長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

中グスク按司、クマヌの略歴(1406-1412)

1406年 1月 ヒューガがキラマの島から兵の移動を開始する。61歳
    中山王と八重瀬按司の婚礼にサハチが出席する。
    2月 完成したばかりの首里グスクを奪い取り、武寧を討ち取る。
    ウニタキが浦添グスクを焼き討ちにする。
    中山軍を倒し、中山王の若按司を討ち取る。
    中グスクを攻め落とし、守将として守る。
    サグルーが思紹と名乗り、中山王となる。
    3月 中グスク按司になる。
    娘婿のサムが勝連按司の後見役になり勝連グスクに行く。
    伊波按司の五男ムタを養子に迎える。
    ムタの娘マチルーがヌルになるために中グスクヌルの指導を受ける。

1407年 1月 首里に行き、中山王思紹に新年の挨拶。62歳
    按司のムタがサハチたちと一緒に進貢船に乗って明国に行く。
    4月 ヤンバルに行く馬天ヌルが訪ねて来る。
    7月 サハチたちが無事に帰国する。
    三姉妹の船に乗って、張三豊とシンシンが琉球に来る。
    9月 旅をしていたササたちが張三豊とジクー禅師を中グスクに連れて来
    る。
    11月 孫娘のユミがサハチの次男ジルムイに嫁ぐ。

1408年 1月 首里に行き、中山王思紹に新年の挨拶。63歳
    2月 當山親方が浦添按司になる。
    3月 思紹が女たちを連れて久高島参詣をして武寧の残党の襲撃を受ける。
    5月 マチルギが馬天ヌルたちとヤマトゥに行く。

1409年 1月 首里に行き、中山王思紹に新年の挨拶。64歳
    マチルギたちが無事に帰国する。
    4月 山伏姿で佐敷グスクのお祭りに行く。
    サハチたちがヤマトゥと朝鮮に行く。
    12月 サハチたちがパレンバンの船を連れて帰国する。

1410年 1月 首里に新年の挨拶に行き、龍天閣に登る。65歳
    2月 勝連の若按司が病に倒れ、治療の甲斐もなく亡くなり、サムが勝連按
    司になる。
    3月 思紹が張三豊と一緒に進貢船に乗って明国に行く。
    4月 ムタが浦添按司の次男クジルーと一緒にヤマトゥに行く。
    10月 山南王と山北王が同盟する。
    思紹と張三豊が無事に帰る。

1411年 1月 首里に行き、中山王思紹に新年の挨拶。66歳
    2月 ムタが帰国する。
    3月 勝連の若按司の婚礼に行き、ササたちに新宮の十郎の事を話す。
    5月 中山王が山北王と同盟し、山南王とも同盟して三王同盟になる。

1412年 1月 首里に行き、中山王思紹に新年の挨拶。67歳
    マチルーが中グスクヌルになり、先代は久場ヌルを名乗る。
    早田左衛門太郎がシンゴと一緒に琉球に来る。
    2月 首里グスクでサハチの四男チューマチと攀安知の次女マナビーの婚礼
    が盛大に行なわれる。
    婚礼に出席して早田左衛門太郎と再会する。
    サハチに孫娘マナミーの縁談を頼む。
    隠居して、ムタに中グスク按司を譲る。
    妻を連れて首里に行き、翌日は島添大里グスクのお祭りに行く。
    3月 山伏姿になって伊波、山田、今帰仁、奥間と旅をする。
    中グスクで死す。

早田左衛門太郎の略歴(1397-1416)

1397年 4月 兵船24艘を率いて、朝鮮に投降する。37歳
    配下80人と共に朝鮮王の優遇を受け、宣略将軍となり、配下もそれぞれ授職さ
    れ倭寇討伐に当たる。
    7月 長男の藤次郎が朝鮮で病死する。
    8月 中山王武寧の使者が漢城府に来る。
    配下を率いて倭寇討伐のために黄海道に赴く。
    漢城府の城郭と四大城門が完成する。

1398年 1月 朝鮮王の正月の宴に招待される。38歳
    2月 林温(イムオン)と改名する。
    9月 李成桂(イソンゲ)の次男、李芳果(イバンカ)が2代朝鮮王になる。

1399年 3月 朝鮮王の都が漢城府から開京に戻る。39歳
    5月 日本に行った通信官の朴惇之が被慮人100余名と将軍の使者を連れて帰
    る。
    6月 日本の使者たちか朝鮮の火砲に驚く。
    8月 中山王武寧の使者が漢城府に来る。

1400年 1月 弟のシンゴがクルシと一緒に琉球に行き、サハチと再会する。40歳
    5月 シンゴとクルシが琉球から帰る。
    8月 中山王武寧の使者が漢城府に来る。
    11月 李成桂の五男、李芳遠(イバンウォン)が3代朝鮮王になる。

1401年 3月 兄次郎左衛門の遺児ナナを叔父の五郎左衛門に預かる。41歳
    10月 朝鮮王の都が開京から漢城府に戻る。

1402年 1月 シンゴがクルシと一緒に琉球に行く。42歳
    サハチが島添大里グスクを攻め落として島添大里按司になる。
    2月 シンゴがサハチの妹佐敷ヌルと結ばれる。
    咸鏡道で趙思義を中心とした東北面の乱が起こる。
    12月 佐敷ヌルがシンゴの娘マユを産む。

1403年 1月 シンゴが一文字屋の船を連れて琉球に行く。43歳
    叔父の五郎左衛門が妻の名義で漢城府に「津島屋」を出す。
    9月 対馬の船越にいる次男六郎次郎がサハチの娘ユキを妻に迎える。

1404年 1月 シンゴが琉球に行く。44歳
    8月 朝鮮王が日本に使者を遣わす。

1405年 1月 シンゴが琉球に行く。45歳
    5月 父の三郎左衛門(70)が亡くなる。
    6月 朝鮮王の許可を貰って対馬に帰る。
    9月 富山浦の倭館が完成する。
    昌徳宮(チャンドックン)が景福宮(キョンボックン)の離宮として創建される。
    12月 宗貞茂が被慮人60人を送還し、馬10匹を進呈する。

1406年 1月 シンゴが琉球に行く。46歳
    2月 サハチが首里グスクを奪い捕り、武寧を倒して、父思紹を中山王にする。
    3月 弟の左衛門五郎が全羅道倭寇討伐に行き、暴風に遭い溺死する。
    李芸が対馬に行き、被慮人70人を朝鮮に連れ帰る。
    8月 倭寇に襲われたジャワの船が朝鮮の郡山島に漂着する。
    9月 宗貞茂の使者がジャワの船から奪った蘇木、胡椒、孔雀などを朝鮮王に献
    じる。

1407年 1月 シンゴが琉球に行く。47歳
    7月 朝鮮王が向化倭人平道全を員外司宰少監に任じる。

1408年 1月 シンゴが琉球に行く。48歳
    5月 李成桂が亡くなる。晩年は念仏三昧の日々を送ったという。
    6月 サハチの妻マチルギが佐敷ヌルとササたちを連れて対馬に来る。
    10月 朝鮮王が明の永楽帝に美女を献上する。以後、度々、献上を命じられる。
    宗貞茂筑前守護代を弟の貞澄に任せて、対馬の佐賀に落ち着く。

1409年 1月 シンゴが琉球に行く。49歳
    5月 朝鮮の回礼使が被虜人20人を連れて帰国する。
    7月 サハチがササたちと一緒に対馬に来て、イトと再会し、ユキとミナミと会
    う。
    8月 開京の妓楼でサハチと13年振りの再会をする。
    サハチと語り合い、対馬に帰って対馬を統一しなければならないと強く思う。
    12月 ササと仲良くなったナナが琉球に行く。

1410年 1月 シンゴが琉球に行く。50歳
    朝鮮王が捕虜となった明人を遼東に送還する。
    4月 志佐氏が刑部太郎を遣わして、朝鮮使の司直朴和を護送する。
    5月 朝鮮在住の向化倭人平道全が自ら倭寇討伐に赴く。
    10月 ササたちが対馬に来る。
    12月 ササたちが博多に行き、琉球に帰る。
    この頃、慶尚一道に住む倭人の数は2000人近くいた。

