長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部は山北王の攀安知を倒すまでの活躍です。お楽しみください。

山南王妃、トゥイの略歴(1363-1416)

1355年 1月 父察度が倭寇から贈られた高麗美人ウニョンを側室に迎える。

1356年 長兄フニムイ(武寧)が生まれる。母親は側室ウニョン。

1357年 次兄のカジムイ(米須按司)が生まれる。母親は側室チルー(米須按司の娘)。

1359年 三兄のフシムイ(越来按司)が生まれる。母親は側室チルー(米須按司の娘)。

1360年 姉のマティルマが生まれる。母は正妻マナビー(勝連按司の娘)。

1362年 正妻が亡くなり、長男を産んだウニョンが後妻になる。

1363年 浦添グスクで浦添按司察度の六女に生まれる。母は後妻のウニョン。1歳
    カジムイが米須按司の養子になって米須に行く。

1364年 弟のシュームイ(瀬長按司)が生まれる。母は側室の北谷按司の娘。2歳

1371年 八重瀬按司の娘ウシが兄のフニムイに嫁ぐ。ウシの侍女ナーサも来る。9歳

1372年 父が明国との進貢を始め、中山王になる。母が王妃になる。10歳
    10月 叔父の小禄按司(泰期)が使者として明国に行く。

1373年 5月 叔父が帰国する。11歳
    父と一緒に浮島に行き、父がウミンチュたちに慕われているのを見る。
    下の者を決して見下してはならない。大切にしろと教わる。
    フニムイの長女、ウニョンが生まれる。本当の母親はナーサ。

1375年 12月 父が今帰仁按司と同盟を結び、今帰仁按司の三女マアミが兄のフシムイ
    に嫁いで来る。13歳

1376年 5月 姉のマティルマが今帰仁按司の三男永良部按司に嫁ぐ。14歳

1377年 7月 叔父が読谷山宇座で馬の飼育を始める。15歳
      宇座の牧場で馬術を習う。

1378年 八重瀬按司汪英紫)の次男シタルーに嫁いで、新グスクに入る。16歳

1379年 兄のフシムイが越来按司になる。17歳

1380年 3月 義父汪英紫が島添大里グスクを攻め取り、島添大里按司になる。18歳
    義兄のタブチが八重瀬按司になり、シタルーと一緒に島添大里グスクに移る。
    長女マアサが生まれる。
    10月 島尻大里按司が明国に進貢して、山南王になる。

1382年 次女マナビー(豊見グスクヌル)が生まれる。20歳
    10月 今帰仁按司が明国に進貢して、山北王になる。

1385年 2月 大グスクを攻め取り、シタルーが大グスク按司になる。23歳
    長男タルムイが生まれる。

1386年 長女マアサが病死する。24歳

1388年 三女ウミトゥクが生まれる。26歳
    6月 フニムイの長女ウニョンが勝連按司の三男ウニタキに嫁ぐ。

1389年 4月 豊見グスクを築き、シタルーが豊見グスク按司になる。27歳
    5月 父察度が高麗に使者を遣わし、倭寇に捕らえられた高麗人を送り返す。
    次男ジャナムイが生まれる。

1390年 9月 四女マジニが生まれる。28歳

1391年 4月 今帰仁合戦。29歳
    シタルーは佐敷按司と一緒に名護グスクを押さえ、義父汪英紫は水軍の大将と
    して活躍し、義兄タブチは今帰仁攻めで活躍する。
    山北王帕尼芝が戦死して、珉が山北王になる。

1392年 1月 佐敷按司が隠居して、若按司のサハチが按司になる。30歳
    5月 父察度が浦添按司をフニムイに譲り、首里天閣に移る。
    ナーサが浦添グスクの御内原の侍女の頭になる。
    8月 姪のウニョンとウニタキが山賊に襲撃されて亡くなる。
    10月 シタルーが従弟のサングルミーと一緒に明国に留学する。

1393年 1月 次女マナビーがヌルの修行のために島添大里グスクに行く。31歳
    7月 三男グルムイが生まれる。
    10月 父察度が山北王珉と同盟する。

1394年 3月 甥のンマムイが山北王珉の娘マハニを妻に迎え、姪のマアサが今帰仁に嫁
    ぐ。32歳
    浦添グスクの婚礼後の祝宴の最中に山南王が武寧の側室、高麗美人セヨンを盗
    み出す。
    5月 義父汪英紫が島尻大里グスクを攻め落として山南王になる。

