霊石の前で、マチルギは神様の言う通りに祝詞を唱えると、
    雷が霊石に落ちて、地が揺れて物凄い音がしたかと思うと、割れていた霊石が
    ピタリと合わさってくっつく。
    安須森ヌルが声を掛けると、「マチルギ、ありがとう」と言うアキシノの声が
    聞こえる。
    マチルギは瀬織津姫の勾玉を両掌に載せて、瀬織津姫にお礼を言う。
    突然の大雨に驚いているサハチに、石垣の上の敵兵が消えたと兼グスク按司
    知らせ、サハチは総攻撃を命じる。
    大雨の中、兵たちが石垣に取り付き、次々に二の曲輪に侵入する。
    サハチたちも行こうとしたら地震が起こり、雨もやむ。
    サハチたちが御内原に行くと、すでに制圧され、敵兵の死体があちこちに転が
    っていて、テーラーの死体もある。
    二の曲輪に行こうとしたサハチはウタキの前にヌルたちがいるのに気づき、
    マチルギもいたので驚く。
    サスカサからマチルギがアキシノの霊石を元に戻したと聞いてサハチは驚き、
    霊石をよく見る。
    ウニタキが山北王の側室だったフミを連れてきて、フミから何が起こったのか
    をサハチは聞き、山北王の遺体を確認する。
    サハチはフミと一緒に一の曲輪まで行き、敵将の戦死を確認し、御殿に上がっ
    て、マウシとサタルーに山北王の死を伝える。
    屋根から落ちた瓦が山になっている部屋の中で、志慶真ヌル、シンシン、ナ
    ナ、東松田の若ヌルが、クーイの若ヌルの遺体を囲んでお祈りをしている。
    マチルギたちが来たので、サハチは一緒に御内原に戻って、山北王妃と会い、
    山北王の側室のタンタンから「洪武帝の宝剣」の事を聞く。
    ウニタキが御殿の地下にある地下蔵を見つけ、山北王が溜め込んだ財宝を見る
    と、その中に「洪武帝の宝剣」がある。
    「洪武帝の宝剣」をタンタンに返そうとサハチは思うが、
    タンタンの言っている事は嘘に違いないとウニタキは言う。
    懐機に見せると本物のようだから、永楽帝に返したら喜ばれるだろうと言う。
    サハチはウニタキから、山北王の次男のフニムイと平敷大主と愛宕之子が消え
    たと知らされ、ウニタキは絶対に探し出すという。
    一の曲輪と二の曲輪の遺体を片付け、敵兵の遺体は山北王も含め、皆、抜け穴
    のガマの中に埋葬して入り口を塞ぐ。
    今帰仁ヌルと勢理客ヌルとクーイの若ヌルの遺体は、ヌルたちによって
    クボーヌムイに運ばれて埋葬される。
    山北王が持っていた英祖の宝刀の太刀は、雷に打たれた時、どこかに飛ばされ
    てしまったのか見つからない。
    御内原のウタキの前でヌルたちがお清めの儀式をして、御内原を再び男子禁制
    の聖地とする。
    御内原にはアキシノの霊石があるウタキと、それよりも古いシネリキヨのウタ
    キがあり、シネリキヨの神様の声が聞こえる東松田の若ヌルがお祈りをして、
    シネリキヨの神様たちも、琉球が統一され戦のない平和な国になる事を喜ぶ。
    マチルギ、志慶真ヌル、屋嘉比ヌル、東松田の若ヌルがマジムン退治をして、
    滅ぼされてマジムンとなって彷徨っている歴代の按司の一族たちを封印する。
    戦で流れた多くの血を洗い流すかのように大雨が降り、稲妻が走って、雷鳴が
    鳴り響き、風も強くなり、雨がやんだかと思うと、静かに雪が降ってくる。
    マジムン退治が終わったあとも雪は静かに降り続き、サハチはマチルギと一緒
    に一の曲輪の御殿の二階に上がって雪景色を眺める。
    真っ二つにされた霊石の前でお祈りした時に聞こえた声は豊玉姫だったと知ら
