長編歴史小説 尚巴志伝

第一部は尚巴志の誕生から中山王武寧を倒すまで。第二部はその後の尚巴志の活躍です。お楽しみください。

2-128.照屋大親(第一稿)

 長嶺按司(ながんみあじ)は長嶺グスクに閉じ込められた。
 兵の半数近くが下痢に悩まされ、長嶺按司自身も悩まされていた。水のような下痢で我慢する事はできず、本陣となった屋敷に籠もって厠(かわや)通いが続いていた。こんな状態では戦(いくさ)はできん。出直して来ると兼(かに)グスク按司(ジャナムイ)と瀬長按司(しながあじ)に言って、兵を引き連れて八重瀬(えーじ)グスクの包囲陣から撤退した。
 長嶺グスクを包囲していた東方(あがりかた)の按司たちの兵は、長嶺按司の兵が帰って来ると逃げ散った。長嶺按司は一戦も交える事なく本拠地に帰り、我が家の厠に駆け込むと、ホッと溜め息を漏らした。
 長嶺按司が留守の時、包囲していた東方の兵は二百人だったが、長嶺按司が戻ると、五百人に増え、長嶺按司はグスクから出る事は不可能になっていた。
 糸満川(いちまんがー)(報得川(むくいりがー))では、夜が明けると川を越えて敵のグスクを攻め、日が暮れると川を越えて撤収するという兵の移動が、毎日の行事のように繰り返されていた。
 今帰仁(なきじん)から帰って来たウニタキは、今の所、山北王(さんほくおう)が動く気配はないと言った。
「テーラーとは会ったのか」とサハチは聞いた。
「奴は俺の表の顔しか知らないからな。地図の仕事で今帰仁に滞在していると思ったようだ。俺に山南王(さんなんおう)が亡くなって、南部で家督争いが始まったんだと詳しく教えてくれたよ。だが、山南の王妃が山北王に何を頼んだのかは教えてくれなかった。テーラーの話し振りから、王妃は中山王の力も山北王の力も借りずに自力で、タルムイ(豊見グスク按司)を山南王にするつもりのような気がする」
「そうか。島尻大里(しまじりうふざとぅ)グスクにこだわらなければ、それも可能だろう。帰って来る進貢船(しんくんしん)を奪い取る事ができれば、王妃の思い通りになるが、交易を担当している照屋大親(てぃらうふや)がタブチに付いてしまったので難しいだろう。タルムイは水軍を持っているのか」
「持っている。ハーリーの時に海上警備をするために必要なんだ。シンゴが乗っているようなヤマトゥ船が二隻あるはずだ。その船で、粟島(あわじま)(粟国島)の兵を運んだのだろう。水軍を持っているのは照屋大親、糸満大親(いちまんうふや)、それと、瀬長按司小禄按司(うるくあじ)だな。だが、瀬長按司は長嶺按司が抜けた穴を埋めるために、水軍の兵も八重瀬に呼んだようだ」
「なに、水軍を呼んだのか。タルムイと小禄按司との水軍だけで大丈夫なのか」
「大丈夫とは言えんな。交易の責任者は照屋大親だ。照屋大親の水軍が先に進貢船と接触して、山南王の死を隠して、瀬長按司が反乱を起こして進貢船を狙っているとでも言って、護衛したまま糸満沖まで連れて行くかもしれん」
「王妃は何を考えているんだ。八重瀬グスクを攻めるよりも進貢船の方が大事だろう」
「瀬長按司が強引に決めたのだろう。瀬長按司は王妃の弟だが、戦に女は口出しするなとでも言ったのかもしれんな。結構、気性の荒い奴らしい」
「確かにな」とサハチはハーリーの時、冷たい目付きでサハチを睨んでいた瀬長按司を思い出していた。
「先に接触した方が進貢船を手に入れる事になりそうだな。今頃、キラマ(慶良間)の島辺りで待ち伏せしているのかな」
「いや、久米島(くみじま)まで行っているかもしれんぞ」
久米島か‥‥‥」とサハチは呟いた。
 久米島は平和な島だった。古くから米(くみ)の産地で米島と呼ばれた。米の産地なのに按司が生まれる事もなく、村々の長老たちの話し合いで、島を守って来ていた。察度(さとぅ)が明国との進貢を始めて、久米島は中継地となったが、察度は役人を置いただけで按司は置かず、島の事は長老たちに任せていた。思紹(ししょう)も察度のやり方を踏襲(とうしゅう)した。しかし、今後、毎年送る進貢船の数も増え、南蛮(なんばん)(東南アジア)の船も来るとなると久米島には兵力を持った按司を置いて、守らせた方がいいような気もした。
「小渡(うる)ヌルにも会ったのか」とサハチは聞いた。
 ウニタキはニヤニヤしながら、懐(ふところ)から二通の書状を出した。
 思紹とファイチが帰って来た。今、彫っている真武神(ジェンウーシェン)の細部の事がよくわからないと思紹が言ったので、二人で報恩寺(ほうおんじ)の書庫まで行っていた。報恩寺の書庫には久米村(くみむら)からも書物が寄贈されていて、真武神の図が描いてある書物があるはずだとファイチが言ったのだった。
「ありましたか」とサハチは二人に聞いた。
「おう、よくわかったぞ」と思紹は嬉しそうにサハチに言って、「今帰仁から帰って来たのか。御苦労じゃったな」とウニタキをねぎらった。
「お土産です」とウニタキは二通の書状を思紹に見せた。
「何じゃ?」と思紹は書状を受け取って驚いた。
 二通の書状には『山北王 攀安知(はんあんぢ)』の印(いん)が押してあった。永楽帝(えいらくてい)から賜わった王印を真似して作ったようだった。そして、宛名は一通は八重瀬按司(えーじあじ)(タブチ)、もう一通は摩文仁大主(まぶいうふぬし)(前米須按司)だった。
「どうして、こんな書状がここにあるんじゃ?」と思紹はウニタキに聞いた。
「小渡ヌルから預かって来たのです」
「なに、小渡ヌルに会ったのか」
 サハチも書状に押された封印を見て驚き、ウニタキを見た。
「小渡ヌルは米須(くみし)の『まるずや』のお得意さんらしくて、今帰仁にも『まるずや』があったので顔を出したのです。小渡ヌルは俺の事を知っていました。米須に店を出す時、配下の者たちに指示をしている所を見られたようで、『まるずや』の主人ではないかと思っていたそうです。ヤンバルでは『まるずや』をあちこちに作ったために、俺は『まるずや』の主人として通っています。小渡ヌルは俺を信用して、その書状を摩文仁大主に届けてくれと託したのです」
 米須に『まるずや』ができたのは三年前で、摩文仁大主が中山王に寝返って、タブチと一緒に明国に行った時だった。米須の人たちはちょっとした物を手に入れるために、島尻大里の城下まで行っていたので、『まるずや』ができたのは非常に喜ばれて、真壁(まかび)、波平(はんじゃ)、真栄平(めーでーら)の人たちも買い物にやって来ていた。
「小渡ヌルは帰って来ないのか」とサハチはウニタキに聞いた。
「母親の里帰りだったので、もうしばらく滞在したいと言っていたよ」
「小渡ヌルは『まるずや』と中山王がつながっているのを知らないのかな」とサハチは言った。
「俺も最初はそう思ったんだが、小渡ヌルはかなり頭がいいような気がする。先の事を見越して、中山王にこの事を知ってもらいたいと思ったのかもしれない」
 思紹は書状を日にかざして中が透けて見えないものかと眺めた。
「開けて中身を読んでも大丈夫です」とファイチが言った。
「なに?」と思紹がファイチを見た。
「タブチも摩文仁大主も山北王の印なんて見た事はありません。似たような芋版(いもばん)を作って押せばごまかせます」
 思紹は笑うと、書状を開封した。
 タブチ宛ての書状は、タブチが介入しないように頼んだらしく、しばらく様子を見ているが、娘婿の保栄茂按司(ぶいむあじ)の事はよろしく頼むと書いてあった。
 摩文仁大主宛ての書状は驚くべきものだった。山北王は摩文仁大主を叔父上と呼び、保栄茂按司が山南王になれるように事を運んでくれ。年末になったら援軍を送る事ができるだろうと書いてあった。
摩文仁大主は山北王の叔父だったのか」とサハチが言った。
「山北王の嫁さんは武寧(ぶねい)の娘じゃ。摩文仁大主は武寧の弟だから叔父に間違いない」と思紹は言った。
「気が付かなかった。すると摩文仁大主は保栄茂按司の大叔父になるわけだな。摩文仁大主は保栄茂按司を山南王にしようとたくらんでいるのか」
「書状が二つあるという事は、摩文仁大主はタブチに内緒で、山北王に書状を送ったということになります」とファイチが言った。
摩文仁大主はタブチを山南王にする振りをしながら、山北王と手を結んで、保栄茂按司を山南王にしようとしているのか」と思紹が言った。
摩文仁大主と保栄茂按司とのつながりはあるのか」とサハチはウニタキに聞いた。
「保栄茂按司の婚礼の時、摩文仁大主はタブチと一緒に明国に行っていた。帰国してからも、中山王に寝返ったので島尻大里には行っていない。ただ、タブチと一緒に山南王の重臣、新垣大親(あらかきうふや)と密かに会ってはいるが、保栄茂グスクには行っていない」
「テーラーとも会っていないのか」と思紹が聞いた。
「テーラーは一応、米須にも挨拶に行ったようです。瀬長按司から摩文仁大主も武寧の弟だと聞いたのでしょう。しかし、テーラーが米須に行ったのは一度だけです。二人が密かに会っているとは思えません」
「という事は前もって準備をしていたわけではなく、シタルーの急死で、自分の出番があるかもしれないと考えたのだな」とサハチが言った。
「多分、そうだろう。今頃、保栄茂按司に近付く手段を探しているに違いない」
「今、毎日のように保栄茂按司糸満川を渡って糸満グスクを攻めている。島尻大里の兵三百を出陣させて、保栄茂按司の兵を取り囲んで、糸満の兵と挟み撃ちにして、保栄茂按司を生け捕りにするという手も考えられるぞ」と思紹が言った。
「もし、摩文仁大主が保栄茂按司を生け捕りにしたとして、その後の展開を考えてみましょう」とファイチが言った。
「保栄茂按司の妻と子は保栄茂グスクに残っている」とサハチは言った。
「妻や子を守っているのはテーラーだ。テーラーに山北王の書状を見せれば、摩文仁按司の味方になるかもしれんな」とウニタキが言った。
「保栄茂グスクがタブチ側になったとしても、豊見(とぅゆみ)グスクと阿波根(あーぐん)グスクに挟まれている。阿波根グスクを落とさない限り、保栄茂グスクを確保するのは難しい。ちょっと待て。阿波根グスクを築いた石屋は島尻大里にいるのか」とサハチはウニタキを見た。
「石屋の親方はテサンという名前で、島尻大里にいる。親方の弟はテスといって豊見グスクにいる。末の弟のテハが情報集めをしているんだ。テハはアミーの父親の中程大親(なかふどぅうふや)の弟子で、自分は石屋に向いていないので、サムレーになると言って武芸を始めたようだ。身の軽い男で、そこをシタルーに認められて、石屋の情報網を使って、各地の情報を集めろと命じられたらしい。配下も五十人はいるようだ。今は豊見グスクと島尻大里グスクを行ったり来たりしている」
「そのテハはどっちに付いているんだ?」
「それがわからんのだ。王妃の命令で島尻大里に行っているのか、島尻大里の重臣たちの命令で豊見グスクに行っているのか」
「どちらのグスクにも入れるのか」
「以前と変わらず、顔を見ただけで門番は中に入りてくれる」
「阿波根グスクを造った石屋はどっちなんだ?」
「あの時はまだ先代の親方が生きていて、浦添(うらしい)にいたんだ。兄のテサンは島尻大里にいてシタルーに仕えていた。首里(すい)グスクを造るための準備が始まっていて、親方とテサンはそれに従事していた。阿波根グスクはテスに任されたようだ」
「豊見グスクにいる石屋が作ったのなら、弱点もわからんな」
「長年、あそこに住んでいたンマムイなら弱点を知っているかもしれんぞ」と思紹が言った。
「ンマムイはタブチの甥だ。動かないように釘を刺しておいた方がいいな」とサハチは言った。
「話がそれてしまいました」とファイチが手を上げた。
「そうじゃな。タブチが保栄茂按司を味方にして、山北王の兵がやって来るとなると、大戦(うふいくさ)が始まるじゃろう。豊見グスクは山北王の兵に囲まれてしまう。ヤマトゥの商人たちと交易もできなくなる。山北王の兵は夏までに豊見グスクを落として、タルムイ兄弟と山南王妃も殺される。保栄茂按司が山南王になって、タブチと摩文仁大主は山南王の重臣になって、保栄茂按司を操るという筋書きじゃな」
「中山王はそれをただ見ているのですか」とサハチが思紹に聞いた。
「山北王が出て来れば、山南王妃も中山王に助けを求めるじゃろう」
「すると、山南の地で、中山王と山北王が戦う事になりますよ。山北王も続々と兵を送り込んで来るでしょう」
「南部で戦をしている隙を狙って、山北王が陸路で首里を攻めるかもしれん。厄介な事になりそうじゃ。それに、どっちが勝ったとしても、かなりの損害が出るじゃろう。多くの庶民が殺される。それは絶対に避けなければならんな」と思紹は言った。
「保栄茂按司ですね」とファイチが言った。
「保栄茂按司をタブチ側に渡してはなりません」
摩文仁大主のたくらみを山南王妃に知らせた方がいいな」と思紹が言って、皆がうなづいた。
 誰を王妃のもとに行かせるか相談して、手登根大親(てぃりくんうふや)の妻のウミトゥクに決まった。
「この書状は誰が持って行くのですか」とファイチが二つの書状を示した。
「書状を届けたあと、摩文仁大主に殺されるかもしれませんよ」
 確かに危険だった。摩文仁大主がタブチに内緒で山北王に書状を送ったとすれば、その事を知っている者は消されるだろう。
 ウニタキは笑って、「足の速い女子(いなぐ)の行商人(ぎょうしょうにん)に頼むよ」と言った。
「ちょっと待て」と思紹が言った。
「その書状の事じゃが、テーラーは知っているんじゃないのか」
「小渡ヌルが今帰仁に来た時、テーラーはまだ今帰仁にいました。もしかしたら、山北王から話を聞いているかもしれません」
「知っているとすれば、テーラーの方から摩文仁大主に接触するという事も考えられる。テーラーをよく見張っていた方がいいぞ」
 ウニタキはうなづいた。
 ファイチが本物そっくりの芋版を作って、元のように戻し、ウニタキはそれを持って出て行った。