1395年 2月 甥のンマムイが進貢船に乗って明国に行く。33歳
    3月 山北王珉が亡くなり、若按司攀安知が山北王になる。
    7月 シタルーが明国から帰国する。
    10月 父察度(75)が亡くなり、兄のフニムイが武寧の名で中山王になる。
    シタルーが国吉大親の妹サラを側室に迎える。

1396年 5月 シタルーが国場川でハーリーを催す。34歳
    側室サラ(国吉大親の妹)が五女マアサを産む。

1397年 3月 甥のイシムイと玉グスク按司の娘ウニタルの婚礼が浦添グスクで行なわ
    れ、琉球中の按司が集まる。35歳
    側室サラが四男シルムイを産む。
    シタルーが瀬長按司から側室ミミを贈られる。

1398年 1月 マナビーが豊見グスクヌルになる。36歳
    2月 叔父の宇座の御隠居(泰期)が亡くなる。
    7月 台風で首里天閣が倒壊する。
    側室ミミが六女マカマドゥを産む。

1399年 側室サラが七女マチルーを産む。37歳

1400年 8月 訪ねて来た唐人ファイチ(懐機)をシタルーが歓迎する。38歳

1401年 3月 母ウニョン(63)が亡くなる。39歳
    11月 義父の山南王が亡くなり、シタルーとタブチと家督争いが始まる。
    12月 豊見グスクがタブチの兵に包囲される。

1402年 1月 シタルーがタブチに勝って山南王になり、島尻大里グスクに移って、王妃
    になる。40歳
    佐敷按司(サハチ)が義弟のヤフスを殺し、島添大里按司になる。
    中程大親が負傷して、シタルーの護衛役を引退し、子供たちに読み書きを教え
    る。
    シタルーが豊見グスク城下の南風原の娘マーチを側室に迎える。
    奥間からシタルーに側室チヨが贈られる。
    シタルーが石屋のテハに情報集めをするように命じる。
    4月 サハチと同盟を結び、長男タルムイがサハチの妹マチルーを妻に迎え、豊
    見グスク按司になる。
    12月 シタルーが山南王世子汪応祖として進貢船を明国に送る。
    側室チヨが八女ママチーを産む。

1403年 1月 三女のウミトゥクがサハチの弟クルーに嫁ぐ。41歳
    5月 シタルーが義兄の武寧と相談しながら、首里にグスクを造り始める。
    6月 進貢船が帰国する。
    山南王の家臣たちには帰国祝いの宴があるが、船乗りたちにはなく、照屋大親
    がねぎらっていた。それを知って、侍女たちを引き連れて糸満港に行き、船乗
    りたちを慰労する。
    座波ヌルが五男ルクルーを産む。
    座波ヌルを調べるように石屋のテハに頼む。
    8月 明国から使者が来て、来年、冊封使が来る事を伝える。
    シタルーと武寧が首里のグスクで冊封の儀式をする事に決め、それにふさわし
    い会場造りに変更する。
    側室マーチが六男シチルーを産む。
    閏10月 明国からの使者が帰る。

1404年 4月 明国から初めて冊封使が来る。42歳
    5月 シタルーがハーリーに冊封使たちを招待する。
    武寧が首里の宮殿で冊封を受け、正式に中山王となる。
    6月 シタルーが首里の宮殿で冊封を受け、正式に山南王となる。
    首里の宮殿を増築して、首里グスクにするための工事が再開される。
    11月 冊封使が帰国する。
    船乗りたちの慰労の屋敷を糸満湊に建てる。
    慶良間から来た船乗りたちは粗末な小屋で寝泊まりしていたので、寝泊まりが
    でき、宴会もできる大きな屋敷を建てる。いつしか「トゥイ御殿」と呼ばれる
    ようになる。
    シタルーが兄武寧を探るため、中程大親の娘アミーを武寧の側室にする。

1405年 2月 進貢船に乗って長男タルムイが明国に行く。43歳
    3月 次男のジャナムイに中グスクの娘ナチが嫁いで来る。
    婚礼に南部の按司たちが集まる。
    座波ヌルが七男ハチルーを産む。
    7月 大きな台風が来て、首里グスクの石垣が倒壊する。

1406年 1月 中山王武寧と八重瀬按司(タブチ)が同盟する。44歳
    首里グスクが完成する。
    シタルーがヤンバルの材木屋から側室カヤを贈られる。
    2月 武寧とタブチの兵に島尻大里グスクを包囲される。
    兄の武寧が殺され、首里グスクをサハチに奪われる。
    サハチが浦添グスクを焼き払う。
    首里グスクでサハチの父が思紹の名で中山王になる。
    アミーが戻り、シタルーの命令で武寧を殺したと聞いて驚く。
    4月 シタルーがサハチと改めて同盟を結ぶ。
    6月 シタルーが中山王に側室チタを贈る。
    中山王からシタルーに側室マクムが贈られる。