    されたサハチは、マチルギと一緒に南の方に向かって両手を合わせる。
    マチルギは今帰仁を再建するために、このままここに残ると言い出す。
    アキシノの子孫で、千代松の曽孫であるマチルギが、この惨めな有様を見て、
    黙っていられるはずはないとサハチは思い、見事な城下を造ってくれと言う。

2-238.今帰仁グスクに雪が降る(改訂決定稿)

 三の曲輪(くるわ)の本陣の仮小屋で、サハチ(中山王世子、尚巴志)とファイチ(懐機)と苗代大親(なーしるうふや)が今後の作戦を練っていた時、突然、不気味な音が鳴り響いたかと思うと大雨が降って来て、稲光と共に雷が鳴り響いた。
 今帰仁(なきじん)グスクの絵図を見ていたサハチたちは、驚いて外を見た。
「凄いな」と苗代大親が言った。
 土砂降りに打たれて、一休みしていた兵たちはびしょ濡れになって立ち尽くしていた。大将たちは仮小屋にいても、兵たちが雨宿りをする場所はなかった。鉄炮(てっぽう)(大砲)に破壊されてボロボロになった屋敷はあるが、二の曲輪に近いので、そこに逃げ込むのは危険だった。
 本陣の仮小屋のそばにいたサハチの護衛兵が、
「雷が二の曲輪に落ちたようです」と言った。
「凄い稲妻でした」と別の護衛兵が言った。
「お前たちも入れ」とサハチは言って、二の曲輪を見上げた。
 大雨でよく見えないが、石垣の上に敵兵たちの姿が見えないような気がした。
 ンマムイ(兼グスク按司)が走って来た。
「師兄(シージォン)、石垣の上の敵兵が消えました。今、攻めるべきかと思います」
「敵は雨宿りしているのかもしれんな」と苗代大親が言った。
「やりましょう」とファイチがうなづいた。
 サハチは総攻撃を命じた。敵に気づかれるので法螺貝は吹かず、旗を振って合図を送った。
 大雨の中、梯子(はしご)を持った兵たちが石垣に取り付いた。敵の攻撃はなかった。兵たちは次々に二の曲輪に侵入した。
 サハチ、ファイチ、苗代大親も行こうとした時、大きな雷が鳴ったかと思うと地が揺れた。
地震(ねー)か」と苗代大親が言った。
 地震は一回だけだった。
 空を見上げると黒い雲が勢いよく流れて行って、雨がやんだ。
 サハチたちは梯子を登って、二の曲輪に入った。そこは御内原(うーちばる)だった。すでに御内原は制圧されていて、あちこちに敵兵の死体が転がっていた。
テーラー(瀬底大主)だ!」と苗代大親が言った。
 テーラーは首を斬られて死んでいた。大雨で血は流され、傷口がぽっかりと開いていた。
テーラーを倒すとは、相当な腕の奴だな。ンマムイにやられたか」とサハチは言った。
 テーラーのそばに大将らしい遺体も転がっていたが誰だかわからなかった。
 サハチたちが二の曲輪に行こうとした時、ウタキ(御嶽)の前にいる白い鎧(よろい)を身に着けたヌルたちに気づいた。安須森(あしむい)ヌル(先代佐敷ヌル)とサスカサ(島添大里ヌル)がいた。フカマヌルと久高ヌル(前小渡ヌル)、奥間(うくま)ヌルもいた。
 サハチは驚いて足を止めた。
「お前たち、こんな所で何をしているんだ?」
「お母さんが『アキシノ様』を助けたのよ」とサスカサが言った。
「お母さん?」とサハチはウタキの前にいるヌルを見た。
 ヌルが振り返った。マチルギ(中山王世子妃)だった。
「お前がどうして‥‥‥」
 サハチは驚きのあまり言葉を失った。
 マチルギは立ち上がると、「ササ(運玉森ヌル)の代わりに来たのよ」と言った。
「お前が『アキシノ様』を助けたのか」と言って、サハチは霊石を見た。
 霊石は割れてはいなかった。
 ファイチと苗代大親が先に行った。
「お前たちは志慶真曲輪(しじまくるわ)から来たのか」
「お母さんが先頭になって、お兄さんたちを引き連れて攻め込んだのよ」とサスカサが言った。
「何だって?」