1411年 1月 朝鮮の職を解かれ、家臣たちを連れて対馬に帰る。51歳
    2月 シンゴが琉球に行き、サハチに左衛門太郎の帰国を知らせる。
    3月 朝鮮王が日本国王の使者と接見する。
    6月 鄭和が明国に帰還する。
    朝鮮の使者として護軍平全道が対馬に来る。
    10月 ササたちがサハチの娘サスカサを連れて対馬に来る。
    12月 ササたちが博多に行き、琉球に帰る。

1412年 1月 シンゴと一緒に、イトとユキとミナミを連れて琉球に行く。52歳
    2月 首里グスクでサハチの四男チューマチと攀安知の次女マナビーの婚礼が盛
    大に行なわれる。
    3月 クマヌが亡くなる。
    中グスクで久場ヌルと出会う。
    4月 久場ヌルと結ばれる。
    5月 ハーリーを見てからサハチと一緒に慶良間の島に行く。
    琉球を去り対馬に帰る。
    10月 ササたちが佐敷ヌルとパレンバンの王女を連れて対馬に来る。
    12月 浅海湾内の人たちを率いて倭寇働きするために明国に行く。
    宗貞茂が朝鮮に倭寇80余艘が明国に向かった事を告げる。

1413年 1月 シンゴと一緒にマツとトラを琉球に行かせる。ササたちも一緒に乗って帰
    る。53歳
    倭寇3000余人が明国の昌谷浙衛爵渓千戸所を襲い城を攻める。明兵これを防ぎ
    倭寇多数死す。
    永楽帝が日本征伐の意志がある事を朝鮮の使者に伝える。
    朝鮮王が平道全の造った和船を試す。
    3月 久場ヌルが首里グスクの御内原で、左衛門太郎の娘フキを産む。
    宗貞茂が土物を献じて、大蔵経を賜ったお礼を言う。
    明国から使者が帰国し、永楽帝の日本征伐を朝鮮王に告げる。
    5月 シンゴとマツとトラが帰国する。
    7月 明国から帰国する。かなりの損害が出たが、それ以上の収穫があった。
    10月 ササたちが対馬に来る。
    11月 ササたちが博多に行き、琉球に帰る。
    12月 愛洲次郎が琉球に行くために対馬に来る。

1414年 1月 シンゴと一緒に六郎次郎を琉球に行かせる。愛洲次郎の船も一緒に行く。
    5月 シンゴと六郎次郎が帰国する。
    7月 朝鮮王が大蔵経日本国王に贈る。
    8月 朝鮮王が宗貞茂に十処倭使(日本国王対馬、大内、少弐、九州節度使
    ど)以外の倭人の出送を禁じる。
    宋貞茂、少弐氏の使者らが朝鮮蔚山で暴動を起こす。

1415年 1月 シンゴと一緒に六郎次郎を琉球に行かせる。55歳
    5月 シンゴと六郎次郎が帰国する。
    7月 鄭和が明国に帰還する。
    10月 ササたちが対馬に来る。
    12月 愛洲次郎が対馬に来る。
    李芸が早田五郎左衛門と一緒に対馬に来る。

1416年 1月 シンゴと一緒に六郎次郎を琉球に行かせる。愛洲次郎の船と李芸の船が一
    緒に行く。56歳
    4月 サハチが山北王を攻め滅ぼす。

東松田の若ヌルの略歴(1398-1416)

紀元前2500年頃 気候変動により砂漠化し、黄河文明遼河文明が南下して長江文明
    滅ぼされる。
    長江文明の人たちが台湾に逃げる。
    大陸に残った人たちは紀元前11世紀に、楚(チュ)を建国する。

紀元前2000年頃 シネリキヨ(長江文明の子孫)が台湾から琉球に来る。

紀元前1000年頃 ツクシキヨ(倭人)が黒曜石を持って琉球に来る。
    倭人の言葉を持ってくる。

紀元前500年頃 アマミキヨが南から琉球に来る。
    浜川の洞穴に住み、後にミントングスクに移る。
    コモキナが楚から琉球に逃げて来て、アフリ川(大井川)中流に落ち着く。
    コモキナの死後、御殿跡にウタキ(スムチナムイ)ができる。

紀元前400年頃 アマミキヨ一族が垣花高台に移る。

紀元前300年頃 垣花姫(瀬織津姫)が100人を率いて筑紫の島(九州)に行く。
    貝殻交易が始まる。

紀元前250年頃 知念姫の孫娘が安須森姫になり、安須森のウタキができる。

紀元前200年頃 アマミキヨの一族が他の一族を吸収してしまう。

100年頃 アマミキヨ一族が垣花の都を守るように東に垣花グスク、西に玉グスクを築
    く。

149年 スサノオタカラガイを求めて琉球に来て、豊玉姫と出会う。

151年 豊玉姫スサノオと一緒に対馬に行く。
    貝殻交易が再開される。

177年 豊玉姫が娘のアマン姫を連れて琉球に帰り、アマン姫が玉グスクヌルを継ぐ。

210年 アマン姫の三女が真玉添に村を造って、真玉添ヌル(聞得大君)になる。
    真玉添でヌルたちに翡翠の勾玉を配布する。
    真玉添から安須森参詣が盛んになる。
    シネリキヨのヌルたちのコモキナ参詣が始まる。

333年 豊玉姫の玄孫、豊姫が亡くなり、貝殻交易は終わる。

500年頃 シネリキヨのヌルが減って、コモキナウタキも寂れる。

1000年頃 各地にグスクができ、ヌルに代わって按司が統治するようになる。

 


1398年 5月 読谷山伊良皆に生まれる。童名はタマ。母は屋良ヌルの子孫。1歳
    11月 馬天ヌルがウタキ巡りの旅で東松田ヌルと会う。

1409年  1月 叔母の東松田ヌルの跡継ぎとして、ヌルになる修行を始める。12歳

1412年 5月 馬天ヌルが喜名に来て、一緒にヤンバルのウタキ巡りの旅をする。15歳
    恩納岳で木地屋の親方タキチと会い、恩納で恩納ヌルと会う。
    名護で名護ヌルと屋部ヌルと会い、御崎の御宮に行く。
    本部で本部ヌルと会う。
    今帰仁の「まるずや」でウニタキと会い、志慶真村で志慶真ヌルと会う。
    志慶真ヌルと一緒にクボーヌムイ(クボー御嶽)に行く。
    運天泊で勢理客ヌルと湧川大主に会う。
    羽地で羽地ヌルと会い、国頭で国頭ヌルと屋嘉比のお婆と会う。
    屋嘉比のお婆と一緒に国頭按司の船に乗って安須森に向かう途中、奥間ヌルと
    会う。
    辺戸村で辺戸ヌルと会い、安須森に登る。
    6月 奥間村に滞在してから運天泊に戻り、名護から金武を通って伊波に行く。
    伊波から勝連、越来、中グスクに寄り、首里に行く。
    首里グスクでサハチと出会い胸が高鳴る。
    浦添に行き浦添ヌルと会い、仲順に行き、浮島の護国寺に行く。
    豊見グスク、島尻大里、八重瀬、玉グスクと行き、セーファウタキに行く。
    久高島に渡り、フカマヌルと会い、島添大里グスクに行くが、サハチは首里
    いて会えない。
    首里に行き、サハチと再会して、また胸が高鳴る。
    奥間ヌル、麦屋ヌル、浦添ヌル、カミーと一緒に張三豊のもとで一か月の修行
    を積む。
    7月 修行が終わり、島添大里に行きサハチと会い、サハチがマレビト神だと悟
    る。
    サハチの側室のナツとメイユーと会う。奥間ヌルとサハチも仲がいい。
    台風が来る。サハチの一節切を聞いて感動する。
    サハチの妻マチルギと奥間ヌルと一緒に首里に行く。
    奥間ヌルと一緒にヒューガの船に乗って読谷山に帰る。

1413年 7月 東松田ヌルと一緒にヌルたちの安須森参詣に参加する。16歳

1414年 7月 東松田ヌルの具合が悪くなり、安須森参詣には行かない。17歳

1415年 4月 屋良の古いウタキで屋良ヌルの声を聞く。18歳
    山の中のガマで屋良ヌルが沢岻ヌルから贈られた勾玉を見つけて身に付ける。
    沢岻に行き、沢岻ヌルと会ってシネリキヨの事を聞き、美浜島に行って美浜ヌ
    ルと会う。
    5月 恩納岳の木地屋ゲンと一緒にヤンバルに行き、玉グスクヌルと会い、スム
    チナムイに行く。
    6月 南部に行き、慶留ヌルと会う。
    7月 屋良ヌルから安須森には行くなと言われたので安須森参詣に行かない。