1407年 1月 アミーが娘たちを鍛えるため粟島(粟国島)に行く。45歳
    義兄タブチが中山王の進貢船に乗って、サハチと一緒に明国に行く。
    シタルーが兼グスク按司(ンマムイ)と瀬長按司と改めて同盟を結ぶ。
    李仲が伊敷の南にグスクを築き、李仲按司を名乗る。
    シタルーがタブチの留守に米須按司、具志頭按司、真壁按司、伊敷按司を寝返
    らせる。
    6月 シタルーが粟島に行っている留守にテハが側室マクムに手を出し、テハの
    弱みを握る。
    7月 中山王の進貢船が帰り、サハチとタブチが帰国する。
    パレンバンの船に乗って張三豊が琉球に来る。
    8月 李仲按司が連れて来た張三豊をシタルーが歓迎する。
    側室カヤが九女マカミーを産む。
    10月 四女マジニが承察度の六男クルクに嫁ぐ。
    シタルーの母が八重瀬で亡くなるが、シタルーは葬儀に参加せず。

1408年 1月 進貢船に乗って次男ジャナムイが明国に行く。46歳
    アミーの妹ユーナが島添大里の女子サムレーになる。
    側室マクムが十女マアミを産む。
    3月 甥のイシムイが久高島に行く中山王思紹を襲撃するが失敗する。
    5月 ハーリーにサハチと一緒に来た張三豊と出会ったンマムイが、サハチの襲
    撃をやめて島添大里に行く。
    6月 シタルーが長嶺グスクを築き始める。
    側室サラが八男クルーを産む。

1409年 2月 進貢船に乗って娘婿クルクが明国に行く。47歳
    閏3月 五女マアサが具志頭按司の若按司に嫁ぐ。
    4月 サハチがンマムイを連れてヤマトゥに行く。
    5月 ハーリーに思紹が来て、中山王の龍舟が参加する。
    9月 台風が来て、帰国した進貢船が座礁する。
    10月 具志頭按司が亡くなり、娘婿の若按司按司になる。
    長嶺グスクが完成し、娘婿のクルクを長嶺按司にする。
    11月 具志頭按司がタブチに殺され、ヤフスの息子が具志頭按司になる。
    戦死した具志頭按司の妻マアサが島尻大里に戻って来る。
    首里グスクの高楼が完成する。
    12月 サハチがパレンバンの船を連れて帰国する。

1410年 1月 マアサがンマムイの阿波根グスクに通って武芸を習う。48歳
    3月 宇座按司の娘マジニがサハチの甥シタルーに嫁ぐ。
    中山王思紹が張三豊と明国に行く。
    4月 中山王がヤマトゥと朝鮮に使者を送る。
    6月 シタルーが山北王と同盟を結ぶために、ンマムイを使者として今帰仁に送
    る。
    7月 シタルーが、ヤンバルの山中でンマムイの家族を暗殺して、中山王の仕業
    にしようと企むが失敗する。
    8月 山北王との同盟が決まる。
    山北王の若按司ミンと婚約した八女ママチーと母親チヨが今帰仁に行く。
    10月 米須按司、玻名グスク按司が寝返り、中山王の進貢船に乗って明国に行
    く。
    三男グルムイが山北王の長女マサキを妻に迎える。
    シタルーが阿波根グスクを襲撃して、ンマムイ夫婦の暗殺を企むが失敗する。
    ンマムイが出て行った阿波根グスクに次男ジャナムイが入り兼グスク按司にな
    る。
    中山王思紹が張三豊と帰国する。

1411年 1月 マーサが女子サムレーにするために3人の娘を鍛える。49歳
    4月 保栄茂グスクが完成して、三男グルムイが保栄茂按司になる。
    5月 ハーリーに山北王の龍舟が参加し、中山王は参加しない。
    山北王が伊是名島を攻めるが中止して、中山王と同盟を結ぶ。
    シタルーがサハチと会って山南王と中山王の同盟を決め、三王同盟となる。
    シタルーがサハチとタブチに側室を贈ると、タブチから側室カニーが贈られ、
    サハチから側室マフニが贈られる。
    9月 サハチがタブチを中山王の正使に任命する。
    11月 タブチが正使を務める中山王の進貢船に隠居した真壁按司と伊敷按司が乗
    っていく。
    閏12月 進貢船に乗って三男グルムイが明国に行く。