「お母さん、凄かったわ」
「何という事を‥‥‥」と言って、サハチはマチルギを見て、ヌルたちを見た。
「みんな、怪我はしていないんだな」
「大丈夫よ。神様が守ってくれたわ」と安須森ヌルが言った。
「山北王(さんほくおう)(攀安知)が霊石を斬る前でよかった」とサハチが言うと、
「違うわ。霊石は真っ二つに斬られたのよ」とサスカサが言った。
「なに?」
 サハチはもう一度、霊石をよく見た。中央に傷のようなものが見えたが、どうみても斬られてはいなかった。
「奇跡が起こったのよ」とマチルギが言った。
「きっと、『瀬織津姫(せおりつひめ)様のガーラダマ(勾玉)』が『アキシノ様』を蘇らせてくれたのよ」
「なに、ササから『瀬織津姫様のガーラダマ』を借りてきたのか」
 サハチがマチルギの胸を見ると大きなガーラダマがあった。
 ウニタキ(三星大親)が側室のフミを連れて来た。フミはウニタキの配下で、中山王(ちゅうざんおう)(思紹)と山北王が同盟を結んだ四年前に山北王の側室になっていた。
「フミがすべてを見ていた」とウニタキが言った。
「山北王が霊石を斬るのを見ていたのか」とサハチは聞いた。
 フミはうなづいて話し始めた。
 戦(いくさ)が中断された巳(み)の刻(午前十時)頃、フミはウタキでお祈りを続けている勢理客(じっちゃく)ヌル(攀安知の叔母)が心配になって見に来た。その時、山北王がやって来て、何かをわめいて勢理客ヌルを斬った。そのあと山北王とテーラーが斬り合いを始めた。テーラーが倒れると山北王はウタキの前に来た。
 山北王は刀を振り上げて、気合いと共に霊石を真っ二つに斬ってしまった。すると、大雨が降って来て、山北王が振り上げた刀に雷が落ちて、山北王は飛ばされた。テーラーが呆然として倒れた山北王を見ていると、兼次大主(かにしうふぬし)がやって来て、テーラーと斬り合いを始めて、テーラーは倒れた。その時、中山王の兵たちが志慶真川の崖を登って、石垣から侵入して来て乱戦となった。
 乱戦の最中にヌルたちがやって来て、お祈りを始めた。霊石に雷が落ちて地が揺れると、真っ二つになっていた霊石がくっついて元に戻った。驚いて立ち尽くしていたら、ウニタキたちが来たという。
「マウシ(山田之子)たちが先に潜入したんだな?」とサハチは聞いた。
「そうだ」とウニタキが言った。
「大雨が降って来て雷が落ちた時、マウシは総攻撃を命じたんだ。俺たちもマウシたちに続いて潜入した」
「志慶真曲輪からの御門(うじょう)を開けてくれたのもマウシの兵だと思うわ」とマチルギが言った。
「山グスクの訓練が役に立ったな」とサハチは満足そうに言った。
 ウタキの近くに転がっていた勢理客ヌルの死体をサハチは確認した。背中を一刀のもとに斬られていた。うつぶしていたので、顔は泥だらけだった。浦添(うらしい)ヌルのカナが勢理客ヌルの顔を拭いた。
「間違いないわ。勢理客ヌルです」と志慶真ヌル(ミナ)が言った。
「山北王はどうして、勢理客ヌルを斬ったのだろう?」とサハチは言って、フミを見た。
「ここに駈け込んで来た時、山北王の顔は正気とは思えませんでした。まるで、鬼のような恐ろしい顔をしていました。何かを言ってから、『邪魔だ、どけ!』と叫んで、勢理客ヌルが振り返る前に斬ってしまいました」とフミが言った。
「クーイの若ヌルが亡くなったので、気が狂ったのかしら」と志慶真ヌルが言った。
「クーイの若ヌルが死んだのか」
「まだ確認はしていませんが、亡くなったと思います」
 テーラーのそばに倒れていた大将が山北王だった。赤い鉢巻きをして、泥にまみれた顔で、目が異様に飛び出していた。刀傷は見当たらず、雷に打たれて亡くなったようだ。振り上げたという刀は持っていなかった。英祖(えいそ)の宝刀『千代金丸(ちゅーがにまる)』の太刀に違いないが、辺りを探してみても見つからなかった。