1416年 1月 ササたちが喜名に訪ねて来る場面を見て、ササたちが来るのを待ってい
    る。19歳
    スムチナムイのアビーという神様が中山王の戦の邪魔をするので、やめさせな
    ければならないとササに言う。
    ササたちと一緒に宇座の牧場に行き、宇座按司の孫娘クトゥがササの弟子にな
    る。
    酒に酔ってマレビト神はサハチだとササたちに言ってしまう。
    2月 屋賀ヌルが金武から島添大里グスクに行く場面を見て、与那原グスクに行
    きササたちと会う。
    ササたちと一緒に島添大里グスクに行き、サハチと再会してサハチが自分の事
    を覚えていてくれたので喜ぶ。
    島添大里グスクに来た屋賀ヌルと会い、ササたちと一緒に一の曲輪のウタキに
    入る。
    ササたちと一緒に浜川ウタキ、ヤファサチムイ、ミントゥングスク、垣花森に
    行くが、アマミキヨの神様の声は聞こえない。
    3月 ササたちがシジマを連れて喜名に来て、一緒にヤンバルに行く。
    ヤンバルの玉グスクに着き、玉グスクヌルのユカと一緒にスムチナムイに行
    く。
    湧川グスク跡地にあるウタキに行って勢理客ヌルのカユと会い、ササが話し合
    って、カユはアビーを引き留めると約束してくれる。
    今帰仁に行き、志慶真村でシジマが若ヌルを助けて、志慶真ヌルになる。
    屋嘉比のお婆を送って屋嘉比に行き、お婆の死を見守る。
    湧川グスクのウタキに行ってカユと会い、乙羽山の頂上でササたちと一緒にマ
    ジムン退治をする。
    大粒の雹が落ちて来て、アビーに取り憑いていたマジムンたちは封じ込められ
    る。
    スムチナムイのウタキに行ってアビーと会うが、アビーは屋賀ヌルの事も自分
    の事も覚えていない。
    玉グスクヌルのユカと会うが、ササたちの事を覚えていない。
    4月 サハチが総大将として大軍を率いて喜名に来て、サハチと結ばれる。
    サハチに従い今帰仁に出陣する。
    今帰仁に着き、ヌルたちと一緒にクボーヌムイに行き、志慶真ヌルと一緒に戦
    勝祈願を行なう。
    志慶真ヌル、シンシン、ナナと一緒にクボーヌムイの山頂近くで、クーイの若
    ヌルに憑いているマジムンを退治をする。
    サハチの長男サタルーと次男ジルムイと山田のマウシが志慶真曲輪を攻め落と
    し、ヌルたちと一緒に志慶真曲輪を清める。
    志慶真ヌルの屋敷で休んでいたら、山北王が御内原内にある霊石を真っ二つに
    斬ってしまう場面を見て、シンシンとナナに言う。
    ヌルたちと一緒クボーヌムイに行き、アキシノにその事を話すが、心配しなく
    ても大丈夫とアキシノは言う。
    アキシノを心配して、シンシン、ナナと一緒に外曲輪にいる安須森ヌルに相談
    に行く。
    サハチの許しが出て、シンシンとナナと一緒に島添大里グスクに行き、ササと
    相談する。
    サハチの妻マチルギが現れて、ササから瀬織津姫の勾玉を預かって、一緒に今
    帰仁に向かう。
    今帰仁に着きクボーヌムイに行き、マチルギがアキシノに挨拶をしていると、
    アキシノの悲鳴が聞こえ、その後、声が聞こえなくなる。
    大雨の中、志慶真村の志慶真ヌルの屋敷に行き、ヌルたちと一緒にマチルギに
    従い、志慶真曲輪から二の曲輪に攻め込む。
    真っ二つにされた霊石の前で、マチルギと一緒に祝詞を唱えると、雷が霊石に
    落ちて、地が揺れて物凄い音がしたかと思うと、割れていた霊石がピタリと合
    わさってくっつく。
    安須森ヌルが声を掛けると、「マチルギ、ありがとう」というアキシノの声が
    聞こえたのでホッとする。
    サハチが来てマチルギがいるのに驚き、サスカサが説明する。
    今帰仁ヌルと勢理客ヌルとクーイの若ヌルの遺体をクボーヌムイに運んで埋葬
    する。
    御内原にあるシネリキヨのウタキでお祈りをすると、シネリキヨの神様たち
    も、琉球が統一されて、戦のない平和な国になる事を喜んでくれる。
    マチルギ、志慶真ヌル、屋嘉比ヌルと一緒にマジムン退治をして、かつて滅ぼ
    されてマジムンとなって彷徨っている歴代今帰仁按司の一族たちを封印する。
    戦で流れた多くの血を洗い流すかのように大雨が降り、稲妻が走って、雷鳴が
    鳴り響き、風も強くなり、雨がやんだかと思うと、静かに雪が降ってくる。

奥間ヌルの略歴(1374-1416)

1146年 熊野水軍の船に乗って鍛冶屋集団が琉球に来て奥間に住み着く。
    お頭のアカマルが初代奥間大主になり、妹のヤクムが初代奥間ヌルになる。

1161年 熊野水軍の船に乗って新宮十郎が琉球の馬天浜に来る。

1162年 新宮十郎が大里ヌルと結ばれ、舜天が生まれる。

1174年 熊野水軍の船に乗って新宮十郎がヤマトゥに帰る。

1178年 舜天が浦添にグスクを築いて浦添按司になる。

1184年 12月 安須森がヤマトゥから来た平維盛に襲撃され、安須森ヌルは殺され、安
    須森ヌルの妹シチャラヌルが奥間に逃げてくる。
1185年 平維盛がコモキナ泊(運天泊)から上陸して、志慶真森にグスクを築いて、今
    帰仁按司になる。
    シチャラヌルが初代奥間ヌルの指示で三代目奥間大主の妻になり、三代目奥間
    ヌルを継ぐ。
1186年 三代目奥間ヌルが姉の敵を討つため、今帰仁按司に美女を側室として贈る。
    ヤマトゥから来た陰陽師、理有法師が運玉森と真玉添を滅ぼす。

1187年 ヤマトゥから来た陰陽師、朝盛法師が舜天と協力して理有法師を倒す。
    三代目奥間ヌルが浦添按司舜天に美女を側室として贈る。

1188年 朝盛法師が安須森に来て、殺されたヌルたちの霊を鎮めて封印する。
    玉グスク按司が亡くなり、新しい按司に美女を側室として贈る。
    三代目奥間ヌルが奥間を守るために、按司が代替わりした時に側室を贈るよう
    に決める。

1189年 奥州藤原氏が滅び、熊野水軍琉球に来なくなる。
    鉄が手に入らず、木地屋、杣人、猟師、漁師を育てる。

 

1259年 英祖が義本を滅ぼして浦添按司になる。

1263年 六代目奥間大主の娘が浦添の若按司(大成)に嫁ぐ。

1278年 英祖の次男、湧川按司今帰仁按司になる。

1297年 七代目奥間大主の次男が浦添按司(大成)に仕える。

1300年 今帰仁按司(湧川按司)が亡くなると、本部大主が反乱を起こして今帰仁按司
    になり、若按司の千代松は南部に逃げる。

1308年 浦添按司(大成)が亡くなり若按司(英慈)が跡を継ぐ。

1313年 浦添按司(英慈)が亡くなり、四男の玉城が三人の兄を倒して跡を継ぐ。
    英慈の長男、若按司に仕えていた奥間之子(奥間大主の次男)が若按司の娘マ
    ジニを連れて逃げる。

1321年 奥間之子の息子(奥間大親)とマジニが結ばれ、ジャナ(察度)が生まれる。

1322年 千代松が本部大主を攻め滅ぼし、今帰仁按司になる。

1336年 ジャナとタチ(泰期)が倭寇の船に乗ってヤマトゥの壱岐島に行く。

1341年 1月 対馬の早田次郎左衛門(左衛門太郎の祖父)が琉球に来て、伊平屋島に鮫
    皮作りの職人を置いて行く。
    次郎左衛門の船で来た肥後のサムレーが琉球に残る。