 


 ウミトゥクが持って来た中山王の書状を読んで摩文仁大主のたくらみを知った山南王妃は、保栄茂按司の家族を密かに豊見グスクに移した。山北王の兵はそのままグスクを守っているが、本部(むとぅぶ)のテーラーは保栄茂按司と一緒に豊見グスクに移っていた。糸満グスクを攻めていた保栄茂按司の兵も、豊見グスクのサムレー大将の我那覇大親(がなふぁうふや)に変わった。
 長嶺按司は何度もグスクから出ようと試みたが、包囲陣の守りは堅く、負傷兵が増えるばかりでグスクから出る事はできなかった。
 保栄茂按司を味方に引き入れるために、摩文仁大主は保栄茂按司の武術師範だった真壁大主(まかびうふぬし)に書状を書かせた。
 真壁大主は山グスク大主の弟で、武芸の修行に励んで、強い師匠を探すために旅に出た。浦添の城下で、シラタル親方の弟子と出会って師と仰いで修行を積んだ。師匠の娘を妻に迎えて、浦添のサムレーとして察度に仕えたが、師匠が亡くなったのを機に故郷に戻って山南王に仕えた。山南王に仕えて六年後、今帰仁合戦が起こり、そこで活躍して武術師範役になっていた。兄の豊見グスク按司と兼グスク按司は中程大親から武芸を習ったが、中程大親が足を負傷してしまったため、保栄茂按司は真壁大主から習っていた。
 真壁大主の書状は石屋のテハに頼んで保栄茂グスクに届けさせたが、いつまで経っても返事は来なかった。
 石屋のテハというのが曲者(くせもの)だった。シタルーが情報集めのために使っていて、重臣たちもテハを使う事が許されていた。今回の戦でも、敵の動きを調べるために活躍している。重臣たちはテハと王妃がつながっている事を知らなかった。
 テハは王妃に弱みを握られていた。シタルーが粟島で兵を育てようと考えて、粟島を視察しに行った留守、テハはシタルーの側室、マクムに手を出し、その現場を王妃に見られてしまったのだった。シタルーにばれたら首が飛ぶし、テハの妻は重臣の新垣大親の妹なので、妻にばれても命はなかった。
 マクムは中山王が送った側室で、ウニタキの配下だった。石屋の事を調べろと命じられていて、マクムはテハに近づいたのだった。
 弱みを握られたテハはその後、王妃の言いなりになって、シタルーと座波(ざーわ)ヌルの事を調べたりもしていた。今回も重臣たちの命令に従いながらも、それらはすべて王妃の耳に入っていた。シタルーが亡くなったので、一つの弱みは消えたのだが、妻に知られたら義兄の怒りを買う事になる。それに、テハはマクムに惚れていて、王妃は好きにすればと言った。今、マクムは娘と一緒に豊見グスクにいる。その娘はもしかしたら、テハの子供かもしれなかった。
 首里の龍天閣は、進貢船が帰って来るまでは動きがないだろうと、戦評定(いくさひょうじょう)は解散となった。思紹は真武神の神像彫りを再開して、ファイチは久米村に帰り、サハチも島添大里に帰った。サグルーは兵を率いて長嶺グスクに出陣していて、イハチが島添大里グスクを守っていた。
 サハチがナツに今の状況を話していたら、奥間(うくま)のサタルーがやって来た。ナナはまだ帰って来ないのに何の用だろうと、侍女に連れられてやって来たサタルーの連れを見てサハチは驚いた。子供の頃に見たクマヌにそっくりだった。
「サンルーです」とサタルーは連れを紹介した。
「『赤丸党(あかまるとー)』のお頭です。お世話になったウニタキ殿に恩返しがしたいとやって来ました。俺たちにも何か手伝わせてください」
 サンルーはサハチを見て、頭を下げた。
 まるで、クマヌが生き返ったようだとサハチは思った。若い頃のクマヌを知っている者なら誰もが驚くに違いない。
「そうか。ありがとう」とサハチは言って、「何人、連れて来たんだ?」と聞いた。
「二十人です。田舎から出て来た杣人(やまんちゅ)という格好で今、城下を散策しています」とサンルーが言った。
 声までクマヌにそっくりで、サハチは嬉しくなった。山伏の格好をさせて、思紹に会わせたら腰を抜かすだろうと思うと自然と笑みをこぼれてきた。
「すまない」と笑った事を謝り、「あまりにお前が親父にそっくりなので、びっくりしたよ」とサハチは言った。
「親父が亡くなる前、奥間に来ました。母に呼ばれましたが、俺は会いませんでした。会っておけばよかったと後悔しております」
「そうか。会わなかったのか」
「子供の頃のおぼろげな記憶しかありません。俺を育ててくれた父に申し訳なくて、会う事はできませんでした。その時、父はすでに亡くなっていましたが、父を裏切るような気がしたのです」
 サハチはうなづいた。
「クマヌはお前が『赤丸党』を作った事を喜んでいたよ。ウニタキが来る前、クマヌは裏の組織を作ろうとしていたんだ。でも、クマヌはサムレーたちの総大将になったので、裏の組織の事はウニタキに任せたんだよ」
 サハチはナツに、城下の屋敷をサタルーたちに使わせるための準備をするように頼んだ。ナツはうなづいて出て行った。ナツと入れ替わるように侍女がお茶を持って入って来た。
 侍女が去って行くと、「戦はどんな状況ですか」とサタルーが聞いた。
「今は膠着(こうちゃく)状態だ。山南王の進貢船が帰って来たら動きが変わるだろう。それまでは首里見物でもしていろ」
「進貢船はいつ帰って来るのです?」
「来月だ。来月の半ば頃だろう」
「随分と間がありますね」
「戦は長引きそうだ」とサハチは笑った。
 その夜、城下の来客用の屋敷で、『赤丸党』の歓迎の宴が開かれ、ウニタキ、奥間大親の長男のキンタ、佐敷大親、佐敷ヌル、サスカサ、ユリが招待された。ハルとシビーは呼んでいないのに、佐敷ヌルと一緒に来た。
 佐敷ヌルと佐敷大親はサハチと同じようにサンルーを見て驚いた。佐敷大親にはもう一つ驚く事があった。『赤丸党』に佐敷大親の息子、クジルーがいたのだった。クマヌほどは似ていないが、目元は佐敷大親にそっくりだった。
 佐敷大親は腰を抜かさんばかりに驚いた。奥間に息子がいたなんて夢にも思っていなかったようだ。
「クミの息子なのか」と佐敷大親はクジルーに聞いた。
 クジルーはうなづいた。
「母は俺を身ごもったまま、猟師の親父に嫁いだのです。俺は猟師の息子として育ちました。十五の時に、お頭に呼ばれて、厳しい修行に耐えて『赤丸党』に入りました。俺が『赤丸党』に入った時、母から本当の父親の事を聞きました。猟師の親父もその事は知っていました。知っていながら、俺を育ててくれたのです。本当の父親は若様(うめーぐゎー)の父親の弟だから、お前は若様をお守りしなければならない。奥間のために働いてくれと言われました」
「クミが兄貴の子を産んだのか」とキンタが驚いていた。
「クミを知っているのか」と佐敷大親がキンタに聞いた。
「幼馴染みです。佐敷に来る前、お姉(ねえ)はクミと仲良しでした」
「何という事だ。この事、キクには内緒にしてくれ」
 キンタはうなづいて、「でも、兄貴がお姉と一緒になる前に、クミと会っていたなんて驚きです」と言った。
 佐敷大親はサハチ、ウニタキ、佐敷ヌルたちにも両手を合わせて口止めを頼んだ。そんな慌てている佐敷大親を見るのは久し振りで、サハチは見ていて面白かった。
 キンタはサンルーを知っていて、サンルーが『赤丸党』を作ろうと思ったのも、キンタからウニタキの『三星党(みちぶしとー)』の事を聞いたからだった。キンタの紹介でウニタキと会って、ウニタキのもとで二年間、修行を積んだのだった。『赤丸』というのは奥間の御先祖様で、奥間にはアカマルのウタキもあった。
 楽しい一夜を過ごした奥間の若者たちは、翌日、ウニタキとキンタに連れられて首里へと向かった。