テーラーは味方の大将に斬られたのか」とサハチはテーラーの無念そうな死に顔を見ながらフミに聞いた。
「一の曲輪を守っていた兼次大主です。テーラーが裏切って山北王を殺したと思って、斬り掛かって行ったようです」
 今晩、マウシを潜入させて、テーラーを寝返らせ、二の曲輪の御門を開けさせる予定だったが、予想外な事が起きてしまった。テーラーを死なせてしまったのは残念だったとサハチは思った。
 兼次大主の死体も近くにあった。左腕と首を斬られていた。研ぎ師のミヌキチの娘婿なので助けてやりたかったが、山北王の側近を務めていたので難しかった。
 サハチは山北王、テーラー、兼次大主、勢理客ヌルの遺体を丁重に外曲輪(ふかくるわ)に運ぶように命じて、二の曲輪に向かった。
 御庭(うなー)には兵たちの死体があちこちに転がっていた。御庭を挟んで両側に屋敷があり、正面の石垣の上に一の曲輪の御殿(うどぅん)があった。どの屋敷も鉄炮に破壊されてボロボロになっていた。一の曲輪の御殿は屋根が半分なくなっていた。
 フミによって、浦崎大主(うらさきうふぬし)、具志堅大主(ぐしきんうふぬし)、伊江按司(いーあじ)の戦死が確認された。浦崎大主はサラの父親だった。降参すれば助けるつもりだったが、総大将を務めていたので降参はできなかったようだ。百名大親(ひゃくなうふや)(玉グスク按司の弟)が倒れていたが死んではいなかった。サハチは兵たちに命じて、百名大親を奥間大親(うくまうふや)(キンタ)のもとに運ばせた。
 サハチたちは石段を登って一の曲輪に上がった。一の曲輪の庭も死体だらけだった。ファイチと苗代大親がいて、
「戦は終わった」と苗代大親が厳しい顔付きで言った。
琉球は統一されました」とファイチが言った。
琉球の統一か‥‥‥」とサハチはつぶやいた。
 夢がかなったのに、あまりにも多くの死体を目の前にして、喜びは湧き上がって来なかった。
 フミによって備瀬大主(びしうふぬし)の戦死が確認された。
「師兄、ちょっと来て下さい」とンマムイが来て言った。
「何だ?」とサハチはンマムイを見た。
 ウニタキと一緒にンマムイのあとをついて御殿の裏に行くと立派な蔵があった。蔵の前にサグルー(山グスク大親)とジルムイ(島添大里之子)がいて、蔵の中には山北王が溜め込んだ財宝が詰まっていた。明国(みんこく)の高価な陶器や壺、ヤマトゥ(日本)の豪華な屏風(びょうぶ)や刀もあった。ウニタキが興味深そうに調べ始めた。
 サハチは山北王の御殿に入った。御殿の中も死体だらけだった。一階の大広間には侍女や城女(ぐすくんちゅ)たちの遺体が並んでいたが、鉄炮にやられて、手足が飛び散っている悲惨な遺体もあった。半ば壊れた階段を上って二階に行くと、サタルーとマウシがいた。二階は大雨に濡れて水浸しだった。
「山北王の奴が見当たりません」とマウシが言った。
「山北王は雷に打たれて死んだ。御内原にいた」とサハチは教えた。
「えっ、雷に打たれたのですか」とマウシもサタルーも驚いていた。
「霊石を斬ったバチが当たったのだろう」
「雷で死ぬなんて‥‥‥俺が敵(かたき)を討ちたかった」とマウシが悔しそうに言った。
 二階には部屋がいくつもあった。どの部屋もひどい有様だったが死体はなかった。崩れた屋根から落ちた瓦が山のようになっている部屋の中に、志慶真ヌル、シンシン(杏杏)、ナナ、東松田(あがりまちだ)の若ヌル(タマ)がいた。四人はクーイの若ヌルの遺体を囲んでお祈りをしていた。サハチは近づいてクーイの若ヌルを見た。着物は血まみれだが、安らかな死に顔のように見えた。
 廊下の窓から外を見ると、グスク内が一望できた。二の曲輪の屋敷も上から見ると大きな穴がいくつも開いていた。御内原の屋敷だけがまともに建っていた。