1343年 肥後のサムレーが奥間に来て、先代奥間ヌルと結ばれる。

1344年 先代奥間ヌルが息子のクタルーを生む。
    12月 ジャナ(察度)とタチ(泰期)が大量の宋銭を土産に琉球に帰る。
    ジャナが父から母親の素性を聞いて驚き、祖父の敵を討つ決心をする。

1346年 5月 肥後のサムレーが伊平屋島に渡り、イハチ(サミガー大主)と一緒に次郎
    左衛門の船に乗ってヤマトゥに帰る。
    タチが奥間に来て、有能な若者を連れて帰る。

1347年 タチの娘クダチが生まれる。

1348年 1月 イハチがヤマトゥから帰り、浮島で安里大主(察度)と会う。

1349年 3月 安里大主(察度)が浦添按司の西威を滅ぼし、浦添按司になる。
    浦添按司(察度)が奥間にお礼に来る。

1350年 浦添按司(察度)の娘サクラが生まれる。

1351年 伊是名島を追い出されたサミガー大主が馬天浜に住み着き、鮫皮作りを始め
    る。

1352年 ナーサが木地屋の娘に生まれる。

1360年 5月 クタルーが馬天浜から早田三郎左衛門の船に乗ってヤマトゥに行く。
    クダチはクタルーの帰りを待っていると言う。
    クタルーは博多で具足師(鎧師)の修行をする。

1361年 千代松が亡くなり、娘婿の羽地按司今帰仁グスクを奪い取り今帰仁按司にな
    る。

1366年 10月 浦添按司(察度)の娘サクラが長老の長男ヤザイムに嫁ぐ。
    11月 ヤザイムがサクラを連れて浦添に行き、浦添按司(察度)に挨拶をする。

1368年 ナーサが叔父のタツに連れられて村を出て、与座按司汪英紫)と会う。
    ナーサが八重瀬按司の側室になる。

1369年 1月 クタルーが具足師になり早田三郎左衛門の船に乗って、サグルー(思紹)
    と一緒に帰る。
    奥間に帰り、歓迎される。
    クタルーがずっと待っていたクダチを妻に迎える。
    ナーサの手引きで、与座按司汪英紫)が八重瀬グスクを奪い取って八重瀬按
    司になる。
    12月 小禄按司(泰期)に呼ばれ、クタルーがクダチを連れて小禄に行く。

1371年 ナーサが浦添按司(武寧)に嫁いだウシ(汪英紫の娘)の侍女として浦添
    スクに入る。

1372年 兄ミージが小禄で生まれる。具足師になる。
    浦添按司が明国に朝貢し、察度の名で中山王になる。

 

1374年 小禄で生まれる。童名はクチルー。1歳
    父親は奥間ヌルの息子で具足師のクタルー、母親は泰期の娘クダチ。

1375年 ヤマトゥの山伏クマヌが奥間に来る。2歳

1376年 弟クージが小禄で生まれる。具足師になる。3歳
    奥間でアサがクマヌの娘トゥキを産む。

1377年 5月 小禄按司(泰期)の船に乗って家族と一緒に奥間に帰る。4歳

1379年 クマヌが奥間に来る。6歳

1380年 八重瀬按司汪英紫)が島添大里グスクを奪い取り、島添大里按司になる。
    サミガー大主の長男サグルーが佐敷グスクを築いて佐敷按司になる。

1381年 クマヌが奥間に来る。8歳

1382年 5月 小禄按司(泰期)が進貢船の使者を引退し、小禄按司も若按司に譲り、宇
    座按司を名乗って読谷山の宇座で馬の飼育に専念する。9歳
    アサがクマヌの息子サンルーを産む。

1383年 10月 クマヌが奥間に来る。10歳

1385年 1月 祖母の奥間ヌルのもとでヌルになるための修行を始める。12歳

1386年 祖母と一緒に屋嘉比のお婆と会う。13歳

1387年 1月 クマヌに連れられて、サハチが初めて奥間に来る。14歳
    サハチを見てマレビト神だとわかるが、サハチの相手はできない。
    11月 フジがサハチの息子サタルーを産む。
    「龍の子が生まれた」という神様の声を初めて聞く。
    祖母が産まれてすぐのサタルーを母親から離してヤザイムに預ける。

1388年 1月 奥間ヌルに命じられ、ヤキチがサハチを守るために佐敷に行く。15歳
    フジが今帰仁に嫁ぐ。

1389年 1月 正月に帰って来たヤキチが家族を連れて佐敷に戻る。16歳
    祖母と屋嘉比のお婆と一緒に山に入り厳しい修行を積む。

1390年 本部のハーン(攀安知)が奥間に来る。17歳

1391年 3月 山北王(帕尼芝)が奥間を攻めようとする。18歳
    4月 察度が武寧を総大将に任じて今帰仁グスクを攻め、帕尼芝が戦死し、珉が
    山北王になる。
    6月 山北王珉に美女を側室として贈る。
    帕尼芝を殺して戦死した山田按司の跡を継いだ若按司に側室を贈る。

1392年 1月 佐敷按司が隠居して、若按司のサハチが佐敷按司になる。19歳
    5月 察度が浦添按司を武寧に譲り、首里天閣に移る。
    浦添按司になった武寧にクマヌの娘トゥキを側室として贈る。
    7月 サハチの父東行法師がサハチの弟マサンルーを連れて奥間に来る。
    祖母の奥間ヌルと屋嘉比のお婆と一緒に浦添首里、佐敷を旅する。
    佐敷グスクでサハチの妻マチルギが娘たちに剣術を教えているのを見て驚き、
    サハチには会わずに去る。
    旅から帰り、山の中で厳しい修行を積み、神様の声が聞こえるようになる。
    アカマルのウタキの神様シチャラヌルは安須森から来たヌルらしいが詳しい事
    はわからない。
    9月 ウニタキが奥間に来て、3人の若者を連れて帰る。

1393年 クミがマサンルーの息子クジルーを産む。20歳
    東行法師(思紹)の娘ミサが生まれる。
    武寧の次男ンマムイがヤタルー師匠と一緒に奥間に来る。

1394年 1月 ヤザイムが佐敷按司の次男マサンルーと奥間鍛冶屋ヤキチの娘キクの婚礼
    に出るために佐敷に行く。21歳
    羽地按司に美女を側室として贈る。

1395年 3月 山北王珉が亡くなり、若按司のハーンが攀安知の名で山北王になる。22歳
    山北王攀安知にウクを側室として贈る。
    5月 長老(十代目奥間大主)が亡くなり、ヤザイムが跡を継ぐ。
    ヒューガが奥間に来て9歳のサタルーと会い、才能を見抜いて剣術を教える。
    10月 中山王察度が亡くなり、武寧が中山王になる。

1396年 祖母と屋嘉比のお婆と一緒に安須森に登る。23歳
    安慶名按司に側室を贈る。

1397年 サハチの祖父サミガー大主が奥間に来る。24歳
    8月 ミナ(シジマ)が祖母に連れられて国頭に行き、屋嘉比のお婆と会う。
    名護按司に美女を側室として贈る。

1398年 2月 宇座の御隠居(泰期)が亡くなる。25歳
    祖母の奥間ヌルが亡くなり、奥間ヌルを継ぐ。

1399年 ミナ(シジマ)の祖母が亡くなり、祖母に頼まれたサミガー大主はミナを預か
    り慶良間の島に連れて行く。26歳

1400年 3月 馬天ヌルが奥間に来て、ヒューガが奥間に鉄を運んで来る。27歳

1402年 2月 サハチが島添大里グスクを奪い取って島添大里按司になる。29歳
    3月 山南王になったシタルーにチヨを側室として贈る。
    10月 ヒューガの娘ユリを浦添の若按司カニムイの側室として贈る。

1404年 1月 サハチがヤキチと一緒にサタルーの婚礼のため奥間に来る。31歳
    婚礼の前夜、ようやく、マレビト神のサハチと結ばれる。
    婚礼の翌日、サハチをアカマルウタキに連れて行き、神様たちに祝福される。
    11月 サハチの娘ミワを産み、跡継ぎとサタルーのウナイ神ができたと喜ぶ。