1412年 2月 首里グスクでサハチの四男チューマチと山北王の次女マナビーの婚礼が盛
    大に行なわれる。50歳
    4月 シタルーの姉ウシが八重瀬で亡くなるが、シタルーは葬儀に行かない。
    5月 ハーリーに三王の船が揃う。
    6月 六女マカマドゥが真壁の若按司に嫁ぐ。
    娘の豊見グスクヌルが馬天ヌルと一緒に南部を旅する。
    9月 シタルーが父親の夢を見てうなされるようになる。
    11月 タブチが正使を務める中山王の進貢船に米須按司、玻名グスク按司、山グ
    スク大主、ナーグスク大主が乗っていく。
    シタルーがサハチの暗殺に失敗し、アニーとユーナの姉妹が戦死する。

1413年 2月 長嶺按司の妻マジニが双子の娘を産む。51歳
    4月 進貢船の正使として李仲按司が明国に行く。
    7月 馬天ヌルの安須森参詣に南部のヌルたちも参加する。
    兄の米須按司が隠居して摩文仁大主を名乗る。
    中グスク按司の娘が米須の若按司に嫁ぐ。
    10月 シタルーがタブチの息子チヌムイに殺され、タブチがシタルーの遺体を運
    んで島尻大里グスクに来る。
    タブチが重臣たちに押されて山南王になる。
    王印を持って豊見グスクに逃げ、息子たちにシタルーの死を告げる。
    兼グスク按司(ジャナムイ)と長嶺按司が八重瀬グスクを攻める。
    タルムイが兵を率いて島尻大里グスクに行き、シタルーの遺体を引き取る。
    豊見グスクでシタルーの葬儀を行なう。
    戦に介入しないように、中山王に書状を送り、本部のテーラーに書状を持たせ
    て今帰仁に送る。
    タルムイが照屋グスク、糸満グスク、大グスクを攻め、タブチが阿波根グス
    ク、保栄茂グスクを攻める。タブチに従った東方の按司たちが長嶺グスクを
    攻める。
    11月 照屋大親のお陰で明国から帰国した山南王の進貢船を手に入れる。
    正使として明国に行った李仲按司が帰って来て、タルムイの軍師になる。
    タブチの兵が豊見グスクに攻めて来るが待ち構えて追い払い、追撃して多数の
    兵を討ち取る。
    タブチとチヌムイが八重瀬グスクで戦死し、兄の摩文仁(前米須按司)が山南
    王になる。
    八重瀬グスクを攻め落としたサハチが弟の与那原大親を八重瀬按司にする。
    サハチが具志頭グスクを攻め取り、息子のイハチを具志頭按司にする。
    12月 サハチが玻名グスクを攻める。
    甥のイシムイが賀数グスクを奪い捕り、賀数按司を名乗る。
    テーラーが李仲按司と相談して、豊見グスクと保栄茂グスクの中程にある山の
    上にグスクを築き始める。