 四月七日に総攻撃が始まって、今日は十一日だった。わずか五日で攻め落としたのは上出来といえるが、被害は予想外に大きかった。
 マチルギと安須森ヌルと奥間ヌルが来た。
「ここからグスクを見下ろす日が来るなんて、夢をみているようだわ」とマチルギが言った。
「城下は焼け落ちて、グスク内の屋敷はボロボロになって、すべてを再建しなくてはならないがな」とサハチは言った。
「大丈夫よ。十年経てば、新しい城下も、新しいグスクもできているわ」
 サハチは笑った。
「今度の十年の計(けい)は今帰仁の再建か」
「もう敵はいなくなったんだし、十年も掛からないでしょう」
「そうだな」とサハチは言ってから、「マナビー(チューマチの妻)の母さんには会ったか」と聞いた。
 マチルギは首を振った。
 サハチたちはフミを連れて御内原に戻った。
 御内原の屋敷は鉄炮の標的にはしていなかったが、それでも何発か当たっていた。一階の大広間に負傷した侍女たちがいた。二階には山北王妃(マアサ)と側室たちの部屋があった。
 王妃は無事だった。娘のウトゥタルと一緒にいて、サハチたちが来たのを知るとサハチたちを睨んだ。
「わたしを殺しに来たのですか」と王妃は言った。
「あなたは殺さないわ。マナビーと約束したの」とマチルギが言った。
「マナビー‥‥‥」と言って、王妃は急に力が抜けたかのように泣き崩れた。
 王妃の事はマチルギに任せて、サハチは隣りの部屋を覗いた。側室が横になっていて、若ヌルが一緒にいた。
朝鮮人(こーれーんちゅ)のパクです。パクの部屋に鉄炮の玉が落ちてきて、足に怪我をしました」とフミが言った。
 パクの事は李芸(イイエ)から聞いていてサハチも知っていた。朝鮮(チョソン)に帰っても身内はいないから帰らないと李芸に言ったようだが、娘がヌルになってしまい、娘を置いては帰れないと思ったのかもしれないと、パクと若ヌルを見ながらサハチは思っていた。
「出血がひどくて危なかったのですが、勢理客ヌル様の手当で危険は乗り越えました」とフミは言った。
「勢理客ヌルは医術の心得もあったのか」
リュウイン(劉瑛)様から教わったようです。負傷した兵たちの治療もしていました」
「そうだったのか。惜しい人を亡くしてしまったな」
「中山王の世子(せいし)様ですか」と声を掛けられて、サハチは振り返った。
 側室らしいが、誰だかわからなかった。フミが唐人(とーんちゅ)のタンタン(丹丹)だと教えてくれた。
「世子様、お願いです。わたしの頼みを聞いて下さい」
 タンタンの後ろに十歳くらいの女の子がいて、心配そうな顔をして母親を見ていた。
「わたしは永楽帝(えいらくてい)に頼まれて、ある物を探すために山北王の側室になりました」とタンタンは言った。
永楽帝?」とサハチは驚いた。
永楽帝が皇帝になる前の戦で、順天府(じゅんてんふ)(北京)から応天府(おうてんふ)(南京)を攻めた時、先帝は宮殿を焼き払いました。その時、家宝だった『洪武帝(こうぶてい)の宝剣』が何者かに盗まれました。その後、行方はわかりませんでしたが、琉球の山北王が持っている事がわかって、わたしが派遣されたのです。山北王は一度だけ、わたしに見せてくれました。明国の海賊から贈られたと言っていましたが、それが『洪武帝の宝剣』とは知りませんでした。わたしは敢えて教えませんでした。山北王が知ったら厳重に仕舞い込んでしまうと思ったからです。わたしは何とかして宝剣を手に入れようとしましたができませんでした。どうか、お願いです。『洪武帝の宝剣』をお返し下さい。永楽帝にとって父親の思い出の剣です。お返しいただければ、永楽帝はとても感謝すると思います」
 そんな宝剣があるのなら、永楽帝に返すべきだとサハチは思い、タンタンを連れて一の曲輪の蔵に向かった。
 蔵は兵によって守られていた。サハチはタンタンに宝剣を探させたが見つからなかった。