1405年 1月 ナーサが37年振りに奥間に帰る。32歳
    サタルーの長男サハチが生まれる。
    5月 中グスク按司にマユミを側室として贈る。
    6月 越来按司に美女を側室として贈る。
    9月 勝連按司に美女を側室として贈る。
    11月 伊波按司に美女を側室として贈る。
    ナーサがウニタキと会い、奥間のためにサハチに従う事に決める。
    12月 ナーサがサハチと会い、龍だという事に納得する。

1406年 1月 サタルーが島添大里に行き、父のサハチと会い、馬天ヌルに頼んでサハチ
    の妻マチルギと会う。33歳
    2月 サハチが中山王武寧を倒して首里グスクを奪い取る。
    ウニタキが浦添グスクを焼き討ちにする。
    サハチが中山王の若按司カニムイが率いる中山軍を攻め滅ぼす。
    サハチが中グスク、越来グスクを攻め落とし、勝連と同盟を結ぶ。
    馬天ヌル、マチルギ、佐敷ヌル、フカマヌルが勝連のマジムンを退治する。
    サハチの父が思紹という名で中山王となる。
    武寧の側室だったトゥキが奥間に戻り、側室になる娘たちの指導をする。
    カニムイの側室だったユキが娘を連れて佐敷で暮らす。
    中グスク按司の側室だったマユミが奥間に戻る。
    3月 中山王思紹にユイを側室として贈る。
    4月 クマヌの息子のサンルーが裏の組織を作るため、ウニタキのもとで修行を
    する。
    今帰仁に「よろずや」ができる。
    9月 首里の遊女屋「宇久真」が完成し、ナーサが女将になる。
    マユミが「宇久真」の遊女になる。

1407年 1月 サハチがウニタキ、ファイチと一緒に進貢船に乗って明国に行く。34歳
    4月 馬天ヌルが奥間に来る。
    サタルーの長女マチルギが生まれる。
    7月 サハチたちが無事に帰国する。
    8月 張三豊、シンシン、サグルー、ササ、ジクー禅師が奥間に来て、一か月滞
    在する。
    ササとシンシンから武当拳を習う。
    サタルーたちは張三豊から指導を受ける。
    10月 八重瀬按司にミミを側室として贈る。
    11月 恩納按司と金武按司に側室を贈る。

1408年 4月 サンルーが南部から戻り、若い者たちを鍛えて「赤丸党」を作る。35歳

1409年 サタルーの次男クタルーが生まれる。36歳
    山北王にミサ(思紹の娘)を側室として贈る。
    11月 具足師の父クタルーが亡くなる。

1410年 1月 ササたちが奥間に来る。37歳
    4月 勝連按司になったサムに側室を贈る。
    6月 ナーサがマユミを連れて奥間に帰る。
    ンマムイがヤタルー師匠と一緒に奥間に来て、ナーサと会う。
    9月 母クダチが亡くなる。
    11月 サグルーとジルムイたちが奥間に来る。
    12月 サハチとウニタキが奥間に来る。サハチと6年振りに結ばれる。
    ミワが大きくなったら、いつか、旅に出るとサハチに言う。
    首里に来てもいいが、ミワの事はマチルギには内緒にしてくれとサハチが頼
    む。

1411年 5月 三王同盟。38歳
    11月 今帰仁に「まるずや」ができる。
    12月 サタルーが国頭按司の材木を運んで浮島に行く。

1412年 3月 中グスク按司を隠居したクマヌが山伏姿で奥間に来る。39歳
    中グスクでクマヌが亡くなる。
    4月 中グスク按司に側室を贈る。
    サハチの妹の佐敷ヌルがササたちと奥間に来る。
    同い年の佐敷ヌルと気が合い、佐敷ヌルたちと一緒に安須森に行く。
    佐敷ヌルたちと安須森に登り、佐敷ヌルによって安須森の封印が解かれる。
    サタルーがヤマトゥに行くため佐敷ヌルたちと一緒に首里に向かう。
    5月 アカマルウタキでお祈りをしてシチャラヌルが安須森ヌルの妹だとわか
    る。
    屋嘉比のお婆に呼ばれて船に乗ると、馬天ヌルがいて再会を喜ぶ。
    屋嘉比のお婆と一緒に安須森に登る。
    奥間に帰るとナーサとマユミが来ている。
    6月 馬天ヌルと一緒にウタキ巡りをして首里に行き、サハチの妻マチルギと会
    う。
    馬天ヌルと一緒にセーファウタキに行き、豊玉姫と会い、天孫氏だと言われ
    る。
    馬天ヌルが真玉添ヌルに就任する。
    セーファウタキから久高島に行き、フカマヌルと会う。
    久高島から島添大里グスクに行き、ユリと再会し、サスカサとシジマと会う。
    麦屋ヌル、東松田の若ヌル、カミーと一緒に、張三豊のもとで一か月の修行を
    積む。
    7月 一か月の修行が終わり、島添大里グスクに行きサハチと会う。
    神様の声が以前よりはっきりと聞こえるようになる。
    大きな台風が来て与那原に被害が出て、ヒューガの船に乗って奥間に帰る。

1413年 2月 サタルーがヤマトゥから帰り、佐敷ヌルとササたちを連れて来る。40歳
    佐敷ヌルたちと一緒に安須森に行く。
    安須森の神様から聞いて、身に付けていたシチャラヌルの勾玉が、アマン姫が
    スサノオから贈られた物だとわかる。
    サタルーが窯を造って焼き物を始める。
    7月 ミワを連れて、ヌルたちの安須森参詣に参加する。
    10月 山南王が殺されて南部で戦が始まり、サタルーが赤丸党を連れて島添大里
    に行く。

1414年 1月 佐敷ヌルがセーファウタキで安須森ヌルに就任する。41歳
    2月 玻名グスク落城して、奥間大親(ヤキチ)が玻名グスク按司になる。
    4月 南部の戦が終わり、サタルーが帰る。
    7月 ミワを連れて、ヌルたちの安須森参詣に参加する。
    安須森で玻名グスクヌルが神懸りになり、シヌクシヌルを継ぐ決心を固める。
    10月 ナーサが前山南王妃のトゥイを連れて奥間に来る。
    サタルーがトゥイを連れて今帰仁に行く。
    羽地按司に側室を贈る。
    12月 サタルーが他魯毎に贈る側室を連れ、国頭按司の材木を運んで浮島に行
    く。
1415年 5月 サタルーが南の島から帰って来るナナを迎えるために玻名グスクに行く。
    玻名グスクヌルが鍛冶屋のサキチと一緒に奥間に来る。
    若ヌルたちがササと一緒に南の島を探しに行ったと玻名グスクヌルから聞い
    て、ミワをササに預けようと決める。
    6月 玻名グスクヌルがミワを島添大里グスクに連れて行き、サハチが父親だと
    ばれる。
    ミワがササたちと一緒にヤマトゥに行く。
    名護按司に側室を贈る。
    7月 ヌルたちの安須森参詣に参加する。