 


 戦の進展はほとんどなく、半月余りが過ぎた十一月十二日、山南王の進貢船がようやく帰って来た。進貢船はいくつもの護衛船に囲まれて、国場川(くくばがー)に入って行った。
 首里に呼ばれたサハチが龍天閣に行くと、思紹、ウニタキ、ファイチ、苗代大親(なーしるうふや)、奥間大親、ヒューガが顔を揃えていた。
「タルムイが勝ったようだな」とサハチは言ったが、そんな単純な事ではなかった。
「進貢船の護衛をしていたのは照屋大親、糸満大親、豊見グスク按司小禄按司の水軍たちだったんじゃよ」とヒューガが言った。
 サハチにはわけがわからなかった。
「照屋大親と糸満大親は寝返って、タルムイ側になったようだ」とウニタキが言った。
「どうして、急にそんな事になったんだ?」
「お前が来る前に話していたんじゃが、どうやら、照屋大親と糸満大親は最初から王妃側だったようじゃ。進貢船を奪い取るために、わざと島尻大里グスクに残ったんじゃよ。タブチは進貢船の事は二人に任せていたようじゃからのう」
「何という事だ」とサハチは思紹の顔を見て、首を振った。
「山南の王妃様(うふぃー)はなかなかの策士のようじゃな」と思紹は笑った。
「照屋大親と糸満大親は以前から王妃と仲がよかったのか」とサハチはウニタキに聞いた。
「二人と特に仲がよかったわけではないが、王妃はウミンチュたちに慕われているんだよ。俺の配下で島尻大里をずっと探っているアカーという奴がいるんだが、奴から聞いた話だと、王妃はウミンチュたちのために、色々とやっていたらしい。シタルーが山南王になって、初めて進貢船を送り、その船が無事に帰って来た時、シタルーは船に乗っていた家臣たちをねぎらうために帰国祝いの宴を開いた。その時、王妃は船乗りたちは呼ばないのとシタルーに聞いたそうだ。先代の山南王も呼ばなかったからいいんじゃないのかとシタルーは答えたらしい。王妃は宴を抜け出して港に行ったんだ。照屋大親が振る舞ってくれたと言って、船乗りたちは思い思いの所に座り込んで酒を飲んでいた。酒の肴(さかな)もお粗末な物だったそうだ。船乗りたちはキラマの島から来ているウミンチュも多く、粗末な小屋で寝泊まりしていたようだ。王妃は半年も明国に行って来たのに、あまりにも可哀想だと思って、グスクから酒と料理を運ばせたという。その後、王妃はウミンチュたちが寝泊まりできて、一緒に酒盛りができる大きな屋敷を建てて、ウミンチュたちに使わせた。いつしか、その屋敷は『鳥御殿(とぅいうどぅん)』と呼ばれるようになったんだ」
「鳥御殿?」
「トゥイは王妃の名前だそうだ」
「そんな事があったのか。しかし、察度の娘だった王妃がウミンチュの面倒を見ていたなんて意外だな」とサハチが言うと、
「察度の娘だからウミンチュを大切にしたのかもしれんぞ」と思紹は言った。
「察度もウミンチュたちに慕われていたんじゃよ。察度は若い頃、ヤマトゥまで行って倭寇(わこう)として暴れていた。中山王になっても、ウミンチュたちは仲間だと思っていたのかもしれん。そんな父親を見て、王妃は育ったのだろう」
「照屋大親も糸満大親も、ウミンチュたちが王妃を慕っていたら、王妃に敵対する事はできませんね。これは見習わなければなりません」とファイチは言った。
「これで、二隻の進貢船も、糸満の港も王妃のものとなった。タブチにはもう勝ち目はないじゃろう」
 アカーがやって来て、今の状況を知らせた。
 王妃の兵六百人が豊見グスクから出陣した。総大将は波平大主(はんじゃうふぬし)で、保栄茂グスクと阿波根グスクを攻めていたタブチの兵は、敵兵の多さに驚き、撤収して大(うふ)グスクに逃げ込んだ。王妃の兵は糸満川を越えて、照屋グスクと糸満グスクを守るために大規模な陣地を構築している。タブチの兵は大グスクから出る事なく、様子を見守っているという。

 

 

 

沖縄二高女看護隊 チーコの青春

2-127.王妃の思惑(第一稿)

 島添大里(しましいうふざとぅ)グスクに集まった東方(あがりかた)の按司たちは、今度こそ、タブチ(八重瀬按司)に山南王(さんなんおう)になってもらおうと声を揃えて言った。その中にンマムイ(兼グスク按司)もいた。
「お前が何で、ここにいるんだ?」とサハチはンマムイに聞いた。
 タブチから援軍依頼が届いて、それを知らせに来たら、東方の按司たちが集まっていたので、一緒に待っていたという。
「お前は東方ではないだろう。首里(すい)の南風原(ふぇーばる)にいるんだから、兼(かに)グスクは中山王の領内だ」
「俺もそう思ったんだけど、タブチは東方だと思っているようなんで、それを確認に来たんです。俺はグスクを守っていればいいんですね?」
「今の所はな。今後の展開によっては、今帰仁(なきじん)に行ってもらう事になるかもしれない。その時は頼むぞ」
 ンマムイはうなづいて、「チヌムイがシタルーを倒したなんて驚きましたよ。真剣に修行を積んでいたけど、まさか、敵討ちのためだったなんて知らなかった。八重瀬(えーじ)グスクが敵兵に包囲されているようですけど、チヌムイは八重瀬グスクにいるのですか」とサハチに聞いた。
「まだ、どこにいるのかわからんのだ」とサハチは言った。
「タブチは島尻大里(しまじりうふざとぅ)グスクにいるんじゃな?」と知念按司(ちにんあじ)が聞いた。
「タブチは八重瀬ヌルだけを連れて、島尻大里に乗り込んだようです。その後、兵の移動はありませんから、八重瀬グスクは二百人の兵で守られているはずです。そう簡単には落ちないでしょう」
「それでタブチは八重瀬の救援ではなくて、長嶺(ながんみ)グスクを攻めろと言ってきたんじゃな。中山王にとっても、あのグスクは目障りじゃろう。わしらで奪い取ってやろうじゃないか」
 皆が知念按司の言葉に賛同した。
 東方の按司たちにとって、タブチには世話になっているが、タルムイ(豊見グスク按司)とは縁がなかった。シタルー(山南王)は常に敵だったし、その息子が山南王になるより、タブチがなった方がいいと思うのは当然の事だった。
 玉グスク按司の弟、百名大親(ひゃくなうふや)の妻はタブチの四女で、知念按司の三女はタブチの三男、新(あら)グスク大親に嫁いでいる。垣花按司(かきぬはなあじ)の妹はタブチの次男、喜屋武大親(きゃんうふや)に嫁ぎ、糸数(いちかじ)の若按司の妻はタブチの五女だった。大(うふ)グスク按司の叔母はタブチの側室になってマカミーを産み、マカミーは与那原大親(ゆなばるうふや)の妻になっている。誰もがタブチと関係を持っているが、シタルーと関係のある者はいなかった。強いて言えば、糸数按司の妻は察度(さとぅ)の娘なので、シタルーとは義兄弟の間柄だが、糸数按司が島尻大里や豊見(とぅゆみ)グスクに出入りしていた事実はなかった。
 全員がタブチを応援しているのに、やめろとはサハチには言えなかった。やめさせる正統な理由は見つからなかった。
 全員一致で、タブチに援軍を送る事に決まり、各自、戦仕度(いくさじたく)をするために帰って行った。
 廊下に飾ってある水墨画を眺めながら、「わしも隠居しようかのう」と知念按司がサハチに言った。
「玉グスク按司が亡くなって、垣花按司は隠居したんじゃよ。わしらの時代は終わったと言っておった。わしも今回の戦は倅に任せる事にしよう」
 知念按司は手を振ると帰って行った。知念按司が見ていた水墨画には、山奥の渓流で釣りをしている老人の姿が描いてあった。小舟(さぶに)に乗って、のんびりと釣りを楽しみたいと知念按司は思っているのだろうかと、その後ろ姿を見送った。このグスクを奪い取ったばかりの時、知念按司は血相を変えて怒鳴り込んで来た。あの時の勢いは感じられず、知念按司も年齢(とし)を取ったなとサハチは思った。
 サハチはサグルーと会って状況を説明し、戦の準備をさせた。