「ほかにも蔵があるはずです」とタンタンは言った。
「ここには金や銀、銭(じに)がありません」
「なに、山北王は金や銀も持っているのか」
「明国の海賊から手に入れているはずです」
 サハチは辺りを見回した。ほかに蔵らしい建物はなかった。財宝を隠すとすれば、御殿の中に違いないと思って、サハチが御殿に入ろうとしたら、サタルーと出会った。
「親父、凄い物を見つけた」とサタルーが興奮した顔で言った。
 サタルーのあとを付いて行くと御殿の一階のはずれに隠し部屋があって、そこから地下へと行く階段があった。
 地下の部屋にウニタキとウニタキの配下のタキチがいた。蝋燭(ろうそく)がいくつも灯された部屋の中に、砂金や銀、銭が入った木箱がいくつも積んであった。壁には珍しい形をした明国の武器がいくつも飾られてあり、その中の一つを指差してタンタンが、「あれです」と言った。
 サハチは壁から宝剣を取って眺めた。柄(つか)に宝石が埋め込んであって高価な物のようだった。鞘(さや)を抜いてみると両刃の剣だった。サハチは剣を使った事はないが、持った感じはなかなかよかった。剣を鞘に収めて壁に戻すと、
「すべてを調べてからお前に返そう」と言った。
 タンタンはサハチを見つめてうなづいた。サハチはタンタンを兵に命じて御内原に送らせた。
「その剣がどうかしたのか」とウニタキが聞いた。
 サハチはタンタンから聞いた話をウニタキに説明した。
「信じられんな」とウニタキは言った。
「タンタンはリンジェンフォン(林剣峰)から贈られた側室なんだ。リンジェンフォンが永楽帝の命令を受けた女を連れて来るなんておかしい。タンタンはリンジェンフォンの配下に違いない。だが、リンジェンフォンは亡くなってしまったし、倅のリンジョンシェン(林正賢)も戦死した。タンタンは宝剣を持ち帰って、リンジェンフォンの一味を集めようとたくらんでいるのかもしれない」
「そうか。嘘をついたか」
「リンジェンフォンの配下だったソンウェイ(松尾)なら何かを知っているかもしれない」
「そうだな。タンタンの事はメイユー(美玉)たちに任せよう」
 ファイチが来たので、サハチは宝剣を見せた。
「『洪武帝の宝剣』だというが本当なのか」
「えっ、洪武帝の宝剣? 噂は聞いた事がありますが、どうして、ここに?」
「海賊が持って来たらしい」
 ファイチは宝剣を手に取って眺めた。
「本物かもしれませんね。永楽帝に返したら喜ばれるでしょう」
 サハチはうなづいてから、木箱の中の舟のような形をした銀を手に取って眺めた。
「銀錠(インディン)です」とファイチが言った。
「元(げん)の時代に造られた銀貨で、今も使われています。庶民たちには縁のない物ですが、交易には使われています」
「それにしても溜め込んだものだな。これを使えば城下の再建もできるだろう」
「海賊が持って来た物ですから進貢船(しんくんしん)に乗せて明国に持って行くわけにはいきません。ヤマトゥに持って行けば喜ばれるでしょう」
将軍様に贈るか」とサハチは言った。
 銀錠を見ていたウニタキは、銀錠を木箱に戻すとサハチの顔を見て、
「山北王の次男、フニムイが消えた」と言った。
「なに、フニムイが‥‥‥」
「御内原にいなかったんで、どこかに隠れているに違いないと探させたんだ。それで、ここを見つける事ができた。だが、フニムイはどこにもいない。そして、平敷大主(ぴしーちうふぬし)も消えた。平敷大主は二の曲輪を守っていたんだが死体はない。フニムイの母親は平敷大主の娘のシジなんだ。平敷大主が孫のフニムイを連れて逃げたようだ」
「逃げるって言ったって、どうやって逃げたんだ?」
「それはわからんが、どこにもいない事は確かだ」
「フニムイは十歳だったな。そんな子供を連れて、乱戦の中を逃げるなんて信じられん。シジはいるんだな?」