1416年 1月 今帰仁から来た鍛冶屋から、山北王が奥間を攻めると知らされる。43歳
    アカマルのウタキに入って神様のお告げを聞く。
    サハチと一緒に過ごした時、琉球を統一するのが俺の夢だと言ったサハチの言
    葉を思い出し、サハチの夢に奥間の存亡を懸けようと決心を固める。
    村人たちを全員、避難させる。
    諸喜田大主が誰もいなくなった奥間村を焼き払う。
    サタルーに奥間村が炎上した噂を広めさせる。
    国頭の「まるずや」のタキが来て、必要に物を運んで来る。
    ウニタキと奥間大親が焼け跡を見て、村人たちが避難している辺土名に来る。
    ウニタキに奥間が各地に贈った側室たちの記録を見せる。
    奥間沖に中山王の交易船が来て、ササたちが辺土名に上陸してきて、神様みた
    いになったミワを見て驚く。
    ササたちが避難民たちの年寄り子供を浮島に連れて行く。
    ファイテとジルークが辺土名に来る。
    旅芸人たちが辺土名に来て避難民たちを励ます。
    3月 ミワを連れて屋嘉比のお婆に会いに行くとササたちが来ていて、ミワが
    再会を喜ぶ。
    お婆と一緒に酒を飲んで楽しい夜を過ごすが、翌朝、お婆は目覚める事なく亡
    くなる。
    お婆の葬儀に来た勢理客ヌルにササたちと一緒に追い出され、辺土名に帰る。
    奥間にグスクを築いていた諸喜田大主が撤収して、村人たちを連れて村に戻っ
    て歓声を上げる。
    4月 国頭按司に従って仲尾泊に行き、安須森ヌルたちと再会する。
    今帰仁に着いてクボーヌムイに行き、志慶真ヌルと一緒に戦勝祈願を行なう。
    サハチが外曲輪を攻め落とすが、勝連按司と越来按司が戦死して、安須森ヌル
    たちが外曲輪に行く。
    サグルーたちが志慶真曲輪を攻め落とす。
    志慶真村の志慶真ヌルの屋敷で休んでいると東松田の若ヌルが、山北王が御内
    原内にある霊石を真っ二つに斬ってしまう場面を見て、ヌルたちはクボーヌム
    イに行き、アキシノにその事を話すが、心配しなくても大丈夫とアキシノは言
    う。
    東松田の若ヌルが心配して、シンシン、ナナと一緒にササに会いに島添大里に
    行く。
    志慶真村の志慶真ヌルの屋敷にマチルギが現れたので驚く。
    大雨の中、マチルギと一緒に志慶真曲輪から二の曲輪に攻め込む。
    真っ二つにされた霊石の前でお祈りをするマチルギたちを守るために、安須森
    ヌルたちと一緒に刀を構えて取り囲む。
    雷が霊石に落ちて、地が揺れて物凄い音がしたかと思うと、割れていた霊石が
    ピタリと合わさってくっつく。
    安須森ヌルがアキシノに声を掛けると、「マチルギ、ありがとう」というアキ
    シノの声が聞こえたのでホッとする。
    サハチが来てマチルギを見て驚き、マチルギがアキシノの霊石を元に戻した
    とサスカサが説明する。
    マチルギと安須森ヌルと一緒に一の曲輪の御殿に行くとサハチがいて、一緒に
    御内原に行き、山北王妃と会う。
    今帰仁ヌルと勢理客ヌルとクーイの若ヌルの遺体をクボーヌムイに運んで埋葬
    する。
    御内原のウタキでお清めの儀式をして、御内原を再び男子禁制の聖地とする。
    マチルギ、志慶真ヌル、屋嘉比ヌル、東松田の若ヌルの四人がマジムン退治を
    して、かつて、滅ぼされてマジムンとなって彷徨っている歴代の今帰仁按司
    一族たちを封印する。
    戦で流れた多くの血を洗い流すかのように大雨が降り、稲妻が走って、雷鳴が
    鳴り響き、風も強くなり、ようやく雨がやんだかと思うと、静かに雪が降って
    くる。

山南王妃、トゥイの略歴(1363-1416)

1355年 1月 父察度が倭寇から贈られた高麗美人ウニョンを側室に迎える。

1356年 長兄フニムイ(武寧)が生まれる。母親は側室ウニョン。

1357年 次兄のカジムイ(米須按司)が生まれる。母親は側室チルー(米須按司の娘)。

1359年 三兄のフシムイ(越来按司)が生まれる。母親は側室チルー(米須按司の娘)。

1360年 姉のマティルマが生まれる。母は正妻マナビー(勝連按司の娘)。

1362年 正妻が亡くなり、長男を産んだウニョンが後妻になる。

1363年 浦添グスクで浦添按司察度の六女に生まれる。母は後妻のウニョン。1歳
    カジムイが米須按司の養子になって米須に行く。

1364年 弟のシュームイ(瀬長按司)が生まれる。母は側室の北谷按司の娘。2歳

1371年 八重瀬按司の娘ウシが兄のフニムイに嫁ぐ。ウシの侍女ナーサも来る。9歳

1372年 父が明国との進貢を始め、中山王になる。母が王妃になる。10歳
    10月 叔父の小禄按司(泰期)が使者として明国に行く。

1373年 5月 叔父が帰国する。11歳
    父と一緒に浮島に行き、父がウミンチュたちに慕われているのを見る。
    下の者を決して見下してはならない。大切にしろと教わる。
    フニムイの長女、ウニョンが生まれる。本当の母親はナーサ。

1375年 12月 父が今帰仁按司と同盟を結び、今帰仁按司の三女マアミが兄のフシムイ
    に嫁いで来る。13歳

1376年 5月 姉のマティルマが今帰仁按司の三男永良部按司に嫁ぐ。14歳

1377年 7月 叔父が読谷山宇座で馬の飼育を始める。15歳
      宇座の牧場で馬術を習う。

1378年 八重瀬按司汪英紫)の次男シタルーに嫁いで、新グスクに入る。16歳

1379年 兄のフシムイが越来按司になる。17歳

1380年 3月 義父汪英紫が島添大里グスクを攻め取り、島添大里按司になる。18歳
    義兄のタブチが八重瀬按司になり、シタルーと一緒に島添大里グスクに移る。
    長女マアサが生まれる。
    10月 島尻大里按司が明国に進貢して、山南王になる。

1382年 次女マナビー(豊見グスクヌル)が生まれる。20歳
    10月 今帰仁按司が明国に進貢して、山北王になる。

1385年 2月 大グスクを攻め取り、シタルーが大グスク按司になる。23歳
    長男タルムイが生まれる。

1386年 長女マアサが病死する。24歳

1388年 三女ウミトゥクが生まれる。26歳
    6月 フニムイの長女ウニョンが勝連按司の三男ウニタキに嫁ぐ。

1389年 4月 豊見グスクを築き、シタルーが豊見グスク按司になる。27歳
    5月 父察度が高麗に使者を遣わし、倭寇に捕らえられた高麗人を送り返す。
    次男ジャナムイが生まれる。

1390年 9月 四女マジニが生まれる。28歳

1391年 4月 今帰仁合戦。29歳
    シタルーは佐敷按司と一緒に名護グスクを押さえ、義父汪英紫は水軍の大将と
    して活躍し、義兄タブチは今帰仁攻めで活躍する。
    山北王帕尼芝が戦死して、珉が山北王になる。

1392年 1月 佐敷按司が隠居して、若按司のサハチが按司になる。30歳
    5月 父察度が浦添按司をフニムイに譲り、首里天閣に移る。
    ナーサが浦添グスクの御内原の侍女の頭になる。
    8月 姪のウニョンとウニタキが山賊に襲撃されて亡くなる。
    10月 シタルーが従弟のサングルミーと一緒に明国に留学する。

1393年 1月 次女マナビーがヌルの修行のために島添大里グスクに行く。31歳
    7月 三男グルムイが生まれる。
    10月 父察度が山北王珉と同盟する。

1394年 3月 甥のンマムイが山北王珉の娘マハニを妻に迎え、姪のマアサが今帰仁に嫁
    ぐ。32歳
    浦添グスクの婚礼後の祝宴の最中に山南王が武寧の側室、高麗美人セヨンを盗
    み出す。
    5月 義父汪英紫が島尻大里グスクを攻め落として山南王になる。

1395年 2月 甥のンマムイが進貢船に乗って明国に行く。33歳
    3月 山北王珉が亡くなり、若按司攀安知が山北王になる。
    7月 シタルーが明国から帰国する。
    10月 父察度(75)が亡くなり、兄のフニムイが武寧の名で中山王になる。
    シタルーが国吉大親の妹サラを側室に迎える。

1396年 5月 シタルーが国場川でハーリーを催す。34歳
    側室サラ(国吉大親の妹)が五女マアサを産む。

1397年 3月 甥のイシムイと玉グスク按司の娘ウニタルの婚礼が浦添グスクで行なわ
    れ、琉球中の按司が集まる。35歳
    側室サラが四男シルムイを産む。
    シタルーが瀬長按司から側室ミミを贈られる。

1398年 1月 マナビーが豊見グスクヌルになる。36歳
    2月 叔父の宇座の御隠居(泰期)が亡くなる。
    7月 台風で首里天閣が倒壊する。
    側室ミミが六女マカマドゥを産む。

1399年 側室サラが七女マチルーを産む。37歳

1400年 8月 訪ねて来た唐人ファイチ(懐機)をシタルーが歓迎する。38歳

1401年 3月 母ウニョン(63)が亡くなる。39歳
    11月 義父の山南王が亡くなり、シタルーとタブチと家督争いが始まる。
    12月 豊見グスクがタブチの兵に包囲される。