 


 八重瀬グスクを攻めていた兼グスク按司(ジャナムイ)、長嶺按司(ながんみあじ)、瀬長按司(しながあじ)はその夜、城下の家々を焼き払おうとした。
 日が暮れる前、家が燃えやすいように、長嶺按司の兵が藁束(わらたば)を担いで家々に配っていたら、隠れていた敵兵にやられた。十数人の兵が負傷して、二人が亡くなった。敵兵は素早く逃げてしまって捕まえる事はできなかった。
 空き家になっている城下に敵が隠れていたなんて、思いもよらない事だった。長嶺按司は改めて城下の家々を確認させ、火を掛けようとした時、突然、雨が勢いよく降ってきた。篝火(かがりび)も松明(たいまつ)も消え、兵たちは空き家に逃げ込んだ。
「燃やさなくてよかったのかもしれんぞ」と瀬長按司が言った。
「どうせ、この城下はわしらのものになる。燃やしたら再建が大変じゃ」
「しかし、前回、城下を燃やしたら、グスク内にいる者たちが騒ぎ出して、グスクは落ちました。今回もその手で行こうと思ったのです」と長嶺按司が言った。
「その手を使うのはまだ早い。籠城(ろうじょう)が続いて、閉じ込められている者たちがイライラし出した頃でないと無理じゃ。籠城したその晩に焼いたら、返って、奴らはわしらを憎み、団結してしまうじゃろう」
 一晩中振っていた雨は翌朝にはやんでいた。
 雨宿りに飛び込んだ空き家の水瓶(みずがめ)の水を飲んだ者たちが、下痢に悩まされていた。城下の者たちはグスクに避難する前に、水瓶に下痢をする薬を投げ込んだのだった。タブチが明国から持ってきた漢方薬だった。
 その日、豊見グスクで山南王の葬儀が行なわれた。兼グスク按司と長嶺按司は、八重瀬グスクの包囲陣を瀬長按司に任せて豊見グスクに向かった。島添大里にも知らせが届いて、サハチは行かなかったが、手登根大親(てぃりくんうふや)の妻、ウミトゥクが女子(いなぐ)サムレーを連れて豊見グスクに向かった。勿論、ウニタキの配下も陰の護衛として従っていた。豊見グスクはタブチの攻撃に備えて守りを固めていたが、タブチの兵が攻めて来る事はなかった。
 葬儀から帰って来たウミトゥクは、久し振りに母親に会えたのは嬉しかったけど、父親が亡くなったなんて、今でも信じられないと言った。それと、もう一つ信じられない話を聞いたと言った。
「わたしたちの読み書きのお師匠なんですけど、久し振りにお会いしてお話を聞きました。去年の十月に、二人の娘さんを亡くしてしまったと嘆いていました。なかなか話してはくれませんでしたが、山南王の秘密のお仕事で、島添大里で亡くなったと言いました。わたしには信じられませんでしたが、本当なのでしょうか」
「去年の十月? 娘の名前はわかるのか」とサハチはウミトゥクに聞いた。
「アミーとユーナです」
「何だと? ウミトゥクは二人を知っているのか」
「幼馴染みです」
「そうだったのか‥‥‥」
 サハチは驚いた顔でウミトゥクを見ていた。アミーの父親はシタルーの護衛役だった。当然、シタルーの娘のウミトゥクは知っているだろう。その娘とも親しかったのかもしれない。今まで、どうして気づかなかったのだろう。
「二人は何をしようとして殺されたのですか」とウミトゥクはサハチに聞いた。
「二人は俺を助けてくれたんだよ」とサハチは言った。
「えっ?」とウミトゥクはわけがわからないと言った顔でサハチを見ていた。
「二人は無事だ。生きている。生きている事がわかると山南王に殺されるので隠れているんだ。山南王は亡くなった。もう出て来ても大丈夫だろう」
「本当に、二人は生きているのですか」
 サハチはうなづいた。
「どうして、父がアミーとユーナを殺すのですか」
 アミーが刺客(しかく)だった事は隠しておくつもりだったが、アミーと会えばわかる事なので、サハチはウミトゥクに真相を話した。
「そんな事があったなんて‥‥‥」
 ウミトゥクは目を丸くしてサハチを見つめ、信じられないというように首を振った。アミーが武寧(ぶねい)を殺した事も、父がサハチを殺そうとした事もウミトゥクには信じられなかった。
「アミーはその時の借りを返してくれたんだよ」
「父を裏切って、按司様(あじぬめー)を助けたのですね?」
「二人は俺の命の恩人だよ」
「ユーナが島添大里グスクの女子サムレーだったなんて驚きました。あたし、何度か、佐敷ヌル様のお屋敷に行った事がありますけど、ユーナに会った事はありません」
「ユーナは山南王の間者(かんじゃ)だったから、お前に会うとすべてがばれてしまうと思って、会わないようにしていたのだろう」
「もし、会ってもわからなかったかもしれないわね。あたしが知っているユーナはまだ十二歳だったもの。でも、どうして、アミーは刺客に、ユーナは間者になったのでしょう」
「わからんが、父親が動けなくなってしまって、父親の代わりに頑張ろうと思ったんじゃないのかな」
 ウミトゥクはうなづいて、「二人に会いたいわ」と言った。
「もうすぐ、会えるだろう」
 サハチはウミトゥクからアミーとユーナの事を聞いた。
 ウミトゥクのお師匠は中程大親(なかふどぅうふや)という名前で、シタルーと同い年だった。重臣の息子で、幼い頃からシタルーと一緒に育ち、共に武芸の修行に励んだ仲だった。ウミトゥクとアミーは、アミーの方が一つ年上で、幼い頃はよく一緒に遊んでいた。豊見グスクに移ったばかりで、まだ、城下には家臣たちの屋敷もなく、グスクの屋敷で、按司の家族も家臣の家族も一緒に暮らして、城下造りに励んだのだった。
 シタルーが明国に留学した時は、中程大親も護衛役として一緒に明国まで行き、シタルーを国子監(こくしかん)に送り届けて、翌年帰って来た。シタルーの留守中はシタルーの子供たちに読み書きを教えたり、タルムイたちに武芸を教えていた。
 中程大親は男の子に恵まれなかった。それでも、アミーは武芸の才能があり、アミーも武芸の稽古をするのが好きだった。ウミトゥクもそんなアミーを見て、自分もやろうと思ったが、あまりにも厳しい修行なので、自分には無理だと諦めた。
 山南王だった祖父が亡くなり、父と伯父のタブチが争いを始め、その時の戦で、中程大親は足に怪我をしてしまった。何とか歩く事はできるが走る事はできない。護衛役を引退して、子供たちに読み書きを教えるお師匠になった。ウミトゥクがお嫁に行く時、アミーとユーナは家族と一緒に島尻大里の城下で暮らしていた。その後の二人の事はまったく知らない。二人ともサムレーの妻になって幸せに暮らしていると思っていた。中程大親は三年前に豊見グスクの城下に移って、若按司の指導をしているという。
「戻って来たら、ユーナを手登根の女子サムレーに迎えます」とウミトゥクは言った。
 サハチは笑って、「島添大里の女子サムレーたちもユーナが戻って来るのを待っているよ」と言った。
「そうなんですか。みんなから好かれていたのですね。それじゃあ、アミーをいただきます」
「アミーはキラマの島で若い娘たちを鍛えているのが楽しいと言っていたよ」
「アミーらしいわね。あたしも佐敷にお嫁に来る前、アミーから剣術と弓矢を教わったのです。今思えば、アミーと一緒にお稽古を続けていたら、もっと強くなっていましたね」
 ウミトゥクは軽く笑ったあと、真顔になって、
「それで、戦が始まるのですね」と聞いた。
 サハチはうなづいて、「クルーは留守だがグスクを守ってくれ」と言った。
「かしこまりました」とウミトゥクは力強くうなづいた。
 いつの間にか、ウミトゥクも立派な奥方様(うなじゃら)になったなとサハチは思った。
 ウミトゥクは帰って行った。父親の死よりもアミーとユーナの死の方が、ウミトゥクには衝撃だったようだ。そして、クルーの妻として、何をやるべきかをちゃんと心得ていた。

 


 シタルーの葬儀の次の日、戦は再開した。
 タルムイが糸満川(いちまんがー)(報得川)を越えて、照屋(てぃら)グスク、糸満グスク、大グスクを攻めると、タブチも糸満川を越えて、阿波根(あーぐん)グスクと保栄茂(ぶいむ)グスクを攻めた。東方の按司たちもタブチを支援するため長嶺グスクを攻めた。小競り合いはあちこちで行われたが、敵が攻めて来ると皆、グスクに籠もってしまい、グスクを攻める方も無駄な弓矢を射る事もなく、長期戦を覚悟して陣地造りに精を出していた。
 豊見グスクにいる王妃は石屋のテハを使って、島尻大里の城下に噂を流させた。タルムイが攻めて来た時、グスク内に避難した者たちは城下に戻って状況を見守っていた。戦は糸満川の周辺だけだと少し安心して、いつもの生活に戻っていた。
 石屋によって流された噂は、『八重瀬按司は山南王を殺して、王妃様(うふぃー)まで殺そうとした。王妃様は逃げて豊見グスクに入った。明国の皇帝から賜わった山南王の王印は王妃様が持っている。王妃様によって、豊見グスク按司のタルムイが山南王に任命された。今後、山南王がいるのは島尻大里グスクではなく、豊見グスクである』というものだった。
 タブチはその噂を聞いて驚き、王印がなくなっている事に初めて気づいた。王印がなければ山南王として進貢はできなかった。何としてでも取り戻さなくてはならなかった。
 進貢船(しんくんしん)が国場川(くくばがー)に泊まっていて、タルムイの兵が抑えている事をタブチは知っていた。何も慌てて、その船を奪い取る必要もなかった。その船を守るためにタルムイの兵が減るのは、返って都合がよかった。もう一隻、明国から帰って来る船は、必ず奪い取らなければならなかった。その事は重臣の照屋大親(てぃらうふや)と糸満大親(いちまんうふや)に頼んであった。二人は水軍を持っているので、帰って来た進貢船を糸満沖に誘導してくれるだろう。
 王印を取り戻すのは難しかった。警戒厳重な豊見グスクに忍び込む事はできないだろう。
 ふと、タブチはシタルーに贈った側室のカニーを思い出した。八重瀬に帰したのだが、若ヌルがいないと言って、侍女を連れて、また戻って来ていた。敵が攻めて来た時、八重瀬グスクには入らず、隠れながら逃げて来たという。
 若ヌルのミカはチヌムイと一緒にブラゲー大主に預けてあるが、今、どこにいるのかタブチも知らなかった。居場所を調べるから待っていろと言って、以前に使っていた東曲輪(あがりくるわ)内の御内原(うーちばる)の部屋で待っていた。
 カニーも二人の侍女もミカの弟子だった。ミカが女子サムレーを作ると言って鍛えていた娘たちの中から三人を選んで、シタルーのもとに送ったのだった。刺客を務めるほどの腕はないが、王妃に近づく事はできるはずだった。八重瀬に帰ったが、グスクは敵に囲まれていて入れないので、王妃を頼って来たと言えば豊見グスクに入れてくれるだろう。どうして、島尻大里に帰らないのかと聞かれたら、山南王を殺したタブチを恨んでいると言えば何とかなるだろうと思った。
 タブチは御内原に行って、カニーと会い、重大な指令を与えた。

