長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

2015-01-30から1日間の記事一覧

03.察度と泰期(改訂決定稿)

浮島(うきしま)を見下ろす高台に立ち、右手を目の上にかざして、海を眺めている大柄な男がいた。武装はしていないが腰に長い太刀を佩(は)いて、ひとかどの武将という貫禄があった。 男の視線の先には、浮島の近くに浮かぶ明国(みんこく)(中国)から来た二隻…