1402年 1月 シタルーがタブチに勝って山南王になり、島尻大里グスクに移って、王妃
    になる。40歳
    佐敷按司(サハチ)が義弟のヤフスを殺し、島添大里按司になる。
    中程大親が負傷して、シタルーの護衛役を引退し、子供たちに読み書きを教え
    る。
    シタルーが豊見グスク城下の南風原の娘マーチを側室に迎える。
    奥間からシタルーに側室チヨが贈られる。
    シタルーが石屋のテハに情報集めをするように命じる。
    4月 サハチと同盟を結び、長男タルムイがサハチの妹マチルーを妻に迎え、豊
    見グスク按司になる。
    12月 シタルーが山南王世子汪応祖として進貢船を明国に送る。
    側室チヨが八女ママチーを産む。

1403年 1月 三女のウミトゥクがサハチの弟クルーに嫁ぐ。41歳
    5月 シタルーが義兄の武寧と相談しながら、首里にグスクを造り始める。
    6月 進貢船が帰国する。
    山南王の家臣たちには帰国祝いの宴があるが、船乗りたちにはなく、照屋大親
    がねぎらっていた。それを知って、侍女たちを引き連れて糸満港に行き、船乗
    りたちを慰労する。
    座波ヌルが五男ルクルーを産む。
    座波ヌルを調べるように石屋のテハに頼む。
    8月 明国から使者が来て、来年、冊封使が来る事を伝える。
    シタルーと武寧が首里のグスクで冊封の儀式をする事に決め、それにふさわし
    い会場造りに変更する。
    側室マーチが六男シチルーを産む。
    閏10月 明国からの使者が帰る。

1404年 4月 明国から初めて冊封使が来る。42歳
    5月 シタルーがハーリーに冊封使たちを招待する。
    武寧が首里の宮殿で冊封を受け、正式に中山王となる。
    6月 シタルーが首里の宮殿で冊封を受け、正式に山南王となる。
    首里の宮殿を増築して、首里グスクにするための工事が再開される。
    11月 冊封使が帰国する。
    船乗りたちの慰労の屋敷を糸満湊に建てる。
    慶良間から来た船乗りたちは粗末な小屋で寝泊まりしていたので、寝泊まりが
    でき、宴会もできる大きな屋敷を建てる。いつしか「トゥイ御殿」と呼ばれる
    ようになる。
    シタルーが兄武寧を探るため、中程大親の娘アミーを武寧の側室にする。

1405年 2月 進貢船に乗って長男タルムイが明国に行く。43歳
    3月 次男のジャナムイに中グスクの娘ナチが嫁いで来る。
    婚礼に南部の按司たちが集まる。
    座波ヌルが七男ハチルーを産む。
    7月 大きな台風が来て、首里グスクの石垣が倒壊する。

1406年 1月 中山王武寧と八重瀬按司(タブチ)が同盟する。44歳
    首里グスクが完成する。
    シタルーがヤンバルの材木屋から側室カヤを贈られる。
    2月 武寧とタブチの兵に島尻大里グスクを包囲される。
    兄の武寧が殺され、首里グスクをサハチに奪われる。
    サハチが浦添グスクを焼き払う。
    首里グスクでサハチの父が思紹の名で中山王になる。
    アミーが戻り、シタルーの命令で武寧を殺したと聞いて驚く。
    4月 シタルーがサハチと改めて同盟を結ぶ。
    6月 シタルーが中山王に側室チタを贈る。
    中山王からシタルーに側室マクムが贈られる。

1407年 1月 アミーが娘たちを鍛えるため粟島(粟国島)に行く。45歳
    義兄タブチが中山王の進貢船に乗って、サハチと一緒に明国に行く。
    シタルーが兼グスク按司(ンマムイ)と瀬長按司と改めて同盟を結ぶ。
    李仲が伊敷の南にグスクを築き、李仲按司を名乗る。
    シタルーがタブチの留守に米須按司、具志頭按司、真壁按司、伊敷按司を寝返
    らせる。
    6月 シタルーが粟島に行っている留守にテハが側室マクムに手を出し、テハの
    弱みを握る。
    7月 中山王の進貢船が帰り、サハチとタブチが帰国する。
    パレンバンの船に乗って張三豊が琉球に来る。
    8月 李仲按司が連れて来た張三豊をシタルーが歓迎する。
    側室カヤが九女マカミーを産む。
    10月 四女マジニが承察度の六男クルクに嫁ぐ。
    シタルーの母が八重瀬で亡くなるが、シタルーは葬儀に参加せず。

1408年 1月 進貢船に乗って次男ジャナムイが明国に行く。46歳
    アミーの妹ユーナが島添大里の女子サムレーになる。
    側室マクムが十女マアミを産む。
    3月 甥のイシムイが久高島に行く中山王思紹を襲撃するが失敗する。
    5月 ハーリーにサハチと一緒に来た張三豊と出会ったンマムイが、サハチの襲
    撃をやめて島添大里に行く。
    6月 シタルーが長嶺グスクを築き始める。
    側室サラが八男クルーを産む。

1409年 2月 進貢船に乗って娘婿クルクが明国に行く。47歳
    閏3月 五女マアサが具志頭按司の若按司に嫁ぐ。
    4月 サハチがンマムイを連れてヤマトゥに行く。
    5月 ハーリーに思紹が来て、中山王の龍舟が参加する。
    9月 台風が来て、帰国した進貢船が座礁する。
    10月 具志頭按司が亡くなり、娘婿の若按司按司になる。
    長嶺グスクが完成し、娘婿のクルクを長嶺按司にする。
    11月 具志頭按司がタブチに殺され、ヤフスの息子が具志頭按司になる。
    戦死した具志頭按司の妻マアサが島尻大里に戻って来る。
    首里グスクの高楼が完成する。
    12月 サハチがパレンバンの船を連れて帰国する。

1410年 1月 マアサがンマムイの阿波根グスクに通って武芸を習う。48歳
    3月 宇座按司の娘マジニがサハチの甥シタルーに嫁ぐ。
    中山王思紹が張三豊と明国に行く。
    4月 中山王がヤマトゥと朝鮮に使者を送る。
    6月 シタルーが山北王と同盟を結ぶために、ンマムイを使者として今帰仁に送
    る。
    7月 シタルーが、ヤンバルの山中でンマムイの家族を暗殺して、中山王の仕業
    にしようと企むが失敗する。
    8月 山北王との同盟が決まる。
    山北王の若按司ミンと婚約した八女ママチーと母親チヨが今帰仁に行く。
    10月 米須按司、玻名グスク按司が寝返り、中山王の進貢船に乗って明国に行
    く。
    三男グルムイが山北王の長女マサキを妻に迎える。
    シタルーが阿波根グスクを襲撃して、ンマムイ夫婦の暗殺を企むが失敗する。
    ンマムイが出て行った阿波根グスクに次男ジャナムイが入り兼グスク按司にな
    る。
    中山王思紹が張三豊と帰国する。

1411年 1月 マーサが女子サムレーにするために3人の娘を鍛える。49歳
    4月 保栄茂グスクが完成して、三男グルムイが保栄茂按司になる。
    5月 ハーリーに山北王の龍舟が参加し、中山王は参加しない。
    山北王が伊是名島を攻めるが中止して、中山王と同盟を結ぶ。
    シタルーがサハチと会って山南王と中山王の同盟を決め、三王同盟となる。
    シタルーがサハチとタブチに側室を贈ると、タブチから側室カニーが贈られ、
    サハチから側室マフニが贈られる。
    9月 サハチがタブチを中山王の正使に任命する。
    11月 タブチが正使を務める中山王の進貢船に隠居した真壁按司と伊敷按司が乗
    っていく。
    閏12月 進貢船に乗って三男グルムイが明国に行く。

1412年 2月 首里グスクでサハチの四男チューマチと山北王の次女マナビーの婚礼が盛
    大に行なわれる。50歳
    4月 シタルーの姉ウシが八重瀬で亡くなるが、シタルーは葬儀に行かない。
    5月 ハーリーに三王の船が揃う。
    6月 六女マカマドゥが真壁の若按司に嫁ぐ。
    娘の豊見グスクヌルが馬天ヌルと一緒に南部を旅する。
    9月 シタルーが父親の夢を見てうなされるようになる。
    11月 タブチが正使を務める中山王の進貢船に米須按司、玻名グスク按司、山グ
    スク大主、ナーグスク大主が乗っていく。
    シタルーがサハチの暗殺に失敗し、アニーとユーナの姉妹が戦死する。