 


 首里(すい)グスクの龍天閣(りゅうてぃんかく)で、噂を耳にしたサハチたちも驚いていた。
「山南の王妃もやるのう」と思紹が言った。
「とっさの時に、王印を持ち出すなんて、よく思いついたものじゃ」
「王妃は察度の娘ですから、王印の重要さを心得ていたのでしょう」とファイチが言った。
 来月の進貢船が中止になったので、ファイチも腰を落ち着け、龍天閣に滞在して、戦の成り行きを見守っていた。
「タブチは今頃、大慌てじゃろうな。山南王になっても王印がなければ、進貢船が出せんからのう」
「そろそろ四月に送った進貢船が帰って来る頃です。その船をどっちが奪い取るかで、今後の状況は変わります。ヤマトゥの商人たちと取り引きができる方が本当の山南王と言えるでしょう」とファイチは言った。
 サハチは絵地図を見ながら考え込んでいた。
「王妃が言う事も一理ありますね」とサハチは言った。
「何も、島尻大里グスクにこだわる事はないのです。中山王が浦添(うらしい)から首里に移ったように、山南王も島尻大里から豊見グスクに移ればいいのです。必要のない島尻大里グスクは焼き払ってしまえばいい」
「何じゃと?」と思紹が驚いた顔でサハチを見た。
「王妃は島尻大里グスクの事は、すでに棄てに掛かっているようです。王妃が今、攻めているのは照屋グスクと糸満グスクです。糸満の港を手に入れようとしているのです。港さえ抑えれば交易ができます。たとえ、領地が狭くても交易さえできれば、のちになって按司たちは付いてきます。交易ができないタブチは皆から見捨てられるでしょう」
「成程のう」と思紹はうなづいたが、「しかし、照屋グスクと糸満グスクを落とすのは簡単ではないぞ」と言った。
「長期戦になったとしても、戦をしているので、糸満の港は仕えません。ヤマトゥの商人たちは皆、国場川に集まって来るでしょう。豊見グスクは交易ができます」
「そうか。焦って落とす必要もないわけじゃ」
 思紹は唸って、「凄い事を考えるもんじゃのう」と言った。
「王妃がそのまま、山南の女王になればいいんじゃないですか」とファイチが言った。
「女王か。そいつは面白い」と思紹は楽しそうに笑った。
 サハチも笑いながら、王妃は凄い女だと思っていた。サハチは今まで一度もシタルーの妻に会った事はなかった。シタルーからも妻の事は聞いた事がない。もしかしたら、王妃はシタルーの陰の軍師として、シタルーを支えてきたのではないかと思った。
 奥間大親(うくまうふや)が入って来た。
「何か動きがあったのか」と思紹が聞いた。
「特に動きはありませんが、八重瀬グスクを包囲している兵たちが下痢に悩まされているようです」
「悪い物でも食ったのか」と思紹が聞いた。
「それはわかりませんが、戦をしているのか、厠(かわや)に通っているのかわからない状況で、おまけに厠で殺される者もいるようです」
「何じゃと?」
「新(あら)グスクの兵が密かに活躍しているようです」
 十二年前、八重瀬グスクが敵兵に囲まれた時、新グスクは出城として数人の兵が守っているだけだったが、今はタブチの三男が新グスク大親を名乗って、五十人前後の兵を持っていた。その兵が後方攪乱(こうほうかくらん)をやっているようだった。
「阿波根グスクと保栄茂グスクはどんな状況じゃ?」
「阿波根グスクは伊敷按司(いしきあじ)と玻名(はな)グスク按司の兵が攻めています。保栄茂グスクは米須按司(くみしあじ)と真壁按司(まかびあじ)です。どちらも兵力は二百人といった所です。保栄茂グスクを守っているのは山北王(さんほくおう)の兵五十人のようで、保栄茂按司はその他の兵五十人を引き連れて、糸満グスクを攻めています。粟島(あわじま)(粟国島)からも若い兵が続々とやって来ていて、糸満グスク攻め、照屋グスク攻め、大グスク攻めに加わっています」
「粟島の兵がタルムイ側に付いたのか。やはり、王妃は知っていたようじゃのう。タブチにとっては計算外じゃろうな」と絵地図を見ながら思紹が言った。
「照屋グスクは波平大主(はんじゃうふぬし)と粟島の兵、糸満グスクは保栄茂按司と粟島の兵、大グスクは小禄按司(うるくあじ)です。こちらの兵力はどこも百人くらいです」
「長嶺グスクの様子はどうです?」とサハチは聞いた。
「陣地作りに励んでいます。東方の大グスク攻めの時にファイチ殿が考えた高い櫓(やぐら)を作って、グスク内を見張っています。グスク内には百人の兵と城下の者たちが避難しているようです。櫓が立った時、グスク内から弓矢の攻撃がありましたが、楯に防がれて無駄だと思ったのか、以後、攻撃もなく、今の所、負傷兵も出ていません」
「タブチは島尻大里の兵は使ってはいないのですね?」とサハチは奥間大親に聞いた。
「島尻大里グスクには三百の兵がいると思いますが、動いてはいません」
糸満川を越えて、糸満、照屋、大グスクを攻めているタルムイの兵が危険だな」とサハチは言った。
「夜襲でも掛けるか」と思紹が言った。
「それは阿波根グスクと保栄茂グスクを攻めているタブチの兵も同じです。豊見グスクの兵は動いていません」とファイチは言った。
「豊見グスクにも粟島の兵が加わって三百はいるかもしれません」と奥間大親が言った。
「今夜が見物(みもの)ですね」とファイチが言った。
 ファイチが期待した見物は起きなかった。夕方、糸満グスク、照屋グスク、大グスクを包囲していたタルムイ軍は撤収して、糸満川を渡って賀数(かかじ)グスクに撤収した。それを知ったタブチの兵は挟み撃ちを恐れて、保栄茂グスク、阿波根グスクから撤収して、糸満川を渡って、大グスクに入った。大グスクで、撤収して行く小禄の兵を追撃したタブチの兵が数人、伏兵(ふくへい)にやられたほかは戦はなく、糸満川を挟んで睨み合いが続いた。

 

 

 