「いる。フニムイはどこだって聞いたら、さっきまでいたのにどこに行ったのだろうってとぼけていた。まだ遠くには行っていないだろう。配下の者たちに追わせた」
「そうか。ほかに逃げた子供はいるのか」
「三男はミサが産んだんだが、四歳で亡くなった。四男と五男はフミが産んで、フミと一緒にいる。子供ではないが、愛宕之子(あたぐぬしぃ)も見当たらない」
「山北王の義弟だったな。フニムイと一緒に逃げたのかもしれんな」
「必ず見つけ出す」とウニタキは言った。
 武器を見ていたファイチは、「山北王は武器を集めるのが好きだったようですね」と言った。
「詳しくはわかりませんが、皆、いわれのある見事な物ばかりです。中山王のお宝にするべきです」
首里(すい)グスクにも地下蔵を造らなければならんな」とサハチは笑った。


 一の曲輪と二の曲輪の遺体を片付けて、敵兵の遺体は山北王も含め、皆、『抜け穴』のガマ(洞窟)の中に埋葬して入り口を塞いだ。今帰仁ヌルと勢理客ヌルとクーイの若ヌルの遺体は、ヌルたちによってクボーヌムイ(クボー御嶽)に運ばれて埋葬された。山北王が持っていた『英祖の宝刀』の太刀は、雷に打たれた時、どこかに飛ばされてしまったのか見つからなかった。
 二の曲輪と一の曲輪の乱戦で、敵兵百五十人が戦死して、味方の兵五十人が戦死した。
 五日間の戦いで、勝連按司(かちりんあじ)(サハチの義兄サム)、越来按司(ぐいくあじ)(サハチの叔父)を初めとして三百人近くが戦死して、負傷兵は四百人近くもいた。今回、犠牲になった兵たちのためにも、今後、戦のない琉球にしなければならなかった。
 御内原のウタキの前では、ヌルたちがお清めの儀式をして、御内原を再び男子禁制の聖地とした。御内原には『アキシノ様』の霊石があるウタキと、それよりも古いシネリキヨのウタキがあった。シネリキヨの神様の声が聞こえるのはタマだけなので、タマのお祈りによって、シネリキヨの神様たちも、琉球が統一されて、戦のない平和な国になる事を喜んでくれた。
 マチルギ、志慶真ヌル、屋嘉比(やはび)ヌル(屋嘉比のお婆の孫)、タマの四人が『マジムン(悪霊)退治』をして、かつて、滅ぼされてマジムンとなって彷徨(さまよ)っている歴代の今帰仁按司の一族たちを封印した。
 戦で流れた多くの血を洗い流すかのように大雨が降ってきた。稲妻が走って、雷鳴が鳴り響いた。風も強くなり、石垣の上に並んでいる『三つ巴の旗』が大きくはためいた。ようやく雨がやんだかと思うと、静かに雪が降ってきた。
 惨めに破壊された屋敷を隠すかのように雪が降り積もった。焼け跡の城下も真っ白になった。
 マジムン退治が終わったあとも雪は静かに降り続いていた。
 サハチはマチルギと一緒に一の曲輪の御殿の二階に上がって雪景色を眺めた。
「伊波(いーふぁ)でお前と出会った時、俺は今帰仁グスクを攻め落とすと誓った。あれから何年が経ったのだろう」
「わたしが十五の時だったから、もう三十年近くも前よ」
「三十年か‥‥‥長かったようで、短かったような気もする」
「色々な事があったわね」
 祖父の敵討(かたきう)ちの事しか考えていなかったマチルギの前に、突然、サハチが現れた。サハチと出会ってマチルギの運命が変わった。ヤマトゥ旅に出たサハチの留守に、勝連按司の息子のウニタキに求婚された。断るために試合をしたが、ウニタキは思っていたよりも強くて、ウニタキに勝つために佐敷に行った。苗代大親に師事して剣術の修行に励んだが、試合の当日、ウニタキは現れなかった。
 マチルギの影響で佐敷の娘たちが剣術を学びたいと言い出して、マチルギは娘たちに剣術を教える事になった。サハチがヤマトゥから帰って来て、マチルギはサハチに嫁ぎ、マチルギの弟子たちから女子(いなぐ)サムレーが生まれた。今では二百人以上の女子サムレーがいた。