1414年 1月 山南王妃をマチルーに譲り、タルムイに王印を渡す。52歳
    宅間之子が訪ねて来て、シタルーに頼まれていた「山南志」と抜け穴の図を持
    ってくる。
    李仲按司が抜け穴の出口を塞ぎ、敵の按司たちを島尻大里グスクに閉じ込め
    る。
    タルムイが総攻撃を掛けて島尻大里グスクを包囲する。
    新年の挨拶に来たウミトゥクと一緒に手登根グスクに行く。
    手登根グスクに来た思紹と会い、中山王が戦に介入する事を許す。
    ウミトゥクと一緒に島添大里グスクに行ってユーナと会い、ユーナを豊見グス
    クに連れて行き父親と会わせる。
    山グスク按司が総攻撃を掛け、島尻大里グスク内にいた按司たちを外に出す。
    山北王の兵300人が糸満の港から上陸して、保栄茂グスクの北西にある座安森
    と呼ばれる山の上に本陣を敷く。
    山北王の兵が島尻大里グスク攻めに加わる。
    真栄里按司と新垣按司がタルムイに降伏する。
    2月 島添大里按司が玻名グスクを攻め落とし、家臣の奥間大親を玻名グスク按
    司にする。
    3月 他魯毎と山北王の兵に攻められて島尻大里グスクが落城し、摩文仁が戦死
    する。
    島尻大里グスクで与座按司、真壁按司摩文仁按司、伊敷按司、新垣大親、真
    栄里大親、真壁之子、新垣之子の八人が処刑される。
    島尻大里グスクで山南王就任の儀式が行なわれ、タルムイは他魯毎の名で山南
    王になる。
    次男の兼グスク按司が豊見グスク按司になり、四男のシルムイが阿波根グスク
    に入り、阿波根按司になる。
    伊敷グスクは李仲按司が管理し、山北王の兵たちが夏まで滞在する。
    サハチが山グスクを攻め落とす。
    4月 喜屋武ヌルになった前島尻大里ヌルが玻名グスクヌルと一緒に戦死した兵
    たちを供養して回る。
    5月 伊敷グスクにいた山北王の兵たちが今帰仁に帰る。
    6月 手登根グスクのお祭りに行き、サハチと会い、ナーサの事を聞く。
    7月 首里の遊女屋「宇久真」に行き、ナーサと再会して、一緒に奥間に行く約
    束をする。
    10月 シタルーの一周忌。
    ナーサと一緒にヤンバルの旅に出る。
    勝連の浜川泊で、ナーサから姪のウニョンの実の母親がナーサだと聞いて驚
    き、ウニョンの夫だった浜川大親は生きていて、ウニタキだと聞いて、さらに
    驚く。
    恩納岳の木地屋の屋敷に泊まり、奥間の長老の跡継ぎがサハチの息子だとナー
    サから聞いて驚く。
    奥間に着き、長老の妻サクラが、父が奥間に来て、奥間の娘に生ませた姉だと
    聞いて驚く。
    サタルーと会い、サハチがヤマトゥの将軍と会ったと聞いて驚く。
    今帰仁に行き、研ぎ師のミヌキチと会い、マチルギが敵討ちのために武芸に励
    んでいた事を知る。
    ミヌキチの娘婿の兼次大主の案内で今帰仁グスクに入り、山北王の若按司と婚
    約したママチーと母親のチヨと再会する。
    山北王妃のマアサと再会し、姉のマティルマと義姉のマアミと涙の再会をす
    る。
    山北王は留守で、湧川大主と若按司のミンと会う。
    11月 今帰仁を去り、宇座の牧場に寄り、宇座按司から叔父(泰期)とサハチの
    関係を聞いて驚く。
    12月 手登根グスクに行き、ウミトゥクのお産を助ける。
    山北王の若按司ミンが婚約者のママチーを連れて島尻大里グスクに来て歓迎さ
    れ、ミンは山南王の世子となる。
    他魯毎はミンの婿入りを記念して、糸満川を婿入り川(報得川)と命名する。
    島尻大里ヌルがマレビト神と出会った事を喜ぶが、島尻大里ヌルはマガーチと
    いう名前しか知らない。

1415年 1月 島添大里グスクに島尻大里ヌルを連れて新年の挨拶に行き、サハチからマ
    ガーチの事を聞き、苗代大親の息子だと聞いて安心する。53歳
    サハチから宇座の叔父の事を聞き、叔父の息子のクグルーの事も聞く。
    2月 島尻大里グスクでお祭りをする事に決め、島添大里グスクのお祭りを参考
    にするために、島尻大里ヌルと一緒に見に行く。
    四男シルムイ(阿波根按司)が糸数按司の娘マクミを妻に迎える。
    3月 ナーサと一緒に思紹を訪ねて、ヤマトゥ旅に行かせてくれと頼み、思紹は
    承諾する。
    5月 豊見グスクのハーリーでマガーチが乗った中山王の龍舟が優勝する。
    島尻大里グスクで初めてのお祭りが行なわれ、城下の人たちに喜ばれる。
    冊封使の事は他魯毎とマチルーに任せ、中山王の交易船に乗って、ナーサと一
    緒にヤマトゥに行く。
    6月 博多に着き、博多見物をしてから一文字屋の船に乗って京都に行く。
    7月 京都に着き、ヤマトゥの着物を着て、都見物を楽しむ。
    9月 ササたちが京都に来て、ササたちは御台所様と一緒に四国に行く。
    10月 京都を去り、ササたちと一緒に一文字屋の船に乗って、大三島に行く。
    11月 ササたちと一緒に対馬に行く。
    12月 対馬で雪を見て感激する。

1416年 1月 交易船に乗って琉球に帰る。54歳
    島尻大里ヌルが産んだ娘マトゥイと会い、跡継ぎができてよかったと喜ぶ。
    2月 山南王妃マチルーと一緒に島添大里グスクのお祭りに行く。
    3月 母ウニョンを偲ぶと称して子供たちを集め、保栄茂按司の家族を島尻大里
    グスクで保護する。
    4月 波平大主が山南王の兵を率いて総大将のサハチと一緒に今帰仁に出陣し、
    水軍も出陣する。