藤吉郎伝 若き日の豊臣秀吉   時は今… 石川五右衛門伝

目次 第二部

尚巴志伝 第二部

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このイラストはは和々様よりお借りしました。



  1. 山田のウニウシ(第二稿)   護佐丸、尚巴志を頼って首里に行く。
  2. 胸のときめき(第二稿)   護佐丸、島添大里で恋をする。
  3. 恋の季節(第二稿)   サグルーとササ、山田で魂を抜かれる。
  4. キラマの休日(第二稿)   尚巴志夫婦、毎年恒例の旅で慶良間の島に行く。
  5. ナーサの遊女屋(第二稿)   中山王の家臣たちの懇親の宴。
  6. 宇座の古酒(第二稿)   尚巴志、宇座の御隠居の倅と古酒を飲む。
  7. 首里の初春(第二稿)  中山王となった思紹の初めての正月。
  8. 遙かなる船路(第二稿)  尚巴志、ウニタキ、懐機、明国に行く。
  9. 泉州の来遠駅(第二稿)   明国に着いた尚巴志たちは来遠駅に落ち着く。
  10. 麗しき三姉妹(第二稿)   尚巴志たち、福州に行きメイファンと再会する。
  11. 裏切り者の末路(第二稿)   尚巴志たち、メイファンの敵討ちを助ける。
  12. 島影に隠れた海賊船(第二稿)   尚巴志たち、明の海賊船に乗る。
  13. 首里のお祭り(第二稿)   護佐丸、ササたちと祭りの警備をする。
  14. 富楽院の桃の花(第二稿)   尚巴志たち、明国の都、応天府に着く。
  15. 応天府の夢に酔う(第二稿)   尚巴志たち、最高級の妓楼で夢を見る。
  16. 真武神の奇跡(第二稿)   討伐軍を破って皇帝になった永楽帝
  17. 武当山の仙人(第二稿)   尚巴志たち、武当山で張三豊と出会う。
  18. 霞と拳とシンシンと(第二稿)   尚巴志とウニタキ、張三豊に武術を習う。
  19. 刺客の背景(第二稿)   馬天ノロ、刺客の正体を探る。
  20. 龍虎山の天師(第二稿)   尚巴志たち、道教の本山、龍虎山に行く。
  21. 西湖のほとりの幽霊屋敷(第二稿)   尚巴志たち、三姉妹と再会する。
  22. 清ら海、清ら島(第二稿)  三姉妹と張三豊が琉球に来る。
  23. 今帰仁の天使館(第二稿)   旅に出た張三豊たちが帰って来る。
  24. 山北王の祝宴(第二稿)   攀安知、志慶真の長老から今帰仁の歴史を聴く。
  25. 三つの御婚礼(第二稿)   サグルー、尚忠、護佐丸、妻を迎える。
  26. マチルギの御褒美(第二稿)   尚巴志、妻のマチルギにしぼられる。
  27. 廃墟と化した二百年の都(第二稿)   尚巴志、ウニタキと浦添に行く。
  28. 久高島参詣(第二稿)  思紹王、女たちを連れて久高島へ行く。
  29. 丸太引きとハーリー(第二稿)   尚巴志、豊見グスクでハーリーを見る。
  30. 浜辺の酒盛り(第二稿)   尚巴志、ヤマトゥに行くマチルギたちを見送る。
  31. 女たちの船出(第二稿)   マチルギたち、長い船旅を楽しみ博多に着く。
  32. 落雷(第二稿)   尚巴志、雷鳴を聞きながらマジムン退治を思い出す。
  33. 女の闘い(第二稿)   三姉妹の船が来て、メイユーとナツが会う。
  34. 対馬の海(第二稿)   マチルギ、対馬島でイトとユキに会う。
  35. 龍の爪(第二稿)   尚巴志、ウニタキ、懐機、朝鮮旅の計画を練る。
  36. 笛の調べ(第二稿)   久し振りに佐敷グスクから笛の音が流れる。
  37. 初孫誕生(第二稿)   尚忠の長男、尚志達、生まれる。
  38. マチルギの帰還(第二稿)   女たちがヤマトゥから無事に帰国する。
  39. 娘からの贈り物(第二稿)   尚巴志、マチルギから旅の話を聞く。
  40. ササの強敵(第二稿)   馬天ノロ、日代(ティーダシル)の石を探し始める。
  41. 眠りから覚めたガーラダマ(第二稿)   ササ、読谷山で古い勾玉を見つける。
  42. 兄弟弟子(第二稿)   尚巴志、兼グスク按司武当拳の試合をする。
  43. 表舞台に出たサグルー(第二稿)   サグルー、尚巴志の代理を見事に務める。
  44. 中山王の龍舟(第二稿)   ウニタキの新しい隠れ家が完成する。
  45. 佐敷のお祭り(第二稿)   尚巴志の一節切と佐敷ヌルの横笛に大喝采。
  46. 博多の呑碧楼(第二稿)   朝鮮旅に出た尚巴志たち、博多に着く。
  47. 瀬戸内の水軍(第二稿)   尚巴志村上水軍と塩飽水軍の頭領と会う。
  48. 七重の塔と祇園祭り(第二稿)   尚巴志たち、京都に着く。
  49. 幽玄なる天女の舞(第二稿)   尚巴志が一節切を吹くと美女が舞う。
  50. 天空の邂逅(第二稿)   尚巴志たち、七重の塔に登って感激する。
  51. 鞍馬山(第二稿)   尚巴志たち、鞍馬山で武術修行。
  52. 唐人行列(第二稿)   尚巴志、増阿弥の芸に感動する。
  53. 対馬の娘(第二稿)   尚巴志、イトと再会、ユキとミナミに会う。
  54. 無人島とアワビ(第二稿)   尚巴志、昔の顔なじみと再会する。
  55. 富山浦の遊女屋(第二稿)   尚巴志たち、富山浦(釜山)に渡る。
  56. 渋川道鎮と宗讃岐守(第二稿)   尚巴志九州探題対馬守護に会う。
  57. 漢城府(第二稿)   尚巴志たち、朝鮮の都に到着する。
  58. サダンのヘグム(第二稿)   尚巴志たち、ナナの案内で都見物。
  59. 開京の将軍(第二稿)   尚巴志たち、高麗の都に行く。
  60. 李芸とアガシ(第二稿)   尚巴志、李芸と会う。
  61. 英祖の宝刀(第二稿)   佐敷ノロ、神様の声を聞いて宝刀を探す。
  62. 具志頭按司(第二稿)   佐敷ノロ、お祭りでお芝居を上演する。
  63. 対馬慕情(第二稿)   尚巴志、家族を連れて舟旅に出る。
  64. 旧港から来た娘(第二稿)   尚巴志、旧港の施二姐と会う。
  65. 龍天閣(第二稿)  尚巴志、旧港の船を連れて琉球に帰る。
  66. 雲に隠れた初日の出(第二稿)   尚巴志、上間グスクの警固を強化する。
  67. 勝連の呪い(第二稿)   尚巴志の義兄サムが勝連按司になる。
  68. 思紹の旅立ち(第二稿)   思紹、張三豊と一緒に明国に行く。
  69. 座ったままの王様(第二稿)   佐敷大親とジクー禅師、ヤマトゥに行く。
  70. 二人の官生(第二稿)   尚巴志、明国に送る留学生を決める。
  71. ンマムイが行く(第二稿)   兼グスク按司、家族を連れて今帰仁に行く。
  72. ヤンバルの夏(第二稿)   兼グスク按司、家族を連れてヤンバルを巡る。
  73. 奥間の出会い(第二稿)   兼グスク按司、奥間で隠し事を聞いて驚く。
  74. 刺客の襲撃(第二稿)   兼グスク按司、ヤンバルの山中で襲われる。
  75. 三か月の側室(第二稿)   メイユー、尚巴志の側室になる。
  76. 百浦添御殿の唐破風(第二稿)   首里グスク正殿の改築が完成する。
  77. 武当山の奇跡(第二稿)   思紹、武当山で張三豊の凄さを知る。
  78. イハチの縁談(第二稿)   米須按司と玻名グスク按司が東方に寝返る。
  79. 山南王と山北王の同盟(第二稿)   山北王の娘が山南王の三男に嫁いで来る。
  80. ササと御台所様(第二稿)   ササ、伊勢神宮で神様の声を聞く。
  81. 玉依姫(第二稿)   ササ、豊玉姫のお墓で玉依姫の声を聞く。
  82. 伊平屋島と伊是名島(第二稿)   伊平屋島の親戚たちが逃げてくる。
  83. 伊平屋島のグスク(第二稿)   サグルーと尚忠と護佐丸、伊平屋島に行く。
  84. 豊玉姫(第二稿)   ヒューガの師匠、慈恩禅師が琉球に来る。
  85. 五年目の春(第二稿)   尚巴志、龍天閣で今年の計画を練る。
  86. 久高島の大里ヌル(第二稿)   ササ、神様から願い事を頼まれる。
  87. サグルーの長男誕生(第二稿)   兼グスク按司の新しいグスクが完成する。
  88. 与論島(第二稿)   ウニタキ、与論島に行き、与論ヌルと再会する。
  89. ユンヌのお祭り(第二稿)   尚巴志、ササたちと与論島に行く。
  90. 伊是名島攻防戦(第二稿)   伊是名島で中山王と山北王の戦が始まる。
  91. 三王同盟(第二稿)   中山王と山北王の同盟が決まり、山南王も加わる。
  92. ハルが来た(第二稿)   山南王から尚巴志に側室が贈られる。
  93. 鉄炮(第二稿)   三姉妹がアラビアの商品と鉄炮を持って来る。
  94. 熊野へ(第二稿)   ササ、将軍様の奥方と一緒に熊野詣でに出掛ける。
  95. 新宮の十郎(第二稿)   サスカサ、神倉山で十郎の話を聞く。
  96. 奄美大島のクユー一族(第二稿)   本部のテーラー、奄美大島を攻める。
  97. 大聖寺(第二稿)   首里に最初のお寺が完成する。
  98. ジャワの船(第二稿)   ヤマトゥに行った交易船がジャワの船を連れて来る。
  99. ミナミの海(第二稿)   早田左衛門太郎が、イトとユキとミナミを連れて来る。
  100. 華麗なる御婚礼(第二稿)   チューマチ、山北王の娘マナビーを妻に迎える。
  101. 悲しみの連鎖(第二稿)   玉グスク按司から始まって、続けて五人が亡くなる。
  102. 安須森(第二稿)   佐敷ノロ、ササたちを連れて安須森に行く。
  103. 送別の宴(第二稿)   尚巴志、早田左衛門太郎たちを連れて慶良間の島に行く。
  104. アキシノ(第二稿)   ヤマトゥ旅に出た佐敷ノロとササたち、厳島神社に行く。
  105. 小松の中将(第二稿)   大原寂光院で高橋殿が平維盛と華麗に舞う。
  106. ヤンバルのウタキ巡り(第二稿)   馬天ノロたち、今帰仁に行く。
  107. 屋嘉比のお婆(第二稿)   馬天ノロ、安須森で神様にお礼を言われる。
  108. 舜天(第二稿)   馬天ノロ、浦添ノロを連れて喜舎場森に行く。
  109. ヌルたちのお祈り(第二稿)   馬天ノロたち、南部のウタキを巡る。
  110. 鳥居禅尼(第二稿)   佐敷ノロ、熊野で平維盛の足跡をたどる。
  111. 寝返った海賊(第二稿)   三姉妹が来て、大きな台風も来る。
  112. 十五夜(第二稿)   サスカサ、島添大里グスクで中秋の名月を祝う。
  113. 親父の悪夢(第二稿)   山南王、悪夢にうなされて、出陣を決意する。
  114. 報恩寺(第二稿)   ヤマトゥの交易船が旧港の船を連れて帰国する。
  115. マツとトラ(第二稿)   尚巴志対馬の旧友を連れて首里に行く。
  116. 念仏踊り(第二稿)   辰阿弥が首里のお祭りで念仏踊りを踊る。
  117. スサノオ(第一稿)   懐機の娘が佐敷大親の長男に嫁ぐ。
  118. マグルーの恋(第一稿)   ヤマトゥ旅に出たマグルーを待っている娘。
  119. 桜井宮(第一稿)   馬天ノロ、各地のノロたちを連れて安須森に行く。
  120. 鬼界島(第一稿)   山北王の弟、湧川大主、喜界島を攻める。
  121. 盂蘭盆会(第一稿)   三姉妹、パレンバン、ジャワの船が琉球にやって来る。
  122. チヌムイ(第一稿)   山南王、汪応祖、死す。
  123. タブチの決意(第一稿)   弟の死を知ったタブチは隠居する。
  124. 察度の御神刀(第一稿)   タブチ、山南王になる。
  125. 五人の御隠居(第一稿)   汪応祖の死を知った思紹、戦評定を開く。
  126. タブチとタルムイ(第一稿)   八重瀬グスクで戦が始まる。
  127. 王妃の思惑(第一稿)   汪応祖の葬儀のあと、戦が再開する。
  128. 照屋大親(第一稿)   山南王の進貢船が帰って来る。



主要登場人物

 

第一部 目次

目次 第一部

尚巴志伝 第一部 月代の石

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このイラストはは和々様よりお借りしました。

 