「お前が今帰仁攻めに行かないと言った時、マナビーのためには仕方がないと思ったが、寂しくもあった。今帰仁グスクを攻め落とした、その時をお前と一緒に味わいたかったんだ。でも、お前はやって来た。お前が来てくれて、本当によかったと思っている」
「わたしも来たかったわ。子供の頃からの念願だったもの。でも、わたしまでが山北王を攻めたら、マナビーが傷ついてしまう。わたしは諦めたのよ。今帰仁で戦をしていると思うと首里にじっとしていられなくて、わたしはマナビーに会いに行ったの。マナビーは食事も取らずに部屋に籠もっていたわ。誰にも会わないって言っていたけど、わたしを部屋に入れてくれた。マナビーは父親との思い出を話してくれたわ。そして、一緒に弓矢のお稽古をしたのよ。マナビーは泣きながら弓矢を射っていたわ。食事も取ったので、もう大丈夫だろうって思って、島添大里(しましいうふざとぅ)グスクに行ったら、シンシンとナナがいたので驚いたわ。『アキシノ様』を助けるために、ササは今帰仁に行くって言ったのよ。わたしは駄目だって止めたわ。そしたら、ササがわたしに行ってくれって言って、『瀬織津姫様のガーラダマ』を託したのよ。今帰仁に来てクボーヌムイでお祈りをしたら、アキシノ様の悲鳴が聞こえたの。アキシノ様を助けなければならないって、もう必死だったわ。ヌルたちを連れて二の曲輪に攻め込んで、真っ二つに割れた霊石の前でお祈りをしたわ。神様の声が聞こえて、わたしは言われた通りに祝詞(ぬるとぅ)を唱えたの。奇跡が起こって、霊石は元に戻って、アキシノ様は蘇ったわ。シンシンとナナに聞いたら、『豊玉姫(とよたまひめ)様』の声だったって言ったわ」
「なに、豊玉姫様が助けてくれたのか」とサハチは驚いた。
豊玉姫様の力と瀬織津姫様のガーラダマの力で、奇跡が起こったんだと思うわ」
「そうだったのか」とサハチは言って、「南方(ふぇーぬかた)はどっちだ?」と聞いた。
 マチルギは首を傾げたが、「志慶真曲輪の方だ」とサハチは言って、反対側に行って遠くを眺め、両手を合わせた。
 マチルギも両手を合わせて、豊玉姫様にお礼を言った。
「来てよかったわ」とマチルギが言った。
「アキシノ様を助けられたし、ここに来なければ、この悲惨な状況はわからなかったわ。チューマチとマナビーがここに来るんでしょ。わたしはこのまま、ここに残ろうと思っているの」
「えっ、ここに残る?」
 サハチはマチルギの横顔を見た。
今帰仁を再建させるわ」
 サハチには駄目だとは言えなかった。アキシノ様の子孫であり、千代松(ちゅーまち)(七代目今帰仁按司)の曽孫(ひまご)であるマチルギが、この惨めな有様を見て黙っていられるはずはなかった。
「わかった。見事な城下を造ってくれ」とサハチは言った。
「しかし、今帰仁は遠すぎる。お前がいないと寂しくなるな」
「何を言っているの。若い側室ができたんでしょ」
「えっ?」
「マシュー(安須森ヌル)から話は聞いたわよ」
「まだ側室にするなんて‥‥‥」
「タマは必要だわ。側室に迎えなさい」
 サハチはマチルギを見たが何も言えなかった。
「マジムン退治が終わったのに雪はやまないな」とサハチは言った。
「きっと、サム兄さんが降らせているのよ。戦に出る前、勝連グスクに降った雪の事を言っていたわ。今帰仁グスクでもマジムン退治をしたら雪が降るのかな。今帰仁グスクに降る雪を見てみたいってね」
「サムがそんな事を言ったのか‥‥‥」
「亡くなるには早すぎるわ」とマチルギは涙声で言った。
 サハチはマチルギの肩を抱き寄せた。
 琉球の統一を成し遂げたサハチは、サムが降らせている雪をマチルギと一緒に見つめていた。

 

第二部、完



 

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