1413年 2月 長嶺按司の妻マジニが双子の娘を産む。51歳
    4月 進貢船の正使として李仲按司が明国に行く。
    7月 馬天ヌルの安須森参詣に南部のヌルたちも参加する。
    兄の米須按司が隠居して摩文仁大主を名乗る。
    中グスク按司の娘が米須の若按司に嫁ぐ。
    10月 シタルーがタブチの息子チヌムイに殺され、タブチがシタルーの遺体を運
    んで島尻大里グスクに来る。
    タブチが重臣たちに押されて山南王になる。
    王印を持って豊見グスクに逃げ、息子たちにシタルーの死を告げる。
    兼グスク按司(ジャナムイ)と長嶺按司が八重瀬グスクを攻める。
    タルムイが兵を率いて島尻大里グスクに行き、シタルーの遺体を引き取る。
    豊見グスクでシタルーの葬儀を行なう。
    戦に介入しないように、中山王に書状を送り、本部のテーラーに書状を持たせ
    て今帰仁に送る。
    タルムイが照屋グスク、糸満グスク、大グスクを攻め、タブチが阿波根グス
    ク、保栄茂グスクを攻める。タブチに従った東方の按司たちが長嶺グスクを
    攻める。
    11月 照屋大親のお陰で明国から帰国した山南王の進貢船を手に入れる。
    正使として明国に行った李仲按司が帰って来て、タルムイの軍師になる。
    タブチの兵が豊見グスクに攻めて来るが待ち構えて追い払い、追撃して多数の
    兵を討ち取る。
    タブチとチヌムイが八重瀬グスクで戦死し、兄の摩文仁(前米須按司)が山南
    王になる。
    八重瀬グスクを攻め落としたサハチが弟の与那原大親を八重瀬按司にする。
    サハチが具志頭グスクを攻め取り、息子のイハチを具志頭按司にする。
    12月 サハチが玻名グスクを攻める。
    甥のイシムイが賀数グスクを奪い捕り、賀数按司を名乗る。
    テーラーが李仲按司と相談して、豊見グスクと保栄茂グスクの中程にある山の
    上にグスクを築き始める。

1414年 1月 山南王妃をマチルーに譲り、タルムイに王印を渡す。52歳
    宅間之子が訪ねて来て、シタルーに頼まれていた「山南志」と抜け穴の図を持
    ってくる。
    李仲按司が抜け穴の出口を塞ぎ、敵の按司たちを島尻大里グスクに閉じ込め
    る。
    タルムイが総攻撃を掛けて島尻大里グスクを包囲する。
    新年の挨拶に来たウミトゥクと一緒に手登根グスクに行く。
    手登根グスクに来た思紹と会い、中山王が戦に介入する事を許す。
    ウミトゥクと一緒に島添大里グスクに行ってユーナと会い、ユーナを豊見グス
    クに連れて行き父親と会わせる。
    山グスク按司が総攻撃を掛け、島尻大里グスク内にいた按司たちを外に出す。
    山北王の兵300人が糸満の港から上陸して、保栄茂グスクの北西にある座安森
    と呼ばれる山の上に本陣を敷く。
    山北王の兵が島尻大里グスク攻めに加わる。
    真栄里按司と新垣按司がタルムイに降伏する。
    2月 島添大里按司が玻名グスクを攻め落とし、家臣の奥間大親を玻名グスク按
    司にする。
    3月 他魯毎と山北王の兵に攻められて島尻大里グスクが落城し、摩文仁が戦死
    する。
    島尻大里グスクで与座按司、真壁按司摩文仁按司、伊敷按司、新垣大親、真
    栄里大親、真壁之子、新垣之子の八人が処刑される。
    島尻大里グスクで山南王就任の儀式が行なわれ、タルムイは他魯毎の名で山南
    王になる。
    次男の兼グスク按司が豊見グスク按司になり、四男のシルムイが阿波根グスク
    に入り、阿波根按司になる。
    伊敷グスクは李仲按司が管理し、山北王の兵たちが夏まで滞在する。
    サハチが山グスクを攻め落とす。
    4月 喜屋武ヌルになった前島尻大里ヌルが玻名グスクヌルと一緒に戦死した兵
    たちを供養して回る。
    5月 伊敷グスクにいた山北王の兵たちが今帰仁に帰る。
    6月 手登根グスクのお祭りに行き、サハチと会い、ナーサの事を聞く。
    7月 首里の遊女屋「宇久真」に行き、ナーサと再会して、一緒に奥間に行く約
    束をする。
    10月 シタルーの一周忌。
    ナーサと一緒にヤンバルの旅に出る。
    勝連の浜川泊で、ナーサから姪のウニョンの実の母親がナーサだと聞いて驚
    き、ウニョンの夫だった浜川大親は生きていて、ウニタキだと聞いて、さらに
    驚く。
    恩納岳の木地屋の屋敷に泊まり、奥間の長老の跡継ぎがサハチの息子だとナー
    サから聞いて驚く。
    奥間に着き、長老の妻サクラが、父が奥間に来て、奥間の娘に生ませた姉だと
    聞いて驚く。
    サタルーと会い、サハチがヤマトゥの将軍と会ったと聞いて驚く。
    今帰仁に行き、研ぎ師のミヌキチと会い、マチルギが敵討ちのために武芸に励
    んでいた事を知る。
    ミヌキチの娘婿の兼次大主の案内で今帰仁グスクに入り、山北王の若按司と婚
    約したママチーと母親のチヨと再会する。
    山北王妃のマアサと再会し、姉のマティルマと義姉のマアミと涙の再会をす
    る。
    山北王は留守で、湧川大主と若按司のミンと会う。
    11月 今帰仁を去り、宇座の牧場に寄り、宇座按司から叔父(泰期)とサハチの
    関係を聞いて驚く。
    12月 手登根グスクに行き、ウミトゥクのお産を助ける。
    山北王の若按司ミンが婚約者のママチーを連れて島尻大里グスクに来て歓迎さ
    れ、ミンは山南王の世子となる。
    他魯毎はミンの婿入りを記念して、糸満川を婿入り川(報得川)と命名する。
    島尻大里ヌルがマレビト神と出会った事を喜ぶが、島尻大里ヌルはマガーチと
    いう名前しか知らない。

1415年 1月 島添大里グスクに島尻大里ヌルを連れて新年の挨拶に行き、サハチからマ
    ガーチの事を聞き、苗代大親の息子だと聞いて安心する。53歳
    サハチから宇座の叔父の事を聞き、叔父の息子のクグルーの事も聞く。
    2月 島尻大里グスクでお祭りをする事に決め、島添大里グスクのお祭りを参考
    にするために、島尻大里ヌルと一緒に見に行く。
    四男シルムイ(阿波根按司)が糸数按司の娘マクミを妻に迎える。
    3月 ナーサと一緒に思紹を訪ねて、ヤマトゥ旅に行かせてくれと頼み、思紹は
    承諾する。
    5月 豊見グスクのハーリーでマガーチが乗った中山王の龍舟が優勝する。
    島尻大里グスクで初めてのお祭りが行なわれ、城下の人たちに喜ばれる。
    冊封使の事は他魯毎とマチルーに任せ、中山王の交易船に乗って、ナーサと一
    緒にヤマトゥに行く。
    6月 博多に着き、博多見物をしてから一文字屋の船に乗って京都に行く。
    7月 京都に着き、ヤマトゥの着物を着て、都見物を楽しむ。
    9月 ササたちが京都に来て、ササたちは御台所様と一緒に四国に行く。
    10月 京都を去り、ササたちと一緒に一文字屋の船に乗って、大三島に行く。
    11月 ササたちと一緒に対馬に行く。
    12月 対馬で雪を見て感激する。

1416年 1月 交易船に乗って琉球に帰る。54歳
    島尻大里ヌルが産んだ娘マトゥイと会い、跡継ぎができてよかったと喜ぶ。
    2月 山南王妃マチルーと一緒に島添大里グスクのお祭りに行く。
    3月 母ウニョンを偲ぶと称して子供たちを集め、保栄茂按司の家族を島尻大里
    グスクで保護する。
    4月 波平大主が山南王の兵を率いて総大将のサハチと一緒に今帰仁に出陣し、
    水軍も出陣する。