  1. 誕生(最終決定稿)   尚巴志、佐敷苗代に生まれる。
  2. 馬天浜(最終決定稿)   サミガー大主とヤマトゥの山伏、クマヌ。
  3. 察度と泰期(最終決定稿)   浦添按司察度、過去を振り返る。
  4. 島添大里グスク(最終決定稿)   島添大里グスク、汪英紫に奪われる。
  5. 佐敷グスク(最終決定稿)   尚巴志の父、佐敷按司になる。
  6. 大グスク炎上(最終決定稿)   大グスク、汪英紫(島添大里按司)に奪われる。
  7. ヤマトゥ酒(最終決定稿)   早田三郎左衛門、馬天浜に来る。
  8. 浮島(最終決定稿)   尚巴志、早田左衛門太郎と旅に出る。
  9. 出会い(最終決定稿)   尚巴志、伊波按司の娘と剣術の試合をする。
  10. 今帰仁グスク(最終決定稿)   尚巴志、今帰仁に行く。
  11. 奥間(最終決定稿)   尚巴志、奥間村に滞在する。
  12. 恋の病(最終決定稿)   旅から帰った尚巴志、マチルギを想う。
  13. 伊平屋島(最終決定稿)   尚巴志、祖父の故郷に行く。
  14. ヤマトゥ旅(最終決定稿)   尚巴志、ヤマトゥへ旅立つ。
  15. 壱岐島(最終決定稿)   尚巴志、壱岐島で察度の噂を聞く。
  16. 博多(最終決定稿)   尚巴志、ヤマトゥの都を見て驚く。
  17. 対馬島(最終決定稿)   尚巴志、早田左衛門太郎の故郷に滞在する。
  18. 富山浦(最終決定稿)   尚巴志、高麗に行く。
  19. マチルギ(最終決定稿)   尚巴志の恋敵、ウニタキ現れる。
  20. 兵法(最終決定稿)   尚巴志、対馬で修行に励む。
  21. 再会(最終決定稿)   帰って来た尚巴志、マチルギと再会。
  22. ウニタキ(最終決定稿)   尚巴志、ウニタキと一緒に勝連グスクに行く。
  23. 名護の夜(最終決定稿)   尚巴志、マチルギと今帰仁に行く。
  24. 山田按司(最終決定稿)   尚巴志、マチルギの叔父、山田按司と会う。
  25. お輿入れ(最終決定稿)   マチルギ、尚巴志に嫁ぐ。
  26. 高麗の対馬奇襲(最終決定稿)   早田左衛門太郎の本拠地、高麗に攻められる。
  27. 豊見グスク(最終決定稿)   シタルー(汪応祖)、豊見グスクを築く。
  28. サスカサ(最終決定稿)   尚巴志とマチルギ、馬天ノロと旅に出る。
  29. 長男誕生(最終決定稿)   マチルギと馬天ノロ、神様になる。
  30. 出陣命令(最終決定稿)   察度、各按司に今帰仁征伐を命じる。
  31. 今帰仁合戦(最終決定稿)   中山王、山北王の今帰仁グスクを攻める。
  32. 次男誕生(最終決定稿)  尚巴志の次男(尚忠)と山田按司の次男(護佐丸)生まれる。
  33. 十年の計(最終決定稿)   尚巴志、佐敷按司(父)、鮫皮大主(祖父)と密談する。
  34. 東行法師(最終決定稿)   父が隠居して、尚巴志、佐敷按司となる。
  35. 首里天閣(最終決定稿)   察度、浦添按司を武寧に譲って隠居する。
  36. 浜川大親(最終決定稿)   ウニタキは妻子を殺され、シタルーは明に行く。
  37. 旅の収穫(最終決定稿)   奥間のサタルーと対馬のユキ。
  38. 久高島(最終決定稿) 尚巴志はマチルギに怒られ、ウニタキはチルーといい感じ。
  39. 運玉森(最終決定稿)   三好日向、尚巴志のために山賊になる。
  40. 山南王(最終決定稿)   承察度が亡くなり、若按司が山南王になる。
  41. 傾城(最終決定稿)   山南王、中山王の怒りを買って、汪英紫に攻められる。
  42. 予想外の使者(最終決定稿)   尚巴志夫婦、弟のマサンルー夫婦と旅をする。
  43. 玉グスクのお姫様(最終決定稿)   尚巴志、玉グスクと同盟を結ぶ。
  44. 察度の死(最終決定稿)   山北王のミンと奥間の長老も亡くなる。
  45. 馬天ヌル(最終決定稿)   馬天ノロ、御嶽巡りの旅に出る。
  46. 夢の島(最終決定稿)   早田左衛門太郎、慶良間の夢の島に行く。
  47. 佐敷ヌル(最終決定稿)  尚巴志の妹、マシューの気持ちとマカマドゥの決心。
  48. ハーリー(最終決定稿)   尚巴志夫婦と佐敷ノロ、ハーリーを見物。
  49. 宇座の御隠居(最終決定稿)   宇座の泰期が亡くなり、尚巴志夫婦は悲しむ。
  50. マジムン屋敷の美女(最終決定稿)  尚巴志、島添大里グスクに側室を入れる。
  51. シンゴとの再会(最終決定稿)   早田左衛門太郎、朝鮮に投降する。
  52. 不思議な唐人(最終決定稿)   尚巴志、懐機と出会う。
  53. 汪英紫、死す(最終決定稿)   懐機、旅から帰り、武術を披露する。
  54. 家督争い(最終決定稿)   達勃期と汪応祖が山南王の家督を争う。
  55. 大グスク攻め(最終決定稿)   尚巴志、大グスクを攻め落とす。
  56. 作戦開始(最終決定稿)   尚巴志、大グスクノロと再会する。
  57. シタルーの非情(最終決定稿)   達勃期、弟の汪応祖に敗れる。
  58. 奇襲攻撃(最終決定稿)   尚巴志、島添大里グスクを攻め落とす。
  59. 島添大里按司(最終決定稿)   尚巴志、島添大里按司になる。
  60. お祭り騒ぎ(最終決定稿)   尚巴志、城下の者たちと戦勝祝い。
  61. 同盟(最終決定稿)   尚巴志、山南王と同盟する。
  62. マレビト神(最終決定稿)   外間ノロと佐敷ノロにマレビト神が現れる。
  63. サミガー大主の死(最終決定稿)   神の声を聞いたウニタキ。
  64. シタルーの娘(最終決定稿)   山南王のお姫様の悩みと青い海
  65. 上間按司(最終決定稿)   明国の使者が二十年振りにやって来る。
  66. 奥間のサタルー(最終決定稿)   尚巴志、奥間ノロに魅了される。
  67. 望月ヌル(最終決定稿)   謎の爺さん、望月党を語る。
  68. 冊封使(最終決定稿)   首里の宮殿の儀式で、武寧と汪応祖、正式に王になる。
  69. ウニョンの母(最終決定稿)   ウニタキ、亡くなった妻の秘密を知る。 
  70. 久米村(最終決定稿)   尚巴志とウニタキ、懐機に呼ばれて久米村に行く。
  71. 勝連無残(最終決定稿)   勝連按司が奇病に倒れる。 
  72. 伊波按司(最終決定稿)   大きな台風が来て各地で被害が出る。
  73. ナーサの望み(最終決定稿)   ウニタキ、ナーサを味方に引き入れる。
  74. タブチの野望とシタルーの誤算(最終決定稿)  八重瀬按司、中山王と同盟する。
  75. 首里グスク完成(最終決定稿)   中山王と山南王の決戦が迫る。
  76. 首里のマジムン(最終決定稿)   尚巴志、首里グスクを奪い取る。 
  77. 浦添グスク炎上(最終決定稿)   浦添グスクは焼け落ち、亜蘭匏は消える。
  78. 南風原決戦(最終決定稿)   尚巴志、中山軍を壊滅させる。
  79. 包囲陣崩壊(最終決定稿)   達勃期は出直し、汪応祖は首里を攻める。
  80. 快進撃(最終決定稿)   尚巴志、中グスク、越来グスクを攻め落とす。
  81. 勝連グスクに雪が降る(最終決定稿)   尚巴志、勝連グスクを落とす。

 

尚巴志伝 第二部 目次

 

・尚巴志伝の年表

・第一部の主要登場人物

・尚巴志の略歴

・尚巴志の祖父、サミガー大主の略歴

・尚巴志の父、思紹の略歴

・馬天ヌル(馬天ノロ)の略歴

・中山王、察度の略歴

・中山王、武寧の略歴

・汪英紫の略歴

・山南王、汪応祖の略歴

・泰期の略歴

・クマヌの略歴

・三好日向の略歴

・早田左衛門太郎の略歴

・ウニタキの略歴

・懐機の略歴

・倭寇年表

第二部 主要登場人物

サハチ       1372-1439  尚巴志。島添大里按司
マチルギ      1373-    尚巴志の妻。伊波按司の娘。
サグルー      1390-    尚巴志の長男。妻は護佐丸の妹、マカトゥダル。
ジルムイ      1391-    尚巴志次男。後の尚忠。妻はサムの娘、ユミ。
ミチ        1393-    尚巴志の長女。島添大里ヌル、サスカサ。
イハチ       1394-    尚巴志の三男。妻は具志頭按司の娘、チミー。
チューマチ     1396-    尚巴志の四男。妻は山北王の娘、マナビー。
マグルー      1398-1453  尚巴志の五男。妻は兼グスク按司の娘、マウミ。
思紹        1354-1421 中山王。尚巴志の父。
佐敷ヌル      1374-    尚巴志の妹、マシュー。シンゴと結ばれ娘を産む。
佐敷大親      1376-    尚巴志の弟、マサンルー。妻は奥間大親の娘、キク。
平田大親      1378-    尚巴志の弟、ヤグルー。妻は玉グスク按司の娘。
与那原大親     1383-    尚巴志の弟、マタルー。妻はタブチの娘、マカミー。
クルー       1388-    尚巴志の弟、妻は山南王シタルーの娘、ウミトゥク。
馬天ヌル      1357-    思紹の妹、尚巴志の叔母。
ササ        1391-    馬天若ヌル。父はヒューガ。母は馬天ヌル。
ヒューガ      1355-1470 三好日向。中山の水軍大将。
苗代大親      1360-    思紹の弟。サムレー総隊長。武術師範。
マカマドゥ     1392-    苗代大親の三女。マウシ(護佐丸)の妻。
クグルー      1386-    泰期の三男。苗代大親の娘婿。
サミガー大主    1356-    思紹の弟、ウミンター。
シビー       1395-    尚巴志の従妹。メイユーの弟子になる。
ウニタキ      1372-1433 三星大親。「三星党」の頭。
チルー       1368-    ウニタキの妻。尚巴志の母の妹。
イーカチ      1373-    「三星党」の副頭。絵画き。
ナツ        1381-    ウニタキの配下から尚巴志の側室になる。
シズ        1389-    ウニタキの配下。ササと一緒にヤマトゥに行く。
ヤールー      1385-    ウニタキの配下。サグルーを守っている。
ファイチ      1375-1453 懐機。明国の道士。尚巴志の客将。
サスカサ      1354-    ミチにサスカサを譲り、運玉森ヌルになる。
マウシ       1391-1458 真牛。山田按司次男尚巴志の甥。護佐丸。
マカトゥダル    1392-    護佐丸の妹。サグルーの妻。
マサルー      1364-    山田按司の家臣。
シラー       1391-    マサルーの次男
クマヌ       1346- 1412 中グスク按司。中山の重臣。
美里之子      1362-    越来按司。中山の重臣。思紹の義弟。
當山之子      1365-    美里之子の弟。浦添按司になる。
クサンルー     1387-    當山之子の長男。浦添按司
カナ        1391-    當山之子の長女。浦添ヌル。
サム        1372-    後見役から勝連按司になる。伊波按司の四男。
ユミ        1392-    サムの長女。ジルムイ(尚忠)の妻。
ナーサ       1352-    首里の遊女屋「宇久真」の女将。
マユミ       1389-    「宇久真」の遊女。
宇座按司      1355-    泰期の次男。父の跡を継いで明国への使者となる。
シタルー      1362-1413  山南王。汪応祖
トゥイ       1363-    シタルーの正妻。山南王妃。察度の娘。
タルムイ(太郎思) 1385-1429  豊見グスク按司。シタルーの長男。妻は尚巴志の妹。
豊見グスクヌル   1382-    シタルーの長女。タルムイの姉。
兼グスク按司    1389-    ジャナムイ。シタルーの次男
保栄茂按司     1393-    グルムイ。シタルーの三男。妻は山北王の娘。
長嶺按司      1389-    シタルーの娘婿。
マアサ       1896-    シタルーの五女。
座波ヌル      1382-    山南王シタルーの側室。
島尻大里ヌル    1368-    ウミカナ。シタルーの妹。
タブチ       1360-    八重瀬按司。山南王シタルーの兄。
エータルー     1381-    タブチの長男。
チヌムイ      1395-    タブチの四男。
ミカ        1392-    八重瀬若ヌル。タブチの六女。チヌムイの姉。
八重瀬ヌル     1361-    タブチの妹。シタルーの姉。
サイムンタルー   1361-1429  早田左衛門太郎。対馬島倭寇の頭領。
早田六郎次郎    1387-    左衛門太郎の跡継ぎ。妻はユキ。
ユキ        1388-    六郎次郎の妻。尚巴志の娘。母はイト。
イト        1372-    対馬島の女船長。ユキの母。
シンゴ       1372-    早田新五郎。左衛門太郎の弟。
マツ        1372-    中島松太郎。早田左衛門太郎の家臣。
トラ        1372-    大石寅次郎。早田左衛門太郎の家臣。
早田五郎左衛門   1349-    左衛門太郎の叔父。朝鮮国の富山浦に住む商人。
早田丈太郎     1371-    五郎左衛門の長男。漢城府の津島屋の主人。
浦瀬小次郎     1375-    五郎左衛門の娘婿。
早田ナナ      1388-    早田次郎左衛門の娘。
サングルミー    1371-    与座大親。中山の進貢船の正使。
メイファン     1379-    張美帆。明国の海賊の娘。
メイリン      1374-    張美玲。メイファンの姉。
スーヨン      1387-    張思永。メイリンの娘。
メイユー      1376-    張美玉。メイファンの姉。尚巴志の側室になる。
ラオファン     1338-    黄敬。三姉妹の武術の師匠。
リェンリー     1376-    黄怜麗。ラオファンの娘。
ジォンダオウェン  1364-    鄭道文。三姉妹の配下の海賊。
ユンロン      1387-    鄭芸蓉。ジォンダオウェンの娘。 
リュウジャジン   1362-    劉嘉景。三姉妹の配下の海賊。
リィェンファ    1377-    楊蓮華。富楽院の妓楼『桃香滝』の女将。
ヂュヤンジン    1375-    朱洋敬。懐機の友。宮廷に仕える役人。
永楽帝       1360-1424  明国の皇帝。
リュウイェンウェイ 1389-    劉媛維。富楽院の最高級妓楼『酔夢楼』の妓女。
ファイホン     1379-    懐虹。懐機の妹。
ヂャンサンフォン  1247-    張三豊。武当山の道士で、武当拳創始者
シンシン      1390-    范杏杏。張三豊の弟子。
フカマヌル     1372-    外間ノロ。久高島のノロ。尚巴志の腹違いの妹。
奥間大親      1357-    ヤキチ。奥間から来た尚巴志の護衛役。中山の重臣。
平安名大親     1348-    勝連の重臣。ウニタキの叔父。
勝連ヌル      1369-    ウニタキの姉。
伊波按司      1363-    マチルギの兄。
山田按司      1365-    マチルギの兄。
攀安知       1376-1416  山北王。
マナビー      1397-    攀安知の次女。チューマチの妻。
涌川大主      1377-    攀安知の弟。
勢理客ヌル     1356-    アオリヤエ。攀安知の叔母。
アタグ       1355-    山北王に仕えるヤマトゥの山伏。
本部のテーラー   1376-1416  攀安知の幼馴染み。サムレー大将。
兼グスク按司    1378-    ンマムイ。武寧の次男。妻は攀安知の妹。
マハニ       1379-    兼グスク按司の妻。山北王、攀安知の妹。
マウミ       1399-    ンマムイの長女。
ヤタルー師匠    1359-    阿蘇弥太郎。ンマムイの武術の師匠。
慈恩禅師      1350-1448  禅僧であり武芸者。ヒューガの師匠。
飯篠修理亮     1387-1488 武芸者。長威斎。
二階堂右馬助    1390-    慈恩の弟子。
一文字屋孫三郎   1361-    次郎左衛門の弟。坊津の一文字屋主人。
みお        1394-    一文字屋孫三郎の三女。
村上又太郎     1386-    村上水軍の頭領の長男。上関を守っている。
村上あや      1392-    村上又太郎の妹。
塩飽三郎入道    1358-    塩飽水軍の頭領。
一文字屋次郎左衛門 1355-    京都の一文字屋の主人。
まり        1394-    一文字屋次郎左衛門の三女。
高橋殿       1376-    足利義満の側室。道阿弥の娘。
対御方       1379-    足利義満の側室。高橋殿に仕えている。
平方蓉       1383-    陳外郎の娘。高橋殿に仕えている。
足利義持      1386-1428  室町幕府第四代将軍。
日野栄子      1390-1431  足利義持の奥方。
勘解由小路殿    1350-1410  斯波道将。将軍様の補佐役。
斯波左兵衛督    1371-1418  勘解由小路殿の嫡男。将軍様の補佐役。
中条兵庫助     1359-    将軍様の武術指南役。慈恩禅師の弟子。
中条奈美      1380-    中条兵庫助の娘。夫が戦死し、高橋殿に仕える。
外郎       1360-    陳宗奇。薬師。外交使節の接待役。
魏天        1350-    将軍様に仕える明国の通事。
栄泉坊       1389-    東福寺を追い出された画僧。
増阿弥       1368-    奈良の田楽新座の太夫。
一徹平郎      1355-    北野天満宮の宮大工。
源五郎       1359-    腕はいいが変わり者の瓦職人。
新助        1379-    龍ばかり彫っている等持寺の大工。
渋川道鎮      1372-1446  九州探題。勘解由小路殿の娘婿。
宗讃岐守貞茂    1364-1418  対馬守護。
平道全       1376-    宗貞茂の家臣。
宗金        1380-    博多妙楽寺の僧。
李芸        1373-1445  倭寇にさらわれた母親を探している朝鮮の役人。
シーハイイェン   1390-    施海燕。旧港宣慰司、施進卿の次女。施二姐。
ツァイシーヤオ   1390-    蔡希瑶。シーハイイェンの親友。
シュミンジュン   1342-    徐鳴軍。シーハイイェンの師匠。張三豊の弟子。
ワカサ       1364-    旧港の通事。若狭出身の倭寇
奥間の長老     1348-    ヤザイム。奥間大主。
サタルー      1387-    奥間の長老の跡継ぎ。尚巴志の息子。
奥間ヌル      1374-    奥間村のノロ。尚巴志の娘ミワを産む。
米須按司      1357-    摩文仁大主。武寧の弟。若按司の妻はタブチの娘。
玻名グスク按司   1358-    中座大主。タブチの義兄。
真壁按司      1353-    山グスク大主。玻名グスク按司の義兄。
伊敷按司      1363-    ナーグスク大主。真壁按司の義弟。
イサマ       1375-    伊平屋島の田名大主の長男。田名親方の兄。
我喜屋大主     1359-    田名大主の弟。イサマの叔父。
サミガー親方    1361-    与論島で鮫皮を作っている親方。
麦屋ヌル      1373-    先代の与論按司の娘。ウニタキの従妹。
ハル        1395-    山南王のシタルーから尚巴志に贈られた側室。
クムン       1373-    島尻大里から来た石屋。
スヒター      1391-   マジャパイト王国の女王クスマワルダニの娘。
辺戸ヌル      1360-   安須森の麓の辺戸村のヌル。
カミー       1402-    アフリヌルの孫娘。
屋嘉比のお婆    1320-    先々代の屋嘉比ヌル。
福寿坊       1387-    備前児島の山伏。
辰阿弥       1384-    時衆の武芸者。
ブラゲー大主    1353-    チヌムイの祖父。貝殻を扱うウミンチュの親方。
小渡ヌル      1380-    父は察度の三男の越来按司。母は山北王珉の妹。

 

スサノオ            ヤマト国の大王。牛頭天王
豊玉姫             スサノオの妻。
玉依姫             スサノオ豊玉姫の娘。ヒミコ。アマテラス。
アマン姫            玉依姫の妹。アマミキヨ
ユンヌ姫            アマン姫の娘。